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令和元年*大晦日

今年も終わる。
平成から、令和。そして、我が子も小学校から中学校へと上がる節目の年。
家族皆が健康で、何事も起こらずいられたことに感謝しなくては。

足りないものを、つい数えてしまいがち。
隣の芝が輝いて見える。そう見えることは、「悪」だという風潮。
だがしかし、それは現状を満足させる為の言い訳にも思える。

向上心ー、自分が満足するような生活は、他力本願ではなく、自分自身の力を付けて。

2020年。気持ち新たに迎えたい。


***


今年も、私事のつぶやきにお付き合いいただき、ありがとうございました。
毎度ネガティブなことばかりですが、皆さまの生活が「あんたよりマシ」と思えたり、少しの共感、また、悩みや心の澱が少しでも晴れることがあれば嬉しく思います。

皆さまも、揃ってよいお年をお迎えください。


seline




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父親としての一面

子のピアノ発表会。
舞台の上、綺麗なドレスに身を包みステージに現れた我が子は、とても華やかだった。
隣に座る夫も、そんな娘を見て、最近の反抗期など忘れたかのように満足気な表情を見せていた。
練習もさっぱりで、事前に配布されたプログラムを見ても、正直レベルが高いとは言えず、もうピアノなど辞めた方がいいーそう思っていた最近。
夫に相談したところ、意外な答えが返って来たのだ。


「誰しも、スランプだったり中だるみ時期はあるだろう。本人が辞めたいって言い出さない限り、こっちからどうこう言うことじゃない。またはまる時期も来るだろうから長い目で見たらいい。」


夫は、気まぐれなのか何なのかーたまに思ってもみないところでこちらの期待以上の答えを出してくる時がある。こういう時、結局夫のことを最後まで嫌いになり切れないのかもしれないとさえ思うのだ。
子の演奏が始まる。正直、同じ年数の子や年下の子達からしたら、簡単過ぎる曲。だが、自宅で弾いているのをたまに聞いても間違ってばかりいた。
恥ずかしい思いをするー、そう思い、こちらまでドキドキする。
夫は、ビデオカメラを回し始め、平然とした表情で子の舞台に視線を向けていた。


ポーンー


鍵盤の音が鳴り響く。その音に、会場の静けさが際立つようだ。たどたどしいリズムと共に、演奏は始まる。
まともに見てられず、薄目になってしまう。
躓かず弾いている。いい調子。いやー、今まで聴いて来た中で一番うまいかもしれない。そもそも練習量の少なさから言えば、よくこれだけ仕上げたものだと親ばかながら感心する。
そうして、最後の山場ー




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ーあ!


少しとちってしまった。思わず眉間にしわが寄ってしまう。子も、少々動揺したようで、続いてまた鍵盤を弾き間違える。
だが、なんとか最後の最後で持ち直し、取り澄ました顔で弾き終えた。
お辞儀ーからの拍手。
隣の夫も手を叩いていた。


「なかなか良かったよ。」


演奏が終わり、子が私達の元に戻ると、第一声。夫からの一言。
子は、満更でもないようだった。
夫が父親として、少しだけ頼もしく思えた瞬間だった。




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あちらさん

「あんた、正月はいつ来るの?」


実母から、催促の電話。こちらからするのをうっかり忘れていたのだ。
例の如く、夫はスルー。母も、私と孫だけの方が気楽らしい。愛想の悪い婿が来たとしても疲れるだけなのだ。


「そうそう、あちらさんからお歳暮が届いたわよ。私、最中ってあんまり好きじゃないのよね。」


母は、相変わらず義実家のことを「あちらさん」と呼ぶ。
今年は老舗和菓子のセットだったらしい。つくだ煮だったり酒だったり、義実家はその年によって違う品物を選ぶ。そのどれであったって、あちらの気遣いなどお構いなし。母が気に入ることなど皆無なのだ。
こうした感想というか文句をずけずけと相手ではなく娘の私に言うことで、彼女なりのストレスを発散しているのだろう。


「食べないなら、お裾分けでもしたら?」


ついつい苛っとして意地悪なことを言ってしまう。そう言われることが弱いことを知りながら。
ご近所に配る相手などいないことを知りながら。


「いいわよ、あんた達が来る時まで取っておくから。持ってって。」


不器用で、それでいて強がりな母の精一杯の返答だった。




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さよなら、素敵ママ

素敵ママが引っ越したことを知ったのは、先日あった子ども会でのイベント時。
珍しく、子ども達も彼女も欠席だったものだから、熱でも出したのかと勝手に思っていたのだが、会長らの話で知ったのだ。


「いいよね~、あの一戸建て。あんな家に住んでみたいよ。」


「結局、なんだかんだ手に入れたよね。団地だって、ご主人の社宅だったから渋々だったらしいけど、ちゃんと浮いた分で貯蓄していたってことでしょう?」


「今時、ローン組まず現金一括って、凄すぎだよね!」




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皆の噂話が、頭上を通り過ぎて行く。ショックだったのは、何も知らされていなかったということ。
そりゃあ、バッタリ会えば立ち話程度の付き合いだったけれど、それでも一言あったっていいじゃないか。子ども同士は同級生だし、中学の学区は一緒。
もう一生会えない訳ではないけれど、だからこそ、今度会った時にどんな顔をしたらいいのか。
彼女からしたら、私なんてママ友以下なのだということを思い知らされた。現に、プライベートで遊んだりしたことだってない。ただ私にとっては唯一、タメ口で話せるご近所だった。
心の中に、ぽっかり穴が空いた気分。今後、エントランスで会うこともない。また、ゴミ捨ての帰りに立ち話すらない。
彼女に対しては、どこか不信感もあったけれど、それでもちょっとした関わりに心のオアシスを見付けていたのだと、失った後に気付いてしまった。




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部屋と心

大掃除が終わらない。
夫の冬休みまでに何とか綺麗にしなくてはと思うものの、体調が行ったり来たりでうまくいかない。
役員仕事が終わり、ほっとしたと同時に、気分が優れない日々が続いている。

なんとかキッチンと窓などは終わらせた。冷蔵庫も終わらせた。子供部屋は本人にやらせるとして、風呂場などの水回りとトイレ、それに大物ではリビングのワックス掛け。
もう、スルーしてしまおうかとも思うが、夫チェックでしてないことがバレたら、年末年始の空気が重くなる。

家族はのんびり過ごす正月かもしれないが、主婦にとってはその逆で気疲れする時期。
義実家訪問も免れない。体調不良で断ることは、今回は無理だ。先日、義母からの誘いを断った手前、無理してでも出向く必要がある。

あれもこれもと頭が忙しくなると、目の前の作業が手付かずになる。なので、家の中も散乱する。昔からそうだ。
部屋は主の心を表すというが、現状は荒れ放題だ。




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年賀状仕舞い

年賀状仕舞いー、夫にもして欲しく思う。
仕事が立て込む師走、年賀状作成は私の仕事。
子も大きくなったことだし、写真付きは辞めてイラストを選ぶ。ワードであれこれ頑張って作っても、夫のチェックであれこれ駄目出し。
もっとセンス良くだとか、明るめにだとか、逆に子供っぽ過ぎるとか。
なら自分でやれよと思うのだが、そんなことは口に出せる訳もない。
厄介なのが、宛名書き。PCで印刷設定せずに、敢えての手書き。
それが、常識なのだと言う。




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一言を男だから書かない代わりに、せめて宛名は手書きに。上司などに送る年賀状なので失礼が無いようにということらしい。

対して私がプライべートで出す年賀状は、片手程。引っ越し前のママ友と年賀状だけの繋がりママ友。それに従姉妹、かおりに昔のバイト仲間。
一番悩むのが、義両親に向けての年賀状。一言が思い付かない。どうせ正月に会うのに、何を書いたら良いのか。
義姉達への年賀状もだ。

気を遣い過ぎて、一周回って詰まらない一言。
そしてまた、「詰まらない嫁、義妹」認定を受けるのみ。年賀状仕舞いをしてしまいたい。




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クリスマスプレゼント

イブの朝ー、もうすっかりサンタの正体を知っている子なので、予めリクエストされていたプレゼントの手渡し。
勿論、夫からだ。
子は、にこりともせずにそれを受け取るが、形だけは「ありがとう。」と声に出した。
枕元にプレゼントを置く楽しみなんて、ほんの数年。もっと大事にしていれば良かったと思う。 子どもの成長は、育てば育つ程、早く感じる。

私達夫婦は、誕生日もクリスマスもプレゼント交換などしない。
交際していた頃は、何となくしていたが、結婚と同時に私が仕事を辞めて専業主婦になった頃から無くなった。
一度、家計をなんとかやり繰りし、余った金でちょっとしたプレゼントを買ったのだが、夫は渋い顔をして言ったのだ。


「こんなことに遣わなくていいから。欲しいもんは自分で買うし。」




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あの言葉は、正直萎えた。私から夫へのプレゼントが無いのだから、そのお返しとしての夫から私へのプレゼントも無い。
誕生日も、ただ年を取るだけ。そんな夫婦だから、我が子も人に何かをプレゼントするー、例えば母の日などにーという気遣いも育たなくなってしまったのかもしれない。

そんな中、クリスマスに子の枕元にプレゼントを置く作業は、味気ない我が家を彩る大切で愛おしいイベントだったと懐かしく思う。 だがしかし、今年は家族揃ってイブの夜から朝を迎えられたこと、それで十分なのだと思い直した。




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イブの朝

今日は、クリスマスイブ。
夫も早く帰宅するので、朝から買い出しに行かなくては。

料理、覚書。

〇ロールキャベツ
〇かぼちゃのポタージュ
〇ほたてとえびとアボカドサラダ
〇骨付き唐揚げ
〇色々刺身盛り合わせ

夫のリクエストで、ローストチキンではなくロールキャベツ。なんだかそれだけだとクリスマス感がないので、唐揚げも作ることにする。
ケーキは、夫が職場近くの有名店で予約を取っているというので、お任せ。
数年前のイブのように、突然ドタキャン、母子だけのイブは避けたい。
最近、手抜きだと言われがちなので、ここで挽回しなくては。

イブのスーパーは劇混みしそうなので、開店と同時に入店したい。




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薄い膜

昨日は子ども会のイベント。

詳細は省くが、疲労困憊。
会は滞りなくまた盛り上がり大成功だったのだが、なんだか薄っすらと見えない膜が皆と私との間に張られているかのようで、寂しかった。
大きなハプニングもなく、私はいつものように黙々と目立たない準備や後片付けを率先して行い、司会だとか子どもや保護者の前に出るような仕事は会長やHさんが取り仕切り、他メンバーも何かあれば機転を利かせて動く。
私がいなくても、きっとこの会は大成功だったに違いない。
味噌っかすー、そんな言葉が頭の中に浮かんだ。

子ども達と事前に打ち合わせした、保護者に向けてのサプライズも盛り上がった。ちょっとした劇のような催しだったのだが、元々あるお話を現代風にアレンジしたもので、面白おかしく仕立てていた。
こうした台本作りや配役決めなどー、また練習日を何日か設けていたのだが、私は発作前後で体調を悪くしていたことで、殆ど関与することがなく、なので居心地が悪かった。




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カラオケ大会も盛り上がった。子ども達は勿論、保護者や役員もマイクを持ち、ちょっとしたお題を与えられてそれにちなんだ歌を歌う。
私は皆の前で歌を披露することなど絶対出来なかったので、最初から喉の調子が悪いということで難を逃れた。
我が子は、皆の前で最近人気の女性バンドの歌を歌っており、そんな歌を知っていることも驚きだったし、割と堂々としていたことが意外でまた嬉しく思った。

イベントが終わり、流れで打ち上げをしようということになった。
夫は休みだったので、子を預けて一次会だけ参加した。酒の力を借りればーと思ったが、やはり皆との間にある薄い膜は剥がれることはなく、よそよそしい優しさが疎外感を生んだ。




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クレーマーですが、何か?

先日、かおりに高価なワインを奢って貰ったお礼といってはなんだが、クリスマスプレゼントを贈ろうと思い立った。
予算は、2000円。
いやらしい話だが、ワイン半分の値段に値させようと思ったのだ。借りは作りたくない。実は、かおりから言われた一言にカチンときたのだ。


「OOは専業主婦なんだからさ!こんなワイン飲む機会ないでしょ?」


こんなことを言われたら、ますます奢られっぱなしなんて気分が悪い。
ここ3日で、ちょっと難しいライター案件を引き受けた。〆切も短ければ字数も多く、また内容は全く興味がもてないこと。
だが、夫が毎晩のように飲んで帰りが遅いので、その時間を内職に充てたら、ワイン1本分の値段と同等に稼げたのだ。
お洒落な雑貨店。ここで、暖かい靴下やバスグッズなどの癒し系雑貨をプレゼントすることにした。
まずは、1000円程の靴下。消耗品だが、多少の趣味の相違があったとしても、家の中で履くぶんならいいだろう。
それからハンドクリーム。800円くらい。それに、2000円いくようにと入浴剤を購入することにした。
ハンドクリームは、30パーセントオフだったので、それが浮いた分で入浴剤をもうひと袋付けた。
レジへ行き、店員にラッピングをお願いした。


「ラッピング代は、150円かかります。」


「分かりました。」


ネームプレートの上に、店長のマーク。きびきびとした様子で、包装を始める。 だが、


「えっと・・このハンドクリームは、割引商品なのでラッピング不可です。」


クールな表情でそう言われ、動揺する。ただひとまとめにしてくれたらいいのに。これが入ることによって包装が面倒になるということもない。


「でも、これも含めてプレゼントしたいので・・」


「でも、こちらは割引なのでラッピング対象外です。」


融通の利かなさに腹が立つ。だが、私が弱気な女に見えるのだろうー客対応とは思えない上から目線で、


「その他はラッピングしますけど?どうされます?」


試すような顔。つい、かぁっとなった。


「じゃあ、自宅でラッピングしますよ!」




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店員は、ふんと鼻を鳴らすと、


「じゃあこちらだけラッピングしますね。」


と言い出したのだが、それも腹に立ち断ることにした。


「いや、ラッピング結構です!ラッピング代の返金手続きお願いします。」


一期一会ということもあり、強気な私が表に出た。


「え・・じゃあレシートを返して貰えます?」


背後には、ため息。気が付けば、後ろには長蛇の列・・
なんだか引くに引けなくなり、それと面倒になり、


「もう、要らないです!買うのやめます!」


店員は、明らかに眉間にしわを寄せて苛ついた表情を見せた。どちらにしてもレシートを返さなくてはならず、返金手続き。


自宅に戻り、この融通の利かなさに本社にクレームのメールを入れようかと思う。
割引だからラッピング出来ないとかー、ならばもっと店内に分かりやすい表示をしていて欲しい。
あの女店長の客対応の悪さも鼻に付いた。あれで店長が務まるだなんて、あの店の品位を疑う。
もう、あの雑貨屋には行くことはないだろう。




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過ぎ去るトラック

数年前ーこの地に越して来た。引越しは、別れと共に新しい出会いのチャンスを生む場所。
良くも悪くも、環境の変化は人の心をも変化させる。

私自身、夫と結婚した際、初めての新居は小さなアパート。節約家の夫は、新婚だからといって素敵なマンションを選択することもなく、ただ賃料の安さにこだわった。
ほぼ寝に帰るだけなのだ。そりゃあ、日当たりだとか騒音だとかは関係ない。

それでも、妊娠して出産ー、子が生まれたあの家は、小さいながらも私達の城だった。そう思えたのは、ご近所に恵まれていたから。
引っ越し前のママ友と出会い、私の初めてのママ友ライフは充実していた。
本来、人見知りで人間関係の構築に疎い私でも、何故か彼女に気に入られた。そこで一気に輪が広がった。私もなんだか自信が付いて、堂々と振る舞っていたのだろう。
今では影も形も無い姿。でも、あれだって私の一部分なのだ。それこそ、この地で知り合った人達は、あの頃の私を見掛けても気付かないだろうけど。




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ふと、引っ越したいなーそう思う。
団地ならでは、毎日のようにポストに投函される不動産関係のチラシ。賃貸よりも、戸建てや分譲マンション購入を勧めるチラシが殆どだ。
夫は、実家を引き継ぐつもりなのか?だが、実際は嫁に出ていない姉がいる。先行き不透明。

賃貸でもいいから、この地から越したい。そんな気持ちが高まる。40代、人間関係を新たに築くには、仕事か引越ししかない。
ぼんやりとした頭で洗濯物を干し終える頃、気付けば引っ越し業者のトラックはいなくなっていた。




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財力アピール

弁当の味見会と称した、卒対集まり。想定内だが、ほぼ皆でワイワイ昼食を取りたかっただけだ。
だが、予め、長机をいくつかくっつけて、コの字型にしており、座る場所は確保。孤高の人の隣が空いていたので、椅子取りゲームさながら席を取った。
スネ夫ママの長女が、英検2級の合格を果たしたらしい。
卒対では、その話で持ち切りだった。



「すごいね!まだ中学生なのに~。勿論、そっち系に進学させるの?」


スネ夫ママの旦那は、外資系企業で働いているらしく、なので知人も多く海外赴任をしているのだろう。
夏休みなどの長期旅行では、友人家族に会いがてら、海外旅行三昧だ。


「昔から、外国の暮らしに憧れがあるみたい。高校になったら留学したいって。」


「へえ!しっかりしてるね~」


皆に羨望の眼差しを浴びる彼女は、鼻の下を伸ばしている。さも、自分がバイリンガルであるかのように。


「でも、昔から頑張ってるよね。運動も勉強も。」


「バレエは挫折したからね。あんなにお金掛けたのに。」




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彼女なりの謙遜なのだろうが、いちいち鼻に付く。バレエにピアノに新体操。英会話に書道、そろばん教室にプール等。 色々やらせて最後まで残ったのが、英語ということか?
そして、それだけ教育費に充てられる財力を持つことをアピールしているようにしか見えない。


「S奈ちゃんはいいよね。ママが先生なんだから。」


他のママが孤高の人に向かって言う。孤高の人は、持ち上げられたことに気付いていないのか、飄々とした表情で、


「えー、でも、自分の子どもにはどうしてもうまく教えられないよ。勉強とかもそうでしょう?子どもだって、親に教わるより他人に教わった方が素直に聞くっていうか。」


話題がすっかり孤高の人に向けられ、スネ夫ママは面白くなさそうだった。
誰かが孤高の人をヨイショすれば、私は大袈裟に相槌を打った。スネ夫ママに見せ付けるかのように。
スキルは、金を出せば得られるものーという価値観はなんだか恰好悪いということに気付いたような、そんな表情をしていた。


弁当は、デラックス幕の内。何故かたこ焼きが入っていたが、たこの入っていない不良品。孤高の人にそれを訴えたら、笑ってくれて、皆に伝える。全員の視線が集中し、恥ずかしくなったが、笑いが起きたのでほっとした。
なんとなく、皆の輪に入れたような嬉しい錯覚をおぼえた。




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珈琲タイム

朝から雨がしとしと降っている。気温も低く、こんな日の熱いコーヒーは身に染みる。 このまま暖かいブランケットに包まれて、香ばしい湯気に癒されながら、じっとしていたい。

今日は、卒対の弁当味見会。
天気も 悪いし行きたくない。
だが、出席の返事をしてしまったし、ドタキャンしたら私の分の注文済弁当の行方が気になる。
誘惑に負けないよう、朝からせっせと家事をした。掃除も洗濯も食器洗いその他諸々、全て終わらせた。
なので、後は出掛ける準備。

いつものように、ボーダーカットソーにパーカー。その上にダウン。
そろそろ買い替えたいダウンは、袖のところも劣化しておりみすぼらしい。

忘年会や新年会の話で彼女らが盛り上がっている中、どんな表情をしたら良いのかーどうでもいいことばかり気になる。
どうでもいいこと目当ての集まりの中、浮いてしまったのだから仕方が無い。
卒業まで残すところ数か月。母親としての仕事を全うすることに意識を向けよう。




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オール×

卒対の忘年会ー


ーごめん!忘年会だけど、旦那が仕事だったの忘れてた!下の子預けられないから、今回は欠席します。
残念~( ノД`)


私にとっては、どうでもいい忘年会についての通知。だが、未読があれば確認しなくてはならない。
まだ、冬休み前のお勤めが残っており、変更事項だとまずいからだ。


ーえ!!それは残念すぎる!全員参加はなかなか厳しいよね。新年会企画するから、そんなに落ち込まないでー!


ーほんとに!?楽しみ~


すると、すぐさま新年会の日程調整の為、ラインスケジュール機能の通知。


ー早速、新年会のお知らせです♪気が早いですが(笑、みなさん、空いている日を教えてね!今度はフル参加で^^




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スネ夫ママからだ。うざい。今週は、弁当の味見会もあるのだ。それだけでお腹一杯。そしてまた、提案された日程全てに×印を付けなければならない。
もう誰が見たって、「参加したくない人」認定されるだろう。内輪だけでやってくれたらいいのに。
そう思い、だが、内輪だけの役員仕事に飛び込んだのは自分の方なのだと思い直す。場違いそのもの。
夫の意見なんて無視して、こんな大役引き受けなければ良かった。

皆が、喜びのスタンプを押す。その通知音が重なる度に、私の気は重くなる。
もうどう思われてもいいとヤケになり、全てのボタンに×を押した。




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うざい提案

週明けも、また卒対の集まりがある。
冬休み前のラストスパートと言わんばかりの、役員ライン。子ども会の方も同様。
正直、どうやっても馴染めない彼女等に、息切れしてしまう。中途半端に頑張った結果が、これだ。

合唱の練習も、全員が全員参加している訳でもない。ワーママらの何人かは、一度も来ていない人だっているだろう。
来ない人は、「そういう人」だって思われても気にしない人、または、それ以上に気にする事項がある人なのだ。

私は、夫が余計なことをしたお陰で、卒対委員になる羽目になった。悲しいことに、卒対委員は、集まりにはほぼフル参加。
孤高の人は、仕事もあるので、出欠席についてはさっぱりしたものだが、すべきことはきちんとしており、相変わらずの存在感を示している。
私のように、居ても居なくても同じ人ではない。居なくてはならない人なのだ。




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謝恩会で出す弁当を、皆で味見しようと言い出したスネ夫ママ。マジでうざい。
なんで、こういう面倒なことを思い付くのだろう。それに対して、ボスママを始め、卒対メンバーは「いいね!」スタンプを押しまくる。
私はスルーしてしまった。

だが、結局参加することになるのだろう。
まだまだ子ども会の大イベントが残っているが、卒対については、年内最後のお勤め気分だ。




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忘年会ランチ

かおりとのランチ。
楽しかった。

彼女がお勧めしてくれた、イタリアンの店。リーズナブルだが、とても雰囲気が良く、平日ということもあって並ぶこともなくすんなり店内に入ることが出来た。
スプマンテをまず頼み、乾杯。体にも心にも染みる。気心知れた女友達と向かい合って飲む酒は、ただただ美味しい。

ご主人は、再就職が決まり、現在共働きで忙しい日々とのこと。子どもも3人いるし、パワフル母さんといったところか。

かおりは働き出して、より一層洗練された。
バッサリとベリーショートに近いヘアスタイルに、大振りのハラコ素材のピアス。質の良さそうなー恐らく、カシミアの真っ白なニットに黒のパンツにヒールを合わせていた。シンプルな服装なのだが、お洒落に見える。
アクセントに真っ赤なレザーのバッグを持っていたのも恰好良かった。
対して、私は相変わらずのボーダーにジーパン。例の緑のバッグをアクセントにしたのはかおりと一緒。数年前に購入した、もっさりとしたエコファー素材のミドルコート。
自宅の鏡で見た時は、もう少しマシなはずだったのにー外のガラスに映った自分が、かおりと並ぶとなんだかみすぼらしく見えた。
だが、目の前に次々と料理が運ばれ、かおりの楽しい近況を聞いているうちに、もうどうでも良くなった。


「ワイン、白と赤どっちにする?」


「今日は、赤って気分。」


「私も。じゃあ・・ボトル頼んじゃおう♪すみませーん!」


かおりは店員を呼ぶと、私達好みの「辛口」「重め」の赤をリクエストした。


「でしたら、こちらはどうですか?」


「はい、お任せで~」


店員がカウンターに向かったので、かおりにどのワインを頼んだのか聞いた。何気なく値段を見ると、5800円。高過ぎる。




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「え!こんな高いの無理!」


咄嗟に声が出た。しかし、こんな言葉を躊躇なく言えるかおりは、貴重な存在。


「いいいのいいの。ボーナス出たんだから。ワインは奢るって!」


「そんなの悪い!」


「私が飲みたいの。黙って奢られなさい。」


申し訳無さで、最初の一杯はグビグビ自分のペースで飲めなかった。これは、グラスにしたらいくらだろう?800円以上するのではないか。
ほろ酔いの頭で、電卓を叩いていたのは最初のうちだけ。次第に頭がぼーっとしてきて、久々の酒ということもあり、楽しい気持ちを優先することが大事なのだと思い直した。

かおりは、家庭も仕事もママ友関係も何もかも、順調そうに見えた。愚痴といえば、少々子どもの出来の悪さくらいで、しかし深刻そうでもなかった。

私は、奢ってもらった分何かお返しをーそう思い、不幸話を提供した。
夫の経済的DVや子の反抗期諸々、それに、思い切ってママ友関係が最悪なことも。彼女はそれを全て「笑い」に変換してくれた。深刻な出来事も、なんだか絵空事のように思えた。
だが、一つ大失敗をした。つい、スネ夫そっくりのママがいると口が滑った。検索されたら、ここにたどり着きはしないかーそう思うと、背筋が寒くなった。
大丈夫だと思うが、酔いがすっかり醒めた今、一抹の不安が残った。




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13日の花金

今日は、まちに待ったかおりとの忘年会ランチ。
子も、放課後は友達宅でクリスマス会。夫も忘年会。なので、心置きなく羽を伸ばせる。
ただ、子ども会の打ち合わせを蹴っての会なので、出掛け際にメンバー達に会わないよう気を付けなければならない。
もし出会ってしまったとしたらの言い訳も、既に考え済みだ。

昨夜突然、実母から電話があり、ランチでもしないかと誘われた。一瞬だけ躊躇し、だが断った。聞かれてもないのに、役員仕事があるからと嘘を言って。
友達とランチだからー、そう断ればいいだけの話なのに、気を遣って言えなかった。娘が充実していることー、それを素直に喜べる母でないことを知っているから。
どちらにしても、文句は言われた。




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「もう、そんな訳の分からないボランティア活動なんてやめなさいよ。お金にもならないんだし、馬鹿馬鹿しい。」


自分だって、そういった活動に家中を巻き込んでのめり込んでいた時があったことを、すっかり忘れた風に言う。ただ私との決定的な違いは、それを愉しんでいたということ。
それが、私と母との育った環境や性質の違いに関係しているのだと思う。

夕飯は、簡単に温めるだけのシチューを用意しているので気楽。
ただ、あまり羽目を外し過ぎないように気を付けなくては。




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減らない心配

クラスメイトとのクリスマス会にそわそわしている様子の子。
掃除をする為部屋に入ると、作り途中のミサンガらしいものがいくつも出て来た。
ラッピング済のものを合わせたら、友達と自分の分ーらしい。

ピアノの発表会も間近だというのに、イラストばかり描いて一向に鍵盤に向かわない。
イラストも、友達が描いたものを手本にしているようだ。その手本が、まるでプロ顔負けの出来栄え。
恐らく、その友達は漫画家か何かを目指しているのだろう。
本棚に目を遣ると、いつの間に増えたのか、よく分からない漫画本がずらり。パラパラと中身を見るが、一向に興味が湧かない。
子が、自分の手の届かない場所へ行ってしまった気がした。




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埃をかぶったピアノにはたきを掛ける。
レッスン当日の時間前に、そそくさと弾いているが、とてもじゃないけれどこのままだと本番でヘマをする。
それも、自分自身の責任だ。そう頭で理解していても、私の分身でもある我が子が、皆の前で赤っ恥を掻くのだと思うと居ても立っても居られない。
また、夫も娘の大失敗を目にしたら、どんな風になるかー。想像するだけで頭が痛い。
それに、先日返って来たテストの結果も散々なものだった。タブレット学習も、最近では溜まりにたまっており、このまま中学まで続けるかどうか、やはり塾に入れた方が良いのかと悩む。

一番は、学校生活を楽しく過ごしていること。これに尽きるけれど、親としては次から次へと心配事を探してしまうのだ。




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消えた欲望

朝、ゴミ捨てに行くとタイミング悪く、園バスママ集団がエントランスで談笑中。
子ども達はいなかったので、既にバスは出発した後らしかった。
その輪の中に、お隣さんもいたものだから、素通りする訳にもいかず、軽く会釈した。顔見知り程度ー、素敵ママ程の距離感でもない。


「おはようございまーす!」


蚊の鳴く様な声とは対照的に、溌剌とした挨拶で返すお隣さん。皆の視線が一気に私に集まるような気がして、顔がかぁーっと熱くなる。
そそくさとゴミを捨て、再度通り過ぎる際に会釈をし、エントランスを後にした。

自宅に戻ると、ここは私の城。家族も出払い、好き勝手に過ごすことが出来る。
皆が帰宅するまでに帳尻を合わせさえすれば、後は自由の身なのだ。
熱いコーヒーを体に流し込む。大量にカフェインを取り入れたはずなのに、何故か体は睡魔に引っ張られ、気を失うようにソファーに倒れ込んだ。

目を覚まし、気付けば11時を過ぎていた。部屋の中は取っ散らかっていたが、無性にチョコレートが食べたい。
買い置きのチョコレートがあるはずーと冷蔵庫を探すが、どこにもない。夫が食べてしまったのか?無いと分かると、更に欲望は膨らむ。 ーチョコが食べたい、食べたい、食べたい・・




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抑えきれない気持ち。今日は外出する予定はなかったけれど、チョコだけでもと思い、割高だが家から一番近いコンビニへ行くことに決めた。
ほぼすっぴんにマスク。部屋着のままに外に出る。エレベーターを降りると、甲高い笑い声。
まだ、園バスママ集団がいてぎょっとする。朝からいたのか!?信じられない。2時間以上も、何をそんなに盛り上がっているのか?家事は一体いつするのか?
だが、私だって家事などせずにうたた寝していたのだ。どちらが充実した時間を過ごしていたのかといえば、正直、同じ穴のむじなだ。
条件反射で再び閉まりかけたエレベーターの開閉ボタンを押し、乗り込む。彼女らが背を向けていたからだ。再び、彼女らの前を通り挨拶をすることが、嫌味に取られやしないかと思ったのだ。


ーまだ、話してるの?あんたたち、暇人ね。


私がそんな風に心の中で思っているのだろうとー、そう思われるのが怖かったのだ。


散らかった部屋に戻ると、すっかりチョコレートへの欲望は消えていた。




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愕然

中学の部活ー


最悪だ。
スネ夫ママの息子、K君。
どうやら受験はしないらしい。せっせと塾通いしているようだし、頭脳明晰&運動神経抜群なのだから、私立へ行くものだと思っていた。
卒対の時の雑談で、耳に入ったのだ。


「説明会行く~?二人目だし、もういいかなって。」


「私は行くよ~。なんか変更あるかもしれないし。」




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ボスママとの会話だ。そして、K君の姉も勝手に私立だと思っていたので、驚いた。だが、子が通う中学校は、公立といっても偏差値的にまあまあ高いレベル。そう考えれば、おかしい話でもない。
途端に気が重くなる。
また3年間ー少しでも顔を合わす機会があるのが、嫌でたまらなかった。どこまでも一緒ー。近所でないだけましだけれど、行事の度に彼女の姿を探してしまう自分を想像する。
嫌なものほど目に入るのだ。
卒業と共に、心機一転ーその願いが叶うのはまだまだ先になりそうだ。




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中学校の情報不足

中学の部活ー


今のところ、子は美術部を希望している。友達に影響されてイラストを描くようになったからだ。
しかし実際のところは、友達が美術部に入部すると決めているので、それに倣ってという感じ。

親心としては、以前習っていたダンスだとか、折角ピアノを習っているのだから吹奏楽を希望していたけれど、親の心子知らずだ。
子から聞いた話だと、部活によっては親の出番もあるらしく、特に体育会系だと試合の度に駆り出されたりと忙しそう。
それを聞いてから、是非とも美術部へ!という気持ちに変わり始めたのだから、母として情けない。
中学になってまで、親の面倒な付き合いがあるのは御免だ。




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「でも、バドミントンもいいなぁ。」


今、子が仲の良い友達は4人なのだが、そのうちの3人は美術部で、あとの一人はバドミントンに入るのだという。
その子には兄がおり、その兄がバドミントン部。なので、入部したとしたら兄弟がいることで心強いのだそうだ。

中学の情報が、殆どない。ママ友がいないとこういう時に困る。
我が子から情報を得るしかないのだ。どの部活が親の出番が多く、どの部活が少ないーそんなことで子のやりたいことを阻止するつもりはないけれど、やはり気になる。
そもそも、子が行く中学がどのようなカラーなのか、そういったことすら分からない。色々と不安だ。




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プロの道

メルカリで購入した発表会のドレス。
結果から言うと、アタリだ。 なんと、おまけにとヘッドアクセサリーまで付いていたのだ。
これで1500円だなんて、安過ぎる。そして、使い終わったら売れるかもしれない?と下心。
というのも、これと同じドレスが、3000円で新たに出品されているのを見付けたからだ。
しかも、そのドレスは、シミありとなっている。私が手に入れた物は、シミもなければ皺もない。丁寧に梱包もされており、この出品者はとても良い人なのだと思える。 すぐに、コメントを付けた。
勿論、☆は最高評価。そして、嬉しさのあまり、長々とお礼のコメントまで。




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ふと、これを商売に出来ないかと思い始める。安く手に入れて、高く売る。
しかし、今回のドレスの出品者のように、稼ぐ人はただ自分が得になることばかり考えているとは思えない。
人とは違うサービスや工夫をし、実績を―得ているのだろう。
何百点も、同じようなものを出品している人は、きっとその道のプロなのだろう。
賢く稼ぐーこれからの時代、必要な力だ。




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来週の予定

来週は、楽しみな予定と憂鬱な予定が入り交じっている。
楽しみなのは、かおりとの忘年会ランチだ。これは、子ども会の打ち合わせの日とかぶった。だが、勿論かおりとの方を優先。
憂鬱な予定は、卒対の打ち合わせだ。更にまた、合唱の練習もある。歌なんて、それぞれ自宅で個別練習でいいのではないかと思う。卒業式直前に合わせたらいいとも。
だが、集まることに意義があるのだろう。母親達が、何か月も掛けて練習したー時間も手間も掛けて準備したこと。それが、子ども達へのプレゼントになるのだとボスママが殊更に言っていた。




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子も、来週はクラスの仲良しの家でクリスマスパーティーをするらしい。持ち寄りお菓子で、盛大に行うようだ。
一応、メンバーは聞いたけれど、顔と名前が相変わらず一致しない。6年になり、子の交友関係はまったく分からなくなった。だが、去年のように「イケテル」グループで背伸びしていた頃の子とは、毎日の表情が違う。
活き活きとしており、水を得た魚のようだ。

大人も子も、自分らしくいられる場所が一つでも多くあることが強みだと思う。
その強みがあれば、人と比べて負の感情を抱くことも少なくなるし、もっと自分を大事にすることが出来るのではないかと思う。




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知の限界

いよいよ子の宿題を見ることに限界を感じて来た。
普段はタブレット学習をしているのだが、それも最近では溜まりに溜まっている。とにかく学校の宿題が多過ぎて、そこまで手が回らないのだ。
仕事をしている母親は、一体どうしているのか?

音読だけでも、時間は取られる。読み終えたら、サインをしなくてはならない。それに加えて漢字の書き取りや算数などのプリント類。
また、学習面だけではない、係の仕事まで持ち帰ってくるのだ。




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昨日の宿題は、教科書やノートを見て、更にネットでぐぐっても分からなかった。子は、そんな私に不信感を持ったようだ。夫が勉強を見てくれたら良いのだが、物理的に時間が無い。


「皆、塾行ってるよ。」


暗に、塾に行きたいような台詞。タブレット学習について聞くと、それは続けたいと言う。だが、塾は金が掛かるし、夫に相談をしなくてはならない。
あっさりOKくれそうな気もするし、頑なにNGな気もする。
だが、このまま私が教え続けるのは、もう無理だ。中学になれば、学習内容はこんなものじゃない。母に学歴があれば、違ったのかなーと思う。




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芋づくし

夫の為に作った弁当。今日の昼飯だった。

朝食は、和定食風。焼鮭にサラダ、納豆に卵焼きと味噌汁。そして、フルーツには柿。
夫と子に食べさせている間、私はキッチンでバタバタと弁当を作っていた。
毎度のことながら、こだわりの無い夫なら楽だと思う。
例えば、たまにはチャーハン弁当だとか牛丼弁当などの丼ものでも喜んで食べてくれるような。
冷食も嫌いな夫なので、いちいち手作り。子は給食なので、夫の分だけ。
まだ新婚の頃は、私の分も作り二人分でやっていたけれど、昼はそんなにたくさん食べられないし、倍作らないとならないことで食費も案外掛かる。
離れていても、昼は同じものを食べているーそんなことが嬉しくときめくような夫婦関係でもない。


「今日、弁当要らない。」


こんなに近くで作っていたのに、全て作り終え、弁当箱をナプキンに包み終えた瞬間の報告。


「あなた、食べていいよ。」


悪びれる様子もない。だが、ここまで上から目線だと、もうどうでも良くなってくるものだ。悲しいだとか怒りの感情すら湧いてこない。
そして、ダイニングに置かれた弁当は、私の胃袋におさめることになったのだ。





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普段の昼飯は酷いものだ。魚肉ソーセージに煎餅だとか、食器を出したり洗ったりが面倒だからと買い置きの菓子で済ますこともあれば、米が残っていれば、納豆ご飯だったりバター醤油ご飯だったり。
なので、きちんとした弁当を前になんだか畏まってしまう。

レンジでチンし、蓋を開けると湯気がもわっとする。自家製弁当特有の匂い。それに条件反射するかのように、腹がぐぅーと鳴った。
メインおかずのじゃがいもとブロッコリーと鶏肉のマスタード炒め。かぼちゃの煮物。それに、サツマイモのきんぴら。
ふと、気付く。芋ばかりだということに。そして、こういうところが夫の苛々に繋がるのだろう。小言を言われた時は、気を付けるようにするが、同じ過ちを何度も繰り返す。
自分と関係ないところでの気遣いが足りないと、昔からよく言われる。

夫が、弁当の要らない日で良かったー、そう思い直した。




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お断り

義母から電話が来た。 久しぶりのことなので、狼狽えた。何か言われるのかとつい身構えてしまう。 だが、どうってことの無い内容だった。夫宛ての手紙が届いたとのこと。


「OOさん、たまにはお茶にでも来たら?」


急な誘いに胸がドキリとする。嫌な予感しかない。


「私、ちょっと仕事の日数減らして貰ったのよ。だから、あなたの都合の良い日を教えてくれたら、その日はシフト入れないから。」


還暦過ぎて、働くことになった義母。すっかり、「向こう側の人間」だ。この間までは、私と同様、家のことしか知らない専業主婦だったというのに。
むしろ、外の世界に出たことでより一層、頭はしっかりして、若返ったようだった。そして、過去に自分もそうだったはずの生活を思い浮かべる想像力さえ失ってしまったようだった。



「あなた、いつも日中何してるの?もうOOも大きいでしょう?持て余してはいない?」




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義母は人は良いのだが、天然なところもあり、油断していると急にこちらの領域にズカズカと入り込んで来る。そして、そういう目に合うといつでも、彼女は夫の母であり義姉達の母なのだなーと確信するのだ。
血は争えない。


「皆がいると、あなたなかなか自分を出さないじゃない。ちょっと色々相談にも乗って貰いたいし。都合の良い日、教えて。」


ー嫌だ、会いたくない。


義母の押しの強さに拒絶反応が出た。ここで出来た嫁ならば、二つ返事でOKするのだろう。だが、私は出来ない嫁だ。


「え・・・と、今月は、学校の予定だとか色々あって。それに、友達との約束もあるし子ども会の役員でバタバタしてて。」


嘘ではない、どれも本当のことだ。だが、あからさまに受話器の向こうで失望した様子の義母の姿が目に浮かぶ。


「そうなの。無理言って御免なさいね。あ、お歳暮だけど、あなたのご両親のお口に合うか分からないけれど、送りましたから。宜しく伝えておいてね。」


口調は優しかったけれど、何となく感じる義母の微妙な声色の変化に、やはり無理してでも付き合うべきだったかと後悔する。
受話器を置き、大きく深呼吸。また無理して発作が起きたらたまったものではない。これで良かったのだー、そう自分に言い聞かせた。




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腫れ物

久しぶりの子ども会。
集会所の扉が、いつもより重く感じるのは気のせいだけではないはず。
既に、一人先に入室しており、それはMさんだった。


「おはよう!久しぶり!」


「おはようございます。」


「皆、待ってたよ。心配もしてた。体調、大丈夫?」


「えぇ、まぁ・・はい。」


ドヤドヤと玄関から音が聞こえて来たのと同時に、会長やHさんが部屋に入って来た。


「OOちゃん!大丈夫だった?」


「OOさん、体調は!?」


怖かったHさんも、心底心配そうな表情で躊躇なく私に話し掛けてくれた。なんだか申し訳ない気持ちにすらなる。
Tさんは、お子さんが胃腸炎の為、来られず。この時期だから仕方が無い。
Mさんが給湯室でお茶を淹れてくれ、Hさんや会長が持ってきた茶菓子を出す。Hさんがこういうものを持参してくるのは初めてではないだろうか?


「良かったら、食べて。」


そのタイミングで、用意していた詫びのりんごを渡す。




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「うわー!ありがとう!!」


会長が、わざとらしい程満面の笑みでそれを受け取る。Mさんも、そしてHさんまで。Hさんについては、少しぎくしゃくした間があったけれど、それでもあのクッキーの時とはまったく違う対応だった。
そして、皆が私に対してまるで腫れ物に触るかのように接していることに気付く。まるで、病人扱いーしかも、精神的な。
何かあったら困るとでも言わんばかりだ。私の作成して来た書類にですら、


「口頭でいいのに!こんな丁寧にワードで作ってくるなんて!さっすが!」


Mさんが大袈裟に褒める。もっともっとすごい書類をHさんはこれまで作成して来ていた。その時は、こんな褒め言葉など誰もが口にしなかった。


「すごいね!体調悪いのに、こんな丁寧に仕上げてくれて。もうこの案でいいよ!」


会長が私の企画案を押す。Hさんは、流石に正直者なのだろう。微妙な表情をしていた。
その他、他の人達も自分の考えて来た意見を出し合い、うまく融合させたものを今度のイベントで行うことに決まった。自宅に戻り、冷静になった頭で考えてみると、結局太枠はHさんの考えて来た案に沿っていた。
皆に気を遣わせてしまったことに、後ろめたさと居心地の悪さをおぼえた。




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私は女優

いよいよ、今日は子ども会の打ち合わせ。いつ以来だろう。
昨夜はあまり眠れなかった。
どんな顔をして皆に会えばいいのかー
いや、病気だったのだから仕方が無い。それは事実だ。

宿題についても、駄目出しされること前提で、だが誠意は伝わるようにきちんと用紙にまとめて来た。
手書きでも良かったのだが、スマートにワードを使った。その作業に四苦八苦した。
行の寄せがうまくいかなかったり、図形の作成や挿入など、作業ひとつひとつが手間取った。




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発作が起きてからやめていた酒。だが、素面で皆に会う勇気が無く、駆け付け一杯くらいならいいだろう。
そう思い、度数の高いチューハイ1缶を冷蔵庫に忍ばせてある。
それに、お裾分けの体で八百屋で買ったりんご。これを負担にならない程度の2個ずつで8個を紙袋に。
クッキーの件があるので、突き返される恐怖心もあったからだ。実家から送って来て食べきれないからーそう一言付け加えれば、皆も受け取ってくれるだろう。
どうしても、手ぶらで行く勇気が出ないのだ。

あと数時間後ー、私は女優になる。そう決め込んで、取り敢えず目の前のことに集中する。
洗濯し、しわくちゃになった夫のシャツを、思い切り両手で叩いた。




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ドレス

子のピアノ発表会の衣装を買わなくてはならず、ショッピングモールへ。
この時期だからか、ドレスよりも卒業式のブレザーやワンピースが店頭には並べられていた。
今、中途半端な身長にある子。子ども売り場だとやや小さく、大人売り場ではまだぶかぶか。
サイズ合わせが難しいのだ。
去年の衣装でもいいかと聞いたら、あり得ないと言われた。ピアノの練習はしない癖に、こういうところだけは見栄を張りたがるのは夫と同じ。
子どもフォーマル売り場へ行くと、


「これ、可愛い。」


子が、大人っぽいシックなグレーのドレスを手に取った。




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値札を見ると、7千円弱。税抜きなので、込みにすれば7千円は超える。
予算は、5千円。夫から貰った金だ。流石に、発表会の衣装代だと言えば、ケチな夫も出し渋ることは無かった。
反抗期の娘を持て余しつつ、結局は甘いのだ。
メルカリを見たら、モールで子が気に入ったのと同様のドレスが1500円で売られており、しかもサイズも問題ない。即購入することにした。
ラッキーだ。そして、ほぼ新品。買うつもりは無かったが、モールで店員に勧められるままに試着をしたので、サイズもばっちり。
ただ、届くまでは何とも言えない。匿名配送だし、油断は出来ない。




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