父兄参観
小学校生活、最後の父兄参観は夫も出席。
やたらと子にプレッシャーを掛けているのが気になった。
「発言、出来たら千円あげるから頑張れ。」
金で釣るのもなんだか違う。
子は、夫の言葉に無反応だった。これが私だったら、夫は激怒するに違いない。
算数の授業。1年生の頃の足し算や引き算を教わっていた時期から、だいぶ経ったのだなと感慨深くなる。
教室内は、普段はいない父親もいることで、湿気も手伝ってムンとする。
まいこちゃんママとその夫の姿を目にし、何となく距離を置く。間髪入れず、夫が私に尋ねた。
「あれ、幼稚園、一緒だったろう?」
授業中なので、夫の声が響く。まいこちゃんママの耳に届いていないことを祈る。
まるでビクビクしている私を面白がるかのように、夫は意地悪く笑いながら私に再び話し掛けようとしたところで、担任が子ども達に発言の機会を与えた。
「この問題、どうやって解いたら良いか、説明出来る人?」
パラパラと数人が挙手をする。母親だけの参観時と違い、子ども達も緊張しているのだろう。
まいこちゃんを担任が指した。黒板の前に出て、スラスラと式と答えを板書する。そして、説明をした。担任は、満足気な表情。
ーカシャッ
カメラのシャッター音が聞こえた。まいこちゃんママが、授業参観はご法度となっている写真を撮りだしたのだ。
周囲はそれに気付くも、苦笑い。回りが見えていないだろう彼女は、娘の晴れの舞台をカメラにおさめたい衝動を抑えられなかったのだろう。
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「ほら、あの子・・幼稚園の。」
また、夫が私に話し掛ける。ただただうざい。居たたまれなくなり、廊下に出た。
「どうしたんだよ!?」
夫が付いてくる。心臓がバクバク口から飛び出そうだった。
「OO、発言する気ないな。あぁいうところ、あなたにそっくり。」
追い打ちを掛けるような台詞。普段、甘やかしてしつけもしない癖に。
「廊下での私語厳禁だから。」
反論の代わりに、そう言い残して再び教室に戻る。
予想通り、子の発言は無かったけれど、学校に行けてるー勉強についていけてるー友達とうまくやっている。
目立たなくても、毎日頑張っているのだ。親には見えないストレスと戦っているのだ。それでいい。
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- category: 小学校
- 2019/06/30