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任務完了!

Hさんへのプレゼント選び。でしゃばったことで、損な役回り。
駅前のモールをぐるぐる回り、適当な候補を挙げる。

1-、菓子折りセット
2-、入浴剤やハンドクリームなどのスキンケア系
3-タオルやコップなどの雑貨系

この3点しか思い浮かばなかった。だが、自サバHさんに、2と3のプレゼントは微妙な気がする。美意識が高そうでもなければMさんのようにインテリアや雑貨集めの趣味がありそうもない。
一体、何が好きなのだろう?

こうして、大して好きでもない人間の「好きなもの」を考えることは、非常に億劫だ。ただでさえ、近しい間柄ー友達や従兄弟、親兄弟に渡すプレゼントを考えるのさえ気を遣うのに、恐らく自分のことを嫌っているだろう相手へ贈るプレゼントを選ばなくてはならないなんて・・ 苦行でしかない。
やはり、ここは消えものがいいだろうか。
一応、サプライズのグループラインに確認を取るが、返信はない。そして、未読のまま。Tさんはあのラインのやり取り後、このグループの存在を消したのだろうか?
Mさんへ送った直ラインも、未読のままなのだ。一体、Mさんはどうしてしまったのだろう。3回程送ってもまだ未読なので、思い切って電話も考えたけれど、あれこれ悩んでいるうちに電話を掛けるハードルがどんどん上がってしまい、もう一人で全てやってしまおうと腹をくくった。

結局、菓子折りセットに決めた。可愛らしい缶ー容器はきっと使える感じに入った、クッキー詰め合わせだ。
ありきたりだけど、食べ物が無難だ。自分が食べなければ、家族に食べてもらうことだって出来る。
ラッピングもして貰い、なんとか一仕事終えてほっとした。




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自己投資

夫から、脱サラの話。酒も入っていたし、冗談半分のようだったけれど、以前、オンラインで誰かとそんな会話をしていたこともあり、不安が募る。
現に、給与がここへ来てガクンと減ったことで、手渡しされる生活費も減ったのだ。
いよいよ、私も働くべき日が来たか・・

将来を考えた時、私のようなコミュ障は、サービス業や工場などは無理そうだ。黙々と一人でも出来る仕事、加えて、持病の関係で立ちっぱなしの仕事は厳しい。
あれこれ調べているうちに、最低限PCは使えるようにしようと思い立った。
家庭に入り、これまでの間、子ども絡みの役員仕事でワードやエクセルなどを見よう見真似で使って来たけれど、そのどれもはひな形があり、中に入っている文字を変えるくらい。
求人などを見ていると、「PC出来る方!」と記載されているけれど、そのレベルはどれ程なのか?
採用する側とされる側、「出来る」レベルの差異はどれ程なのか・・考えれば、客観性が必要だ。

早速、本屋へ向かう。色々調べて、MOSという資格取得に行きついた。どんな仕事も、資格より実務が大事だと言われるけれど、ブランク大ありのアラフォー主婦、何も無いより何かはあった方がいい。
大学も出ていない、運転免許も持っていない。これといった資格もない。ないない尽くしの私。
夫の脱サラ話により、ぬるま湯に漬かってる場合ではなくなりつつある今、少しでも採用される為の材料を揃えておく必要があるのだ。

MOSの参考書は、2千円もする。虎の子からの出費だが、これは自己投資だ。中身をパラパラ見て、購入を決めた。
一体、どれくらいぶりだろう。自分の為の勉強本を買うのは。失敗した受験勉強以来だろうか。

問題集を持ち、帰りにスーパーに寄る。スーパーで買い物をする時に感じる、訳の分からない焦燥感。日々繰り返される同じような日常に、誰からも必要とされていない圧倒的な孤独。
目的もないまま何周もスーパーを回り、このまま一気に80歳になるかのような錯覚に陥るあの感じ。
それが、その日には起こらなかった。
ずっしりとした問題集の入った紙袋に、私の未来がある。まるで、既にそれを手に入れたかのような高揚感。いつもの店内が色付く。




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言い出しっぺ損をする

子ども会の打ち上げは、結局このままお流れになったのだろうか。
貰えるはずの活動費は、いまだ宙ぶらりん。そして、会長とHさんに渡す感謝のプレゼントも、宙ぶらりんのままだ。
サプライズグループも作ったのに、トークは途中で切れている。会長には、Tさんお勧めのボディークリームになったのだけれど。
サプライズプレゼントを渡すのは、打ち上げの時と決めていた。なので、まだまだ時間はあるのだろうけれど、つい気になってラインしてしまった。
2か月以上ぶりのラインだ。一応、旧副会長として、何らかのアクションを起こさなければという思いもあった。


ーお久しぶりです!皆さん、お元気ですか?子供たちの学校も始まり、落ち着いた頃でしょうか?さて、SさんとHさんへ送るサプライズプレゼントですが、どうしましょう?Sさんにはボディークリームですよね。Hさんには、何がいいですかね。」


思い切って、メッセージを送信する。しばらく経って、Tさんからの返信。


ーお疲れ様です。Sちゃんへのサプライズは私が手配しました。ラッピングも済んでいます。いつでも渡せる状態です。Hさんへのプレゼントは、OOさん、お願い出来ますか?
想定外の返事に戸惑う。名指しで依頼されたことに違和感もおぼえる。


ー品物を決めてくれれば、買い物には私が行きます。お金の建て替えもOKです^^


やんわりと、笑顔文字を付けることで、相手に不快感を与えないよう注意しながら返す。既読数は「1」。Mさんは未読のようだ。Mさん、会話に入って来て!と祈るような気持ち。


ーOOさんがいいと思うものでいいです。予算だけはSちゃんにあげた物と同じくらいで。よろしくお願いしまーす!


「ぺこり」とお辞儀のスタンプ。一方的過ぎではないか?完全に舐められている。しかし、Sさんの分は彼女が全てやったのだから、平等といえば平等だ。ただ。Mさんがずっと未読なのも気になる。なので、Mさん宛てに直ラインした。 だが、なかなかそれも既読にならない。
余計な仕事を自ら増やしてしまった。言い出しっぺなのは、私。やる気があると思われても仕方が無い。それに、私は旧副会長としての仕事をHさんにほぼ委ねていた。Hさんに感謝すべきなのは、私なのだとTさんに思われているのかもしれない。 実際、それはそうなのだけれど。




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ゴリ押し

夫に、自治会の件を聞けば、意外にもOKの返事。
私としては、断る気満々だったのに、むしろ暇なんだから引き受けたらのスタンス。なんだか面倒なことになってしまった。
そして、


「俺は仕事で忙しいんだから、頼むよ。」


結局、私に丸投げなのだ。
依頼のあった翌日、午前中に鳴り響く電話に出ると、副会長から。やはり、どうしても引き受ける気持ちになれず、主人がNGなのでと嘘を付く。


「別に、ご主人は名前だけ貸してくれたらいいのよ。みんなそうしてるわよ。働き盛りの男性にそんな無理言えないわ。奥さんがやってくれたらいいのよ。


押しが強すぎて、断るタイミングがつかめない。会話を挟む「間」を与えない感じ。


「奥さん、働かれてるの?」


ー来た。これで専業と言えば、ロックオン決定だ。そして更に、


「お子さんは?何人?何歳?お隣さんから聞いたところだと、もう大きいのよね。」


「えぇ・・はぃ・・」


声が小さくなる。


「そんな大事に考えないで!ボランティアですよ、ボランティア。出られる時にやってくれたらいいから。今年はお祭りも中止の方向だしね。大丈夫、大丈夫!!」


結局、押し切られてしまった。


「で、早速だけど、今度の会合日程だけお伝えするわね。そこで、詳細についてはお知らせしますね。自己紹介もして貰いますね!」


自己紹介・・様々な業務の中でも、三本指に入る程避けたい仕事。途中参加でもやることになるとは。名前だけでいいと言いながらも、こうしてあれこれ気の重い仕事を任される気がし、憂鬱になった。




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推薦

自治会の副会長から、直々の電話。今年度の役員のお願いだ。
既に、うちの棟の代表は決まっていたはず。そう思い、尋ねると、



「それがね、急な転勤で今度の夏には引越しが決まっているの。で、こっちとしても穴が空くと困るのね。で、急遽代役を立てないとならなくて。」


「無理です・・今年は。」


「OOさん宅は・・来年に決まってるわよ。でも、今年引き受ければそれは免除になるし、もう3か月は過ぎてるわけだし、コロナのことで色々中止も多いし、きっと損はないわよ!」


ぐいぐい押される。だが、役員は世帯主の名が名簿に載ることもあり、私独断では決められない。夫が役員仕事をすることなんて皆無だが、だからといって勝手に名前を載せる訳にはいかないのだ。」


「じゃあ、ご主人に相談して下さる?また返事は後日聞きますね。お隣さんにも断られちゃって。OOさんなら引き受けてくれると思いますよって推薦されたのよ。」


ーえ?


よくよく聞けば、お隣さんが我が家を推薦したのだという。我が家より先に、お隣さんに打診していたらしいのだ。理由は、ご主人が社交的だから。
確かに、お隣のご主人は、最近こそ見掛けることは少なくなったが、人当たりも良く、進んで団地周りの掃除や草むしりなどにも参加している。お祭りも然り。
そして、ご近所のおばさん連中の輪にもすんなり入ることが出来るし、パパ仲間も多そうだ。素敵ママのネットワークかもしれないけれど。
それにしても、私とは挨拶程度の仲なのに、推薦なんて・・あり得ないし腹が立った。


「じゃあ、お願いしますね。」


副会長は、期待の籠った声で電話を切った。
正直、子ども会や卒対から解放されて、今年はゆっくりしたかった。あの馴染めない疲れる空気に身を置くのは、大きなストレス。
コロナの件から、引きこもり生活に拍車が掛かっている。やっぱり、私は一人で家にいる方が性に合ってるのだ。それに、コロナが落ち着けば、いよいよ仕事探しに本腰も入れなくてはならない。
今年は、充電期間。自分で勝手に決めたものだが、無駄にエネルギーは使いたくないのだ。




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いいねの数

部活こそ始まってはいないものの、学校もようやく中学生活を感じる時間帯の下校。
夕方、ぞろぞろと制服の群れがバルコニーから見え、子の様子も見えた。まだ、登下校はDちゃんらとしている子だが、部活が始まれば誰と共にするのか。
帰宅し、ご機嫌にスマホを触りながら出されたおやつを食べる子に向かい、話し掛ける。


「部活、Dちゃん達と一緒にするの?」


「え・・なんで?」


「だって、仲いいじゃない。」


「Dちゃんは、Eちゃん達と一緒のテニスかバスケにするみたい。私は、まだ考え中。」


一瞬、私に視線を向けたものの、すぐにスマホ画面に戻る。邪魔にならない程度に、再び質問をする。


「スマホ、楽しい?」


煙たがられないよう、あくまで友好的に。すると、子がスマホ画面を私に見せて来た。


「見てよ。Dちゃん、すごくない?いいねの数。」


Dちゃんが上げたというタイムライン投稿に、「いいね」が80件以上もついていた。よく分からないけれど、フォロワーとやらも何百人といるらしい。
なんてことはない、購入した文具の投稿。これに、コメントまでがたくさん付いていた。


「Dちゃん、人気者だからなぁ。」


羨ましそうに子が言う。


「OOも、投稿してみたら?」


「え・・微妙。誰もいいねしてくれなかったら恥ずかしいし。」


「ママがするよ。」


「え。もっとはずいんですけど。」


顔を見合わせて笑う。
久しぶりに、穏やかな午後のおやつ時間だった。




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理想の家族

夫と子の冷戦状態は続いている。
朝の食卓は、いつも通り会話は無いけれど、微妙な緊張感が漂う。
こういう時、母であり妻である私が、彼らの橋渡しをすべきなのだろう。そう思い、恐る恐る、二人に話し掛ける。


「部活は、何に入るか決まったの?」


「まだ。」


「体育会系か文化系だったら、どっちとか。」


「わかんない。」


「・・・・」


気を取り直して、今度は夫に尋ねる。


「今日は、夕飯要る?」


「そんなの、その時になんないと分からないよ。」


「・・・・」


会話、終了。箸と茶碗がぶつかり合う音が響く。それ以上、会話の糸口を見付けることが出来ない。家族なのに、まるで他人の顔色を伺うようだ。
皿を洗いながら、妄想する。


「ちょっとちょっと!いい加減にしなさいよ二人とも!パパも、子どもみたいに膨れてないでさ、思春期なんだから、流しなさいよ。OOも、父の日くらい可愛げある態度取ったらどう? 毎日、あんたの為に頑張って外で働いてるんだからさ、毎日とは言わないけど、父の日くらいは感謝の態度示しなさいよ!」


こんな風に、親子喧嘩の仲裁が出来たらいいのに。自然に、ぎこちなさなどなく。肝っ玉母さんとまではいかなくても、太陽のような存在でいたい。
家族を明るく照らすようなー・・元彼の奥さんのような。

最悪な父の日だった夜、寝付けなくて、元彼のSNSを覗き見した。父の日を盛大に祝って貰ったのだろう、子供たちからは手作りの料理やケーキ、それに、奥さんが選んだのだろうか、センスの良いネクタイピン。
子ども達からは、手作りのマッサージ券。
父の日の食卓は、豪華だった。子どもが作ったからなのか、多少の見栄えは置いておいて、それでも愛情たっぷりの食卓だった。
妄想の中、いつの間にか、私の夫は元彼にすり替わっていた。そして、今日は元彼の誕生日だったことを思い出す。父の日を終えて、誕生日はまた祝うのだろうか?
それとも、父の日と合同ということだったのか?
きっとまた、SNSを覗き見てその確認をしてしまうのだろう。
元彼の顔をした夫は、子に話し掛ける。


ーパパは、寂しいよ。こんなにOOのことが好きなのに。いつも冷たくされてさー。」


ーパパ、マジうざい!


ーそんな口叩くんじゃないの!OOは、パパに何度オムツを替えて貰ったと思ってるの~??


妄想の中の夫は、きっと子のオムツ替えも進んでしてくれたし、家事もたくさん手伝ってくれただろう。典型的なマイホームパパであっただろう。
そんな夫の愛情に包まれて、子だって表向きは反抗しても、心の奥底では父親をリスペクトし、愛していただろうと思う。


「おい!おいってば!!」


突如、妄想を邪魔して来たのは夫。


「弁当、要らないから。今日は、部下と焼肉行くわ。」


なんで、いつも全てが終わった後に報告するのだろう。作る前に言ってくれないのかー。そもそも、弁当を作り終えるタイミングで夫は起きる。
時間的に仕方のないことなのだろうけれど、ならば、前日の夜にでも報告して欲しい。


「あれ?OOは?」


「知らない。」


いつの間に、子は学校へ行ったようだ。そしてそれを「知らない」と返す夫。どこまで子どもなのだろう。
妄想をし、子どもを送り出すことが出来なかった自分を棚に上げても、現実の夫に対する失望の数は、また一つ増えるのだ。




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  • 2020/06/23

大人の物言い

昨日は、最悪な父の日となった。

夫は、日中ぶらりと外出。
夕飯を豪華にしようと、子に手伝うように促すが、気乗りしない様子。
ロールキャベツに唐揚げにエビフライ、ミネストローネにパエリア。ロールキャベツは頑張ったが、唐揚げは市販の粉を使ったし、パエリアも素をこっそり使った手抜きだ。

午後4時過ぎになり、準備もおおかた終わり、子にトッピングくらいはさせようと声を掛けるが、スマホに熱中して私の話などスルー。
それならと、事前に私が買っておいたプレゼントを子に渡し、手紙くらいは付けて渡すよう声を掛けると、


「めんどくさ。」


まったく乗り気ではない。今年の母の日、結局、子から何かしてもらったわけではないけれど、カレーを作ろうとした気持ちがプレゼントだった。
父親には、そういう気持ちすらないのか。
私も苛々が募り、とうとう子に爆発。


「だいたい、父の日って子どもが親にするもんでしょう!?なんで私が全部やらないとならないの?料理だってプレゼントだって、本当はOOが仕切るべきじゃないの?」


「ママが一人で張り切ってるんじゃん。」


「張り切ってなんかない。OOがまったく動かないからやってるだけで。パパがどれだけ今日を楽しみにしてるのか分からない!?」


「だーかーら、そういうのがうざいんだってば。なんで父の日だからって感謝しないとなんないの?一斉に、この日だけ日本中の子どもが父親に感謝するのっておかしくない?」


「じゃあ、あなたは毎日感謝してる?スマホだって買って貰って、習い事もさせて貰って、こうして呑気に毎日好きなもん食べて過ごせてること、パパに対して有難いって気持ちはないの?」


「親って、子どもにそういう見返り求めてるの?」


バタン!と、ドアが開く。いつからだろう、夫が家の中にいた。言い合いの中、玄関を開ける音に私も子も気付かなかったのだ。
夫の形相は、酷いものだった。怒りと失望の入り交じった顔。だが、怒鳴る寸前まで我慢しているのか、いつもより一際低い声で、


「くだらない・・飯、外で食ってくるわ。」


そう言い残して、出てってしまった。流石に、子もばつの悪そうな顔をしたが、謝ることはなかった。にしても、子が、一気にここへ来て大人のような物言いをするようになった。
夫は夜更け、べろべろに酔っぱらって帰宅した。掛ける言葉が見付からず、気にしてない風を装うことに私は精一杯だった。




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休校思い出タイムライン

まだ切れていない、卒対ライン。子ども達はとっくに卒業し、入学もしたのだが、同窓会をする話で一旦決着ー、なので抜けるに抜けられないのだ。
嫌でも目に入る、スネ夫ママのタイムライン。見なければいいだけの話なのに、ついチェックするのが日課となってしまった。

最近アップされたタイムラインは、何枚もの写真と動画が一画面にぎっしりとおさめられていた。上の子の入学式の写真やK君の写真。休校中にオンライン授業を受けている上の子や、お洒落なダイニングテーブルでたこ焼きパーティーをしているところ。
広い庭での家庭菜園の様子や、お菓子作りや人生ゲームなど、家族で楽しんでいた様子が散りばめられていた。
ついでに、先日の母の日に盛大にお祝いをされたのか、長女手作りのケーキや花束、それにご主人からのプレゼントは有名ブランドのピアス。これらも写真にアップされていた。
幸せな私、愛されている私、充実している私ー見て見て!と言わんばかりに。

上の子については、受験が成功したのだ。有名私立校の、真新しい制服に身を包み、すっかり娘らしくなった様子。その両隣にスネ夫ママとイケメンご主人、そしてK君。
スネ夫ママも、ちゃっかり着物を着ている。ばっちりメイクのドヤ顔。匂わせ画像というやつなのか、チラリと学校名が分かるようなヒントがあちこちに。
偏差値も良く語学に力を入れている人気の高校だ。きっと自慢の娘なのだろう。そして、K君もその後に続くのだろう。

コメントも、長々と書かれている。


ー休校中に、色々ありました。まずは、二人とも入学おめでとう!コロナで大変な中での新生活スタートだけど、めいいっぱい楽しめますように。
そして、長かった休校も終わり!
こんなに家族べったりで過ごせたこと、ママは幸せでした。まだ二人が小さかった頃みたいに、一緒にゲームしたりお菓子作りしたり、宝物のような時間でした。
さぁ!休校が明けて、私も仕事再開!
家族みんな、それぞれの生活を頑張ろうね^^

えっと・・誤送信ですか?的な。誰に向けてのメッセージ?これらの写真、家族アルバムにでも貼って下さいよ。語り掛けも、直接彼らに言ったらいいんじゃないですか?
コメント、待っていますか?他人からの?羨望のコメント、待っていますか?

心の中、スネ夫ママに語り掛ける。実際、語り掛けたいくらいだ。
家族宛てのメッセージと見せ掛けて、ママ友達や知人、皆に向けての幸せアピールを盛大に行う彼女。うざい。
芸能人のインスタやブログならば、稼ぐことを目的にーや活動の一種なのだけれど。
一般市民が行う、利益にならない私生活のさらけ出しは、承認欲求の表れだ。
そして、それに苛々する私のような人間は、実は、彼女の生活に憧れていたりするのだ。




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洗礼

一時も肌身離さずのスマホ。子の場合は、主にラインだ。
時間設定は、朝の6時~夜の21時までにしている。流石に、学校へ行っている間はないけれど、登校前と下校後は、ずっとライン時間。
朝、起きればライン通知。朝食中も歯磨き中も、制服に着替えている時だって、ライン音は鳴り響く。


「ちょっと、いい加減にしなさいよ。」


通知音が鳴る度に、何かしらの中断。落ち着きのない子の様子に、夫さえ眉間にしわを寄せる。


「おい、朝はラインやめろ。」


子は、夫を睨みつけるが、そう言っている夫の視線の先にはスマホ。スマホを触りながら注意する父親の言うことを誰が聞くのか?
生意気を返しそうな子に、私の方が焦る。


「スマホ代は、パパが出したんだからね。親のルールを守れないのなら、自分でバイトして稼いだお金で何とかしなさい。」


つい、口調がきつくなる。すると、今度は私を睨むが、すぐに諦めてため息。


「じゃあ、ママが持ってて。」


そう言うので、朝から学校にいる間は、私が子のスマホを管理することにしたのだ。


「一体、こんな忙しい時間になんだっていうんだよ。」


夫の疑問に、子は髪をブラッシングしながら答える。


「クラスライン。一部の子だけで盛り上がってるんだけどね。」


「OOは、トークに参加しないの?」


つい、気になって聞いてしまう。


「うん、話したことない子だし。陽キャの子達だけで盛り上がってる。」


子が登校した後、気になってラインを見てしまう。驚くことに、ちょっと目を離した隙に、三桁を越える未読件数。それが開封済になってしまい、帰って来た子に突っ込まれたらどう言い返そうか頭を悩ます。 だが、それよりも心配なのだ。
クラスラインは、殆どスタンプと内輪話?ニックネームと下の名前、それにイラストだったり芸能人の写真のアイコンが並び、一体、誰が誰なのか。 S奈ちゃんだけは、自分の顔ーしかも、メイクをして猫耳をつけた顔をアイコンにしており、すぐに分かった。そして、そのキャットメイク顔アイコンが、ずらーっとトーク画面上、連打されている。どうやらS奈ちゃんグループが、クラスの中心になっているようだ。
朝は主に、宿題が出来たかどうかとか持ち物の確認。夜には、その日あった学校でのおもしろ話なのだが、よく分からない。これが、内輪話なのだろうか?
確かに、子から発信している吹き出しは一度も無い。ずっとずっと遡り、グループに入った際の「よろしく」スタンプのみ。
すべて、既読スルーをしているのだ。そもそも、クラスの殆どがそのグループに入っていながらも、実際のトークは半数いるかどうか。
ママ友の世界同様、子供たちのライン世界もそうは変わらない。その中で、子はやはり、私と同じ人種なのだ。

子は、疎外感を感じてはないだろうか?入らなくても良い情報の取捨選択は出来ているのだろうか?色々と、気の揉むことが多くなって来た。
これが、中学生活の洗礼というやつなのかもしれない。




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買い物でストレス解消

久しぶりに、駅前のショッピングモールへ。ここは、何でも揃う場所。スーパーも本屋も雑貨や衣類も、そしてフードコートも。
自粛中は我慢していたが、買い物欲がふつふつと湧いて来た。
子の寝巻を新調しなければならず、それを目当てにユニクロへ。感謝祭をしていることもあり、結構な人混み。
シンプルが好きな子には、なるべく地味目なものを選ぶ。セール品も多くあり、見てるだけで楽しい。ワンコインちょっとで買えるTシャツやカットソー。
自分用にも何か欲しくなってしまう。10万の給付金も貰えることだし、何か買おうかーそう思い、あれこれ手に取る。
素敵なロングスカート。もう何年も履いていないスカート。夏に涼し気な素材だし、洗濯も楽そう。色のバリエーションもたくさん。
明るい色がいいなと思い、くすんだピンクとイエローのものを手に、試着室へ向かった。すると、試着室を並ぶ列に、素敵ママとお隣さん。
二人とも、同じような格好。Tシャツ素材のワンピにボディーバッグ。それに、キャップ。色違いでお揃いなのか?と思うけれど、流行りのスタイルなのだろう。
2人で仲良くお買い物。後ろ姿なので、私に気付いていない。振り返られないうちに、踵を返した。

購買意欲はすっかり萎えてしまった。神様が、贅沢をするなと言っているのだ。スカートを元に戻す。
子の寝巻だけ持って、レジに並んだ。


その後、百均へ行く。ここでも必要なものを色々と。子の弁当グッズ色々。最近は、百均とは思えないクオリティのものが多い。
可愛らしい保冷剤、近くの雑貨屋では300円した。200円の差なんて、分からない。
外側だけでは分からない。

スカートを買うことが出来なかった鬱憤に、百均で目に付いたちょっと欲しいものをたくさん買ってしまった。
可愛いヘアクリップ、マニキュアとマスクケースにいいかもと小さなクリアファイル。使う予定もないのに、マステを2本。来月1日からの為に、エコバッグ。
ワンコインと決めていたのに、100円オーバー。
しかし、心はスッキリした。今日は、買い物をしたので過食はしない。ストレスを自分なりにコントロールするのだ。




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過食期

「あなた、コロナ太りじゃない?」


私のことなんて無関心の夫から、珍しく指摘された。綺麗になっただとか、髪を切ったのかだとか、メイクを変えた?だとかの色っぽい指摘ではない。
あくまでも、釘をさすような指摘。

コロナで自粛期間中、体重計の調子が悪かったこともあり、しばらく正確な体重が分からないままだった。
夫がネットで新しいものを買ったので、恐る恐る乗ると、目を疑うような数値。
夫が体重計を新調したのは、まるで太った私への当て付けのようにさえ思える。
身長が163㎝の私だが、体重が59キロ。あと少しで大台に乗る。さすがにまずい。
特に、腹周り。普段、隠しているだけにその太さは全裸になれば一目瞭然。誰の目にも触れない部分だからこその、緊張感の無いだらりとした肉の塊。
この部分を綺麗にそぎ落としたら、マイナス3キロくらいにはなるだろう。

そもそも太ったのは、夫の残飯処理のせい。不要になった弁当や夕食などを、捨てるのは勿体無いので食べる。冷食や作り置きが大嫌いな夫は、料理上手の義母のお陰で我儘かつ贅沢なのだ。
自粛明けから、残業こそ少ないものの、それまでの鬱憤を晴らすかのように部下や同僚と飲み食いしている夫。そんな時は帰宅も遅い。
ここ最近の暑さもあり、夫のいない夕飯は、キッチンドリンカーからの晩酌になる。色々と細かい夫だが、自分の飲んだ酒の管理まではしていない。戸棚に隠している、私用の激安サワーが切れている時など、夫の酒をこっそり拝借してもバレない。
発泡酒なんて買わない、常に本物ビールを愛飲する夫。私からしたら贅沢品。これを飲みながら夕飯をとると、子との会話も進む。相変わらず、傍らにスマホの我が子だけれど、ほろ酔い気分だと、そんなことはどうでも良くなる。
それが子にも伝わるのか、最近では、私が酒を飲んでいても何も言わない。そして、暗黙の了解で「パパには内緒」にもしてくれている。

だが、最近の体の痛みは太ったせいかーそう思うと、ダイエットしなければという気持ちに駆られる。 朝食は抜く。そして昼食は握り飯一つ。だが、午後2時を過ぎると、猛烈に腹が鳴る。ここが我慢のしどころなのだろうけれど、ぐうぐう鳴る腹は空腹中枢を刺激する。
我慢出来なくなり、チキンラーメンに湯を注ぎ、更にトッピングに生卵を入れて一気に掻き込む。そうなるともうお手上げだ。あれよあれよと食欲が暴走し、今度はアイス、次にスナック菓子と掃除機のように平らげる。
昔からそうだ。板チョコを数枚一気に食べたり、袋菓子は封を開けたら最後まで食べきらないとすっきりしない。満腹であってもだ。
食べた後は、すっきりする。体ではなく、心が。
周期的に訪れる過食期に、どうやら入ってしまったらしい。




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メッセージ

夫の父の日は置いておいて、義父と実父の父の日をようやく済ますことが出来てほっとしている。
義父には、要望通りの品物。夫が義姉から情報を得て、今回はネット注文の配送までスムーズに終わった。
会計は、夫持ち。後日義姉達が割り勘で払うのか、それとも夫持ちなのかは、よそ者の私の知るべきことでもない。
実父には、ちょっとお高い珈琲豆のセット。最近珈琲にはまっていると、先日の電話で話した際聞いたのだ。

40年以上、彼の娘をやって来たというのに、父の趣味だとかはまっているもの、好きな歌手だとかスポーツ選手など、よく分からない。
それでも、毎年のように、メディアが行っている「父の日ランキング」というものにランクインしているものを贈っては、自己満足。
娘としての義務は果たしたーそんな風に思っていた。

「何が欲しい?」とストレートに聞けたらいいのだけれど、私と父の間には、私と母との間とはまた違う種類の「壁」があるのだ。
メッセージカードには、いつも何を書いたらいいのか悩む。距離感が難しいのだ。


「いつも、ありがとう。体に気を付けて、元気に過ごしてね。」


判を押したように、いつもの言葉。気の利いた台詞も思い浮かばない。こうして父の日を祝うのだって、あと何回なのか。
それを思えば、もっともっと言いたいことは溢れて来たっておかしくないのに。
だが、今更―という照れくささに加えて、わざとらしさを感じ、やはりいつも通りの言葉を書き連ねる。
父から見て、私はきっと「何を考えているのか分からない娘」に違いない。




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消毒ボランティア

学校より、コロナ対策としての消毒ボランティアの通知が来た。
日中、暇な私。だが、そのプリントを前に、罪悪感を持ちながらもスルーした。プリントは、即刻廃棄。夫に見付かれば、以前の卒対の時のように強要される。

子に聞けば、結構な数の保護者が手伝いに来ていたらしい。やはり、罪悪感。その中には、素敵ママらやDちゃんママもいたらしい。彼女らにとって、ボランティアは兼、ママ友との社交場なのだ。 その場所に馴染めない私にとっては、単なる苦行だ。仕事と割り切っている人達の中でなら、私も参加しようかと思う。
ウジウジとそんなことを考えて、こっそりプリントを見なかったことにしている私は、子の前で胸を張れない母親だ。

早く、中学を飛び越えて高校に進学して欲しい。流石に、高校は皆バラバラになるだろうし、べたべたとした母親付き合いも無くなるだろう。
今年は、コロナのお陰で学校行事は中止だったり簡易化だったり。子ども達には可哀想だが、内心ほっとしている親も多いのではないだろうか。




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厄介なイベント

来週は、父の日。
子に、それとなく父の日は何かするのか?と聞いたところ、素っ気ない返事。今年もやる気はないらしい。
だが、去年の父の日ー、スルーしたのは子なのにも拘わらず、夫は私に当たって来た。私の育て方が悪いーと一方的に責めたのだ。

小遣いは毎月渡しているが、自分の好きなことに遣っていて残金は数十円。漫画や雑誌、それに文房具など。
既に多く所有しているのだが、新作だとか目新しいものにすぐ飛び付き飽きてほったらかしなのは、一人っ子特有の性質なのか、夫があれこれ買い与え過ぎたせいなのか?
これまでは、私が父の日のお膳立てをし、子を促して来た。だが、もう中学生。そんなことまで親管理なのは、おかしい。


「子どもの日だって、なかったじゃん。」


子には、子の言い分がある。しかし、その言葉は夫ではなく私に向けられる。


「でも、パパは期待してるよ。去年、何も無かったこと、寂しがってたし。」


やんわりと伝える。実際は、寂しがっているというよりも自分の思い通りにならない父の日に苛立っていただけだが。


「うっざ。」


子が、ぼそっとつぶやく。しかし、私も同様の心中だったので、子が言ったことを咎めるタイミングを逃した。
私がプレゼントを用意し、子からと夫に渡すのが一番手っ取り早いようだ。直接渡せないのは恥ずかしいからと言って。
二人のことなのに、私が真ん中に立ってあれこれ悩む。なんだか違う気がする。




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給付金の行方

10万円の給付金の使い道ー家庭によって様々だと思う。面倒な書類についてー例えば、学校関連やその他支払いなどーは、私に丸投げの夫。
だが、受給となると話は違う。
ようやくポストに届いたそれに飛び付く夫。すぐさま封筒から書類を出して、説明を読む。オンライン申請をするのかと思えば、散々テレビで不具合の様子を観ていただけあって、郵送手続きを選択したようだった。
勿論、家族3人分ー30万は、夫の口座に入金される。
鼻歌を歌いながら、ソファーでごろごろする夫。夫の背後を通る際、ちらっとスマホ画面を見れば、ずらりと並ぶバイクのヘルメット。新しいものを買うつもりなのか?
10万は、自分の趣味の為に遣うのだろうか?


「OOは、なんか欲しいもんあるか?」


休校中にスマホを買ったばかりだ。反抗期の娘を手懐けようとしているのが見え見えだ。子も、そういう話なら、ちゃっかりと乗っかる。やはり、親子だ。
スマホのワイヤレスイヤホンをねだっている。


「はいよー。明日には届くんじゃない?」


「ありがとう!」


私にも声が掛かるかもーそう思い、皿洗いをしながらも期待する。が、夫は気付けばスマホを手にうたた寝をしていた。
給付金書類は、基本的に世帯主の情報を記入する。振込口座も然り。なので、夫はすべて自分の金だと思っているのだ。私だって、遣う権利はあるのに。
とはいっても、無駄遣いする気はない。虎の子に補充したい。
夕飯時、夫がほろ酔いで気分も良かったのか、私にビールを勧めて来た。夫のピッチも早い。テレビでは、芸能人のスキャンダル報道。夫はそれを観て、


「バレるならすんなよな。」


意味深な発言をした。私は酒の酔いも回り、


「いや、そういう問題じゃないよ。バレなくても裏切った事実は変わらないし。」


夫はそれに答えず、グラスに付いた水滴を人差し指ですくった。


「あ、10万。あなたにもあげるつもりだから。」


突然の申し出に、一体どうしたのだろうと驚く。まさか貰えるとも思っていなかっただけに、戸惑う気持ちが大きかった。それに、この話の流れで言われても、素直に喜べなかった。
スキャンダルの代償に10万だったら、安過ぎると思ったからだ。




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私の中にある冴えない数字

私の中から「数字」を消したら何が残るのだろう?恐らく、何も残らない。 だが、遠慮がちに「自信」というものが芽生えてくるのではないかとも思う。
私の数字は、どれもこれも中途半端かそれ以下。
身長体重、学歴や職歴に交友関係、家の広さや夫の年収、子どもの学力。
つい比較してしまうのは、私の数字よりも遥かに高い数字を持つ女達。勝手に優劣を付けて、勝手に落ち込む。
そうして自身を認めなくなった私は、大衆の前で縮こまってしまう。胸を張れるものが無いからだ。
なので、そうした数字から解放されれば、私は身軽になれるし自分をもっと大切に扱うことが出来る。
「くらべる」を辞めれば、楽になる。頭では理解している。だが、心はいつでもそれに吸引される。


先日届いた母からの小包。夫在宅時ではなかなか礼の電話がしにくく、交代出勤日、ようやくその機会が訪れた。
血の繋がった関係であっても、こじれたまましばらく接触しなければ、どうにもぎこちない。3コールで電話に出た母は、珍しくか細い声を出していた。


「具合、悪いの?」


心配した途端、待ってましたといわんばかりに体の不調を訴える。こうなると、父やその他叔母などの病気のその後を聞いても、その答えはなおざりだ。すぐに自分の話にすり替える。
そして、私が段々惰性で受け答えしていると、突然、こちらに矛先を向ける。今回、従姉妹の話。従姉妹の子どもがお受験をするらしいが、このコロナ騒ぎで来春どうなるかというもの。


「でも、あの子はしっかりしてるからね。きっと受験も成功するだろうし、あの子も子どものことが落ち着いたら仕事に復帰するんでしょうよ。それより、OOはどう?中学校は。正直、受験するのかと思ったのに。あんたみたいに何の取柄もない子に育てたら、可哀想よ。 この先、OOの時代は悪くなる一方なんだから。あんただって、自分のこと後悔してるでしょう?」


私の人生の選択は、失敗したことを前提に話を進める母。あぁ、また始まった。いつものこと。こんな時、私の頭と心は別の場所逃避する。そうやって、自分を守る。言い合うことすら面倒臭い。


「あんたは、そもそも結婚が間違ってたのよ。長男と結婚するのもそうだし、金銭的に恵まれるんだろうっていうから許したのに、ちっともその恩恵はこちらに来ないし。旦那だって、たまに元気ですか?の挨拶もないし。」


目の前にあるチラシ。自粛明けを物語る、色取り取りのスーパーのチラシ。そういえば、卵を買わないと・・明日の弁当のおかずは何にしよう。あれこれ献立を考えているうちに、母の話は区切りがついた。私がずっと黙っていることにようやく違和感をおぼえたのだろう。


「あんた、何してる時が一番楽しい?」


何故、そんな質問をして来たのか?そして、その不意打ちの質問の答えがまったく頭に浮かばなかった。


「昔は、大きな楽しみが一つあればと思ってたけどね。この年になると、小さい楽しみが数多くある方がいいのよ。体力的にもその方が。」


「それって、どういう?」


「花を育てるだとか、好きなドラマを観るだとか。ちょっと美味しい和菓子を食べるだとか、友達と電話するだとか。」


以前、母から貰った鉢植え。今はバルコニーで鉢だけが干からびた状態で置かれている。


「あんたに、ある?」


小さな楽しみ。大きな楽しみは、心の欲求の殆どを満たしてくれるのだろうが、欠けた時のダメージも大きい。満たされても、それと同様に消耗する。だが小さな楽しみは、潰しが効く。
あっちが駄目ならこっちーというように。その日の気分で選択出来て、いい塩梅でリフレッシュ出来るのだ。


「でも、楽しむ前に体のメンテナンスかな。やっぱり、楽しむには健康が前提だから。」


答えない代わりに、無難に締めくくる。
最近、足が痛いし歯も痛い。そんなことを思い出し、まだ40代、されど40代を実感するのだ。




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お洒落よりも命

こんなに暑いのに、子は今日も長袖シャツを着て学校へ向かった。半袖を2着も買ったのに、皆が長袖だからという理由で、半袖を着たのは初日の登校時のみ。
ジャージ登校の日も、半袖体育着の上に長袖ジャージを羽織る。見るからに暑い。半袖になれと言っても、Dちゃんらも皆長袖だから嫌だと言う。
それに加えての、マスク。顔を真っ赤にして下校し、帰るなりにうがい手洗いもそこそこにお茶をがぶ飲み。暑い暑いと言いながら、制服を脱ぎ捨てる。


「半袖、着ていかないからだよ。」


「だって、皆長袖だもん!」


そういえば、ここら辺で見掛ける中高生、男女含めてその殆どは長袖。こんなことなら半袖シャツなど買わなければ良かった。また、無駄な出費だ。
長袖がお洒落なのか?それとも、教室内のエアコン対策なのか?
私も、学生時代を振り返れば、面倒な校則を守りながらのギリギリラインでお洒落をしていた。第一ボタンは開けるだとか、靴下はだぼっとルーズに履くだとか、黒か紺しかNGのヘアゴムは、リボン結びをすることが上級生特権のお洒落だった。
年頃の娘。洒落っ気が大事なのは分かるけれど、例年よりも暑くなるだろう今年の夏は、熱中症対策に気を付けたい。コロナも心配だが、熱中症も同じく心配だ。
お洒落は我慢ーなんてよく聞くが、それよりなにより大事な命。命が無ければ、お洒落だって存分に出来ないのだ。




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オンライン格差

ピアノ教室は、まだまだオンラインレッスンを続けるらしい。講師から、グループレッスンをしましょうとの提案があった。
中学生限定で、情報交換を交えてのレッスン。講師からしたら、まとめてレッスンすれば時間の節約にもなる。
オンラインでは、大人数でのレッスンが可能だ。レッスン室には絶対入りきれない、10名程で行う流れとなった。


「個人でのレッスンもいいですが、オンラインだからこそ出来ることをやりましょう!」


講師は乗り気だ。だが、レッスン内容のクオリティ的にはどうなのか?素人だから分からないことも多いけれど、ただでさえオンラインはタイムラグがあったり音も悪い。
そして、10人程でまとめられてしまえば、例えいつもの倍の1時間の尺を取ったところで、一人当たりは6分ではないのだろうか?それについて抗議する勇気はないが・・・
そして、グループオンラインレッスン当日。次々と画面上に生徒達が現れる。10人出席予定のうち、1名は欠席。よって、9名の参加。


「こんにちはー。では、グループレッスンを始めましょう!」


喜々とした講師の声掛けで、レッスンが始まった。簡単に自己紹介。幼い子は、保護者も揃っての挨拶だ。
子から、私も来るように目で合図されたけれど、気付かない振りをした。私は、画面にうつりたくなかったし、挨拶も嫌だったのだ。
写り込まないようPC画面を見ると、ピアノと生徒、それに母親らが少々緊張した様子でうつっている。どこもかしこも、綺麗な部屋。
我が家も、汚い部分は写らない様、最新の注意を払ってカメラ設定をしたけれど、それでもボロは隠せない。築年数もだいぶ経つ古めかしい団地は、どう繕ってもみすぼらしい。
講師と親しげに話し始めた母親とその生徒宅がどアップで写されると、その家中の様子が隅々まで分かる。大きなグランドピアノー、それに、壁一面の本がぎっしり詰まった本棚。窓際には、大きなガラスの花瓶に豪華な花々がどっさり活けられている。
また次にアップになった生徒宅は、防音室。更にその次はー・・どこもかしこもそれなりの家だった。


一件、我が家と同じようなレベルといったら失礼だけれど、インテリアなども含めてあまりこだわりのなさそうな生徒宅が映る。ほっとしたのも束の間、講師がその生徒に向かって、


「じゃあ、この間出した課題曲、弾いてみてくれるかな?」


すると、素人の私が聴いても明らかにうまいと分かるレベルの高さ。鍵盤を叩く音は一つ一つ粒が揃っておりとても繊細。画面上ではよく見えないが、滑らかな指の動きが目に浮かぶ。
課題曲も、ショパンのなんとかという曲らしく、何度か耳にしたことのあるメロディ。クライマックスで少々間違えた箇所があったようだが、まだ練習中なのだ。


「流石!一週間でよくこれだけ仕上げたわね。学校の課題曲と合わせても練習時間はなかなか取れないはずなのに!!」


講師は画面の向こうで満面の笑み。ペラペラと生徒についてのプロフィールを語る。音大付属中に通う彼女は、特に講師のお気に入りらしい。
その後、順番に生徒たちは課題曲を弾いていった。子の順番になり、はらはらしながら見守るが、つっかえつっかえもいいところ。明らかに練習不足。
そもそも、皆と比較してもレベルの低い曲なのに、どうしたものか。子も、普段とは違う環境下でのレッスンで緊張をしているのか、焦りが演奏に露呈している。


「はい、お疲れ様でした。OOさんは、一日どれくらい練習してるの?」


「・・えっと・・、あー、30分くらいです。」


嘘を付く子。実際は、一週間で30分だ。それも、レッスン日当日に、焦って30分。


「そうなの・・もうちょっと増やした方がいいですね。」


実際は、一週間に30分の練習量なのだ。それならば、この仕上がりも辻褄が合う。毎日30分でこの結果なら、もうピアノを辞めた方がいいレベルだよと、周囲から思われている気がして恥ずかしかった。今すぐ、訂正したい。だが、画面に自分が写り込むのは耐えられない。


思わず、歯軋りする。そして、こんな嘘を付く子に対して腹が立つ。
その後に続く、他生徒の演奏。しかし、どれもこれも耳に入っては来なかった。何とかその場をやり過ごそうと嘘を付く子に、体裁を気にする母親。私達親子は、この画面にうつる親子達を前に惨めな気持ちで一杯だった。


「もう、ピアノ辞める?」


オンラインレッスン終了後、久しぶりに子に投げ掛ける言葉。もう何度もこの手の話はして来たが、いよいよ中学になり部活も始まれば、今が潮時なのかもしれない。


「いやだ、やる。」


そう言って、練習を始める子。我が子ながら、何を考えているのか分からない。他の生徒に触発されたのか?だとしたらいいのだけれど。
これ以上、月謝をどぶに捨てるような真似はしたくない。




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登校と祈り

今日から、登校。
先週の疲れが取れないままに、学校へ向かった子。新しいクラスのことや担任のことについては、色々聞いたが答えらしい答えは返って来なかった。


「まだ、分からないよ。だって、皆マスクしてるし、近寄れないし。」


だが、今週からは授業も本格的に始まる。学活や体育の授業だってある。部活についての説明会もあるらしい。
よって、クラスメイトと関わる機会も増えるだろう。
気がかりは、S奈ちゃんと同じクラスだということ。それとなく聞いてみたのだ。


「S奈ちゃんと一緒だね。どう、話した?」


「話してないよ。席、遠いし。」


それ以上、子は語りたがらないし、私も突っ込んではいけない空気を感じたのだ。
微妙な関係のクラスメイトが一人いるだけで、子は居づらくならないだろうか?私がスネ夫ママに対して持つような感情を子はS奈ちゃんに抱いてはいないだろうか?
どうしても、気になってしまう。 帰宅した子から、少しでも笑顔が垣間見えますように・・祈ってしまう母心だ。




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日曜昼下がり

日曜の昼下がり、お隣のバルコニーから賑やかな声が聞こえる。久しぶりに、ご主人の声も。大人も子供も、大人数。
どうやら来客が来てるらしい。
お隣さんの朗らかな笑い声が聞こえる。つい先日、切羽詰まった怒鳴り合いを起こした張本人とは思えない。
食器の重なり合う音と、ジャズ。団地に似つかわしくない洒落た空気が、バルコニーの衝立越しに感じられた。


「みーちゃん!アイス持ってきてー!ついでにビールも。」


「はぁ~い。」


ご主人が、お隣さんに声を掛けたようだ。まるで、新婚のよう。互いに愛称で呼ばれ呼ぶ仲なのだろう。私なんて、夫から最後に名前で呼ばれたのはもう思い出せない程。
子が生まれてから、いつの間にか「母親」となり、「あなた」や「あんた」でしか呼ばれない。せめて、「ママ」と呼んでくれたらと思う。
そうはいっても、私だって夫のことを愛称で呼んだことなどない。「あなた」や子の手前では「パパ」だけれど、夫に向かってそう呼んだことはない。そう呼ぶことも抵抗があるし、夫のリアクションが今更ながらに怖い。
パパというキャラでも無いからだ。子は、いつまでパパと呼ぶのだろう・・


「おーい、ビール持って来て。」


在宅仕事ではない休日でも、夫は休みのほぼ大半を自室で過ごす。そろそろツーリング仲間と遊びたくてうずうずしているようで、頻繁にオンラインで連絡を取り合っている。
ツーリングが再開すれば、また休みの日でも早朝起きを強いられる。面倒だけれど朝食の準備をしなくてはならないからだ。家にいられればそれはそれで面倒だけれど、外に出られても種類は違えど面倒。
私も、気分転換になるような趣味を見付けられたらいいのだけれど。




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家電も夫婦関係も

掃除機が、壊れた。
夫に伝えて、もう1週間以上経つ。その間、家の掃除は小さな箒と雑巾がけだ。
これが、地味に辛い。掃除機ならあっという間に吸い取れる細かな屑も、箒だとなかなかとり辛い。結局、かがんでの雑巾がけが必須だ。
日々の小さな買い物は、後々家計簿チェックはされるものの、予算内におさめれば特に相談せずとも私の裁量に任される。
しかし、電化製品ー5000円以上するものなどは、応相談なのだ。

まず、壊れたことを訴えたら、保証書を出すように言われた。正直、大手メーカーの何万円もする物なら分かるけれど、出産祝いか何かのカタログギフトで貰ったもの。
恐らく、5000円するかしないかの代物だ。保証書をまとめているクリアファイルの中を探してみたが、捨ててしまったのだろう、見付からなかった。
その時点で、夫は信じられないというような表情で私を見た。

コンセントを挿しても、反応が無い。他機種の掃除機でのQ&Aを見ても解決しない。結局、購入する流れになった。
家事をしない夫からしたら、掃除機を壊したのは「私」一択。乱暴に扱うからだと頭から決め付ける。


「もう、箒と雑巾でもいいんじゃない?」


痛めている腰を庇いながら雑巾がけをしている背後からの声に、愛情は微塵も感じられない。
掃除機の時は気付かなかった、毛や埃や食べかす。在宅仕事が増えてから、それらも増えた。明らかに、夫が丸一日いる時のゴミの出方や散らかり方は、右肩上がりだ。
そして、私の夫に対する愛情は、右肩下がりだ。




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  • 2020/06/06

焦り

世の中が、通常モードになったことで、学校もそれに倣い多くのことを再開し始めた。
そのひとつの例が、各種行事やPTA活動だ。
自粛期間、家の中で引きこもっていることは正義だった。だが、再び活気を取り戻そうとしている日常に気後れしている私は、やはり根っからの引きこもり体質だ。
学校からも、6月に入ってからバンバンとメールやプリントが配布されている。それらに目を通し、取捨選択をしながらの分類、必要なものには記入してから提出をしているうちに、どんよりとした気分になる。

本部役員は、どうやら決定したらしく、なんと敬語ママの名前が連なっていた。だが、専門委員はいくつか決まらないものがあり、再度、調査票が送られて来たのだ。
卒対ライン内では、今年はコロナ行事も減るから、ねらい目だとか言っていたなーと思い出す。皆、相談しながら誘い合わせての立候補なのだろう。
この、まだ決まらない枠は、すっかり出来上がった輪の人数に足りなかった分。そう思うと、とてもじゃないが、立候補する気になんてなれない。ただ、一人につき一回ーなんらかの委員や係はしなくてはならない。 受験期は避けたいし、そろそろパートくらいはしないと金銭的に不安だ。夫の給与も下がったらしいし、ちらっと転職めいた話もしていた。色々考えると、自分で稼げる力ー、例えそれがスズメの涙程度の稼ぎでもあった方がいい。
だが、新しい仕事に役員のWの掛け持ちなんて、へたれの私にこなせるはずもない。

ステップ1からステップ2へー、都が着々と再生に向けて動き出している。社会が、日本が。私自身もまるで尻を叩かれているかのような、そんな焦りが芽生えている。




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真昼間の蛍

洗濯物が、どうも煙草臭い。一番に気付いたのは、子だった。


「なんか・・臭い。」


柔軟剤の良い香りが、煙草臭さで消えている。犯人は、夫だ。
在宅ワークになってから、それまでは夜バルコニーに出て煙草を吸うのが常だったのだが、最近では日中にその習慣が移行している。
最悪だ。 風呂上り、石鹸の香りに包まれた体も髪も、その臭いタオルを使うことで台無し。煙草の匂いと石鹸の匂いが混じっても、圧倒的に勝つのは煙草の匂い。


「あー、疲れた!!」


午前中、自室に籠っていた夫だったが、昼休憩にリビングに来るやいなや、たばこ持参でバルコニーへ。
まだ、半乾きの洗濯物に、煙が付いたら繊維の奥まで臭いが染み込みそうだ。


「あの、洗濯物に煙が付かないようにしてくれないかな。OOが嫌がってて。」


子の名前を出すことで、やんわりと伝えたつもりだ。


「はぁ?なら、煙が掛からないように干せばいいだろ。」


団地の狭いバルコニー。空間は、限られている。いくら洗濯物を端っこに避けたところで、風向きによっては煙はがっつり付いてしまうのだ。
それ以上、あれこれ言えば不機嫌になる。既に、苛々した態度を取られ、伝えたことを後悔した。

その日、撮り込んだ洗濯物は、やはり臭かった。また、天候が悪かったせいでもあるけれど、端っこに避けたことで風通りが悪く、完全に乾いていなかった。
夫の在宅勤務はいつまで続くのだろう。亭主元気で留守がいいー令和の時代も、流行語になりそうだ。




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  • 2020/06/04

小包






夫在宅時、小包が届いた。実家から私宛に。
不審な表情で、私に手渡す。何となくすぐに開けるのを躊躇い置いておくと、夫がそそのかす。


「何?開けないの?」


「今、お皿片付けてるから。」


「いいよ、俺がやる。」


いつもは手伝いなんて殆どしない癖に、私が手に取っていた皿を横取りして食器棚に戻す。ほらっと顎で小包を開けるよう促す。
憂鬱な気分で、ダンボールを開封した。
中には、マスク数箱に消毒液。


「・・・。」


「・・・・。」


夫は、拍子抜けしたような顔。内心、今更かよ・・と思っているのだろう。先月までは、どこもかしこもマスクは店頭になく、入荷の見通しもつかなかった。だが、現在は、あちこちで箱マスクを見掛けるようになったのだ。


私も、微妙な気持ちになった。2月半ばに電話でガチャ切りされたのを思い出す。後に電話をしても、父と話しただけ。そして、母の日は私なりに誠意を示した。しかし、礼の電話はなくモヤモヤしていたのだ。 中には、一筆箋が同封されており、母の独特な勿体ぶった風の癖のある文字が連なっている。


ー母の日のプレゼント、ありがとうございました。マスク、良かったら使って下さいー母より

礼の電話をしなくてはーだが、夫の手前、しにくい。礼状でも書くか?
しかし、このままずっと沈黙を続けるのは馬鹿げているとも思う。私が大人になればいいだけの話。母は、この先もっと子どもになる。

夫が在宅でない当番の日にでも、やはり直接、電話で礼を言わなければーそう思った。




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通常モードオン

中学校だけではなく、小学校や幼稚園もはじまったようだ。
夏服からのスタート、ブレザーは、入学式と数少ない登校日に着用したきりだ。
ゴミ捨てへ行くと、久しぶりに聞く華やいだ母親と子供らの声。
幼稚園バスの送迎場所では、酒井さんやお隣さんら。軽く会釈をして通り過ぎたが、私の存在など誰も気にせずはいつもの流れ。
ただ、お隣さんは下の子を抱っこしながら、穏やかにママ同士の会話に参加していた。


「ちょっと、駐車場の方に行かないでね~」


優しく、子どもに声を掛けている。「おまえ」と呼んで怒鳴りつけていた人物と同一とは思えない。
だが、子どもが元気に友達と走り回っているのを見て、やはり虐待は大袈裟なのだろうと安心もした。一過性のものーだと思いたい。
入園したばかりの新しいママらも増えて、なお一層、群れは大きくなっていた。パパも数人交じっており、幼稚園カラーなのか、皆が皆似たような雰囲気なのだ。
要するに、あの集団の中に、私が仲良くなれそうな人はいない。

家に戻り、ため息。シン・・としたリビング。
夫は出勤日。久しぶりの、一人時間。子が帰宅するまで数時間。
だらだらソファーに寝そべりたい気持ちをぐっと抑え、久しぶりの登校で疲れ切った子が帰宅するまでに、部屋を片付けておきたい。
ごちゃついた家に帰宅すれば、より一層、疲れも増すと思うのだ。




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今日からスタート

今日から、本格的な分散登校。にもかかわらず、天候は霧雨といまいちのスタート。
子は、久しぶりの学校に、緊張した面持ちで出て行った。
登校は、Dちゃんらと約束したらしく、いつの間にライン交換をしていたのか今朝からスマホは鳴りっぱなし。


「Dちゃんと二人?」


「ううん、Eちゃん達もいる。」


それを聞いて、ほんの少し残念な気持ちになる。Dちゃんにとっての子の存在は、「親友」でも「幼馴染」でもない。近所の仲良しの一人なのだ。
あの気の強そうなEちゃんも交えて、子は会話に参加出来ているのだろうか?
ふと、子ども会行事の際の様子を思い出せば、楽しそうにしていたけれど。だが、それはDちゃんに対してだけだった気もする。
Dちゃんが休みの日は、何となく浮いていたり途中で帰宅したりもしていたのだ。

やれやれーと首を振る。
中学にもなって、こんなことで気を揉むこと自体、過保護だ。友達関係だって、人それぞれ。子には子の付き合い方があるし、満足がある。
いくら血の繋がった親であっても、我が子の心を丸裸にすることは出来ないのだ。

ただ、「行ってらっしゃい。」「ただいま。」と、暖かく見送り出迎えること、見守ることしか出来ない。


当面の間は、学校で昼食を取ることは無い。なので、今日の昼飯は子の好きなオムライスにしよう。




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