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今日の写真






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母親だって人間

子の持ち帰った、夏休みの宿題に頭を抱えている。
これらを親にまったく頼らず自発的にする子供は、一体どれだけいるのだろう?
取り掛かるよう、尻を叩くのも疲れるが、すぐに躓き分からないを連発され、その度、家事をする手を止め対応する。
正直、疲れる。

子が未就園だった頃、子が家にいる生活は当たり前のものだった。身動き取れない、出掛けるのにも自分の準備に合わせて子の分もしなくてはならず、外出が億劫になる程。
園に行き始め、楽になったのも束の間。今度は、外の世界の洗礼を受け、そこに馴染めず苦労する。
小学校に上がり、毎日の送迎が無くなった。日々、悶々とすることはあるし、学校へ行く用事はゼロでは無い。保護者との関わりも少なからずあるので、神経は磨り減る。
だがしかし、たった一人で自宅にいられる自由は、やはり自由なのだと、子に振り回される休みによって、改めて実感する。

自由研究も、高学年ともなればそれなりのレベルで考えなくてはならないし、また、決まりきったドリルー子供達の間では、このドリルが一番取り掛かりやすいと聞くのだが、それも、分からない問題に遭遇する率は、これまでと比較すると多くなった。 暑さもあって、苛々してしまうこともしばしば。
通信教育もしているというのに、この飲み込みの悪さは、私の遺伝子を引き継いでしまったのか?そう思う一方で、夫の頑固さも影響しているように思う。
そんな中、子がまた反抗的な態度を取り始めた。さも、私の教え方が悪いような発言。


「塾行ってる子は、分かりやすく教えて貰ってるんだろうな。」


PMSと暑さと子ども会の憂鬱もあり、つい苛々は爆発してしまった。


「じゃあ、自分でやれば?私の教え方が悪いっていうの?」


子は一瞬、しまったという表情をしたが、引っ込みがつかなくなったのか、反抗的な眼つきで私を睨み返して来た。その眼差しに、幼かった頃の純粋さは無く、単純に「反抗期」で片付けてはいけないと直感した。


「その眼つきは何?言いたいことがあるなら、言ってみなさい!!」


「・・・・・」


子は、私を無視し、宿題の続きに取り掛かった。


「分かった、もう一切口出ししないから。全部自分でやって。掃除も洗濯も料理も。」




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敢えて、その日は子が出した洗濯物に手を付けなかった。途端に困惑した表情の子。昼になり、子の分も作るべきかーしかしそれでは中途半端に終わる気がし、迷いつつ大量のうどんを茹で、キッチンに放置。
食べたければ、自分でよそい食べるだろうと、私は寝室に引き上げた。
しばらくして頭が冷えた頃、キッチンに戻ると、うどんはそのまま。子はまだ宿題をしていた。明らかに泣きはらしたような目に、ほっとする。反省したかどうかは定かではないけれど、私の据えたお灸は効いたのだ。
泣かなくなったら、終わり。そんな気がした。
黙って、うどんを丼によそってぶっかけにし、子の目の前に出した。


「ほら、食べなさい。」


子は、宿題をする手を止め、ガツガツと食べ始めた。腹が空いていたのだろう。私も一緒に食べた。沈黙に耐え切れず、テレビを点けた。昼のふざけた情報番組に、いつしか二人して声を出して笑っていた。
午後は、私に反抗することも無く、素直に話を聞き始めた子。やはり、適度にならば、感情的になるのも良いのだと思う。親子だからこそ、感情的にならなければならないこともあるのだと思う。




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テレアポ

雨が降り、洗濯はお休み。朝の情報番組を観ながら、子には宿題をさせ、うつらうつらソファーに寝そべっていたところ、突然、家電が鳴る。
夫から?義家族から?それとも実母から?すっかり目も覚め、受話器を取ると、聞きなれない声。しかし、すぐにそれがテレアポだと分かる。
ワンオクターブ高い、女性の声。予め決められたマニュアルがあるのだろう、感情のこもらない、こちらの状況など無視したリズムでペラペラとまくし立てる。
テレビのケーブルがどうとか光がどうとか、インターネット回線がどうとか・・専門的な話でついていけない。この類は全て夫に任せているーそもそも、金が掛かることに関しては、夫の一存で決定の我が家。
すぐに断る文句を考えたが、浮かばない。その間にも、彼女のセールストークはとどめなく続く。
隙が無いーというよりも、余裕が無い。適度な「間」が皆無なのだ。
なので、まったくトークは上滑り、こちらの頭に入って来ない。音として耳には届くが、テレビを観ながら適当な相槌。




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「あぁ、はい、はい。」


しかし、トイレに行きたくなったことで、断り文句をいよいよ考えなくてはならなくなった。いつもの常套句だ。


「すみません、そういうのは主人にすべて任せているので。」


「ご主人は、いつご在宅ですか!?」


だいぶ話を聞いた後ということもあり、脈ありだと思ったのか、食い気味の彼女。


「さあ。分かりません。忙しい人なので、もう何週間も帰っていません。」


ーガチャン!!


突然、切られた。
彼女からしたら、時給いくらのうちの何十分も無駄にし、頭に来たのだろう。それでも、勝手に掛けて来て勝手に切るなんて、一体どういう社内教育をしているのだろうか?
もし電話に出たのが夫だったら、即本社にクレーム電話を掛けることだろう。質の悪いテレアポは、企業の質も問われることになるのだ。




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一線

少しだけ気温が低くなった昨日、子と電車で二子玉へ出向いた。電車とはいえ案外近いこの街は、ちょっとしたセレブ親子気分を味わえる。
ランチとウィンドウショッピング目的で、特にこれといった用は無い。しかし、家に二人でいても宿題のことやあれこれで空気が重くなるので、外出は良い気分転換になる。

午前中、少しだけ子の夏服を見てから、ファーストフード店へ。計算外で、どこもかしこも長蛇の列。二人合わせて千円以内と決めているランチ。
仕方なく、コンビニでおにぎりとサンドイッチを買い、空いているベンチで食べることにした。これも節約。
最近、少なくなりつつある虎の子を増やす為、極力、無駄遣いはしたくない。折角、水筒も持って来たのだ。

私は、おにぎり一つ、子は唐揚げ棒とホットドッグ、それにおにぎりと食欲旺盛だ。気温が低いといっても、外で食べるにはやはり暑く、炭酸が飲みたいという子にコーラーを買った。私がおにぎり一つだったので、千円以内に治まった。 ファーストフード店から、ソフトクリームを持った女の子達が出て来た。子が、物欲しそうに見ていたので、後でアイスを食べようと約束した。

食べ終わり、子が行きたいという店へ。二子玉といっても、百貨店方面へは行かず殆ど駅ビルで済ます。
本屋をぶらりと一周し、キャラクターショップへ。子が、あれこれ物色している。


「OOちゃん!!」


突然、誰かに呼び止められて振り返る。そこには、あのS奈ちゃんやM希ちゃん、それにR花ちゃんがいた。そう、子の仲良くしているグループの子達だった。
そこには、親達らしき姿が無い。




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「え?皆、どうしたの?」


「遊びに来たんだよ~」


「ママ達は?」


「あっちのケーキ屋さんでお茶してる。」


ーまたか・・毎度の展開にうんざりしつつ、子を気に掛ける。どこか、引き攣った笑顔を作っているように見えた。


「明日はね、うちらだけでお祭りに行くの~」


ーえ?うちの子、誘ってくれないの?ママはいないんでしょう!?一言、あってもいいんじゃないの?


R花ちゃんの、なんだか子を試すような表情に嫌悪感を抱く。そして、子も受け身だ。


「そうなんだ。」


ー私も一緒に行ってもいい?って、何故言えないの!?


しかし、子は私の子どもなのだ。私だったらー、やはり、そこでその台詞は言えただろうか?


「またね!!」


この中では大人っぽいR花ちゃんが、話を打ち切る。花柄の肩が出たワンピースに、ネックレスやイヤリングをしている。まるで、中学生のように見えた。
S奈ちゃんは子を気にしてか、振り返りつつ手を振りながら、R花ちゃんやM希ちゃんの後を追い掛けて行った。
チアの件を夫に打診するのは、現在見送り中だ。先日の紹介料の件で、チアのスクールに対しては不信感を持っていたし、私も子も、既にガッチリと出来上がった3組親子の輪に入れるとは思えなかった。


「ママ、これ、可愛いね。」


子が、最近はまっているキャラクターのボールペンを触りながら訴える。無意識に、それを子の手から受け取り、レジで支払いをする私がいた。 どうせ、明日は台風だしね・・・祭りは中止でしょうと心の中でつぶやくことで、もやもや感を消化しようとしたが、うまく行かなかった。




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紹介料の罠

夕飯時に、家電が鳴る。珍しいことなので、身構えながら受話器を取る。
やけに、トーンの高い元気な女性の声。


「今日は、娘さんがこちらのスクールに見学に来て下さって!どうもありがとうございました!!」


その一言で、嫌な予感が走る。
私が言葉を挟もうとすると、畳み掛けるように、女性は一方的なトークを始める。
次第に、受話器を持つ手の力が抜けて行く。
S奈ちゃん達と遊びに行ったのだと思っていたが、チアの見学会に行っていたことが判明した。更に、紹介料として、子にもS奈ちゃんにも2000円分のクオカードを渡し済みだと言う。
すっかり入会前提で、正式な申込方法を話し出したので、慌てて遮る。


「ごめんなさい、一体、何の話だか・・」


「え?お母さま、OOちゃんから何も聞いていませんか?」


「えぇ、いやー・・チアはやりたいとは言ってましたけど、具体的には何も。今日も、遊びに行くとだけ言っていたので、見学会とか知らなかったんです。」




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相手も絶句しているようで、少ししてから口を開く。


「そう・・ですか。ご両親の承諾をいただいているとご本人から聞いていたので。紹介料も、渡してしまったんですよね・・」


「ごめんなさい、すぐに明日にでもお返しします!」


届ける時間帯を約束し、電話を切った。しかし、その後、なぜこちらが謝らなければならないのか?と疑問が湧き、続いて怒りが込み上げて来た。
今の電話の相手にも、スクールにも、そして、何も言わなかった子にも、紹介料欲しさに子を誘ったS奈ちゃんにも。
一緒にやりたい?それは表向きであって、ただクオカードが欲しかっただけなのでは?子の友達に対して疑心暗鬼になる。子供相手に紹介料?普通は親を通すものではないのか?金銭の絡む問題なのに、どういう経営方針なのかとスクールにも腹が立つ。
一先ず、風呂に入っている子が出たら、夕飯前に説教だ。
子供一人でも、なぜこうもあれこれ問題が起こるのか。頭が痛い。




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映える一枚

子が、そわそわした様子で、友達と遊びに行くと出て行った。お昼ご飯を、ファーストフードで皆と食べるというので、金も少し持たせた。
S奈ちゃんから電話があったのだ。
家で、母親と二人腐っていても仕方が無い、この暑さで熱中症など心配だが、夏休みに入り、ようやく楽しい予定が出来た我が子と自分をリンクさせ、こちらまで浮足立つ。
祖母との会食に、子も疲れていたはず。それを労うように、笑顔で送り出した。

まだ、夏休みに入って数日も経っていないのに、一人きりのリビングが懐かしく思える。久々の静けさー、心落ち着く。
あぁ、私はやっぱり一人が好きなのかもしれない、そんな風に思う。




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夫は、連日仕事と飲み会。この暑さもあって、帰り際に軽く一杯ー、それが2件目となり、深夜まで飲み明かすことになる。
北海道旅行に向けての準備等、聞きたいことはてんこ盛りなのだが、顔を合わすのは大体二日酔いで機嫌の悪い朝くらい。なので、この件は保留となっている。

子ども会の夏祭りも近い。正直、雨になってくれないかと念じている。準備は無駄になるだろうけれど、朝早くから夕方近くまで、緊張感の中、自分の身の置き場を探し続けるのは酷だ。
猛暑は、雨の日と同様、家に引き籠る正当な理由をくれる。
アイスコーヒーを牛乳と二層にし、カフェ気分を味わう。部屋は、家事も中途半端でぐちゃぐちゃだが、綺麗なクリアファイルを背景に写真を撮る。
インスタ映えしそうな一枚に、ひとり満足した。




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ずっと言えなかったこと

夫の悪口ー、私と二人だったらまだ耐えられる。
しかし、孫の前、つまりその子にとっては父親のことをあれこれ言うのは、どうしても許せなかった。


「叔母さんには、恩返ししてるんだよ。だって、薬学部出るのにどれだけお金掛けて貰ったと思う?」


ずっと、言えなかったこと。私が進学を諦めたのは、そもそも頭も悪かったけれど家に金が無かったからだ。いざ、進学の話になった時、その事実を知らされた。
それなのに、ジュエリーやら旅行やら、ストレス買いしていた母。冠婚葬祭がある度、一張羅にと10万以上もするスーツやバッグを買っていた母。
今でいうママ友付き合いを私と同世代の頃にはしっかりしていた母は、常に周囲に対して見栄を張っていた。
付き合いがある分、その交際費も多く、だが裏ではいつも子供である私に多くの人の悪口を言って聞かせた。従姉妹に対してだってそうだ。
幼い頃からバレエやピアノ、英会話など数多く習い事をさせている叔母に対して、考えなしの教育ママだと馬鹿にしていた。


「あんな小さい頃から詰め込ませて、可哀想に。外で働いて面倒見られないから、習い事って言ったって託児所扱いなんでしょ。どうせどれも身にならないわよ。なんでもかんでもやらせればいいってもんじゃないわ。全部中途半端になるに決まってる!」


しかし、従姉妹はその叔母の期待に応え、一生の資格を手にしたのだ。
看護師という仕事はハードワークだ。夜勤などもあったに違いないし、多くの犠牲を払っただろう。しかしその労力は、長い目で見れば従姉妹を一人前にする為の糧だったのだ。
いくら母でも、私が言わんといていることは、伝わったようだった。それを証拠に、話題をサラリと変えた。


「皆、元気で羨ましいわ。私なんて疲れちゃって、動く気にもならない。」


文句ばっかり言って、トドのように動かないことを正当化する。一番嫌っていた父方の祖母と同じ道を歩いていることを認めない。




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「ボランティアでもしたら?働かなくても、もっと外に出て、色々な人と関わった方がいいよ。視野も広くなるし、人生楽しくなるから。」


母というより、自分に向けて出た言葉のようだった。


「今更、面倒臭い!あんたの頃は、色々出てたわよ。もう疲れちゃったのよ!」


「・・・・」


確かに、母は私と同世代の頃、今でいう「リア充ママ」だったというのに、あの頃親しかったママ友とは誰一人として繋がっていない。誰一人ーだ。そこに、母の闇を見る。 沈黙を破るかの様に、


「かき氷、食べてもいい?」


子が、デザートをおねだりする。
助け舟ー、母にとっても私にとっても。母は、白玉あんみつを注文し、子はマンゴーのかき氷を注文した。800円前後もするそのデザート価格を目にし、支払いをする私は水だけお代わりを頼んだ。




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レストラン街

実母と子と3人で都内デパートへ行った。
しかし、駅の改札で会うと早々に、


「本当、暑いわね!こんな時に出歩くもんじゃないわよ。」


文句が始まる。しかし、久しぶりの孫交えてのお出掛けに、心なしか浮足立っているようにも見えた。
すぐに、子に向かってあれこれ質問責め。子は、愛想笑いを返す。いつしか、子にとっても「ママ方のばあば」は苦手な存在になりつつあるのだろうか?
ランチ時に待ち合わせしたこともあり、レストラン街のどの店も、長蛇の列。ここでもまた母はうんざりしたような声を出す。


「あー、こんなに並ぶの、私、嫌だわ!」


子は、イタリアン系の店に入りたそうにしていたが、並ばないこと重視でうどん&蕎麦屋になった。待ち人数も5名程だったので、これなら母も待てると思ったのだろう。
回転も良く、すぐに店内に通された。
ゴクゴクと水を一気に飲み干すと、マシンガントークが始まる。いつしか、子の学校での様子や習い事のことの話題は終わり、自分の体調の悪さを訴える。


「この暑さですっかりバテたわよ。無理に動いたら、寿命縮まるわ。」




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「今度、パパのばあば達と北海道に行くんだ。」


突然、子が爆弾を投下した。母の顔色が曇ったのを、私は見逃さなかった。すぐに、取り繕ったような顔で、


「へえ!そうなの?まあまあ、ご苦労様。あんたもお付き合い大変ね。それにしても、費用はどっち持ちなの?」


ダイレクトに聞いてくる。


「さあ?割り勘じゃない?」


夫が義両親の分を出すことになっているなど、言えるわけもない。また、嫌味を言われるに決まっている。すると、急に従姉妹の話。
叔母がまた、夏休みに従姉妹家族と旅行に行くらしい。今度は軽井沢と近場だが、かの有名リゾートに宿泊するので、費用はなかなかのものだと思われる。


「親孝行よね~、あちこち連れて行って貰って。」


そして、従姉妹のご主人がすべての計画を立て、家族をエスコートすると言う。また、私ー言い換えれば、夫への風当たりが強くなる。


「あんたも、もっと気の利く旦那をつかまえるべきだったわね!」


子は、運ばれて来たてんぷらうどんセットを黙々と口に運んでいた。孫の前でもお構いなしー、孫からしたら父親の悪口を平気で言う。その無神経さに腹が立ち、反撃に出ることにした。




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夏休み開始

夏休みが始まり、子とべったり出来る一か月の突入だ。
反抗期といっても、やはり娘といられる時間は貴重で楽しい。
5年生ともなれば、手も掛からないし一人っ子なので、傍から見ればお気楽な夏休みなのかもしれない。
しかし、宿題のプレッシャーや昼ご飯、一日をどう有意義に過ごせば良いのか?考えだしたらキリもなく、気忙しい。
北海道旅行も目前なので、出来れば宿題の目途を付けておきたい。
しかし、起きればすぐにテレビ、ゲーム、動画・・最近ではタブレット学習もなおざりだ。


「あーあ、つまんない。皆、習い事とか友達同士で遊びに行くんだって。」


「OOも行けばいいのに。」


「子供だけじゃないから無理。」




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まるで、母の私が悪いといわんばかりの反抗的な態度に辟易する。
大きなため息をつき、子は宿題のドリルに取り掛かった。私は自分の為にアイスコーヒーを淹れつつ、せめてもの気持ちで熟れたバナナと氷をミキサーに掛け、スムージーを作って出した。


「ありがと。」


子は、鉛筆を一旦置き、ストローでそれを三分の一程飲む。まるで、もっともっと言いたいことを飲み込むかのように。
午後も長い。外は暑いし熱中症になりそうだ。自転車でも、この暑さの中では外出する気が起きない。
家の中でも楽しめることー、ゲームや動画以外で何か、見付けなくては。




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私の夏休み

引っ越し前のママ友から、連絡があった。
夏休み、早速こちらに帰省するので遊ぼうという内容。
彼女が北海道へ行ってしまってから、心にぽっかり穴が開いたような気がしていたけれど、こうして「会いたい」と言ってもらえることに、自分の存在を認められているようで素直に嬉しい。
メールには、北海道も意外と暑いこと、既にホームシックに陥っていること、バタバタは落ち着いたけれど疲れがどっと出てしまったことなどが書かれていた。
帰省は、約2週間。友達が多い彼女だから、既に予定はぎっしりだ。それでも、その短期間のスケジュール内に私と会う予定を考えていてくれている。
二つ返事でOKしよう!と思い、彼女が都合良い数日と自分のカレンダーを照らし合わせてげんなりした。




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義実家との旅行と丸被りなのだ。そもそも、北海道旅行。彼女と入れ違いで会えないなんてどうかしている。
少しのずれなら、なんだかんだ理由を付けて(子をダシにして)、旅行中に一目会えたかもしれないのに・・・
旅行最終日ー、午前中に自宅に戻ることが出来れば、午後から会えるかも。かなり無理目なスケジュールだけれど、どうしても彼女に会いたかった。
今ある付き合い。人付き合いが不得手な私が、やっと見つけた大人になってからの友人。
大事にしたいのだ、これからも。

返信は、あえて葉書で返すことにした。近所の文具店で、暑中見舞いの葉書を選ぶ。色とりどりの季節のイラストや写真が描かれたものが棚に並んでいる。
海や魚、お祭りや向日葵や花火。キラキラした絵葉書を見ているうちに、遠い昔、夏休み前のウキウキとドキドキ感を思い出した。
夏休みなのだ。主婦になり母になり、特に専業主婦に夏休みなど無いけれど、ひとつくらい、自分の為に楽しい予定を入れてもバチは当たらない、そう信じている。




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敬語抜きの勇気

暑い中、学校へ。今学期は、よく通ったと思う。
PTA関連のプリント作成や仕分けなど。
仕事やその他諸々諸事情で来られない人が多く、集まったのはたったの5人。
スネ夫ママもいなかった。どうやら、図書館のバイトらしい。


「そうそう、OOさんは飲み会行くの?」


一体、何の話なのかさっぱり分からず、曖昧な笑みを浮かべる。
お喋りママが、話に割り込む。


「うち、旦那が早く帰ってきたら参加出来るかも。下を見てくれる人がいないとちょっと厳しいかな。」


「8月入ると、帰省しないとなんだよね~7月中なら出れるかも。」




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伊達メガネママが、いかにも残念そうな表情でこぼす。委員長は、後でスネ夫ママが日程調整のライン送るからーと返す。
いつの間に、私は蚊帳の外。そもそも、誘われていなかった。悪気は無いのだろうが、私に聞いて来た柔らかママは、役員全員が誘われていると思い込んでいるのだろう。
飲み会なんてー、がっつり仲良しメンバーだけでお願いします・・・心でつぶやく。グループラインが回ってきたら、私も誘われている体になるのだろうか?
面と向かって誘われてもいないのに?そのままスルーでいいのか?
そもそも、誰が言い出したのだ?スネ夫ママに決まってる。なら、行きたくはないし、行く必要も無いと思う。数千円の会費を払い、会話にも入れず、ただただ酒を飲む。
なら、家で一人晩酌の方が安上がりだし、よっぽど気楽。

黙々と作業をしていると、柔らかママは、担当が同じよしみなのか、色々と話し掛けてくれた。私もそれに答え、スネ夫ママがその場にいないことと少人数だったことで、割と彼女らに馴染めた。
苦手だと思っていた、お喋りママとも、柔らかママを通したらすんなり話せたし、何より楽しくて時間が過ぎるのがあっという間だった。
このメンバーだけなら、飲み会参加もアリだな、そんな風に思った。


「お疲れ様ー!」


「またね!」


和気藹々ムードと、夏休み前の浮足立った校内の空気に押され、


「お疲れ様。」


私も最後の挨拶は、皆と同じく敬語抜きでいけた。ただそれだけのことなのに、いつも背中に張り付いている緊張感がすーっと抜けて行く。
蝉の鳴き声が、笑って聞こえた。




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のっぺらぼう

個人面談。
担任と、一対一で向かい合う様は、まるで面接を受けているかのように緊張する。
ガチガチなのを悟られないように振る舞えば、逆にぎこちなく不自然になる。
S奈ママとお近づきになれたことに高揚し、教室の中に入ってもまだ興奮冷めやらない状態だった。

担任は淡々と、子の学校での様子や学習状況を語る。しかしそのどれもが私の心に響かない。
なんていうか、担任の口から語られる子は、のっぺらぼうなのだ。
言い方を変えれば、手の掛からない普通の子。可もなく不可もない、特徴の無い子。
30人以上生徒を抱えていれば、目立つ子、問題児、可愛い子、色々あるだろう。
そして、やはり何人かはその存在を忘れてしまう、担任の両手の隙間から零れ落ちてしまう、そんな生徒があっても仕方のないこと。
しかし、それが我が子だったならー、何とも言えない残念な気持ちになる。


「家では、最近反抗期でー」




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つい、普通ではなく多少の問題を抱えている子ー、目を掛けて欲しい思いが先行し、担任に訴えてしまう。
そして、まるでダムが決壊するかの如く、いつもの私とは思えない程、言葉が次から次へと溢れ出る。廊下で立ち話していたのが、まるでウォーミングアップだったかのように。


「友達関係でも、今、クラスでグループがあると思うんですが、先生ご存じですか?S奈さん達なんですけど。チアリーディングに入りたいと言い出して。でも、もうピアノをしてるんです!だからダメだと言ったらすごい眼つきで睨んで来て・・」


「私にだけなんです!父親にはそこまで反抗的な態度なんて取らないんです。家では、ずっと動画を見ていたりゲームをしたり。私との会話が殆ど無くなったんです。前はもっと色々話してくれたのに。」


担任の困惑し切った表情を目にして、我に返る。なんという失態、すぐにでもその場を立ち去りたくなった。
私から、もう出る言葉はないのだと知った時点で、ようやく担任は口を開いた。


「高学年ですから、どんな形であれ、多少の反抗はありますよ。大丈夫です。」


柔らかな物腰でありながら、それ以上こちらからの質問はもう受けまいという空気に、私の喋る気力もみるみる萎えた。
結局、個人面談といっても形だけ。担任からしたら、やっつけ仕事なのだ。
分かりやすい問題児や成績優秀な生徒、理屈抜きに愛嬌のあるムードメーカーの親達に対しての面談を、我が子の面談とはどう違うのか、一度目にしてみたい。




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分岐点

個人面談の日。
私が教室前に到着した時、出番はまだまだ。早く着き過ぎてしまった。私のひとつ前の保護者もまだ、廊下で呼ばれるのを待っていた。
そして、私の前は、子が仲良くしているグループの一人の親だった。
子が学校から持ち帰ったプリントで、子から聞いたのだ。
これはーチャンス。そう思い、廊下で展示物を眺めている彼女に、勇気を出してこちらから声を掛けた。


「いつも、お世話になっております、OOの母です。」


私より、若干年配?だと思われるその人は、子の名前を聞くと、すぐに和やかな笑みを見せてくれた。
この人なら大丈夫ーそう思わせる、敬語ママやYさんの時と同じ、そんな直感が働いた。


「こちらこそ、いつも仲良くさせて貰って。S奈の母です。」




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それからは、S奈ママ主導の元、雑談が始まった。会って数分も経たないうちにペースに引き込まれる。しかし、大人の会話。
一方的ではなく、私に対しても、あれこれ質問を投げ掛けてくれた。勿論、先日いただいた土産のお礼も伝えておいた。


「なんだか、S奈がOOちゃんをしつこくチアに誘っているようで、ご迷惑お掛けしてしまって・・」


「いえ、本人、喜んでます。昔はダンスを習っていたこともあったので。」


「あら?辞めちゃったの?勿体無い。それならリズム感とかあるんでしょうね。S奈達が、OOちゃんをチアに入れたいって気持ちが分かります。」


その言葉を聞いた瞬間、それは、子に対しての勧誘なのに、まるで自分が誘われているような錯覚に陥った。断れないーいや、むしろ入りたい・・・そんな感情が湧いたのだ。
そして、「必要とされている」我が子が誇らしく、またこれは、子にとってチャンスなのかもしれないと思った。
映画やドラマで最近流行っているチア。それに登場する女の子達は、キラキラと青春時代を輝かせている。そう、リア充そのもの。
これは、もしかしたらひとつの分岐点かもー先日とは打って変わって、そんな気持ちに捉われ始めていた。
S奈ママともう少し話していたいーという私の気持ちに反し、教室のドアが開いた。


「では、また。」


私に軽く会釈すると、担任に導かれ、彼女は教室の中へと消えて行った。
私と同じ道を歩ませないことーそれを手っ取り早く叶えるには、環境の変化だ。
どうするべきかー、まずは、夫に相談だ。しかし、そう簡単にことが運ぶはずもない。策を練らなければ・・




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すべては面倒の一言

実母から、先日の飲み会内容をさぐる電話があった。
喜々とした声に、こちらの気分も萎える。


「どうだった?悩みって何!?」


口から出まかせの代償を思い知る。面倒なことになった。実際、会って話したところ、従姉妹に色々な問題があったのも事実。
だからといって、それをそのままストレートに実母に伝えるわけにいかない。
母が黙っていられるわけがないし、叔母の耳に入れば、それが従姉妹の耳に届くのも時間の問題。 よって、口を噤むことにした。


「秘密主義ね。お母さんに言えないような内容だった訳?」


夫も子供もいるー、母にとってはいつまでも娘なのかもしれないが、私はひとりの妻であり、そして母だ。実母の中で私という存在は、いつまで経っても都合の良い「分身」なのかもしれない。


「酔っぱらって、忘れちゃった。」




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半分本当、半分は嘘ー、すべては面倒の一言に尽きる。
母は、予想通り不機嫌になる。後は、ご機嫌を取るしかない。


「もうすぐ夏休みだし、OOと3人でどこか行かない?」


一体、どれくらいぶりの誘いだろうか。距離を置き始めて以来か?実家へ行くことはあったものの、お出掛けに誘うことなんて、本当に久しぶり。
心の中では、断ってくれーと祈っていたけれど、すぐに母は調子を取り戻した。


「あら?夏休みっていつからなの?暑いし、出歩く気になんてならないけど。まあ、前もって言ってくれたら都合付けるわよ。私も色々と忙しいから、キャンセルすることもあるかもしれないけどね。」


一言、いや、二言三言多い。素直に、誘ってくれてありがとうーまではなくても、嬉しそうにしてくれたらいいのに。
必ず、上から。仕方ない、そんなに言うのなら付き合ってあげるーそんなスタンスでのリアクションは、正直、この暑さもあってイラッとしてしまう。
しかし、なんとか従姉妹とのことは、それ以上突っ込まれずに済んだ。

カレンダーには、子ども会や義両親との旅行に続いて、気が重い予定が目白押しだ。 意識を、「子が喜ぶこと」に向けて、頑張るしかないのだが。




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ブログについて

昨日の記事で、あるコメントをいただき、色々と考えさせられました。考えた挙句、削除することにしました。
同じく、行動を起こして下さった方々、ありがとうございました。また、不快な気分にさせてしまった方々に対しては、申し訳ありませんでした。
公表することで、連鎖反応が起こり、義援金が増えてくれたらなという、軽はずみで浅はかな思いから記事にしてしまいました。私自身、あるブロガーさんの記事を読み、行動しようと思ったので。

冷静になってみれば、やはり、黙って行動を起こすべきだったと反省しました。
金額まで公表する必要はありませんでした。自己満足だと言われても、そうですねとしか言いようがありません。

ブログの在り方・・考えさせられます。




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見栄とケチと空回り

この間の飲みで、すっからかんになった財布を何気なく確認すると、5千円札がそのまま中に残っていた。
ぼんやりした記憶を思い起こし、従姉妹にレジで建て替えてもらい、すっかりそのままだったことに気付いて唖然とする。
確か、きっちり割り勘が出来ない金額だったので、コンビニでガムを買うからとかなんとかグダグダしていたところまで覚えている。
その後の記憶が無いし、買ったと思っていたガムもバッグには無い。
そもそも、ガム自体買っていなかったということだ。

即、従姉妹に詫びのラインと、割り勘分を渡したいーと伝えた。
平日で仕事中なのだろう、なかなか既読にならず、ようやく夕方になってから返事が来た。


ーいいよ、今回は奢る!パートだけどボーナス出たし。


気前の良い従姉妹。しかし、それをそのまま受け取る訳にはいかない。従姉妹であっても、礼儀あり。


ーいや、そういう訳にいかないって。書留で送ろうか?


ーそんな、大袈裟な(笑)働いてないんだし、いいって!旦那さんのお給料からなんでしょう?パートでも、一応稼いでますから^^甘えて~


そこで、従姉妹のことを、太っ腹な人間だ!とリスペクトし好意を難なく受け取っておいて、後日何かの形でお返しするのが一番スマートだったのかもしれない。
しかし、上から目線というか、なんだか専業である私を見下しているかのような発言に、ついイラっとしてしまった。相変わらず、自分の器の小ささにげんなりする。




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ー働いてないこともないよ!割りのいい短期パートだとか、株だとかで案外稼いでるから。


つい、対抗心が芽生え、あることないこと書き込んだ。


ーえ!?株やってるの?すごい!稼いでるの~!??その話、聞きたかった!私、政治経済の知識皆無だから、そういうので稼げる人って尊敬する!


ーというわけで、書留送るね!


強引に、「ヨロシク!」スタンプでトークを終わらせた。何を見栄張ってるのか・・虎の子からーというのは嘘ではないけれど、稼いだのは、一文字一円以下のライティング内職でだ。
最近、以前程意欲が無くなったが、金に困ると、集中して黙々と作業している。主に、サプリ関係だとか育児関係だとかの記事だ。
良い案件に当たればー、例えば、1500文字で800円を、1時間目標でこなす。ー3時間で、2400円にはなる。
通勤あり、人間関係のいざこざありでの工場などの内職と比べれば、私にとっては割りがいい。
しかし、人と触れ合うことが好きな人間には、きつい仕事だとも思う。

結局、書留を送るのに、きっちり割り勘などして小銭をじゃらじゃら入れるのも恰好悪いと思い、5千円札をそのまま封入した。郵送代を考えて、若干虚しくなる。
こんなことなら、あの時、割り勘など考えずに少し多めに5千円渡しておけば良かったのだ。

飲みは楽しかったのに、後々こういうケチな気分を引きずってしまうところが、私の人間力の無さなのだなと思う。




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生涯現役

義母が、働くことになったそうだ。知人の紹介で、週一の事務。
事務といっても、一般事務ではない、税理士事務所で働くのだから、それ相応の知識を買われたということ。
まったく知らなかったのだが、義母は簿記1級を取得しているらしく、おっとりしたお嬢さんかと思っていたけれど、数字に強いスペシャリストな面を持っていたということだ。

夫からそれを聞いて、尻のあたりがムズムズし始める。居心地が悪いのは、見えない「圧」を掛けられたからだ。




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ーこんな婆さんでも働いているんだぞー


そんな心の声が聞こえた。
金に困っているわけではない、気晴らしに働くのだろう。ひとつ言えることは、どんなに年を取っていても、それなりの資格や経験値、また人間性が優れていれば、その人に需要はあるということだ。
持病のこともあるので、直接働けとは言われなくなった。それでも、週末の求人広告をわざわざ目に入る場所に置くのは、彼なりの私に対するメッセージなのだ。
またひとつ、義実家に出向くのが苦痛になった。恐らく、働き始めた義母が話題の中心になるだろうし、それに対して私の風当たりを思うと辛い。
自意識過剰かもしれないが、勝手に専業仲間だと思っていた義母に置いて行かれーまさかもう現役になることなんてありえないと高を括っていた私が、見事くらったカウンターパンチだった。




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従姉妹の愚痴

「久しぶり!元気だった!?」


数年ぶりに会う従姉妹は、想像以上に洗練されていた。
ヘアスタイルは、軽くパーマが掛かったボブ。キラキラした大振りの夏らしいピアスが、彼女の透き通るような白い肌に良く似合っていた。


「どこで飲む?なんかいいところ知ってる?」


自宅近くに来てもらったこともあり、既にリサーチ済み。一度入ってみたかった、気軽に入れるくだけた雰囲気のワインバー。予算も考えてのこと。 虎の子から、一応5千円抜いて来たのだ。

店に入り、すぐに最初の乾杯はグラスビールから。前菜にバーニャカウダとサーモンのカルパッチョとチーズ盛り合わせをオーダーした。 メニュー表を見ながら、一品が女性客を意識してか少な目で、品数多く色々食べたい欲求を満たしてくれる。



「カンパーイ!!」


「美味しい!」


ものの数分で、グラスを空にする。


「あ~!!週末の1杯ってなんでこんなに染みるんだろう。」


2杯目は、スプマンテ。私も白をオーダーした。
乾いた喉を潤したところで、互いの近況報告ーの前に、ほぼ彼女の話。
仕事復帰してからの忙しい毎日、二人目のことなど。
しかし、殆どが愚痴だった。職場の女性派閥だとか嫌味な上司だとか、嫌な客だとか・・・
そして、彼女以上に忙しい夫は、平日ほぼ深夜帰りで育児になかなか参戦出来ずにいること。叔母が幼稚園の送迎などを一手に引き受けてくれること。
助かるが、母親として思うように家事育児こなせていないジレンマと罪悪感。叔母の口出しに対する苛立ち。
3杯目は、赤のボトルをオーダーした。それに、生パスタや窯焼きピザ。
酒が進むにつれ、私はアドバイスをしつつ饒舌になっていた。


「叔母さんに頼るのなら、多少の口出しは我慢しないと。それに我慢出来ないなら、夫婦でやっていくしかないでしょう?ファミサポとか頼ってお金で解決するしかないって。」


「でもさ、近くにいるってことで、今は助けて貰ってるけどお互い様なんだって。介護とか先のことを考えたらさ、±ゼロどころかマイナスだよ。」


私のアドバイスなど、彼女の耳にまったく届いていない。ただ日頃の愚痴をぶちまけることで、ストレス発散しているかのようだった。




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「仕事、辞めようかな~」


時給2200円程のパートとして、週4の5時間勤務。それで手取り20万にも満たないとため息をつく。復帰したてはフルで働いていたらしいのだが、家の中はめちゃくちゃ、子供には構ってやれない、それもありパートに変更したのだという。 そして、子供は保育園を退園し、今年から幼稚園に入園したらしい。ある程度名の知れた園で、小学校は受験も考えてのことらしい。


「殆どママさん、専業なんだよね。余裕があるっていうかさ。私みたいにあくせく働いてないの。家買ったし、これからの教育費のことを考えたらさ、稼げるうちに稼いでおきたいんだとね。自分の腕で。」


「ランチも頻繁で。でも、ライン回って来てもシフト入って無理だったり。なんか疎外感。」


ーうまくいってないのだ。


実母越しに聞いていた従姉妹は、キラキラママの日々を送っているように思っていたが、実際はそうでもなかったらしい。
自らの選択とはいえ、がっつり働いているわけでもなくがっつり家事育児やママ友付き合いをしているわけでもない。中途半端なところに身を置いて、どこか居場所が無いようだった。


「引っ越さなければ良かったかも。なんかさ、こっちのママ達とも話が合わないっていうかさ。保育園ママとは気が合ったし飲みに行ったりもあったんだけど、幼稚園ママなんて、飲みなんて誘ったらきっとドン引きよ。」


由緒正しいお受験園に入れたことを後悔しているようだった。
従姉妹には悪いけれど、お仲間が出来た気がして、酒のすすみも早かった。どんなつまみよりも何よりも、自分の境遇に近しい人の愚痴こそが、「共感」という酒のつまみになるのだと思う。




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二日酔い

昨日は、解放感に満ち溢れていたこともあり、とことん飲んだ。終電ギリギリまで飲んだ。
まるで、独身気分だ。

帰宅し、なんとかシャワーを浴びて、布団に潜り込む。
そして起きたのが、正午過ぎ。正確に言えば、10時くらいに一旦トイレに目覚めたのだが、二度寝してしまった。
まるで、泥のように眠りこけていた。

家電が鳴り、夫の声で我に返った。夢から覚めるかのごとく、大急ぎで洗濯と掃除をした。しかし、朝食も取ってないし一人の生活は、家の中も散らからない。あっという間にやるべきことは無くなった。
一人暮らしなら、一週間は掃除洗濯しなくても生きていけるーそう思った。

二日酔いに、炭酸が旨い。冷蔵庫にあったサイダーを一気飲みした。氷を入れたグラスにキンキンに冷えたサイダーを注ぎ、喉に流し込む。
気分の悪さが抜ける頃、腹が鳴る。震災用のレトルトカレーをうどんに掛けて食べた。

そして今、自分の為だけに淹れたアイスコーヒーを飲みながら、こうしてブログを書いている。
もうすぐ夏休みー、子ども会の夏祭りや義実家との旅行、何かと気忙しく気が重い。




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主婦休み

夫も子も、朝早くから家を出て、今日から明日まで主婦休み。
従姉妹との待ち合わせまでだいぶある。
家のことも、普段よりテキパキ済ませ、まだ10時台なのにやることもなく。

久々に、プライベートで人と会う。
子供絡みを離れて、緊張感の無い、楽しい予定に胸が弾む。
着て行く服を、クローゼットから引っ張り出す。最近、服を買っていないことに気付く。
よれたTシャツやカットソー、それにブラウスも何となく時代遅れ。
数年前の服は、流行りすたりの無いものを選んだはずなのに、なぜだか野暮ったく古臭い雰囲気。




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薬剤師の資格を持つ従姉妹は、今は子育てをしながら仕事もし、充実した毎日を送っているのか?
仕事復帰してから、長らく連絡を取っていなかった。
妊娠中や出産後は、仕事もしていなければ、生活ががらりと180度変わり、まだママ友とも浅い付き合いだったようで、よく私に電話を掛けて来た。
頼られていることが嬉しく、そして私も彼女からの連絡に、もやもやしたり羨ましい気持ちを抱くことを差し引いても、自分の存在を認められているようでやはり嬉しかったのだ。

ライン交換をし、「友達」の数にカウントがついた。役員系のライングループに、招待された分の「1」そして、一応夫とも交換して「2」、後は、無料スタンプゲットした企業が数社あり、従姉妹は7人目の友達だ。
リアル友達がライン上に出来て、暖かい気持ちになる。しかし、自宅でしかラインは出来ないので、結局外でのやりとりは携帯のショートメールでのみになるのだが。

着て行く服が決まった。
去年、同窓会で着て行った服。サックスブルーのパンツに、黒のトップスだ。久しぶりに履いてみると、腹周りが少々きつい気がしたが、なんとかホックは留まり安心する。
それに、清水の舞台を飛び降りる思いで購入したネックレス。
バッグが無いー、どれもこれもくたびれたトートや袋ものばかり。かごバッグが欲しい。しかし、虎の子は内職収入が減った今、手を付けるわけにいかない。
大昔、独身時代の黒い革のハンドバッグを引っ張り出すと、カビまみれ。クリーナーを取り出し磨いてバルコニーに陰干しした。
大丈夫。出掛ける前には乾いているだろう。




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お断り

母から電話があった。


「あんた、飲むんだって?」


従姉妹との週末にある約束のことー、早速、従姉妹から叔母へ、そして母に伝えられたらしく、電光石火並みの情報伝達に驚く。


「それならー」


続いたのは、まさかの4人で飲み会をしたらどうかという提案。母と叔母、そして従姉妹と私ということ。正直、その申し出にぎょっとした。母は、いつも以上にテンションが高く、その提案に胸をときめかせているのが受話器越しにも伝わった。普段、人と会う予定が皆無だからこそ、ウキウキが隠せないといった感じ。
そして、既に叔母と従姉妹の了承は得ているらしい。
しかし、折角の楽しみを奪われるのが嫌で、嘘をついた。


「悪いけど・・今回は遠慮して貰えるとありがたいんだけど。」




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従姉妹が、叔母のことで悩みを抱えてその相談を受けるのだということ。叔母がいたらそんな話は出来ないということ。咄嗟に付いた嘘だったが、我ながらいつもはにぶい頭の回転をフルに使えたと思う。勿論、このことは絶対に叔母には口外しないようにと口止めも忘れない。
母は、案外すんなりと私の話を飲んでくれた。


「なら、仕方がないわね。それにしても、悩みって何かしら?あんたちゃんと聞いてあげなさいよ。姉さんもちょっと気の利かないところがあるからね。私だったら娘が何を考えて悩んでいるかなんて手に取るように分かるのに。」


ーはぁ?何言ってるの?何も分かってない癖に。


その自信はどこから来るのか?そして、また聞きたくもない近況報告。


「最近寝不足だし、正直言って夜に出るのは気が進まなかったの。姉さんが会いたい感じだったから仕方なく行こうかと思ってたんだけどね。サッカー、ずっと見てるわよ。週末も準々決勝あるじゃない?ちょっとそれに集中したかったから、誘われた時は断ろうかとも思ったのよ。日本はダメだったけど、海外の試合も面白いわね!」


いつの間に、飲みに誘われたということに変換されている。彼女の頭の中はどうなっているのだろう?血を分けた親であっても理解不能。ネガティブなのかポジティブなのか分からない。


「まあ、また機会があったら4人で会いましょう。悩み、ちゃんと聞いておきなさいよ。」


最後の念押しは、従姉妹からの悩みを私から聞きたい野次馬根性からなるものだった。受話器を置き、どっと疲れが出る。しばらく会っていないし、あの夢を見てから気になってコンタクトを取ろうと思っていた自分が馬鹿に思えた。
母は、やはり私なんかよりいくつも上手だ。




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切ない土産

土曜参観の振替休日。
子に、仲良しのSちゃん達が、ディズニーへ行ったことを聞かされた。
チアで子以外の3人は、学校外でも親子共々会う機会が多い。今年、同じクラスになったことで、母親同士もそれまでは顔見知り程度だったのが、ママ友付き合いまでに昇格したのか?
とにかく、あの金も掛かる夢の国へ、ママ友同士で行くなんて、私からしたら未知の世界。
3人で遊びに行ったことを子に伝えたー、それは、決して意地悪ではない、証拠に土産まで買って来てくれたのだ。
ダッフィーのタオルハンカチと缶入りお菓子。
値段はマジックで消されていたが、光に当てたらすぐに分かる。二つ合わせてお返しが必要な金額かもしれない。
3人からーといっても、2000円弱掛かっている。小遣いから買ったのか、それとも親が出したのか定かではない。
土曜参観で挨拶をしておくべきだったと後悔した。しかし、いまいち誰がどの母親なのか分からなかったし、私は別のことで頭が一杯だったのだ。


「可愛いタオル、良かったね。」


「お揃いなんだって。」


てっきり、皆でお揃いで買ったタオルを子にも土産に買って来てくれたのかと思ったが、そうでは無かった。ウサギのポシェットを3人は記念に買って貰ったらしい。
子は、小さくため息をついた。




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「行きたかったな。」


その言葉の後には、チアに入りたいという声が聞こえた。あまりにもしょげ返っているので、


「夏休み、何か約束したら?子供達で行けるところ。プールとかお祭りでもいいし。ママが付き添うから友達に聞いてみて。」


「お祭りなんて、付き添いいらない。ディズニーランドに行きたかった!!」


子は、泣いてしまった。私も返す言葉が無かった。チアに入っているとか入っていないとかではなく、私自身が社交的で顔が広ければ、友達の母親らともすぐに打ち解けライン交換のひとつでも出来たのかもしれない。
そうなれば、お誘いだってあったのかもしれなかった。
逆に、チアに入っていたとしても声を掛けられないことの方が、親子共々精神的ダメ―ジは大きい。まだ、蚊帳の外である言い訳が出来るポジションにいたことに安堵する思いもある。
自室で泣く子をしばらく放っておいた。話し掛けて慰めたところで、余計悲しみが助長されてしまうからだ。
静かになったところで部屋をのぞくと、子は黙々と漫画を読んでいた。貰ったであろうタオルや菓子は、袋から出さずテーブルの上に放置されていた。

早く、中学生になって欲しい。部活なら子供は子供で忙しくも楽しい青春を送ってくれるーそう思うからだ。




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悔し涙

ワールドカップが終わってしまった。
日本、敗退。しかし、中継時間を思うと、平日の深夜3時からなんて観戦出来なかった。更に、その日の午前は学校へ行かなくてはならない事情があったので、朝のニュースで結果を知った。
夫は、帰って来なかった。
職場近くのホテルに宿泊したのだ。表向きは、残業としてーなので、会社の経費で宿泊費は落ちるらしい。
実際は、仲間と飲んだくれながら観戦なのだろう。一体、どんな仲間なのか?
夫が家におり、もし観戦に誘ってくれたのなら、眠い目をこすってでも共に起きたかもしれなかった。
しかし、たった一人で起きて観戦する程、この大会にはまっていなかったのも事実だ。




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午前中の所用が済み、疲れたので、スーパーで割引の甘い菓子パンとピザパンー計200円に満たないご馳走を買い込み、午後のワイドショーで試合を追った。
負け試合だったが、ベルギーと互角に戦っていた日本。素晴らしいチームワーク。この大会だけに集まった一流の選手達。
団体スポーツの力にただただ圧倒された。

オリンピックの時も思ったけれど、極限まで仲間と戦い、勝ち負けはあるにせよ、その汗や涙は美しく清らかだ。
そして、自分がこれまでそういったものから避けて生きて来たことを後悔する。

「友人」が出来ないのも、こういったチームワークだとかぶつかり合ったり励まし合ったりのコミュニケーションの経験値がゼロに等しいからなのではないかと思う。
スポーツでなくても、誰かとひとつの物を創り上げて行く達成感だとかを経験していれば、今の私はもう少し理想に近付けていたのかもしれない。
大人ーいや、もうこんなおばさんになってから、今更コミュニケーション力を身に付けようとしたって、付け焼刃で痛々しさが残るだけなのだ。

しかし、まだ救いなのが、この大会に「無関心」では無かったということ。生中継を観ていないあたりまだまだだけれど、それでもスポーツから感動を貰えた事実に、あながち自分もまだ捨てたものではないのかもと思う。




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楽しみな予定

楽しみな予定が、突然出来た。
来週末、夫は子と旅行の打ち合わせがてら義実家に泊まることになったと言う。
久しぶりの、自由時間。
丁度、話が合った時にタイミングよく、久しぶりに従姉妹からメール。ラインを始めたことを伝えると、すぐさまラインよりメッセージが来た。
とんとん拍子に、飲むことになった。
外で、誰かと飲むなんて、いつ以来だろう?
同窓会以来?
従姉妹であって、友達ではないけれど、私からしたら同等の存在。しばらくぶりでも、私の実家や家庭のことは大体のところ知っているし、また逆も然り。
そういう意味で、いちいち面倒な説明が要らないのも都合が良かった。
しかし、また彼女に対して劣等感を持つかもしれないマイナス要素はあるけれど・・・




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従姉妹経由で、実母の様子も知っておきたかった。彼女の母親ーつまり、私の母の姉にあたるのだが、それとは月1で連絡を取り合っている。
私に対しての愚痴をこぼしているかどうかも気になっていた。
しばらく、電話もこちらから掛けていないからだ。
最初は、距離を置いたことに戸惑いがあったが、あの夢を見てからというもの、母のことが気になっている。しかし、直接電話でお伺いを立てる気になれない。

壁掛けカレンダーの、彼女と会う日付にリボンのシールを貼った。 誰かとプライベートで会うこと、久しぶり過ぎて、浮足立っている。




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ショック

夢を見た。
実母から、突然泣きながら電話があり、癌になったと聞かされる夢。
あんなに鬱陶しいと感じている母なのに、夢の中での私は、強い衝撃とショック、そして悲しみの感情に支配されていた。
場面が変わり、病院。
入院することになった母と、見守る父。私は、夫に強く言う。


「この状況で、義実家との北海道旅行など無理だ。」


と。
母は、小さくなっていた。まるで憑き物が落ちたかのように、柔らかく優しい雰囲気を漂わせ、それは私が昔から理想とする母親像に近かった。
そして、医師から余命を聞かされ、自分が母に対して冷たくしていたこと、距離を置いていたことを後悔した。
大きな声を上げて、号泣したのだ。周囲のことなど構わずに。

夢から覚め、しばらくそれが夢なのか現実なのか分からずにいた。ただ、悲しい感情だけがリアルに残っていた。
私は、母のことが好きなのかもしれない。
煩わしいい、厄介だと表面的に思っていても、心底嫌いになりきれないのだ。




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あなた、ママ友とかいないの?

土曜参観は、ただただ気疲れした。
思った通り、子は、授業中まったく発言をせず、空気のよう。隣にいる夫が、苛ついているのを肌で感じる。
休み時間になり、長いため息。


「まったく、誰に似たんだろうな。小さい頃は、積極的だったのに。」


幼稚園時代のことを言っているのだろう。お遊戯会では目立つ方だったーあの華々しい過去。
周囲を見渡すと、夫そっちの気でママ友同士が盛り上がっている。


「ちょっと用足してくるわ。」


夫は、トイレへ向かう。一人取り残された私は、教室の中を覗いた。
子の姿を探すと、例の仲良し4人組で楽しそうにしているのでほっとする。チアリーディングの勧誘を断ったことで、ぎくしゃくしてはいないかと気になったのだ。


「あー、すっきりした。」


夫が戻る。私と同様、教室内を覗く。しばらくし、展示物を眺める。そわそわ落ち着かないのか、キョロキョロと廊下の人々を観察しているようだ。 突然、


「そういえば、あなた、ママ友とかいないの?」




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まったく予想していなかった質問に、度肝を抜いた。夫が子の学校での様子を見て、どう思うのかばかり気になり、自分のことなど頭に無かった。
回数は少ないにせよ、5年目の学校行事ー、私が誰かと親しげにしているところを、夫は一度も見たことがないのだ。
素直に、いないと答えれば良いものを、無駄に焦り、嘘を重ねる。


「あ、えっと、他のクラスにはいるんだけど、今日は来てないのかな・・」


しどろもどろになりながら、そう答える。夫は、じっと私を見つめる。その鋭い視線に耐え切れず、話題を変える。


「OO、もうちょっと積極的になってくれたらね。」


子を引き合いに出し、我が身を守った。夫は即、その話題に乗り、


「俺が子供の頃は、もっと積極的だったよ。あなた、教室の隅にいるタイプだろう?母親似だな。」


逃れたはずのブーメランが、すぐに戻り、胸に突き刺さる。何も言い返せなかった。
続いての授業も、簡単な問題ーほぼ大多数が挙手出来るようなサービス問題でさえ、子は頑なに手を挙げなかった。
とうとう、夫は参観中だというのに、スマホを取り出し、その後子に視線を向けることは無くなった。




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  • 2018/07/01
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