どうでもいい案件
子ども会のプレゼントを買いに、駅前のショッピングモールへ。
本来は、3末までに渡したかったところだが、コロナ騒動でバタバタした為、4月始めに役員がそれぞれ手分けして対象者の自宅まで届けることになった。
ネットで色々検索したり子に相談してみたりして、自立するペンケースにした。
カラーは、お楽しみ。一応、男子用と女子用とに分けたけれど。
子が欲しい物―という言葉に甘えて、本当にその通りにした。もしかしたら、既に持っている子もいるかもしれない。
だが、あれこれ悩んで選んだ物でも、結局イマイチの反応をされるのなら、子が喜ぶ物にするのが一番だと思った。
「私、この色が欲しい!」
店に買いに行く前に、ネットで調べていたら、子がPC画面を覗き込みながら要求してきた。
なので、ラッピングの際、包装紙を男女で分けてリボンを更に色別で分けて貰った。これなら、子に希望の色を渡せるし、誰にどの色が行き渡るかも分かる。
何となく、欲しい色があればそれを渡せると、事前に皆に伝えておけばいい。
レジ前でラッピングが終わるのを待っていると、列の中に素敵ママの姿が見えた。思い切り目が合うが挨拶をしそびれる。
彼女は、マスクでも目鼻立ちがはっきりしているせいか、すぐに分かる。だが、私は地味顔なので顔の半分が隠れると誰だか分からないのだろう。
それでも、再び目が合ってしまい、反射的に声を掛けてしまった。わずか、3メートルの距離だったし、彼女が引っ越してから一度も会っていなかったことも気がかりだった。
「こんにちは!」
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一瞬、思い切り不審そうな表情を私に向けた彼女だが、私がマスクを取るとようやく気付いてくれたようだ。
「あぁ!久しぶり。」
ー引っ越したんだね。
という言葉が喉元まで出掛けたけれど、引っ込めた。何となく、こちらから言うことでもないかと思ったからだ。彼女の方は、いつも通り堂々としており、こちらの心情など屁にも思わない感じ。
「謝恩会、残念だったね。折角、歌も練習したのに。」
引越しのことは、完全スルー。
「ラッピングをお待ちのお客様ー」
店員に呼ばれ、素敵ママに子ども会のプレゼントを買いに来たことを伝えた。
するとようやく、
「そうなんだ~うちも卒業までいたかったんだけどね。残念。」
団地妻からセレブ新築妻に昇格した彼女は、言葉とは裏腹に清々したような顔をしていた。
「あ、会計しなくちゃ。じゃあね。」
最後まで引越し報告が無かったのは、私に報告したかどうかなど「どうでも良い案件」なのだろう。
きっと、数年後に街中で会ってこちらから挨拶をしたとしても、スルーされるーそんな気がする。
- category: 近所
- 2020/03/31