子の三者面談に行って来た。
小学校までは、家庭訪問をはじめ、個人面談などすべて担任と親のみ。
別の意味で、私は緊張。それが子に伝わったのか、子も緊張しているのか、お互い面談が始まるまでピリピリしていた。
廊下で待つ間、教室からは楽しそうな笑い声。中では、S奈ちゃんとその母親。どうやら盛り上がっているようだ。
ガタガタっと椅子から立ち上がる音がし、挨拶をしながら出て来たS奈ちゃん親子。担任も笑顔で送り出す。
子は、S奈ちゃんの方を見ないよう顔を背け、S奈ちゃんは堂々としながらも子をチラっと見たがスルー。担任に、
「さようなら~!」
と元気に挨拶。S奈ママは、担任に挨拶をした後、私達に気付くと軽く笑顔で会釈。親子揃って華やかな顔立ち。
担任に促され、教室に入る。子も、私の後ろにそろそろと続く。
まず、夏休みの過ごし方と保護者配布資料を渡され、それについての説明が行われた後で、今後の学校生活の流れなど。
それから、子の学校生活についての様子が語られた。
何を言われるのか、親子共々ドキドキしていたけれど、当たり障りのないこと。
真面目、協調性がある、問題ないとのこと。
「学校、どう?」
担任が子に問い掛ける。子は、一応愛想笑いをしつつも、
「まぁ。」
「部活も始まったし、楽しい?」
「まぁ。」
曖昧な返事。ふにゃふにゃ体を揺り動かし、照れ隠しなのかもしれないけれどみっともなかった。
その他に、担任があれこれ話題を持ち掛けても、
「はぁ、まぁ。」
「お母様からは、何かありますか?」
突然、子と担任とのやり取りで、すっかり油断していたところ話し掛けられ、ビクっとする。
「え・・と。」
子の手前、堂々としたところを見せようと思えば思う程、あがってしまい声が震えた。これは、パニック症状の始まりなのか、心臓の音が耳を伝って飛び出そうだ。
「いえ、特に・・大丈夫です。」
あれも聞こう、これも聞こうー自宅にいる時にはあれこれ質問事項を考えていたのに、すっかり頭が真っ白になり何も言えなくなった。自分の心臓の音にばかり神経が向く。
ー何か、言わなくちゃ・・
「あ、家ではスマホばっかり見てまして、困っています。とにかく肌身離さずといった感じで。勉強も手につかないくらいなので、授業についていけてるのかどうか・・」
何とか話すことが見付かって、ほっとしたのだが、担任は困惑した表情。
「そうですか。まあ、皆そうですよね。自己管理といいますか、触らない時間を決めるなど、ご家庭で話し合って貰えたらと思います。」
「あ、そうですよね。そうしようと思います。」
面談が終わり、帰り道。子は仏頂面で、私が色々話し掛けてみてもスルー。その態度に苛っと来て、
「先生に話し掛けられて、体を揺ら揺らさせるのやめなさいよ。それに、まぁとかはぁとか・・もっとハキハキしないと内申に響くわよ。」
少しの間の後、
「え?ママだって十分おかしかったけど。声は震えてたし、緊張してるの丸わかりで恥ずかしかった。それに、わざわざスマホのこと先生に言う必要あった!?」
「だって、何かありますかって聞かれたから。」
「先生、そういうこと聞きたい訳じゃないと思うけど。ママって、やっぱり変だよね。すごく変!!」
そう言い放つと、私を置き去りにし、早足でずんずん先に進んで行く。追い掛ける気力もわかず、ただその小さくなってく背中を見送る。
我が子から、おかしいと言われたことにショックを受ける。だが、どこかでその日が来ることをを覚悟していた気もする。
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