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はまっているもの

今期、ずっとはまっていたドラマがあった。
実は、あまりにもはまり過ぎて、最終回をまだ録画のまま観れずにいる。観終えることが耐えられないから。
はまり過ぎて、寝ても覚めてもそのことばかり。そのドラマ放映前日は、大人気なくもわくわくして心ここにあらずだった。

こんなにドラマにはまったのは久しぶり。ちょっとした現実逃避だ。
何ていうか、懐かしいのだ。まだ、夢も希望もあったあの頃に戻れているような、そんな錯覚。
90年代のヒットソングを聴いたら、一瞬で昔に戻れるーそんな感覚だ。





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たるみきった顔と体に、清らかで楽しかったあの頃の思い出を重ねると、それは悲しい程にずれていて輪郭すら辿れない。
あの頃は、ドラマのヒロインにだってなれるかもしれないという淡くも強い期待があった。まだ、十分若かったからだ。身の程知らずで怖いもの知らずだったのだ。
今はもう、主人公に自分を重ねることは無い。むしろ、重ねるとしたら我が子とだ。
全てのドラマ、はまっていてもいつの間に、感情移入しているとしたら、我が身としてではなく母目線としてなのだ。




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希望的観測

お花見をしたくて、子を誘ったが、あっさり振られてしまった。
友達ー、厳密に言えば、友達家族に誘われているのでそちらの花見に行くとのこと。
4年生のクラスメイトー、仲良し三人組の1人に誘われたのだ。

子が帰宅し、一部始終を聞いた。
友達には妹がおり、その妹の友達とママ友での花見だったらしく、子は、その妹らの世話要員だったのだ。


「ママ達、お酒飲んで楽しそうだった!」


クラスメイトママの顔を知らないが、子を都合良く使われた気がして面白く無かった。気を遣って、差し入れに苺とお菓子を持って行かせたことを、正直後悔した。
本音を言えば、妬みだったのかもしれない。会ったことも無いクラスメイトのママのリア充ぶりが妬ましく面白く無かったのだ。






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一方私はというと、子に振られたので一人、隣町の公園まで花見をしに行った。暑かったので、自宅で淹れたアイスコーヒーをタンブラーにうつしたのを片手に。
ママ友家族は勿論、カップルや大学生、また年齢不詳な男女の集団など、老若男女様々が美しく咲き誇る桜に魅入られていた。
私も、カメラのシャッターを押す。今日は、カメラ女子気取り。一眼レフの出番だ。
趣味を持とう。それが、人と関わるものではないにしても、夢中になれる何かはこの先長い人生には必要だ。


ーあと何回、この花を見ることが出来るのかー


カメラにおさめながらも、切ない気持ちに苛まれる。やはり、無理してでも子と来よう。一緒に花見をしよう。ダメ元で夫も誘って。
人生は一度切り。色々思うことはあっても、家族は家族。
諦めず、根気強く、共有する思い出を増やすことで奇跡は起こるかもしれないー、希望的観測だけれど。




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今日の写真






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今日の写真









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体臭

最近、子の頭皮の匂いが気になる。
きちんと洗えていないのかと思い、一緒に風呂に入った際、私が念入りに仕上げ洗いをするが、効果なし。
ドライヤーで乾かし始めたところから既に油臭い。
汗臭さでも泥臭さでもなく、独特な油臭さなのだ。本人は気付いていないようだし、そのまま様子を見ていたけれど、それでも気になる。
以前、脇の匂いについても気になったけれど、どうやら子は、発汗機能が普通の子供よりも著しいのか?

体付きも変わり、そういった部分においても変化が見られるのだろう。





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シャンプーやリンスを変えた方が良いのかと思い、色々な口コミを見てみた。それで、良さそうなシャンプーとリンスを、多少値は張るが購入した。 薬用なので、肌にも良さそう。

早速、使用することにした。そして、シャンプーの蓋を開けた途端、購入を後悔した。匂いがとにかくきついのだ。
洗いたてのふんわりとした石鹸のような香りになればーと思ったけれど、ほのかな香りが強い臭みに勝てるわけがない。
まるで、香水。それも、顔をそむけたくなるほどの。レシートはあるので、返品しようと思う。
こういう時に、試供品セットでも販売していてくれたらと思う。小さな旅行用のボトルはあっても、割高過ぎる。




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話術のプロ

やるべきことがあると、楽だ。指示待ちでだだっ広い部屋に放置されることに比べたら、忙しいくらいが丁度良い。
転校生ママと一緒に、手作りのガーランドを壁に貼る。共に作業をするうちに、なんとなく雑談も始まる。
折角、話し掛けて来てくれても、素敵ママの動向が気になり集中出来ない。

送る会では、いくつかのゲームや下級生から出し物をいくつか。手品だったり歌だったり。途中、宅配ピザでランチをしたら、皆でケーキ作り。
市販のスポンジと生クリームを使って、色々なお菓子でデコレーションするだけの簡単なもの。しかし、子供達は盛り上がっていた。

ランチは、何となく出来たママテーブルの端っこに座らせて貰った。そこでも隣は転校生ママ。私にやたらと話し掛けて来てくれる。まだ、私のことを知らないからだ。
私にママ友がなくいつも引き籠っていると知れば、すぐに離れて行くだろう。

素敵ママが、転校生ママの隣に座る。そして、彼女に話し掛ける。あぁ、やっぱりと思っていたら、


「OOちゃん、ピアノ習ってるよね。どこの教室だっけ?」


急に話し掛けられた。




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転校生ママの娘もピアノを習っていたが、こちらに越してからは、まだ教室が見付からないとのことだった。
ドキドキしながら、個人レッスンだということと住所を教えた。素敵ママの目を、やっと見れた。すぐに反らしてしまった。すべてを見透かされているようで、居心地が悪かった。
習い事の話になり、塾の話になり、進路の話。中学の部活だとか、その他色々な話題を次から次へと提供する素敵ママ。
そして、転校生ママだけではなく私に向かっても、臆することなくバンバン話し掛けてくれる。本当に、この人のコミュニケーション術の長けていることといったらない。
いつしか、表面上は元通りになっていた私達。いや、彼女の方は元通りも何も、はじめから何とも思っていなかったのかもしれない。気にしていたのは、私だけ。

会は滞りなく終了した。卒業生もそれを送る下級生も、最後の方はしんみりするどころか、ぎゃあぎゃあ騒いで煩かった。でも、仲が良い証拠だ。
まだ、駆け引きだとか社交辞令だとか、そういった面倒な付き合いなどなさそうな彼らが羨ましかった。




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どの面下げて・・・

子ども会の今年度最後の行事、6年生を送る会の手伝いに行って来た。
夫は休みだし、子が参加するので、家にいる訳にいかなかったのだ。
いつも以上に気が進まないのは、素敵ママに合わす顔がないことも理由の一つ。
しかし、そんな私の思いは杞憂に終わった。
集会所に出向くと、大勢のママ達と子供達の群れ。子は下級生の仲良しを見付けると、すぐに私の元を離れて行ってしまい、早速手持無沙汰。
酒井さんや会長、そして素敵ママ等の笑い声が聞こえ、既に家に引き返したい思いだったが、夫在宅なのでそれもかなわない。




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「おはようございます。」


背後から声が聞こえ振り向くと、見慣れない顔。誰だろうと思いつつ挨拶し返すと、例の転校生のママだということが分かる。
ご丁寧に、向こうから自己紹介をしてくれた。


「同学年ですよね。よろしくお願いします。」


共に部屋に入ると、一斉にこちらに視線が注がれる。素敵ママの方を見れずにいたが、


「おはようー!早速だけど、こっちの飾り付け、二人に頼んでいい?」


私達に仕事を振る素敵ママだった。私も、あの電話のことは忘れたかのようにーそれでも不自然だしぎくしゃくしていたと思うけれど、精一杯普通を装った。
しかし、やはり彼女に目を合わせることが出来なかった。




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老いてる背中

年齢が一番出やすい部分は、肌だとか髪だと今まで思っていたが、そうではないことに最近気が付いた。
背中だ。
背中が、一番年を感じる。それは、テレビの中にいる芸能人を目にして感じた。
アラフィフでも、芸能人はキラキラと輝いて見えるし、実際そこら辺を歩いているおばさんよりはずっと若々しい。
それでも、ドラマの中の彼女等の背中に、ふと老いを感じる。誤魔化せない部分なのだ。

背中は無防備だ。それは、自身の目で見ることが出来ないから。




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鏡の中にうつる顔だったりスタイルは、「一番美しい姿」だと言って過言ではない。
意識しているか否かで、同じ人間とは思えないくらいの「差」が出る。
いつの間に子が撮った、私の後ろ姿の写真。携帯写真だから鮮明ではないけれど、まるでお婆さん。数年前に撮った物にそう思うのだから、現在は目も当てられない程だろう。
眉間のしわも常々気になっている部分だけれど、それ以上に、背中だ。肉の付き方がおばさんなのだ。
写真写りについてもそうだ。昔は、まぐれで綺麗に写ったこともあった写真。それが今は皆無。ほぼ100%、自分の思い通りの写真写りにならない。
素敵ママらは、そんな悩みなどなさそうだ。知らないだけで、インスタなどで自撮りをし、映えた写真をアップしているのかも。
普段から見られることに慣れ、写ることに慣れていれば、老け込むこともないのかもしれない。 私は自撮りなんて出来ない。近所の桜をブログにアップすることで、映えた気になるのが関の山だ。




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嬉しいマル

昨日は、終業式。
4年生も終わりを迎え、通知表を貰って来た子。
おずおずと差し出すそれの中で、一番気になるのは、生活面だ。
成績も、勿論重要事項だけれど、子が学校という小さな社会の中でどのような立場におり、そして自分をどれ程発揮出来ているのかが気になる。
そして、担任の言葉も。

最後まで、担任はどんな人間なのか知らずに終わったこの一年。
それも、私が学校ボランティアなどに進んで参加している訳でもなければ懇談会をさぼったりと、学校と深く関わらなかったから。
向こうからしても、どんな親なのか知らずに終わっただろう。




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生活面では、〇が付いている項目がひとつ。「勤労・奉仕」という項目だった。何をもってその項目に〇が付いたのか分からなかったけれど、素直に嬉しかった。
真面目に学校生活を送っていて、ボランティア活動のようなことにも熱心ということだろうか。
その後に続く担任の言葉を読むと、それが明らかになった。
決して目立たないけれど、例えばクラスメイトが給食帽やマスクを忘れれば、率先して当番を引き受けたり、また掃除についても休みが出れば、その子の分を引き受けたり。
授業中の発言は殆どしない我が子だけれど、そういったことは、積極的に手を挙げ自ら行っている様子が目に浮かんだ。
最近では、子に学校の出来事を聞いても、反抗期なのかあまり話したがらず見えてこなかったけれど、通知表を読んで、少しは垣間見ることが出来た。

4年生、お疲れ様を込めてー、晩御飯は、子の大好きなチーズインハンバーグを作った。ポテトフライも付けて。
ジャンクだけれど、大好きなものをたくさん。奮発して、見切り品だけれど、デザートにいちごも付けた。
5年生も、自分の良さを発揮出来て、それを先生やクラスメイトが認めてくれたら、これ程嬉しいことはない。




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電話帳削除

敬語ママから一通のメール。
表題は、「お世話になりました」だった。
ボランティアをサボり続け、彼女からのメールもスルーしていたこの頃。
この3末に、ご主人の転勤でこの地を去ることになり、その挨拶だ。
本当なら、直接会ってさよならするべきだったのだろうけれど、何というか、そこまでのエネルギーが湧かなかったのが本音。
結局のところ、Yさんのように距離が縮まるだけの縁が無かったのだ。

敬語ママは、親切で常識的で、良い人だった。ただ、それだけだった。それ以上踏み込んだ付き合いには発展しなかった。
いやー、そうなり掛けた時に転勤の話を聞いて、正直、気持ちが萎んでしまったのも事実。将来性が無いというか、お別れするのが分かっている相手に対して、私の情熱が働かなかったのだ。




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メールは、至って簡潔だった。
感謝と挨拶ーそして、私の体調を気遣う内容。ただサボっているだけのボランティアだが、表向きは「体調不良」ということになっていたからだ。
最後だしー、つい、本音をメールに交えて返信してしまった。彼女に対して、嘘を付いたままお別れというのも不誠実な気がしたからだ。


「こちらこそ、今までありがとうございました。折角お誘いいただいたボランティアも、中途半端な形になってしまい申し訳ありません。
なかなか人付き合いがうまく行かず、藁にもすがる気持ちで引き受けた活動でしたが、私の力不足で、もう続けられそうもありません。
体調不良というよりも、心がついていかなくなりました。 幼稚園時代から、親切にしていただき、また気に掛けて下さり、嬉しかったです。新しい土地でも、お元気で。」


返信は期待せず、送信した。そして、彼女の電話番号とアドレスをそっと削除した。元々少な過ぎる電話帳登録数だが、未練を残したくはなかった。
ようやく、肩の荷が降りたような気がした。




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犯罪のボーダーを踏む

年度末ということもあり、夫は毎晩のように飲み会。

歓送迎会だ。
しかし、送られる身ではなく送る身。海外赴任の話も経ち消え、機嫌が悪い。なので、夫が帰宅する深夜2時頃には狸寝入りをしている。
先に寝ていることで、起こされることは無い。それでもリビングから、あからさまに私を起こそうとするかのような音を立てている夫に嫌悪感を抱く。 一応、ダイニングテーブルに書置きメモはしてあるのだ。


ーお疲れ様、少し気分が悪いので先に休ませてもらいます。


持病が悪さをしている風を装うのだ。これで、直接文句を言われることは無い。




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夫の大切な飲み掛けのワインをこっそり飲むようになった。1本2万円程するワインだ。夫の言動に頭に来た時に、それを一口飲んだのがきっかけ。 あまりにも美味しく、それを拝借するのが癖になっていた。
最初は、飲んでしまった分だけ継ぎ足していたが、夫は気付かない。段々それが増えて行く。つまり、安ワインの濃度が増え、最終的に100%安ワインにすり替わった。 夫がほろ酔いで帰宅し、そのワインで飲み直した時は焦ったけれど、全く気付かず全て飲んだ。
それに味をしめた私は、次いで、再び夫の飲み掛けの高級ワインに手を出したのだ。
今度は、一気にすべてをすり替えた。
そして、それがいつばれるのかというスリルに少しの快感をおぼえている。




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  • 2018/03/22

下級マウンティング

マウンティングをすることで、自分の立場に安堵し、幸福を感じる人々は多いだろう。
私も、そのひとり。
ただ、対象者が違う。

昨晩、子と観ていたバラエティ番組で取り上げられていた、逃亡犯だ。


ー彼よりは、マシ。


殺人犯ー、二年以上もの間、逃亡し続けていた男。残虐な犯罪を犯し、家族とも縁を切り、一人孤独に逃げ続ける。
島で、自給自足をしたり、整形をし、定職にも付かずにひたすら逃亡するのだ。

ただ一人、孤独に・・ 逃げた先に、何が残るのか?守るものも無く、逃げ続けた男。しかし、最後に捕らえられた時、ある種の安堵があったのではないかと思う。






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些細なことで人生を踏み外す可能性は、誰しもが持っている。私も、その一人だ。
守るべきものはあるけれど、それでも何かの拍子に今あるすべてを失う可能性は無きにしも非ずなのだ。

子の健やかな寝顔を見ると、清らかな気持ちになる。
私は、孤独ではないとも思う。
ただ、それが死ぬまで続かないことも分かっている。いつの日か子は独立し、この家を出て行く。その心積もりをしなくてはならない。
比較するべき人種のグレードを、少し上げていかなければならない。




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疲れ

スキー旅行での疲れがどっと出たのか、ここ数日、体調が優れなかった。
全身筋肉痛から来る倦怠感。家事もやる気になれず、だらだらと日中を過ごしていた。
体重も、2キロ増えたので体が重い。それもそうだ。あのスキー旅行を終えてのむしゃくしゃで、ドカ食いをしてしまったからだ。
チョコレートやカップラーメン。震災用の備蓄食品の消費期限を言い訳に、心を満たすかのようにあれこれ口の中に放り込む。
既に腹は一杯なはずなのに、どういう訳か口寂しい。甘いものとしょっぱいものを交互に食べると、何故だか満腹中枢は馬鹿になるらしかった。






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夫も子も不在の、しんと静まり返った部屋。小さな音でテレビを点けているが、連日同じような内容のワイドショーネタにうんざりする。
しかし、その雑音が孤独感を和らげる。

義姉らが、今度はハワイに行こう!と盛り上がっていたことを思い出し、頭が痛くなる。
彼女等は、自分中心に物事が回っているのだ。自分が楽しければそれでいいー、そして、一方でそれを苦にしている人間がいることなどてんで頭にないのだろう。
想像力の欠如、という奴だ。

洗い物もせず、天気が悪いことを言い訳に洗濯もさぼり、ソファーに寝転び寝室から持って来た毛布にくるまる。
朝いちで淹れたコーヒーを飲みながらぼんやりテレビを観ていると、無性にお花見がしたくなった。しかし、連日の雨模様の天気マークに出鼻をくじかれる。
一人でもいい、隣町の公園辺りでビールでも買って散歩したら気持ち良いかも。
平日の公園は、母親集団で一杯かもしれないが、子よりもうんと下の幼い子供連れの母親らは、既に私の恐れるそれの対象から外れつつある。今、怖いのは、日中子育てに奮闘する新米ママではない。 仕事も子育てもコミュニケーションも完璧にこなし、時間を有効に使い、一日24時間では足りないような、スケジュール帖が多様な予定で真っ黒に埋まっているような、自信溢れるベテランママらだ。
何となくの負い目は、時と共に変化していくもの、そう思う。




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夫の圧力

最後の子ども会行事は、卒業のお祝い。主に、6年生の親が主体となる。
手伝いに行く気は無かったのだが、運の悪いことに、夫が回覧に気付いた。前の人が、夜遅くにドアノブに掛けたのだろう。迷惑な話だ。


「これ、掛かってたぞ。」


回覧板をダイニングテーブルに置くと、じっと私を見つめる。
無言の圧力。
子の参観をさぼってから、日中の行動を監視されているような気になり、息苦しい。そして、卒業のお祝いは学校が休みの日にある。


「俺、この日休みだから。」


これで、行かない訳にはいかなくなった。日程もばれてしまったし、必然的に私は子と一緒に行事に出なければならない。
夫が風呂に行き、なんだかどっと疲れてしまい、隙を見計らって戸棚にあるワインを取り出し、グラスにもつがずにぐいっと喉に流し込む。
隠れてこそこそしている分、焦りもあってか酷くむせてしまった。
本当なら、炭酸が飲みたい気分。しかし、チューハイなどは開けたら最後まで飲まなければならないし、ゴミも出る。

風呂場でシャワー音が聞こえる。まだ飲めるともうひと口とぐいっと赤い液体を喉に流す。お行儀も何もあったもんじゃない。
がぶがぶとワインの瓶でいったら3センチくらい減ったところでやめた。少しだけ楽観的な気分になる。一瞬、ふらっとする。






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回覧にある、参加名簿に〇を付ける。それを、わざとらしくテーブルの上に置いたまま、夫が風呂場から出て来るのを待つ。
タオルで髪を拭きながら、夫が入って来た。やはり、ちらっとテーブルの上の回覧に目を落としている。互いに何も言わない。
冷蔵庫から、夫がビールを取り出す。いつもなら、私がする役目だ。しかし、気が付かない振りをして、ソファーに座ったまま子が学校から持ち帰ったプリントに目を落とす。全く内容など頭に入ってはいなかった。
夫は、大きくため息をつきながら、自ら取り出したビールのプルトップを開けているようだ。

それくらい自分でやれーと心の声が言う。
私なりの、小うるさい夫への当て付けだった。




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サボり癖

立て続けに、子絡みの集まりをスルーしてしまった。
一つは、子ども会。新役員が決定したことに加え、最後の行事の打ち合わせ。先日、素敵ママに向かって感じの悪い言葉を向けてしまったことを後悔する。
あれから彼女とは接触が無い。会ったとして、どんな顔をしたらよいのか分からない。珍しく、感情が先に立ってしまったのだ。
もう一つは任意だが、学校で定期的に行われる行事の参観と茶話会。茶話会はさておき、参観にいたっては子に指摘された。しかも、間の悪いことに、夫がいる前で。


「皆のママ、来てたよ。何で来なかったの!?」


「あんた、参観日行かなかったの?何してたの、一体!?」


二人から攻撃を受ける。夫が私のことを「あんた」と呼ぶ時は、黄色信号。


「ちょっと・・体調が悪くて。」


「この間の授業も観に来てくれなかったよ。」




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「仕事してるわけでもないのに・・一体、何してるの?あんた。それって、母親業放棄してるってことだろ。」


何も言い返せなかった。実際、その通りだからだ。体調が悪いわけでもない、億劫だったのだ。
任意の参観は、ほぼ群れている母親らばかり。来ない母親は、仕事だったり他に兄弟がおりそちらの予定を優先させていたり。
子の姿を見に行くだけーそう言い聞かせても、当日になると途端に気持ちが沈み、心も足も重くなるのだ。そして、自分に甘くなる。
ボランティアも子ども会も何もかも、一度サボると、あれ程あった罪悪感は薄れて次第に麻痺して来るのだと思う。
しかし、夫と子に責め立てられ、目が覚める。私は、主婦であり母なのだ。これでは、ニートではないか。


「ごめんなさい・・ごめんね。」


二人に頭を下げた。気まずい沈黙。子は許してくれたが夫はまだ腹を立てているようだ。目も合わせてくれなくなった。




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ゲレンデのピエロ⑤

スイスイ滑る夫や義家族やらを横目に、私はすっかりくたびれやる気を無くしていた。
子に何度も誘われたリフトでさえ、結局最後まで乗ることが出来なかった。


「レンタル代、勿体無かったな。明日は滑らなくていいから。」


ため息交じりに夫に言われ、何も言い返せなかった。しかし、明日はもう滑らなくていいのかと思うと、途端に解放感に包まれた。
夕飯は、ホテルバイキング。これも正直憂鬱だった。大テーブルを義家族らと囲む。義姉達は、やはり真っ先に私のことをネタにして酒を飲む。


「OOさんのスキー、マジうけた!」


末の義姉が腹を抱えて笑う。私もヘラヘラする。内心、怒りと悔しさと情けなさで一杯だった。それを隠すかのように、ビールジョッキをグイグイ開けた。




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「今日、飲むね。」


次女が私を横目で見ながらチェックを入れる。しかし、もうそんなことまで気にしてはいられない。まさに、浴びる程飲んだ。久しぶりの飲みっぷりだったと思う。
ビールジョッキ3杯にワイングラスを5杯くらいだろうか?突然ぐるぐる天井が回りだし、慌ててトイレへ向かう。
一気に、吐いた。何度も吐いた。ワインで真っ赤に染まった便器を目にし、また吐き気が襲う。

愛嬌のある嫁なら、義姉達の突っ込みや笑いも、逆においしいネタに変えてしまえるのだろう。自分をネタにして笑いに変えることも出来ない、ドンくさくて不器用な嫁。
愛される人間と愛されない人間の違いを知りながらも、私のちっぽけなプライドがあちら側に行くことを許さないのだ。




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雪面の屈辱

まるで、つかまり立ちを覚えた赤ちゃんのように、ゲレンデの麓にあるネットの手すりにつかまりながら、斜面を横歩きで登る。
皆、どこにいるのだろう?上級コースだろうか?夫と子は恐らく初級コースだろうが、それにしてもへっぴり腰になりながら、恐る恐る歩く自分の姿を思うと無様で情けなかった。
また、この状況に似つかわしいド派手なウェアーも嫌だった。せめて、グレーだとか黒目の地味で目立たない恰好でいたかった。周囲からは滑稽な姿に見えているかもと思うと、一人、ホテルに戻りたい気分だった。


「ママー!」


子が夫と滑り降りて来るのが見えた。両手を挙げて手を振りながら滑り降りて来る。夫はその後ろから義父母とマイペースに降りてくる。手にはスマホを持ち、子の動画を撮りながらのようだ。 子は、私の元まで来ると、


「ママ、大丈夫?一緒に滑ろう。」


優しく声を掛けてくれた。なぜか、涙が出そうになった。まるで、親子逆転ではないか。 夫は、


「俺、あっち行ってくるから。」


そう言い残して、上級コースのリフト乗り場の方へ向かって行った。私のことなど目もくれずにーいや、こんな運動音痴な妻を持ったことが恥ずかしく、一緒にいるのも嫌悪感で一杯なのかもしれない。 マイナス思考はどんどん膨らんでいくばかりだ。




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背後から、甲高い笑い声が複数聞こえて来た。


「やだー!OOさんって、もしかして運動音痴!?」


「スキー、初めてだった!?うけるー!」


義姉達が、大笑いする。姪っ子や甥っ子も私の姿を見て笑っているようだ。というか、このゲレンデ中から笑われているような気になり、穴があったら入りそのまま冬眠してしまいたい気分だった。 末の義姉が一際馬鹿にしたような笑い声を立て、


「目立つ、目立つ!動画撮りたいー」


そう言いながら、私にスマホを向けた。頭からつま先まで震え、屈辱感で一杯だった。
こんなことなら、どうにでも言い訳して参加すべきではなかった。スキーなんて大嫌い、義家族なんて大嫌い。ゴーグルの下は、涙でぐちゃぐちゃだった。
出来ない人間の気持ちが分からない、心無い奴ら。そんな家族の元で育った情の無い夫。
子だけは、優しい。差し伸べてくれた手は、いつの間に私の手の大きさに追いついていた。それにつかまり、何とか表面上は精一杯の笑顔を保った。




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雪面の浦島太郎

時代遅れでド派手なウェアーに包まれて、ゲレンデへ向かった。義姉達は、今風のお洒落なウェアーに身を包み、既にスキー靴やスノボ靴を履き、装着まで済ませている。


夫は、子の靴をスキー板に装着しているところであり、私はまるで浦島太郎状態。靴すらうまく履けずに四苦八苦。


「じゃあ、一先ず滑ってくるわ。」


義家族らは、私達家族と義父母を置いて、颯爽とリフト乗り場へ向かって行った。


還暦をとうに過ぎた義父母も、昔からスキーに慣れ親しんでいたようで、誰の手を借りるでもなく既に準備万端。子のことを待ってくれているらしい。


「よし、行くか。」


子の準備を終え、夫がリフトへと向かう。このままだと、一人、取り残されてしまう。


「待って・・」


「は!?何やってんの?」




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私が、まだ靴も履いていないのを知り、夫が信じられないという表情でこちらを見る。顔から火が出そうだった。義父母も、気まずい沈黙でこちらの様子を窺っているのが分かる。


「先、滑ってるから。」


助けてくれることも無く、さっさと行ってしまった。惨めな気持ちになりながらも、必死になり周囲を見渡すと、親子連れが隣で子どもに靴にスキー板を取り付けていることろだった。 それを、盗み見しながら、なんとか自分も靴を板に装着することが出来た。
しかし、そこから先が問題だった。ある意味、身動きが取れない状態になる。


ー怖い


想像以上に雪面が滑る。スティックで体を支えながら何とかその場を立つも、滑るどころかリフト乗り場へさえ向かうことが出来ない。
というよりも、リフトに乗るということは、降りるということ。このレベルで斜面を滑るだなんて、危険過ぎる。無い知恵を絞って、どうにかこの場を逃げ切る方法を考え始めていた。




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バブルなウェアー

この週末は、スキー旅行。
子は、既に経験者。前回、スキー上級者の叔父や叔母に教えられ、リフトも難なく乗れるようになり滑れるようになっていた。
夫は勿論、夫家族は皆悠々に滑れる。姪っ子や甥っ子も上級コースをすいすい行ける。
年老いた義父母も滑れる。そんな中、人並み以下の私が参加するのだから、殆ど拷問。
合流PAで待ち合わせ、携帯で連絡を取り合い目的地まで進む。朝5時に出た。これが家族水入らずの雪見温泉だったらどんなに良いか。





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私のウェアなどは、義姉のおさがりがあるというのでそれを借り、後はレンタル。夫と子は自前の物。
渋滞などに巻き込まれることもなく、予定時刻にスキー場に到着。ホテルロビーではウェアを身に着けスノボーやスキー道具を手に持ち歩く人々の群れ。 それを目にするだけでうんざりしため息が出た。


「はい、OOさんのウェアー。」


早速、荷物をロビーに預けて男女別に更衣室へ。子や姪っ子、義母や義姉達と共に移動する。はしゃぐ彼女らに付いて行けない。
そろそろとウェアーを袋から出してぎょっとする。もろバブル期全開のド派手なウェアーだったのだ。




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プライスレス

朝から空が暗いとほっとする。冷たい雨が降っているのなら、尚更。
どんよりとした外の空気を横目に、ミシンを取り出す。先日、子に新しい体操服入れを作ろうとした矢先に、ミシン糸が切れた為、取り掛かるのが遅くなった。
取り敢えず、応急措置にと端切れを手縫いしてやり過ごしたが、子に格好悪いと大不評。なので、早く仕上げなければ。

真新しいミシン糸をセットする。それを目にして自分の空回りっぷりに呆れ果てる。なんと700円もしたのだ。糸だけで700円。
糸代にそれ程掛かると思っていなかったので躊躇したのだが、後ろに並んだ苛立つ行列とピリつく店員に臆し、泣く泣く千円札を差し出した。
帰り際、ファンシーショップでその手の袋を見付けた。よせばいいのに、値札をチェックすると、890円とあったことを思い出し、再び気持ちが萎える。
1000円以上に見える袋を作らなければ、元が取れない。
良く分からないプレッシャーを自身に掛ける。思い付いて、もう着なくなったビジュー付きのカットソーやレースの付いたチュニックを取り出し、取り外す。
これらをデコレーションしたら、1000円以上に見えるはず。咄嗟の思い付きにほくそ笑む。






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しかし、慣れない作業には時間が掛かる。ロックミシンを掛け、裏返して袋を作る。両脇に糸通しを作る為にアイロンを充てて折り目を付けたりするのが恐ろしく面倒だ。
何とか1時間以上掛かり、ただの袋が出来上がった。ただ、レースを付けるのは、袋にする前だったと気付いて愕然とする。あれこれデザインを考えるが、センスが悪く感じる。
ネットで、ハンドメイドのサイトを見ると、素敵なデザインばかり。それらを見ながら、なんとか巾着が出来上がった。
子が帰宅し、それを見せると、


「可愛い!どこで買ったの!?」


「ママが作ったんだよ。」


「え!すごい!!」


子供だからか、粗に気付かないのだろう。最高の褒め言葉をくれた。頑張った甲斐があった。
決して安上がりにはならなかったけれど、手間と愛情という価格はプライスレス。心の底から作って良かったと思えた。




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確定申告

子の歯科矯正により、昨年はかなりの医療費が掛かった。
ダメ元で、確定申告をやろうかと夫に打診してみたが、やはり拒否された。
基本、金の管理は夫。還付金を計算で求める為に必要な源泉徴収。それを見れば、夫の年収は一目瞭然だからだ。
しかし、〆切ギリギリになり、突然夫から頼まれた。


「このフォームに、入力しといて。」


やっと、夫の給与が分かるのだと喜んだのも束の間。渡されたのは、医療費だけを打ち込むフォーマットのみ。


「申告書まで、やっておくけど。」


「いやー、いい。これだけやって。」




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夫も頑として譲らない。一番面倒な作業が回って来たのだ。残業続きで忙しく、また、週末にはスキー旅行の予定が待っている。だが、なんとしても今週中に終わらせたいのだろう。
一年分の大量の領収書やレシートの束。これを日付順に並び替える。夫も、体が弱い。ちょっと腹を壊しただとか頭が痛いで仕事中でも病院へ行き診て貰う。
子も、歯科矯正だけではなく、その他諸々。風邪だとか耳鼻科だとか、また皮膚科だとかで病院の世話になっている。
うんざりしながらも、入力を始める。しかし、やるべきことがあるのは良いことだ。それも、金になることは。
家事労働は金にならないし、頑張ったところで誰も認めてはくれない。しかし、この作業は、やれば金になるのだ。それが給与ではないことは分かっているけれど、それでも俄然、やる気になった。
ただ、自分の口座に振り込まれる訳ではないことを思い出し、空しい気持ちになる。
全て入力し終え、一体、還付金はいくらになるのだろうと思う。知りたいが、知らされない。

しかし、入力フォームにある、何行かの私の名前。年間の通院費を思うと、これ以上求めるのは欲をかき過ぎなのかもと思う。
夫の給与を知らない妻は、この世の中にいくらでもいる。特殊ではないのだーと、言い聞かせる。本心では、全然、納得していないけれど。




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日向と日陰

今日も、隣は騒がしい。暖かかったからか、窓を開けているのでこちらまで子供達の騒ぎ声が聞こえる。
未就園児は、うるさい。
我が子の時は、それ程その音に敏感では無かったけれど、今となっては騒音でしかない。楽しそうな母親達の声も癇に障る。
素敵ママらしき声も聞こえた。二度寝するにも、その音が気になって寝れず、重い体を起こしてのろのろと家事の続きをする。

更年期の始まりなのか、とにかくだるくて重い朝。周期的にやってくる、鬱の渦。
少し経ち、お隣の玄関がざわついているのが聞こえた。天気も良いし、外に出るのだろうか?
気になって、玄関ドアの覗き穴から様子を窺う。素敵ママが見えた。やはり、あの声の主は彼女だったのだ。




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子ども会での電話のやりとりから、会うのが怖い。なぜ、あんな喧嘩を売るような言葉を彼女に向けられたのか?
Eちゃんママや、その他の仲良しママーもしかしたら、お隣さんにも私のおかしな言動を噂されてしまったかもしれない。妄想は膨らむ。
長年の、もやもやしていた部分が、一時は晴れた気がしたけれど、それはほんの一時。残ったのは、気まずさと後悔だけだ。

バルコニーから、洗濯物をする振りで外を見下ろす。素敵ママやお隣を含む何組もの親子が、楽しそうに小広場で遊んでいた。
あの輪を外から眺めている私は、なんて惨めでみすぼらしく陰気なのだろう。
せめて、凛としていられたら。
ネットの求人も、どれもこれも条件に合うものが無い。新しい生活を始めたいような、怖いような、中途半端な気持ちのぬるま湯に浸かり続けている。




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隣のママグループ

卒園、卒業シーズンの到来。
平日のショッピングモール。無料カフェスペースには、いかにもそういった類のママグループでわんさかしている。
買い物ついでに本屋へ寄り、疲れたので、持参のマグ片手にフードコートで休憩。隣に座る6人グループがうるさい。
テーブルの上には、写真がずらり。アルバム委員なのだろう。のりやらはさみやらを手に、しかし口ばかりが動いている。その殆どが、噂話だ。
それにしても、楽しそう。
私が味わえなかった、そして今現在も味わえていない世界だ。
大人になると、友達作りは難しい。主婦になるともっと。それでも、子供関係を通して一生の友達が出来ることもある。
キャピキャピと笑い、はしゃぐおばさんグループは、こうなりたくはない大人だったが、今はそれを羨ましく思う私がいる。いつからか、理想の大人像は変化していた。




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イメトレ

憂鬱だ。
子と夫のスキーウェアを洗い、防水スプレーを掛ける。こうして準備をしていると、いよいよなのだなと思う。
ただでさえ、義実家との旅行は辛い。それに加えて、苦手なウィンタースポーツ。いや、そもそもスポーツが苦手だ。
私のウェアーは、義姉が貸してくれるというので、レンタルも買うこともなく済みそうだ。
動画で、初心者のボーゲンを繰り返し眺めてイメトレする。何となくうまく行きそうな気もするし、まるで出来そうもない気もする。
日々、情緒不安定だ。
子は、その日を楽しみに指折り数えている。
ゴールデンエイジを思えば、やはり経験は大事。本来なら、家族水入らずが良かったけれど、それを待っていたらいつになることか。
子が楽しめればいい、思い出に残せればいい。それだけだ。




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人脈が鍵

子も、4月からはいよいよ5年生の高学年だ。
そして、PTA役員の選出。子ども会も外れてしまい、避けたいのは6年生でダブルに引き受けること。
最高学年での役員は、PTAにせよ子ども会にせよ、委員長という大役が回って来る可能性が高い。そうならない為にも、皆、先回りして立候補したりするのだ。
出来ることなら、このまま何もせずに卒業を迎えたいのが本音。実際、仕事だなんだ理由をつけて役をしないままの親もいるのだ。
今から、色々考えては憂鬱な気分に陥っている。なるようにしかならないのにだ。ここで悩む人間と悩まない人間で、人生、限られた時間を有効に使っているか否かが分かる。

次年度の役員は、現役員が決める。勿論、個々に配布されたアンケートに沿ってだ。結局、希望通りの時期、希望通りの役につけるかどうかは人脈に掛かっている。




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支配下

実母から電話だ。 最近、自分のことで余裕が無く、あれ程気にしていた母の動向もどうでも良くなっていた。お伺いの電話をもう一か月以上もしていなかったことに、その声を耳にしてようやく気付く。


「お久しぶり。」


他人行儀な物言い。しかし、私はそれを気にしない風を装い、


「体調が悪くて、寝込んでたから。」


仕方が無かったのだと言い訳をする。


「あんたも、まるでお婆さんになったわね。私があんたと同じ年の頃は、バリバリ働いて子育てもしてたわよ!あんた、一人っ子で楽なはずなのに、情けないわね。」


バリバリ働いていたー時給750円程のパートのことだ。勿論、扶養内。今のご時世、子の働き方をバリバリと言える訳もない。一人っ子が楽という偏見にもカチンと来たので、


「春から働くつもりで、今、求人探しているところ。」




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実際、夫から尻を叩かれているので、嘘では無い。すると、急に母が声色を変える。


「あんた、辞めなさい。OOの為にも、まだ働く時期じゃないわよ。」


言っていることが、コロコロと変わる。しかし、母の本音も分かる。私が働けば、今以上に実家のことなど後回し。孫の為というより、自分達の為なのだと思う。
それに、彼女はいつでも私より優位に立っていたいのだ。
オリンピック選手やスター、そこまでじゃなくても、誰もが知る一流企業のキャリアウーマン、悠々自適な生活を送る娘を育てたのは、この私ーそう自慢することが叶わなかった。
ならば、今度は方向転換。いつまでも娘を支配下に置いておきたい。優位を保ちたいのだ。




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ひな祭り予算

ようやく月初。
夫から、今月のやりくり費を手渡しで貰う。何とか首が繋がった。

6万の内訳は、食費と雑費、それに子供関係の諸々費だ。私の小遣いなどは含まれてはいない。
化粧品なども雑費扱いだが、レシートチェックが入るので、むやみに高価なものなど買えない。ちびちび使っていたBBクリーム。千円台だが、夫にレシートを見せるのに躊躇する。
なので、その他日用品諸々と合わせ、どさくさに紛れさせて購入する。
ドラッグストアーのポイント10倍の日。ポイントさえ自由に使えればと思う。ポイントまで夫の管理なのだから息が詰まる。





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やはり、自分で稼ごうと躍起になる。
日中、黙々とライター作業をする。面白くもないリライト作業。頑張って4000字。しかも、制限時間あり。しかし、時給に換算すれば1000円前後は行くようになった。
在宅で時給それだけ稼げれば良い方だと思うけれど、集中力はそこまで続かない。結局、その1本で疲れ果ててしまったので、今日の稼ぎはそれだけ。
ストレスで甘いものが欲しくなり、虎の子からプリンを買うことにした。勿論、安いプリン。4個入りで150円くらいだ。
ちょっと前までは、気が大きくなりひとつ100円越えのコンビニスイーツなんて買っていたのに、夫が金にうるさくなり始めてから、私まで危機感をおぼえ始めたのだ。

ひな祭りなので、その準備にも金が掛かる。蛤なんて、目玉が飛び出る価格だ。桃の花も、毎年のことだけれど躊躇する。なので、今年は桃はやめて見切り品のミックス花にした。ピンク色なので、桃の花代わりだ。これが198円。
ちらし寿司の材料は、いくらはカット。その代わりに、ケーキのようなチラシ寿司を作る予定だ。蛤の吸い物もしない。紅白はんぺんの吸い物にする。 夫用のビールも買わない。飲みたければ、自分のポケットマネーから出せばいい。後は、スーパーのロールケーキに激安スーパーで見つけたお買い得198円のいちごを添える。なんとか予算千円以内でおさまった。
もし、夫がこのメニューに文句を付けたら、ここぞとばかりに抗議する心積もりだ。今貰っているやりくり費で足りるはずもない。




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恐ろしい計画

義実家とのスキー旅行の計画が耳に入って来た。勿論、義姉家族も一緒に。
一番上の姪っ子が希望の大学に合格ー、それまでは「滑る」「滑らない」の話はタブーだったからか、そんな話も出なかった。
以前のように、夫と子だけで参加してくれたらと思ったのだが、姪っ子の合格祝い兼ねての旅行だから、顔を出さない訳にいかなくなった。 そして、義母からも直接電話で誘われてしまった。
こんな私でも、学生時代に一度だけスキーをしたことがある。しかし、それは経験だけで終わった。
元彼に熱心に誘われ、来たことを心底後悔した。
リフトの乗り降りのタイミングが悪く停めてしまって恥ずかしい思いをしたし、なだらかな初心者コースだというのにあの板を付けた瞬間、まるでまな板の上の鯉。
ボーゲンのハの字すらうまく行かず、スピードが出過ぎてすっ転び、痛い思いもした。
それでも、あの時付き合っていた彼は優しく、どんくさい私が転んでも大笑いなんてせずに引き上げてくれ、手取り足取り子供に教えるようにしてくれたのだ。
苦いけれど、甘酸っぱい記憶。




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しかし、彼と別れてからはさっぱりそのまま、夫とも結婚前のデートでスキーに行く機会は無かった。
結婚後も、何度かスキー旅行の話は出ていたが、運良く仕事が入ったり体調不良、また子を妊娠して出産という流れで立ち消えになっていた。
なので、ここ数年前から義家族とスキーの話が出る度に、内心びくびくしていたのだ。そして、とうとうその時を迎えた。

ウィンタースポーツを楽しんでいる人々。別世界にいる人々。
金と時間を掛けて、あの寒い雪山まではるばる出掛けることにどうしても楽しみを見いだせない。
準備も大変だし、かさばる荷物と面倒な着替え、それに寒いのは苦手。兎にも角にもデメリットしか思い付かない。




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