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我が家の王様

夫に叱られた。
ランチ会がばれたのだ。
そもそも、私が会計をした為に、そのレシートをきちんと捨てなかったのが悪い。


「なんだ、これ。食事に行ったのか?」


そこからうまく嘘を付けなかった私。すべて夫にバレてしまった。


「まったく、こんな時に打ち上げなんて非常識もいいとこだな!!ったく。あり得ないぞ。」


ネチネチと説教され、うんざり。こういう時、鬼の首を取ったようになるところに虫唾が走る。


「この店、ちゃんと感染対策してたから大丈夫だよ。」


反論しても、聞く耳など持たない。そして、自分だって我慢しているのだと猛アピール。
その後、一人3千円ランチだということもばれた。


「旦那が仕事中、優雅に旦那以上の値段の昼飯なんて、いい気なもんだよ。」


「これはね、1年間、役員仕事をしていた報酬で貰ったお金でまかなったランチなんだよ。家計からは1円も出してないから。」


「報酬って、その役員仕事でどれだけ家に迷惑掛けたかってことだろう?電話代とかその他色々、家のやるべきことを放って奉仕した見返りだろう?それなら家庭に貢献すべきなんじゃないの?」


途中から、もう異国後を聞いているような錯覚に陥る。もう、何を言い返しても無駄だと思い、会話を終わらせたい一心で口先だけの謝罪をした。
自分の正しさが認められれば、それで十分なのだ。夫も、外で何かしらのストレスを抱えているのだ。家の中では、王様でいたいのだ。




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  • 2020/09/30

勝る気持ち

部活のイベントが控えている。ちょっとしたものなのだが、人手が多くいるらしい。
以前、ボランティア募集のプリントが配布されたけれど、スルーしてしまった罪悪感は残ったままだった。
そして、10月始めに行われる部活懇談会。これには出席しなければならない。
私にとっては、初の顔合わせで気が重い。
懇談会出席可否のプリントには、出席に〇を付けて提出した。

顧問とは、子の足の痛みのことで話はしておきたい。うまくその時間が取れるかどうか・・
子からは、部活の雰囲気がまるで伝わって来ない。なので、保護者会に参加することで、少しは部の雰囲気が伝わればいいのだが。

部活をこのまま続けるのかどうか、はっきりしない子。今のところ、足の痛みが酷くなければ部活をして帰宅するが、2日に1回は部活を休んでいる。
果たして、これでいいのか?余計に馴染めなくなるのではないかと心配もある。
そうしたこともあり、懇談会だけではなくイベントの手伝いにも参加しようと思うのだ。
保護者との絡みは気が重いけれど、それ以上に、子の学校での様子を知りたい気持ちが勝るのだ。




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今日の写真

取り締まり

休日になると、路駐車が多くその取り締まりに骨が折れる。大体、どこの住民の来客か分からないドライバー不在の車を、どう取り締まれというのか?
それでも、自分の業務は遂行しなければならない。堂々と路駐してキーロックをしようとしている女性がいたので、勇気を出して声を掛ける。


「あの、住民の方でしょうか?」


「え?いや、違いますけど。」


「あの、ここは路駐禁止なんです。団地内の事故にも繋がりますのでご遠慮いただけませんか?」


「はぁ?母が住んでるんですけど!もう30年!!」


「・・・でも、決まりですので。」


「じゃあ、どこに停めればいいの!?」


自治会から言い渡されたマニュアルを思い出す。


「来客専用の駐車場がありますけど、事前予約が必要です。休日なので、今日は満杯かもしれませんがー。この近くにコインパーキングがあります。敷地を出たところの信号の・・」


「分かったわよ!融通が利かないな!」


言い捨てて、車に乗り込みけたたましいエンジン音をさせて去って行った。物凄く、後味が悪い。
更に見回りをしていると、続けざまに鳴らすクラクション。


ブー!!!ブブブブブー!!!!


一体、何事だろうと駆け足で近寄ると、見るからに短気そうなサングラスを掛けた男性が、自分の車庫入口前に路駐しているワゴンに向かってクラクションを鳴らしていた。


「どうしました!?」


「ったく!!出られないんだよ!こんなとこに停めやがって!!!あんた、取り締まりの人?ちょっとどうにかしてよ!」


なんと間の悪いー、一体どうしたらよいのか戸惑う。取り敢えず、困った時のリーダーに携帯を掛けた。私が所属する係を取りまとめている。
不幸中の幸いで、ワンコールで出てくれた。事情を伝えると、すぐに自宅から駆け付けてくれた。


「お休みのところ、すみません。」


「いいのよ、またこの車ね!」


どうやら、迷惑駐車の常習犯らしい。すると、持ってきた拡声器を口に充て、


「お車ナンバーあ〇×46、車種はシルバーの~」


カーナンバーと車種を団地中に聞こえるように拡声器を使い大声で叫ぶ。その声は余りにも響くので、住民の何人かは窓を開けてこちらを見ている程。
隣にいる私まで恥ずかしく、だが、その効果もあってかドライバーはすぐに戻って来た。


「またあなたですね?ここは、路駐禁止なんですよ!事故の元です。事前に来客用駐車場の予約を取って下さいといつも言ってるじゃありませんか!!!とにかくすぐ動かして下さい!!」


ドライバーは、もっといかつい感じかと思ったがそうでもなく、むしろ細見でつかみどころのない、飄々とした男性。
路駐に憤っていたはずの男性も、H田さんのド迫力に押されたのか、何も言わずに車を走らせ行ってしまった。
その後も、迷惑路駐者にH田さんは激高し、くどくどとお説教。ようやく相手を解放した後で私に向き合い、


「あなた、もっと強気で行かないとダメよ。あぁいう人はすぐにつけあがるから!」


そう言って、拡声器を私に差し出す。要するに、今後はこれを使えということなのだ。
ずしりと重いその機械から発生する自分の声が、どうしたって想像出来なかった。




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打ち上げ

雨の中の打ち上げ。子ども会メンバーとの楽しい時間を過ごすことが出来た。
今は若干、楽しかった余韻と少しの寂しさに包まれている。
友達でもない、仕事仲間でもない、プライベートには踏み入れない、ただその一時、同じ時間を共有した仲間。
ついこの間までは、外食すらもしたら非常識な風に見られていた街中も、シルバーウィークを終え感染数も減少した今、賑わいを見せていた。

店の予約はTさんがしてくれており、ちょっといい雰囲気のイタリアン。ドリンク付きで3000円。
2時間という時間制限はあるものの、ここら近辺では破格の値段。入口だけではなく、各テーブルに消毒液も置かれていた。
店内には既にMさんの姿。私を見付けると手を挙げる。


「良かったね!なんとか打ち上げ出来て。」


「本当、このまま流れるかと思った。」


彼女とは、ひょんなことから敬語抜きで話せるようになっていて、私よりもだいぶ年下ということもあり、他メンバーと比べて緊張感も無い。


「OOさん、Hさんにありがとうね。どうだった?喜んでくれた?」


「うん。渡すまでドキドキしたけど、きっと喜んでくれたと思う。実は、クッキーとか貰っちゃって。かえって気を遣わせたかも。」


「へえ!意外!」


「なんかね、ちょっと誤解してたかも。私、勝手に彼女に苦手意識持ってたから。」


Mさんも私と同様、Hさんに同じような感情を持っていたのだ。だが、それを微塵も感じさせないところが凄い。私のようにオドオドしていなかったから。
会長やTさん、Hさんも来店し、和やかに打ち上げは進んだ。コロナの話から始まり、近況報告。穏やかな楽しい時間が流れていく。
私の知らない内輪話ーバレー関連や子ども達の習い事、知らないママ友のことなどがあり、そういう時はどういう表情をしてよいのか微妙だったものの、居心地が悪いということもない、私でもここにいていいんだという時間。
子ども会業務から離れ、もう何のしがらみもないことが、そういう空気感を作り出しているのだろう。


「OOちゃんは、家買わないの~?」


突然、会長にプライベートな質問をぶっこまれてドキっとしたが、のらりくらりかわす。単に会話の種だったのか、次々と話題は変わる。
仕事や趣味の話ー
「OOさん、趣味とかないの?好きなこととか。あんまり自分のこと話さないけど。ドラマとか観ないの?」


ジャニーズ好きなTさんに聞かれ、戸惑う。確かに、周囲から見た私は、共通の話題が乏しい詰まらない人間なのかもしれない。
なので、無理矢理な趣味を作る。もうこれで最後なのだからいいやとーその場が盛り上がりさえすればと。


「私、大泉洋が好きです。」


「え!!マジ意外!」


ふと頭に浮かんだ俳優の名前を出しただけ。別に、熱烈なファンでもない。ただ、彼のようになれたらどんなに生きやすいだろうと思ったことがある。


「私も!!大好き!!水どうまた観返してるんだー!」


まさかのMさんが乗っかって来た。しかも、水道??ガス?光熱費??なんだそれ。よく分からない単語が次から次へと。ミスターだとかオンちゃんだとかサイコロだとかおにぎり温めるだとか。さっぱり分からないのに分かる風に装うのは辛かった・・ だが、うまくその場を乗り切り、事なきを得た。その他のメンバーは興味がなかったからだ。
Mさんはまだ話足りない風だったけれど、Tさんが野球話を始めたり、半沢直樹の話題になったりで諦めたようだ。私はほっと胸を撫で下ろした。
その場凌ぎでも、嘘をつくものじゃないと反省した。


「また、やろうね。今度は一年後とか。同窓会みたいに。」


「うんやろう!じゃあ幹事はOOさんね!」


突然、大役を押し付けられる。だが、それくらいは引き受けなければ。帰宅し一人冷静になると、あれは社交辞令だったのだろうなと思う。
そして、ちょっぴり切ない感情に包まれた。




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プッツン

このパソコンも寿命を迎えたかもしれない。フリーズが酷く、今日もこの記事を書き上げた瞬間、固まった。
色々綴っていたのだが、なんだか生気を吸い取られたというか、また同じことを書くエネルギーが無くなってしまった。 ずっと覗いていた気に入りのブログが、突然、更新されなくなる。きっと、こんな風に些細なきっかけで続ける気力を失うのかもしれない。
パソコン同様、体の調子もいまいち。昨日の懇談会で疲労困憊。平坦な日々に、億劫な予定が入るといつもこうだ。朝は、鉛のように重苦しく、正午を過ぎれば、ようやく錆びついた骨の滑りも良くなっていく感じ。
夫は、仕事。やはり、留守だと気が抜ける。誰の目にも触れない時間は、私にとってはオアシスのようなものなのだ。

陽の光を浴びないから、自律神経が狂っているのだろう。セロトニンが足りないのだ。
何もかもうまくいかないような気がする、こんな日は、家でじっとしているに限る。




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懇談会

学校の懇談会があった。出席者は思った程多くなく、半数。こんなことなら行かなくても良かったかもーと思った。
担任からは、今後の行事予定とそれに伴う諸連絡、それから学期末テストの全体結果と説明、余った時間は最近の生徒の様子をスライドにしたものを見せられた。
ものの30分程度で終了。一言や保護者同士の歓談などは無く、やはり「密」状態を少しでも避けたい学校側の配慮を感じた。
プリントを仕舞い、そそくさと一番乗りで教室を出る。廊下には、素敵ママやボスママ、その他目立つ母親らの集団が群れを成しており、通るのにもこちらが頭を下げなければならない空気。 遠目にスネ夫ママと目が合い、条件反射で踵を返す。遠回りだが、逆側の階段を使うことにした。

しん・・と静まり返る廊下。背後のざわめきを感じながら。途端に感じる孤独感。自らそれを選んでいるはずなのに、自分勝手に寂しい感情は湧いてくる。
他の保護者から見た私は、相変わらずコミュ障で変な人間なのだろう。常におどおどビクビクしており、もしかしたら気持ち悪がられているのかもしれない。
のろのろと階段を降りていたら、


「あ、久しぶり!」


私を見上げる敬語ママがいた。中学に上がり、校内でこうして会うのは初めてだった。マスクをしていたので、一瞬誰だか分からなかったが、確かに彼女だった。


「お久しぶりです。お元気でしたか?」


「はい。OOさんは?何組?もう懇談会終わったんですか?」


「はい、結構早目で。」


敬語ママは、明らかに役員仕事で校内にいるのだろうーそれを証拠に、PTA関連の冊子を何十部も手にしていた。


「お急ぎですよね。じゃあ、また。」


引き留めるのも悪いと思い、こちらから切り上げる。敬語ママは、相変わらず彼女のままだった。誰に対してもフラットで、感情の起伏が良い意味で泣く、ただそこにいるだけで安心感をおぼえるような、そんな存在。 あの落ち着きは、一体どこから来るのだろう?


「また、ゆっくりお話ししましょうね。」


そんな素敵な言葉を投げ掛けてくれるのだ。それが社交辞令だとしても、彼女の言葉には誠意がある。
意味の無い懇談会だったが、彼女に会えただけでも大きな収穫だった。




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食欲さえあれば大丈夫

どうしたって、親子は似る。
子の学校での居場所は、きっと息の詰まるものなのだろう。最近ため息が多い子のスマホの中身を見れば、一目瞭然。
部活でのグループラインでも、子はトークに入れていない。そして、まるで子のことなんて空気扱いの同級生。
足が痛いからという理由で、ここずっと部活を休んだりしていたのが、部活メンバーに馴染んでいないことが原因なのか。
そもそも、夏にプールに行かなかったことが、良くなかったのか?
必死で彼女等の輪に入って行こうとしていた子の足を引っ張ったのは、紛れもない、私達だ。
では、教室ではどうなのだろう?子に、学校での様子を聞いても、のらりくらりとかわされる。
また、来月にある運動会。来なくてもいいと言われた。観に行くことは憂鬱の種だったのだけれど、いざ、我が子から「来なくていい。」と言われれば、気になって仕方が無い。
何か、事情があるのかと。親に見られたくない事情が・・・
悶々とするが、過剰に突っ込まずに、ただ見守るのみだ。まるで、シーソーのように浮き沈みが多い思春期。
人生で、一番残酷な時期だともいえるその時を、子は必死で過ごしているのだ。



「ママの分も、あげる。」


唐揚げは、夫と子の分は多目に取り分け、私の分は3つ。だが、ぺろりと平らげた子がまだ欲しそうにしていたので、2つあげることにした。


「いいの?」


「うん、食べな。成長期なんだから。」


まだ、大丈夫。食欲はちゃんとあるのが救いだ。









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素直に喜べない

夕飯にコロッケを作り、衣を付けようと冷蔵庫から卵を取り出そうとしていたところ、外出から帰宅した夫がご機嫌に袋を引っ提げて帰宅。


「駅前に新しい揚げ物屋が出来てたぞ~」


中から出て来たのは、コロッケ。こういうところで気が合うのが憎い。


「うっまそ!!」


子も、これから揚げようとしている種よりも既に出来上がっているプロが作った物に興味津々。
すぐにつまみ食いをしようと手を伸ばす。


「ダメダメ、夕飯のおかずだぞ。」


すぐに、ボウルに入った種にラップをし、冷蔵庫へ隠す。さて、どうしようか・・なんだか損をした気分。それが顔に出たのか、


「どうした?嬉しくないの?」


「いや、ありがとう。」


「なんだよそれ。折角買ってきたのに。」


お手伝いをした子どもが母親にリアクションを求めるかのように、せっつく夫。無理矢理に笑顔を張り付ける。


「いや、ありがとう。助かった。ご飯、炊くね。」(電話のひとつくれたらいいのにー、そうしたら素直に感謝出来たんだけど)


まあ、衣をつける前で良かったと思うことにした。夫なりに、気遣いなのだと。


「ずっと飯作るのも大変だろう。外食だってしてないし。」


そう言われたら、もうコロッケを途中まで作っていただなんて、口が裂けても言えないではないか。









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  • 2020/09/22

自治会業務

自治会で、私の担当は「環境・衛生」だ。前回は「広報」だったので割と単独行動でもやり切ることが出来たが、現担当はそうもいかない。
思うに、この担当が一番、人とのコミュニケーション力が必要なのではないかと思う。
私の担当は、4名。私の他に、女性2名と男性1名。男性とはまだ面識がない。
仕事内容は、役名の通り、団地内の環境と衛生を守ること。例えば、路駐やゴミ捨て場の管理、ペット飼育問題等。
数え上げればきりがないし、そもそも住民トラブルに巻き込まれやすいのがこの係だということを知っていたのなら、なし崩し的にこの役を引き受けることは無かっただろう。
今更だが、後悔している。

今週は、路駐違反の取り締まり当番が私。これが気の重い仕事だ。連休中ということで、団地内の来客も多いことだろう。
団地内の客だとか、その他諸々、ウィンカーランプを点滅させて駐車しているのにドライバーがいなかったり、またそもそもエンジンを切って堂々と路駐している車もある。
そうした車の持ち主に、注意しなければならない。
以前、この役だったおばさんが、路駐をしていた柄の悪い男性と口論しているのを見掛けたことがある。
明らかにルール違反は向こうなのに、注意されて逆切れ。私ならたじろいでしまうのにーと、男性の威嚇にさえ怯むことなく、自らの役を全うしているおばさんの凄さを見たのだ。


ーあの役を、私がやるなんて・・・


今週、路駐車があったとしても、そのドライバー次第で見て見ないふりをしてしまいそうな自分がいる。私と同様、気の弱そうなドライバーにさえ、無駄に低姿勢での注意喚起といったところが私の出来る精一杯のところだろう。
こういう仕事こそ、夫がしてくれたらいいのにと思う。




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外食の抵抗

来週、ランチ打ち上げをしましょうと誘いがあった。子ども会メンバーからだ。
私としては、Hさんにプレゼントを渡し、何となく和解をしたことで、既に彼女らとの関係は終わったような気でいた。
いまだにコロナの件で、外食をすることに抵抗もある。


ーいいね!しよう!!


ーそうだね、いつまでも落ち着くの待ってらんないもんね。


ー良かった!このままお流れなのかと思った~


メンバーは皆、ポジティブな返答。この流れに逆らう勇気など無い。だが、指定された日は平日で、夫が在宅ワークをしているか代休の日である可能性もある。
そうなると、二つ返事にOK出来ない。素直にそのままそれを伝える。


ー是非参加したいです!・・ですが、場合によっては、主人が在宅で家にいるかもしれなくて。そうなると出られないかもしれません。なので保留にして貰えますか?


可でも不可でもない返事。このまま行かないという選択をしても、角が立たないだろう。


え~!!ご主人在宅なら尚更!!ランチ行こうよ!むしろ、そっちじゃない?


会長からだ。何と返せばよいか分からないまま唖然としていると、Hさんですら、


ーそうだよ。旦那がいるから出られないっていつの時代?もしかして、コロナが心配とか?大丈夫だって!


あのコンビニでの一件からか、彼女にしたら好意を示すアプローチに、ますますNOと言えなくなる。


ーそうですよね。じゃあ、参加します。


結局、ゴリ押しに負けた。だが一方で楽しみな気持ちもある。コロナになってからずっと引きこもり、外食なんて皆無だったのだ。
ただ、やはり夫が在宅だった場合は面倒だ。外出の口実を考えなくてはならない。




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娘はごみ箱

物凄い剣幕の母から電話。

父と大喧嘩をしたと言う。もう離婚だなんだと大騒ぎ。いつもの流れだ。
突然、引越しをすると連絡があったあの日から、落ち着いて考えてみたら、また思い付きを口にしたのだと気付き、そのまま放置していた。

まず、年金暮らしの両親が再び賃貸契約を結べるとは思えない。しかも、病気がちなのだ。
そのような状態でどこの大家がハイ喜んでと契約を結ぶだろうか。弟が同居しているが、当てにならない。
仕事も、バイト程度だが続かない。
現実的ではないのだ。 保証人だって、うちの夫に頼むのだろうか?頭を下げて?想像がつかない。

母いわく、もっと安いところに越すと言うけれど、引越しにどれだけのエネルギーが要るのか分かっていない。私が言うのもなんだが、母は世間知らずだ。
しかも、それを自覚していないところが重症で、自分はさも常識的な人間だと信じて疑わないから質が悪い。


「毎月、家賃をどぶに捨ててるようなもんよ!あんたも早く家買いなさいよ。私みたいにならないように。本当、この結婚は大失敗だった。あんた、あの人がボケたら世話お願いね!」


「ちょっと・・落ち着いて。」


「はぁ!?あんたは他人事なのよ。所詮、嫁に行った人間は他人も同然。私の気持ちなんか分からない。あんた達がいるから別れることだって出来なかった。あんた達のことを考えなければ、今頃もっと人生違った。」


この年になってまで、このような台詞を聞かなければならないこと・・残念な気持ちになる。


「じゃあ、離婚すれば?残りの人生、人のせいにしないで楽しんだら?」


「あんた、どこまでも薄情な娘だね!結婚相手でこうも人間変わるかね?昔はもっと優しかったのに!」


思い切りガチャ切り。そういう娘に育てたのは自分だと気付かない、やはり残念な母。情けない、情けなさで涙も出ない。
ずっとずっと、私は母のごみ箱だ。自分の中のドロドロをぶちまけて本人はスッキリするかもしれないが、ごみを捨てられた方のことなんて考えない。
一人になりたいと言い続け、だが、そんな度胸なんて無い。離婚する度胸も無い。 ただ、吐き出したいだけなのだ。ゴミだらけになった娘の気持ちなんて、自分さえスッキリすれば、どうでもいいのだ。




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宝の持ち腐れ

突然、家の中を物色し始めた夫。メルカリを始めたのだ。
脱サラを決め、先のことを考えたら金が必要な今、最近流行っているフリマを始めようと思うのは当然の流れだろう。
だが、何となく私の領域に足を踏み入れられた気がして嫌だった。
売ると決めたら早い。もう着なくなったブランド服、シューズ、そしてコレクションをしていた時計まで。スマホでパシャパシャ撮影し、出品する。
そして、暇なんだから手伝えといわんばかりに、配送手続きは私に任せる。コンビニや郵便局で行うのだが、原チャもあるのだから自分でやればいいのに。


「これ、厚さが微妙ですね・・」


夫の服だ。圧縮してジップロックに入れたと言う服は、店に到着する頃には再び空気が入り、パンパンに膨らんでいた。


「あぁ・・押してみても無理ですかね?」


店員は、少しだけ迷惑そうな表情の後で、レジの背後から測定定規を取り出す。明らかに、あの枠の中に入りそうもないーと思ったけれど、駄目元で荷物を押し潰す。


「入りませんね・・どうします?」


もう引っ込みが付かず、


「じゃあ、入る大きさに変更します。」


「このBOXに入れ替えますか?」


「はい。」


ベりべりと梱包された包みを剥がし、専用ボックスに入れ替える。始めからこうすれば良かった。
だが、配送料はアップした上にボックス代も掛かってしまった。帰宅し、夫にそのことを伝えると、


「じゃあ、一旦持ち帰ってやり直せば良かったのに!!」


当初の配送料よりも200円以上アップしたことが許せないらしかった。
歯軋りをする勢いで悔しがる夫の背中に気持ちがすっと冷めていく。


ー200円くらいでケチケチ、鬱陶しい!主婦でもあるまいし、これから脱サラする人間の言うことか。


思わず声が出そうになる。売上金は一体いくらになったのだろう。ちらっと夫のスマホに目をやると、メルペイ残高が13万円以上になっており、驚く。
なんていうか、この家には宝の持ち腐れ的、無駄な物が多かったという証拠だ。
必死で金を作ろうとする夫に、胸の中がざわついて何とも言えない気持ちになる。




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  • 2020/09/18

フルマラソン

「ねえ、ママ暇そうだね。」


子に、ボソっと言われてはっとする。だが、暇な訳ではない。頭の中は忙しく動いているからだ。
ただ、ソファーに寝そべってぼーっとしているように、傍からは見えるのだろう。
点けっぱなしのテレビも、耳に入って来ない。新総理大臣が誰になろうが、今の私にはどうでもいい。
更に家計管理に煩くなった夫。激安スーパーで袋一杯買って来た日も、どれもこれも高いものはないし必要なものなのに、


「買い過ぎじゃね?」


いちいち突っ込む。夫も、不安なのだ。子どもに500万は掛かるーいざとなったら奨学金と言っていたが、自分が親にして貰って来たことを考えれば、そういう訳にいかないのだ。
それに義姉だって、一旦は夢を保留にして我が子の為にパートをすると言っていた。
夫の新しい仕事、それとなく聞いたのだが、不安でしかない。博打ーといっては何だが、本当にうまくいくのか?
一旦は、借金生活も頭に入れておかなければならない気がする。


「40代が、転職最後のチャンスなんだよ。」


能力的にも、経済的にも、そして気力的にもーそう夫は言った。人生のターニングポイントである30代半ばはとうに過ぎている。だが、夫によると「リミット」は40代らしい。


「ママっていいよね、暇で。羨ましい~」


「・・・」


暇じゃない。脳内は忙しく動いている。いや、あっちへ行ったりこっちへ来たり、ぐるぐる回ったり。子が想像する以上に激しく消耗しているのだ。


「トドみたい。太るよ。動かないのにこんなにチョコ食べるとか、あり得ない!」


板チョコを2枚食べ終わった頃、子に言われて再びはっとする。


「脳みそ使ってるから、疲れてるの。」


そう、ここずっと、脳内はフルマラソン状態なのだ。




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悩みランキング

やる気が出ない。
これからの不安で頭が一杯だ。
人間不思議なもので、普段何もない時、一番の悩み事が(要するに、ママ関連のこと)家庭で大きな悩みが出来た途端、最下位になる。
現在、夫の脱サラ問題が一位。子の体調不良が二位。三位~は、実家の引越し問題や自分の身の振り方、そしてママ関連のことや義実家問題。
夫の問題が急浮上した今、頭の中はぐちゃぐちゃだ。
なので、自治会から電話が来た時は何事かと思った。定例会議をすっぽかしていたのだ。
普段の私ならあり得ないこと。何日も前からそのことで頭を悩まし、どうしようこうしようと不毛な時間を送る。1週間前からカウントダウンもする。
それが、確かに1週間前にはインプットしていた予定だったし、カレンダーにも書き込んだはずなのに、うっかり忘れていたのだ。


「棟の人達に伝達、お願いしますね。レジュメ、エントランスポストに入れておきますので。では御免下さい。」


今回電話をくれた人は、物腰の柔らかい人だった。てっきりお怒りの電話かと思いビクっとしたのが電話越しに伝わったのかもしれない。
ポストに届けられたレジュメ。だが、一向に頭に入っては来なかった。それどころではないからだ。
団地の敬老会とか、修繕のあれこれだとか、ペットを飼うのは禁止だとかーどうでもいい。禁止にするのは、世帯主の転職にして欲しい。




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夫の心中

夫の脱サラ話は、どうやら義家族は知らないらしい。敬老の日のプレゼントをどうするのかー、珍しく次女から電話があったのだ。
リビングで、オンライン通話。夫と義姉は楽しそうにくっちゃべっていた。こんな時、私は挨拶すべきなのかどうか迷いながらも、夫から呼ばれないのでスルーすることにした。


「これからあいにお金掛かるよ。本人が行きたいって言ってるの、親としては止められないよね。」


「そんな金、あるの?」


「んー、だから、私の店の話はちょっと見送り。コロナになっちゃったしね。今じゃないかなって。取り敢えずはパートに戻るよ。」


次女は、カフェ開店に向けての勉強をし、資金を貯め、夢に向かっていた。だが、親の夢なんて子の夢を前にしたら儚いものだ。
姪っ子のあいちゃんは、物心ついた頃から英才教育。特に、ピアノに力を入れていた。いずれ音大ーなんて話を聞いたこともある。実際、それが現実味を帯びて来たのだろう。



「まあ、旦那も定年まで踏ん張るって言うしね。今のところに勤め続けてくれたら、退職金も含めて老後資金はなんとかなりそうだし。一時、転職したいだなんて馬鹿なこと言い出したから最悪だったよ。 何夢みたいなこと言っちゃってるの!?って。地に足つけなさいよって。」


「そっか。」


夫は、決して私に向かって出さない、弟の声を出す。自分の感情は押し殺し、ただただ聞き入れるのだ。私が普段、夫にそうしているように。
カフェを開くなんていう夢見がちなことを言っていた自分のことはさておき、義兄の愚痴をダラダラ吐き続ける次女。
誰もが知る一流企業に勤める義兄だが、どうやら仕事のポジション的に微妙なところに異動になったらしい。


「あー、しばらくは私もまた雇われ店員だよ。ほんとにストレスたまるよ。ね!」


最初の方の会話は楽し気だった夫だが、終盤に掛けては思うところがあったのか、元気が無くなった。


オンライン電話が終わり、


「ちょっと出るわ。」


原チャのキーを持ち、出て行ってしまった。気軽に乗れるのがいいのか、最近はよくふらっと原チャでどこかへ行くことが増えた。それは、在宅仕事の時もだ。
どこへ行っているのか?新しい仕事に向けて何か外で準備をしているのか?
どこか上の空の夫に、一抹の不安が過ぎる。




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  • 2020/09/15

心配でしかない

夫に貯金のことを聞いたが、はっきりした答えは返って来なかった。
ただ、


「そんなこと、心配しなくていい。」


その一言だけだ。なので、具体的な金額は確保出来るのか、尋ねた。


「OOの教育資金・・大学までもし行くとしたらのお金はどうするの?大体、500万は必要だって聞くよ。」


「なんとかなるだろう。いざとなれば、奨学金だってあるんだから。」


危険な考えだ。ハナから奨学金を頼るのはよろしくない。


「その知り合いと、共同経営ってこと?うちから出資とかもあるの?」


「利益分配とか考えたら、そうせざる得ないだろうな。」


「え、でもそれって大丈夫なの?うちの貯金の何割くらい使う予定?」


「利益上げる為には、最初はマイナスってことだってあるよ。そんなことも分からない?」


夫は、馬鹿に説明するまでもないと言う態度。


「とにかく、そんな心配だったらあなたも正社員になればいいんじゃない?コロナとか病気とか言い訳してないで。」


「・・・」


痛いところを突かれ、何も言えなくなる。そうなのだ、夫の言うことも一理ある。ただ、あの通帳に入っていた金を全て出資金として出すのかどうか、それを知りたいのだ。


「まぁ、今すぐって訳じゃないから。損得考えて、辞め時だって決めようと思ってる。今すぐ辞めるってことでもないから、頭ん中に入れておいて。」


夫はそれだけ言うと、鳴りだしたスマホを手に自室へ入ってしまった。在宅ワーク中、誰かと話していたことが現実になるとは。
数年前、うやむやになった海外赴任の話以上に、今度の話は頭が痛い。なんといっても、今後の生活が掛かっている。




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  • 2020/09/14

夫からの告白

子どもには、金が掛かる。
最近は、調整料だけで済んでいたのだが、またもや大金の請求。
都内だからこんなに高いのか?
成長に合わせて、装置が変わることは理解出来るけれど、もうトータルで想定外の出費の連続。
そして今回、更に何十万の金が飛んでいくことを夫に告げるのには、勇気が要った。


「え?なんだそれ。今の装置を使い続けたら駄目なの?」


私達素人は、作り替えの時期もコストもよく分からない。見えない技術料に、言われるがまま請求された金を支払うのみだ。
だが今更、後には引けない。


「俺さ、そろそろ今の仕事辞めようかと思ってるんだよ。」


ずっと気に掛かっていたこと。このタイミングでさらりと言われ、頭が真っ白になった。


「知り合いに誘われててさ。まだいつとかは決まってないけど、コロナでこういう時期だから、むしろ業界的にチャンスなんだよ。」


「そう・・もう会社には伝えたの?」


「いや、折を見て伝える。」


「・・・・・・」


少し長い沈黙の後、勇気を出して夫に聞いてみた。


「今、家にどれくらい貯金あるの?」


あの複数の通帳の存在を知ってしまった今、どうしてもはっきりさせたい気持ちが先走る。ずっと悶々としていたのだ。これまで、触れないようにしてきた部分。だが、このタイミングで聞き出さなければ、この先ずっと私は蚊帳の外なのだ。


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  • 2020/09/13

お得と危険

今日も、張り切ってポイ活。
最近、ライター内職もせずにせっせとコンビニ通い。当たり前だが、一気に残高は減ってしまった。
そうなると、ポチポチとアンケートやゲームをして残高を増やそうとするが、一向に増えずどっと疲れる。
時間の浪費だ。

ぎゅうぎゅうに締めた家計予算。その中でやりくりを行うことは、ストレスだ。予備としてこっそりスライド貯金出来たらいいなと思った札も、思い掛けない特別費で飛んでいく。
そんな中で、マイナポイントに目を付けた夫から、早急に手続きをしろと急き立てられるが、今更ながら私も子もマイナンバーカードを持っていない。
なので、その登録をしなくてはならない。
ドコモ口座の件で、情報漏洩に怯えている。個人情報は、銀行口座含めてネットショッピングをしていれば、何かの形で漏れてはいないかと気がかりだ。
不安は募る。そういえば、夫実家で三女の彼氏も言っていた。ITに精通しているからこそ、ネットで物は買わないし買ったこともないと。
そういうことなのだ。

そうなると、今私がはまっているポイ活だって、どこでどう紐づけされて個人情報が漏らされているか分からない。
どこかのコメンテーターが言っていたけれど、「お得と便利は、危険と隣り合わせ」ということだ。タダより高いものはない。




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心労

結局、あれこれ考えているうちに、部活ボランティアの用紙は未提出で終わった。
新入生の親なのだから、積極的に手を挙げるべきだったかなーと思いつつ、だがその勇気が出なかった。
躊躇している間に、事は進む。それは、もうずっと前からの経験で学んでいるはずなのに。

提出期限が過ぎてからも、悶々としたままだ。いよいよ、部活懇談会。
ボランティアに志願しなかったことで、顧問から嫌われるのでは?だとか、他の親は皆、志願したのでは?だとか、嫌な妄想が広がる。
どうにもマイナス思考。どんと構えていられない。
だが、保護者同士の云々よりも、もっと大事なことがある。子の足痛の件だ。これは、顧問に伝えるべきか否か。
医者から診断書を貰ったわけでもないし、大袈裟な親だと思われるか?
そもそも、精神的なものだろうと片付けられたのだ。だが、その精神的な根源はどこにあるのかまだ明確になってはいない。
もし、部活内でのことだとしたらーやはり、顧問の耳に入れておいた方がいいだろう。

昨夜は、足が痛いと言って夜中に起きた。湿布の冷たさが無くなり、アイスノンを追加したことで、ようやく眠りについた子。
直接的に、悩みがあるのか聞いてみたところで、子が全てを語る訳がない。むしろ、何かを隠すようになる。これは自分が思春期を思い出しての想像だけれど。

いつになっても、子は手が掛かる。そして、親の心労の質は高まる。




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おじさん達の建前

子のテストが終わり、その結果は散々たるものだったそうだ。


「あー、全然分からなかった~」


そりゃあ、そうだろう。実際の勉強時間は親から見ても少なく感じるし、テストに向けての心構えもなくその日を迎えたのだから。
私が見るのにも、限界があった。漢字や簡単な計算くらいなら、教科書を見ればなんとかなる。理科や社会も然り。
教科書通りの暗記項目なら説明出来ても、応用になると???もうお手上げだ。そして、Z会。休校の間は、それなりに頑張っていたのに、学校が始まり部活が始まり、日々に追われるうちに、宿題を終えるのがやっと。 もう、春先からの提出物も出していないし、ビデオ動画も観れていない状況。
テスト勉強といえば、学校から配布されたプリントやノートを見返すくらい。


「あなた、ちゃんと教えてた?」


夫から聞かれ、カチンと来る。働いていないのだから、塾代として子に勉強を教えるのが当たり前だという夫。
子の結果は、ある意味、母親としての私の働きの査定のようなものだ。


「もう、塾入れた方がいいかも。私も、パート探すから。」


「扶養内とか?塾代なんて、それ超えるぞ。」


ー正社員になれと?なんだか疲れて、夫の言葉をスルーする。


塾なんて入らなくても良かった時代。そんな時代に子どもを生めたら良かった。
妻としてだけでも、母としてだけでも認められるー、そんな時代に子どもを生めたら良かった。
確かに、選択肢は増えた。だが、窮屈さも増えた。「女性が輝ける時代」なんて、本音では1ミクロンも思っていないおじさん達が作った言葉。
そんな建前に踊らされ、疲れ果てて自分を見失う、そんな女性が増え続けるだけの世の中だ。




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私の城

「ちょっと行ってくるわ。」


そう言い残して、家を出てから既に3時間。正午もとうに過ぎた。
昼ご飯は要るのか要らないのか?何度も携帯に掛けるが繋がらない。私一人の昼食なら、簡単に済ますことも出来るのだけれど。
取り敢えず、素麺は茹でておく。そして、天ぷらの用意も。要らなければ、夕飯に回せばいい。素麺は揖保乃糸、なんて言っていた夫だが、最近は安い素麺を出しても見て見ないふり。ようやく身の丈が分かって来たのか?
ちなみに節約しなくてはならない今、具材はかき揚げと竹輪のみだ。酒を入れて5万で回すのだから、仕方が無い。

連日、在宅が続いた夫。今日は代休。なので、ふらふらとまだ買ったばかりの原付に乗って出掛けてしまった。
この暑いのに、よくバイクになんて乗る気になるものだ。エアコンの効く車の方が余程快適だろうに。

それでも、夫が家にいないこの空間は、天国だ。自分の意のままに過ごせる。
いつ帰宅するかは分からないけれど、自室におりいつドアが開くかビクビクするよりも、精神的に楽。

夫婦二人きりになると、更に家の中の沈黙が「音」として耳障りになる。キーンというような、独特な音。
夫が捲る新聞の音ですら、耳奥に嫌な余韻を残すのだ。もう、生理的に無理なのだろう。もはや夫は、私にとって「雨風を防いでくれる屋根」のようなもので、それ以上でもそれ以下でもない。 私がいずれ仕事を持ち、自活出来る日が来たとしたら、間違いなく夫とは離婚の道を辿るのだろう。
そんな妄想をすれば、急に意欲が湧いてきて、MOSのテキストを開く。「やれば、出来る!」ー、どこかのお笑い芸人の声が、私の体の中でこだまする。




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  • 2020/09/09

義務感と期待感の間で

懇談会を前に、テニス部の保護者会からプリントが届いた。
そこには、今年度にいつの間に決定したと思われる役員名と、また、ボランティアを募るお知らせ。
ボランティアは、試合の際ー今年はどうなるか分からないけれど、子供たちのサポートだったりその他雑用に駆られるという。
切り取り線があり、希望者のみの提出となっていた。

やるべきか、やらぬべきか・・
ボランティアということは、車出しとかするのだろうか?詳細は記載されておらず、聞ける人もいない。
先輩や同級生の保護者に、私自身の顔見知りがいるかどうかも分からない。何となく、苗字だけであの子の兄弟か?と思われる生徒もいたけれど、子に聞いても知らないと言う。

本音は、面倒。だが、もう一つの本音では、中学で新たな顔見知りを増やしたいという気持ちもある。
幼稚園、小学校で失敗したママ友作り。いまだ諦められない自分がいることに驚く。もしかしたら、ここで本当に気の合う人と出会えるかもと淡い期待を抱く。

子の同級生の母親達は、顔見知りなのだろうか?子に聞けば、全員が全員同小ではないし、子と同じ小学校出身の子が実はいるのだ。一度も同じクラスになったことが無いので、私も子も馴染みが無かったけれど。
その子の母親の顔を知りたい気持ちもある。だが、ボスママやスネ夫ママと繋がっていたらーという不安感もある。
子の為に、頑張るべきか否か。もう中学なのだから、最低限、保護者としての手伝いを担えばいいのではないか。気持ちは、揺れる。




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もぬけの殻

この週末、お隣が騒がしいと思えば、引越し業者。
ものの数時間で、空き家となった。
正直、挨拶もなかったことが信じられない。これが今時の人の対応なのか?いや、そもそも非常識。
一応、会えば挨拶くらいはする仲だったのだ。手ぬぐいの一枚や二枚、持ってくるのが普通だろう。
どこに引っ越したのだろう?その謎はすぐに解けた。
一応、自治会役員になった今年度。9月に入り、新しい会員名簿が届けられた。防災関連の業務があったので、その集会に出た際、情報を得たのだ。


「やっぱり買い時は、子どもが小学校に上がるタイミングだよね~。」


「あの二人、仲良かったもんね!学校、一緒にしたかったのかもね。」


「コロナだし、景気悪い今が買い時でしょ!うちもマイホーム欲しい!」


私の席近くに、若いママ集団ー、エントランスでいつも、素敵ママやお隣さんらと幼稚園バスを待っていたママもいるのだが、彼女等は専らお隣さんの引越し事情を大きな声で噂していた。
素敵ママが購入した家の傍の建売に越したらしい。だが、残されたものは、こうした話の中に少しの毒を放つ。


「中古でしょ?あの子なら絶対新築だと思ってたのにね。意外~」


「Sちゃんとランドセルもお揃いにしたとか言ってたもんね。学校違うのに変なのーと思ってたけど、もうだいぶ前から引越し話は二人の中ではあったのかもね。」


素敵ママは、駅前の新築ー、何千万もする家を購入した。
まだ売られている頃、チラシにも入っていたが、素敵ママらしい家。R君は、小学校卒業間近だったので、学区の変更も無いまま引っ越した。
中学校の学区は、小学校メンバーと一緒なのだ。その辺も、彼女は計算済だったのだろう。そして、時間差はあったものの、お隣さんもまるで後を追うように彼女の傍に引っ越したのだ。 そんな風に家という大きな買い物をするうえで、影響を与える素敵ママは凄い。
今度は誰が越してくるのだろう?良い人だったらいいな、と思う。




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食費5万の内訳

「今月、遣い過ぎじゃない?」


8月の分を締め、家計簿を見せると夫はため息。夫から手渡しで貰っているやりくり費は、いつも最初の1回では足りずに何度か折を見て追加分の催促をする。
その催促だって、夫が在宅であることから増えた食費や雑費分だというのに・・・ちなみに、今月の食費は5万だ。この中には夫の酒代も含まれている。
ついこの間は、夫が買い物担当になり、食費を減らすと豪語していたのに、満足いかない食卓。
もやしや豆腐料理のオンパレードでうんざりとなり、結局、それまで通り、買い物担当は私となったのだ。
満足いく食事内容を求められれば、それなりに費用は掛かる。夫がいう食費と雑費、それに一緒にいるとぽいぽいカゴに放り込む酒やカップ麺などの嗜好品は、家計を圧迫する。
それでも、頑張って予算内に納めようと、この暑いのにスーパーのはしごをし、頭を使って食材を使いまわしているというのに、それでも予算はオーバーしてしまうのだ。


「あのさ、家計簿の付け方、変えたら?」


夫はそう言うと、スーパーやりくり主婦の家計簿動画を見せて来た。


「こんな風にさ、工夫しろよ。年収これだけで年間150万とか、すごくねえ?」


ーいや、あなたの年収知らないし・・


言いたい気持ちをぐっと抑える。この人は、何も分かってない。
原付なんて無駄なものを買った人間に言われたくなかった。一人娘だとしても、食べ盛りの中学生の子どもがいるのだ。もやしや豆腐ばかり続く食卓だなんて、駄目だ。
それでなくても、最近は体調不良が続く我が子に、そんな貧相なものを与え続けることなんて出来ない。


「食費は、むしろアップして欲しい。他の分、減らしてでも。OO、今が一番体を作る大事な時だから。」


夫は、大きくため息をついた後、


「じゃあ、削れる項目出して。その分、食費は上げるから。」


そう言い放つと、自室へ籠ってしまった。食費は5万では到底足りない。酒代が2万も掛かっているからだ。この2万こそが削る項目となることを、夫に伝えなければならない。




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ストレスと身体

子の咳が続くので、病院へ。
診断の結果、喘息だと判断された。実にショック。
取り敢えずと薬を処方された。飲む薬と、吸引の薬だ。

また、足の痛みも相変わらず続くので、整形外科へ。
テスト期間中は部活も無いので、気になるところはと、一気に病院通い。
子は、勉強の時間が無くなるから行きたくないとぶつくさ言うが、家にいてもずっとスマホなのだから、どっちにしろ体のメンテナンスを優先した方がいいに決まっている。


「スポーツは、何かされてますか?」


「部活でテニスをしています。」


相変わらず、子はこういうところで声を発しない。医師は、明らかに子に向かって聞いているのに、保護者である私が受け答えをしてしまう。
いくら言っても、聞かない。私が黙っていれば、沈黙が続いて気まずくなる。医師の方も、無反応の子から視線をずらし私の方に回答を求めるので、依然としてそうなるのだ。
レントゲンを撮り、結果を見るが、折れていたりヒビが入っているということもない。
医師も、子の足首を傾けたりしながら反応を見るが、首を傾げる。


「成長痛ですかね。それか、普段使っていない筋肉を動かしたことで、一部炎症が起きているのかもしれません。」


結局、湿布を貰って帰って来た。医師の前では痛い素振りを見せなかった子が、病院を出た途端、再び足を引きずるように歩く。


「もっと、痛いところとかちゃんと先生に言わないと伝わらないよ。」


「だって、病院では痛くなかったんだもん。」


「ちょっと、気にし過ぎなんじゃない?痛いと思うから痛いだけで、何ともないんじゃないの?」


「だから、痛いんだって!ママは分かってくれないの!?」


「痛かったり痛くなかったリだから、精神的なものなのかなって。学校で何かあった?」


「なんでそうなるの?うざいんですけど。」


テスト期間で苛々しているのか、私へのアタリが強い。叱りたい気持ちをぐっと堪える。母の本能だ。
身体に現れるということは、それなりのストレスが掛かっているということ。逃げ場を作るつもりで、子の我儘な物言いに、今は耐えるしかないのだ。




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DNA

懇談会のお知らせが来た。その用紙を見るだけで憂鬱な気分。
またそれと共に、部活動保護者の懇談会のお知らせもあり、同日日程ではないことに気が塞ぐ。
2日に渡って、縛られる。嫌なことは、一気に済ませたいタチなのだ。

テニス部に入った子。そういえば、子がいつも一緒にいるだろう同級の子達の顔もよく分からないし、親の顔なんて尚更分からないままもう9月。
ラインでのやり取りは、まあ多い。朝から晩まで、ラインラインの通知音。

テニス部ー、相変わらずグループラインのアイコンは、我が子がお留守の状態だけれど、それでも子は彼女らとそれなりにやり取りしており、何とか流れに乗っている様子だ。
だが、どこか遠慮がちにも見える。嫌われないように、グループ皆の顔色を伺っている感じ。
平たく言えば、毒にも薬にもならないようなコメントが多い。
誰かが毒を吐けば、それに輪を掛けて更に盛り上がりそうな毒を吐くのが彼女達の定説なのだろうが、子はスタンプのみだったり。


ーそうなんだぁ。


ーだね。


ーいいと思うよ。


協調ばかりのコメント。
顧問の悪口を誰かが言い、悪意ある似顔絵をアップしても、


ー笑


子は、これだけ。他の皆が、更にウケ狙いでおかしな似顔絵をアップしてもだ。そのやり取りが、私自身の対人関係とかぶるところが多く、胸が痛い。
遺伝ーなのだろう。教えてもいないのに、こういうところに出るのだ。まだ夫に似てくれた方が生きやすいだろう。
強い者には媚びへつらい、弱い者には強く出る。そういう人間が、この社会で生きやすい現実。特に、中学高校の女子生徒特有の、がっちり住み分けされてしまう世界では、夫のような図々しさや計算高さが功を生むのだ。





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匙を投げる

今週から、いよいよ期末テスト。
相変わらず、子は猛勉強・・という感じでもなく、どこか他人事。
一応、宿題などはこなしているらしいけれど、ノートやレポートはどうなのか聞いてみると、面倒臭そうな受け答え。
恐ろしいことに、テスト範囲すら把握していなかったのだ。


「皆、塾行ってるし。」


子の常套句。こう言えば、悪い点数を取ったとしても仕方が無いよねのけん制だ。だが、私も子の成績が悪ければ夫からの風当たりが強くなるので引く訳にいかない。


「取り敢えず、これ解いてみて。」


範囲と照らし合わせた問題を解かせてみる。だが、少し目を離すとスマホ。


「ちょっと!ちゃんとやって。スマホは触らないで!」


「いや、調べてるの。ここ、分からないから。」


そう言い訳をしながら、画面を見せるのだ。それは確かに疑問点を検索したのだなーと思うのだけれど、油断すればいつの間にか関係のないゴシップ記事や友達とのラインにすり替わっているのだ。


「だーかーら!スマホはあっちにやりなさい!調べものがあったら、辞書で調べて!」


といいつつ、


「辞書、どこだっけ?」


辞書探しに1時間・・結局、見付からないままだ。それに、気付けば英単語もスマホ頼み。英和辞典を購入していないことに気付く。


「学校で、英和辞典のこと言われなかった?」


「さぁ。聞いたこともない。」


単語も酷いものだ。何となく覚えているようないないようなあやふやな感じ。スペル間違いも多い。集中力が足りないのだろうか?
こんな調子で、あと数日後のテストは乗り切れるのか?
焦る私のことなどお構いなしな様子で、大欠伸をしている我が子に呆れ返る。一体、誰に似たのだろう?

私自身、勉強は出来なかったけれど、出来ないなりに努力はしていた方だと思う。不器用だけれど、非効率的ながらも自分なりに試行錯誤しながら頑張っていた。
実際、部活も入っていなかったから、勉強する時間はたんまりあった。親もまだ期待していた頃は、友達とも遊ばず勉強時間に全てを割いた学生時代。
それなのに、4大卒という壁を乗り越えられなかった私・・
まだ、呑気な我が子の方がマシなのかもーとさえ思えてしまう。勉強はさておいて、学生時代を私よりも謳歌しているように見えるからだ。


「もう、勝手にしなさい。あなたのやる気が無いんじゃ、ママが付いてても仕方が無いから。」


そう言えば、焦って言うことを聞くかと思ったのに、待ってましたといわんばかりにスマホ・・もう駄目だ。現実を知り、痛い目に合わないとその気は起きないのだろう。





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求められるプレッシャー

今日も、長袖で登校した子。
暑い暑いと言いながら、それでも長袖を着て学校へ行く。


「部活、今日は休んだら?」


「無理。」


家の中では足を引きずっていても、外に出ると普通に歩いている。バルコニーから子の背中を眺める。心因性のものなのだろうか?
昨夜は咳も酷く、こちらも寝不足。夫が在宅なこともあり昼寝が出来ないので、ぼーっとする頭でのろのろと家事をこなしていた。
そこへ、実家からの電話だ。


「あら、あんた?暇なの?」


「いや、家のことしてたよ。」


「ダンナは仕事?」


「いや・・家。」


「はぁ?家?休み!?」


オーバーなリアクションだ。すぐそこの書斎には夫がおり、いつ出て来るか分からない中、母と話すのは気が重かった。
どうか、察してくれーそう思い、やんわりとその意思を伝える。


「仕事してるから、ちょっと・・」


「あっ、そう!御免なさいね。じゃあ、取り敢えず伝えとくわ。ここ引っ越そうと思うの。また細かいことは今度ね。ダンナがいない時にあんたから電話頂戴。」


そう言って、すぐに電話は切れた。
引越し!?実家に何があったのだろうか?終の棲家はあの古いマンションだと思っていたのに、もっと家賃の安いところに越すのだろうか?
そもそも、あのマンションも築年数がだいぶ経ち、あちこちガタが来てるということは以前から聞いていた。壁もところどころ剥がれていたし、風呂やトイレも旧式のもので使い勝手が悪いと。 年寄りには優しくないとも。
分譲ではないので、勝手にリフォームすることも出来ず、母はだいぶ前から苛々していたのだ。
何となく気が重い。娘としてどうすべきか母は口に出しては言わないけれど、求めているのだ。求められていることが、重いのだ。





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