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これから

これから、部活イベントの手伝いへ。子は、既に出て行った。てっきり一緒に会場へ向かうのかと思っていたのだけれど、親と一緒なのを見られたくない?
あの2年女子の母親は来るだろうか?それから、1年の保護者達とも顔合わせ出来たらと思うのだけれど・・・
そして、一番は、子がうまく部員らと溶け込めているのかどうか。
どうか、うまくいきますように・・・
胃が痛い・・・







損失

インフルの予防接種、安いところを探せと夫に言われ、3000円の病院を見付けた。
ダメ元で、予約を取る。夫も、でかした!という感じで、久しぶりに褒められたことが嬉しかった。
なのに、実際、病院へ行き会計をすると、8000円。病院のHPには3000円。
待合室には人がたくさんおり、ごねているところを見られるのも恥ずかしいが、聞いてみた。

「あの・・こちらで3000円ってなっていたんですけど。」

すると、受付の女性は面倒臭そうに携帯画面を見つめて、

「あぁ、それは2年前の情報ですね。今年は、4000円です!」

有無を言わせず能面のような顔で返す。もう打ってしまったので、商品とは違い返品出来ない。
しぶしぶ2000円オーバーを受け入れることになった。

夫にそのことを伝えると、

「あなた、そういうところが爪が甘いんだよ。ちゃんと見ないと。そんなんで社会復帰出来るわけ?不安だわー」

補填分として、2000円の催促がし辛かった。
古い情報は削除して欲しい。だが確かに、その病院のサイトから直接入ると、インフォメーションのところの更新部分に、「今年のインフル予防接種費用ー¥4000」と記載されていた。
私のミスだ。








潮時

今月、ピアノレッスンを受けたのはたったの1回。
講師が体調を崩したり、部活が長引いて休んだり、オンラインすら出来なかった。
だが、しっかり月謝は取られる。もう潮時・・しかも、恐らく発表会も今年は無いだろう。


「もう、ピアノ辞めようよ。月謝も勿体ないし。」


夫との言い合いで意固地になっている部分もあるのだろう、続けるとい言い張っていた子。二人きり、部活が無い日にゆっくりおやつをしている際、話を持ち掛けることにした。


「お金が勿体ないから?」


最近、夫が子の前でもケチケチし始めたことで、何となく家計状況が不安定だということを察しているのだろう。
もう、中学生なのだ。金が降って湧いて来る気でいられても困る。


「パパ、仕事辞めるかもしれないの。内緒だよ。」


子は、驚いた後、


「え?何やるの?」


「うん、まだママにもよく分からないんだけどね。知り合いと会社をするとかなんとか。雇われるのか共同経営なのか・・」


「え!パパ、社長になるの!?」


一瞬、目を輝かせる。こういうところが幼い。会社経営イコール社長、そして金持ちの図式なのだろうか?
そんなに世の中甘くない。


「正直、今よりも給料は安くなると思う。最近のパパ、以前のように買い物も派手ではないでしょう?これから塾に行くことになるならもっとお金は掛かるし、高校や大学にだってお金は掛かる。だから、無駄に使う余裕は無いの。ママもじきに働きに出ないとだし。」


「うん・・分かった。じゃあ、ピアノ辞めるよ。」


あっさりすぎて驚く。こんなにも物分かりの良い子だったのか。いや、子も引き際を待っていたのかもしれない。
宙ぶらりんだった習い事、また、やりたい時が来れば再開すればいい。




進まない作業

なかなか進まない内職に、投げ出したい気持ち。
現実逃避でブログを書く。今週は明日も明後日も夫は在宅。思うように時間が取れない。〆切は週末なので、どうしたものか。
夫が在宅だと、昼は温かなご飯を出さなくてはならない。弁当が要らないだけ朝は楽なのだが、そういう時に限って、子が給食無しの弁当あり。うまくいかない。
以前、子が弁当だからとついでに3人分作って、昼になったらレンジでチンして出したら、手抜きだと言われた。そして、出した弁当を無視してカップラーメンを作り始めた。
そういうの、モラハラでは?と心の中で罵倒するが、声にならない。


「俺は、家で仕事をしているんだ!」


そう返されれば、何も言えない。冷凍やレンジでチンは、義実家ー要するに義母が嫌悪していたこと。冷凍すると不味くなるとは昔の考え。
今の時代、むしろご飯なんかはすぐに冷凍すれば、チンしたら炊き立て同様のものが食べられるのに。そういう固定観念が、様々な効率の邪魔をする。

GOToが始まり、てっきり夫も外食三昧の生活に戻るかと思いきや、しっかり家食。なので、食費が案外掛かる。なのに、催促すれば嫌そうな顔をされるのがストレスだ。
米や調味料も、こういう時に限って一気に底をつく。決して贅沢している訳ではないのにー、夫から頼まれる酒や嗜好品、カップ麺やレトルト系諸々が食費を圧迫しているのだ。


「ほら、今日はここが安いぞ!」


朝からチラシを掲げてヒラヒラさせる夫。今日は、買い物に行く気は無かった。折角の夫出勤日。なのに、安いからと遠くのドラッグストアーに行かされる。
ついでにメルカリやクリーニングも頼まれた。
そして、さあ取り掛かろうとしたところの実母からの電話。これに1時間以上。

内職に集中しようとすれば、こうして邪魔が入るのだ。言い訳かもしれないが、細切れ時間をやり繰りしての作業はモチベーションを保つのも成果を上げるのも大変だ。
コロナで本格的にこれまでの仕事が在宅になっている主婦は、どうやり繰りしているのだろう。出勤していた頃と同等の成果を上げられているのだろうか?
まだ、我が子は中学生なので手が掛からないが、これが幼児ならば、保育園に行かせているにしても、色々と所用が増えるだろう。
ママが家にいる!というだけで、子どもは構って欲しがるものだ。目に見えないものに我慢出来ても、見えているものを我慢するのは、大人だって大変なのだ。




部活保護者会

今月初めに行われた部活懇談会。あの独特な空気の中、もうすぐ行われるイベントの手伝いに行く気が失せる。
テニス部の人数は思ったよりも多く、2年生の親がほぼ仕切っており、新しく入部した生徒の親は受け身のまま。
それでも、1年生の親の殆どは顔見知りなのだろう、親し気にしており、いつ挨拶をしようか様子を伺っているうちに機を逃してしまった。
一人、いつだか見たことのある親がいた。恐らく、以前子が習っていたダンス教室にいたような、プールだったか、忘れたけれど。
懇談会が終わり、顧問と子の足の件について話すことが出来た。だが、何となくきつそうな感じ。私よりもずっと若い女性顧問だ。


「足ですか。整形外科では何と言われました?」


「特に診断は無くて、様子を見ましょうと。」


「部活では、普通にしていますよ。特に足を引きずったりもないですね。」


「そうですか、もし本人が痛がっているようなら・・」


私の言葉を遮り、


「本人がちゃんと伝えてくれたら休ませますよ。中学生ですし、自分で自分の体の状態は言えるようでないとー。」


私に対してアタリが強いと感じる。話が終わり、顧問は2年生の中心メンバーと話し込んだ。そこでは、顧問よりもずっと勝気そうな年輩保護者がおり、私への対応とは違い、低姿勢だ。その時点で、子がここに入部したことはハズレだったのかもとげんなりする。教室の隅では1年生の親ががっつり輪になり話し込んでいる。どうしてもその輪に飛び込んで行くことなど出来ない。
ただ、私と同様に輪に入っていない親がおり安堵する。目が合ったので挨拶をする。しかし、それは2年生の親だった。


「転部なんです。」


元バレー部だったという。何かトラブルがあっての転部なのだろうか?にしても、この親も私と同様、2年のがっつりグループに飛び込めないでいるようだった。
学年は違えど、話せる人は欲しかった。
懇談会が終わり、彼女に近付く。何となく、同じ匂いがしたのだ。話こそ弾まないにしても、互いにぽつぽつと会話を繋ぎながら校門まで歩き、そのまま別れた。
イベントの手伝いは憂鬱だが、あの2年生の保護者ー名前こそ分からないけれどーも来ているはず。そう思えば、重い腰も上げられそうだ。




至福と孤独

夫は週末、オンライン飲みを楽しんだようだ。
朝までドンちゃん騒ぎ。
一瞬、かおりとオンラインを平行してやろうかと思いきや、やはり、どこで夫が聞き耳を立てるか分からない自宅で出来るはずもない。
朝、流しにたんまりとある空き缶や瓶。どれだけ飲んだのだろう。ロング缶6本にショート缶2本、それにワインの瓶。
それと、ツマミに食べたのだろうスナック菓子の袋がわんさか。これでは健康診断の度に生活習慣を見直すべきだと言われるのも仕方が無い。
そんな時、妻である私の管理が行き届いていないと他人からは思われるのだろう。

夫と晩酌なんてしたくもないけれど、なんだかモヤモヤする。自分だけ楽しんでという気持ちと疎外感。
家族団欒なんて、もうここ最近していない。たまに夕食を囲んでも、スマホばかりの夫と子。食事の時くらいは辞めなさいと言ったことで、さっさと義務のように食べ物を流し込み、すぐに自分の部屋やリビングソファーでごろごろとするのだ。 勿論、片手にスマホ。
私も好き勝手してやろうと意気込むが、せいぜいの二度寝くらい。そしてたまにの内緒の昼酒。
その時間が至福だが、酔いが覚めた時、なんともいえない寂しさをおぼえるのだ。




イマジネーション欠如

かおりとのオンライン飲みがなかなか実現しそうにない。
今日は、夫も仕事で私は暇なのだが、彼女は仕事。彼女が休みの日は、夫在宅。
話したいことがたくさんあるのに、繋がれないジレンマ。
ラインでのやり取り。


ー旦那がいたら、無理だよね!?


夫が在宅時にオンライン飲みなんて、無理にきまっている。そもそも夫や義実家の愚痴が話の大半を占めるのに、当事者がいたら会話のネタだって無くなるのだ。
差しさわりのない子どもの話やドラマの話をしたって、このストレスは解消されない。


ー夜なら大丈夫だよ?


ー今日って、仕事?


ーうん、在宅だけど。


なんだ、在宅なのか。なら、ランチ時オンラインは出来ないものかと聞いてみた。


ーえー?だって仕事中だよ?アルコール入れて仕事しろっていうの?あり得ないし。ただのランチならいいけど飲みは無理でしょ、常識的に。


そうか、私は非常識なのか。だが、こうやって仕事中に私用ラインをするのはどうなのか?アルコールは入っていないけれど、これだってかおりが言う非常識と変わらないのではないかと思い始める。


ー非常識な専業主婦ですみません!今も業務中なのにすみません。暇な主婦にお付き合いしていただきありがとうございました!


つい感情的になり、そんな一文を送信しそうになるが削除する。読み返して、自分の性格の悪さに反吐が出た。もう一度、打ち直す。


ーあはは。そうだよね、酔っぱらって仕事しろなんて有り得ないよね~、ごめんね、どうもしばらく社会から離れてると、かおりの立場に立てなくて。また新たにスケジュールが分かったら教えて。うちも、旦那の出勤日がまた分かったらラインする。お忙しいところ付き合ってくれてありがとう、またね!


二重人格かよ!と自分に突っ込みを入れる。
結婚していようがしてなかろうが、子どもがいようがいなかろうが、仕事をしていようがしなかろうが、相手の立場に立つこと。想像力を働かせること。
意識していないと、つい忘れがちだ。




ノルマをこなすだけの日々

今日は、家事をいつもより早く片付けることで内職の時間をなんとか作った。
だが、1時間もすれば疲れ果て、テレビを点けてワイドショーをBGMにネットサーフィン。気付けば3時間が経過。
この無駄な時間はどうやっても削れない。時給1000円のパートに出ていたら3000円も稼げるのだ。

空き家になった隣。工事の音が朝から煩い。ドンドン壁を叩く音、ドリルで穴を空ける音。
家の中にいるのが辛く、ポイ活をしに外に出る。コンビニによっては商品が置いていないところもあったりなので、3件程はしごする。
すると、時間はどんどん過ぎる。また、今日は1000円分しか買い物をしないと決めれば、スーパーのはしごだってする。
激安スーパーは、自転車でもちょっと遠い。サイクリングがてら気晴らしに行くのはいいのだけれど、それが毎度となると結構な負担。
前日の夕食で、夫と子から、食卓が茶色いのを指摘されたので、トマトを買おうとする。だが、3つで400円近くすれば躊躇する。なので、駅前の八百屋へ行くが、ここでも同じような値段。
カゴに入れては出してを繰り返し、結局は元に戻す。代わりに彩りとして買ったのは、かにかまだ。自宅に戻る途中で、一番必要な牛乳の買い忘れに気付き、ドラッグストアーへ行く。
そんなこんなの無駄な動き?で、時間は過ぎる。
私の家事能力は、夫から言わせれば低いらしい。余る程に時間があり、子どもももう幼くはない。それなのに、部屋は雑然としており料理も工夫が無いという。
確かに、デキル主婦のブログを見れば、自分がいかにサボっているのだろうと反省せざるを得ない。
仕事をして幼い子ども達の送り迎え。また、家族の人数が多ければ、洗濯の量だってかなりのものだろう。
それなのに、品数が多く見栄えの良い料理。そして、知恵を絞って3万~4万で抑えた食費。私のようにポイ活などをして食費や嗜好品代を抑えていたとしても、尊敬する値だ。

最近、アリとキリギリスの話がちらほら頭に浮かぶ。私は、アリでもなければキリギリスでもない。アリのように真面目にコツコツと出来る範囲で努力するようなこともなく、また、キリギリスのように後先を考えずとも今を楽しむようなこともせず。ただただ日々のノルマをこなすことに精一杯だ。
中途半端なのだ。結局、就活の為にと始めたMOUSの勉強も手付かずのまま。将来のビジョンが明確ではない。こんなこと、ぼやいている場合ではない立場だというのに・・・





世知辛い世代

気が重いながらも、放置しておく訳にもいかないので、実家に電話を掛けた。
3コール程で、母が出た。


「あぁ、あんた。」


先日のガチャ切りなんてすっかり忘れたかのような気の抜けた声。いや、恐らくそれも演技なのだろうが。 弟から電話があったことーこれも母は傍にいたのだろうから知っているのだろうけれどー、父の入院について諸々、今後の見通しなど聞く為に電話をしたのだと伝える。



「あの人、私にはお手上げだわ。」


珍しく、覇気のない声。


「何言っても、話は通じない。認知症かもしれない。すぐ怒鳴るし。」


私の記憶では、大人しい父。怒鳴る?正直、信じられなかった。話が通じないのも怒鳴るのも、いつだって母の方だったから。
コロナ騒動で実家にはもう何か月も帰っていない。いや、帰ろうと思えば帰れる距離なのだけれど、足が遠のいている。自分の心の平穏を保つ為に。
だが、そうも言ってはいられなくなりつつある。本当に、父が認知症を患い始めていたとしたら、早いところ手を打たなければならない。
実際、この目で確かめなくてはならない。いつだって、母は事実を大袈裟に捉えて周囲に同情を求めたがる。
入院の日時を聞く。私にもついて来て欲しいのだろう。また従姉妹のこと。


「N恵ちゃんは姉さんの入院時、子どもを一時保育に預けて付きっ切りだったんだってよ。しかも、お受験で大変だった時なのにね。姉さんも心強かったでしょうね。退院後も、毎日のように家に来て、洗濯や掃除や料理もしてくれたってよ。」


「病院って、コロナでお見舞いとか無理なんでしょう?」


「まあそうね。だけど手続きとかには行かないとなんないし。足もないからタクシーで行くことになるけどね。N恵ちゃんの時は・・」


従姉妹は毎度の車送迎から手続き等、恐らく見舞金も実の母であってもたんまりと渡したのだろう。母からすれば、隣の芝生は黄金に見えるのだ。私から見たってそうだけれど。 色々と恵まれている従姉妹と比較されても困る。私と従姉妹は育って来た環境も違うし、今現状の環境だって違い過ぎるのだ。都合の良い面だけ切り取って真似しろと言われても、無理だ。


「私も最近また具合悪くて。ずっと寝込んでたのよ。D介が仕事の合間に色々やってくれてるからね。ここ最近は癇癪も起こさないし、私のこと、よく分かってくれてるのよ。優しいの。」


娘より従姉妹、娘より息子。受話器に付けている耳から全身に掛けて力が抜けていく。ガチャ切りしたい衝動に駆られるのをぐっと抑える。


「何かあったら電話して。出来ることは、するから。」


出来ることって?あんたに何が出来るの?口ばっかりで薄情な娘じゃないの。
そんな声が聞こえそうになり、ぐっと歯を食い縛る。穏やかになれと、心を無にする。


「お父さんの認知症状は、実際見て見ないと分からないから。時間作ってそっち行く。改めてまた電話する。」


いよいよ迫る、介護問題。いや、年齢的には平均値なのだ。自分の更年期、子どもの思春期、夫の転職、あれこれと重なる時期。40代は、悩ましい世代だ。




宙ぶらりん

メルカリで、子のダウンベストが売れた。
これは、義姉経由で貰ったもので、女の子ブランドでは有名なところのもの。
もう昔のデザインなので、一か八かの出品だったのだが、2000円で売れた。
思い切り圧縮。なんとか小サイズで梱包出来たが、これが大失敗だった。
年輩のコンビニ店員女性には、


「最近、厳しくなってるんですよね。戻って来てしまうこともあるかと・・」


アドバイスされたのだが、勢いでそのまま出してしまったのだ。
結果、サイズオーバーでの返却。匿名配送だったのだが、購入者に事情を伝えて住所と氏名を聞かなくてはならない。
すぐに、取引メッセージで謝罪をした。そして、住所と氏名を教えて貰えないかと伝えたが、相手からは何のリアクションもない。
もしも最悪なクレーマーだったらと思うとぞっとする。購入者のアイコンを見る。評価欄を恐る恐る開けると、微妙。
良いと悪いの評価数が同等なのだ。コメントを読むと、ちょっと難しい人に思える。
兎にも角にも、返信が欲しい。返信が来なければどうすることも出来ないのだ。
もし、住所と氏名を教えてくれてそのまま取引が成立すれば、心ばかりの値引きとして1500円で売り直したい。




シューキン

自治会役員から電話。また会計担当の人。
私が担当するこの棟の住民で、後期分の会員費が未納の人が数人いるらしい。また取り立てに行くことになった。
大体、未納にする人間は留守にしていることが多い。平日の日中は仕事で留守。土日にいたってはお出掛けなのだろうか?留守。
そもそも、団地内の掃除などにも参加しない。集合住宅に住むのなら、最低限のマナーは守って欲しい。
未納者のリストは、前回とかぶる人もいるが、新規の人もいた。越して来た人なのだろう。
挨拶も兼ねて、チャイムを押す。期待していなかったが、在宅だった。
ドアの向こうから、日本語ではない言葉が聞こえる。男女の声、何か言い合いをしている。喧嘩だろうか?内容が分からないので何ともいえないが不穏な空気を感じる。
こちらのチャイムが聞こえるよう、3回続けてチャイムを鳴らす。一瞬、声が聞こえなくなり、女の人の声がインターフォン越しに聞こえる。


「はい、どちらさま?」


「〇号棟の〇〇と申します。自治会費の集金に参りました。」


勢いよくドアが開くと、フィリピン系の女性。


「シューキン?オカネのこと?いくらいる?」


部屋が獣臭いと思えば、ウサギがぴょんぴょんと飛び出て来た。


「あぁ、ミミちゃん!ダメよ、ダメダメ!」


ウサギが外に出てしまい、パニック。集金どころではなくなってしまった。
奥からご主人らしき男性が出て来た。こちらは日本人らしい。


「何やってんだよ!!」


3人でウサギを追い掛ける。階段をひょこひょこ降りて行ってしまう。こうなったら網か何かを貸して欲しい。


「ツカマエタヨーー!!」


奥さんがはしゃいだ声を出す。ご主人は舌打ちをしながら家に入って行ってしまった。こちらには挨拶もない。非常識な住人だ。


「あぁ、そうだオカネね!これでいい?」


「あの、あと300円足りないんですけど・・」


「え?あー、そうなの。どうしよ、今ナイわ。」


ー旦那がいるのなら、出て来てさっさと払って欲しい。だが、ウサギを捕まえたら出て来る気配は無い。


「こんどでいい?」


「じゃあ、明日までに私の自宅のポストに入れておいてくれますか?」


「リョーカイデス!」


にっこり笑う彼女はマスクもしていない。そして、そのやりとりから3日経つけどポストにそれらしき封筒もない。またあの家に、取り立てに行かなければならないのが憂鬱だ。




推薦用紙

PTAの役員選出の推薦用紙が届いた。
小学校の時は匿名提出だったので気楽だったのだが、中学では提出者の氏名を記入する欄がある。
全員提出なので、スルーすることも出来ない。さて、誰を推薦すべきか・・
現役員の中には、敬語ママがいた。そして、その推薦委員長でもある。なので、誰が誰を推薦したのか彼女は知ることになるのだろう。
他の委員は誰なのか分からないが、秘密厳守といってもどこかで情報漏れはあるだろう。私は誰からも注目されていないぶん推薦されることは無いだろうけれど、逆の不安。
仲良し同士の立候補、または仲良しを推薦。仲良しではなくても、普段からその仕事ぶりを知っている人間を推薦するのならやりやすい。
だが、私はそんな対象者を思い浮かべることが出来ない。
ボスママやスネ夫ママの名前を書いてやろうかとも思う。卒対ラインは最近止まったまま。恐らく、もうグループは他に派生しているのだろう。
ずらっと並ぶメンバーを見ていたら、孤高の人や素敵ママの名前に目が留まる。そして、気付けば彼女らの名前を推薦枠に記入していた。
心から、彼女たちならこの大役を難なくこなせるだろうと思ったからだ。
それでも、それと並んで記入した自分の氏名が目に入れば不安が過ぎる。迷惑ではないだろうか?素敵ママはさておき、孤高の人に迷惑を掛けるのは申し訳ない気がする。
まだ下の子も小さいし、仕事もある。忙しい中でこの大役の話が来れば、さっぱりとした彼女だから快く引き受けることになるかもしれない。
そうなると、家庭がうまく回らなくなったりはしないだろうか?
自分に置き換えると、そう器用にあれもこれもこなすことが出来ないから尚更そう思う。

やはり、罪悪感をおぼえながらも用紙を封筒に入れて封をする。一番は、立候補に自分の氏名を書くこと。罪悪感をおぼえず皆を嫌な気分にもさせない方法。
このやり方で提出出来る人を、心から尊敬する。




内職のジレンマ

とあるライター内職が行き詰っている。
〆切は、今月末。半分も出来ていない。まず、夫の在宅日が多くなったことで落ち着いてパソコンを開くことも出来ない。
このブログですら、夫がふらっとバイクで散歩中だとか深酒で寝ている時などの細切れ時間に書いている。
この案件は、長期ということもあり報酬が高めだ。高いだけあって、色々と調べながら記述しなくてはならない。
それが、物凄く時間が掛かる。取り掛かるまでに億劫なのも、興味のある内容ではないからだ。
今更、取引をキャンセルすることは出来ないからやるしかないのだけれど・・・
どうにもやる気が出ない。外で働くのと違い、内職は自らのモチベーションを保つのが困難だ。
クライアントの顔が見えないこともその要因。バイトであれ外で働けば、さぼったり欠勤が続けば、周囲の目も冷たくなるだろうし居たたまれなくなる。 帳尻合わせが出来ないぶん、頑張るしかないのだ。決められたシフトに出勤するということ。頭で考える前に体を動かすということ。

あぁ、もう夫が帰宅する。本当は内職をしようとPC立ち上げをしたというのに、ブログを書く時間に費やしてしまった。




私のマネーハック

夫、出勤日。だが、かおりも出勤の為、オンライン飲みはお預け。
彼女は、色々話したいことが山盛りだというのに、発散出来ずにモヤモヤが溜まる一方。
朝からポイ活。なんと、ビールやチューハイ50円程でロングも手に入るのだから、普通にスーパーで酒を買うのがバカバカしくなる。
オンライン飲みは、お互いに飲んでいるものを見せ合う。御用達の激安スーパーで購入するチューハイは、よく分からないメーカーなのでなんだか恥ずかしい。
こんなくだらないことで見栄を張るのもどうかと思うが、新商品だとか普段は手にすることのない価格帯のサワーは、女友達との憩いの場を大いに盛り上げるのだ。
かおりからしたら、それでも安酒に変わりないのだろうけれど・・・

夫が家計簿をつけるようになり、いちいち細かくレシートをチェックされるので、ポイント引き換えで菓子や酒を購入することは娯楽でもある。
誰に何を言われることもない、自分だけの買い物だからだ。

独身時代の僅かな貯金や、日々へそくりで貯めて来た小銭、ここ数年では内職や短期バイトで貯めた金はそろそろ底を尽きて来た。
なんだかんだ、虎の子ってやつは目減りして行くのだ。

増やすことを考えないと・・と投資の本を立ち読みしたりサイトを回ったりするが、果たして私のような人間でも利益を得ることが出来るのだろうか?
そもそもの経済の仕組みをきちんと理解しないまま、世間の流行りに飲み込まれてやってみたところで、うまくいくとは思えない。
夫も、恐らく株で大失敗している。何となく、分かる。一時は儲けていたこともあったようだけど、最終的に大失敗したのだ。勿論、夫は馬鹿ではないから、借金してまでーではない、家計に影響を与えない程度の投資だったのだろうけれど。
あくせくとポイントでお得活動くらいが、私のような人間には丁度いい。




部活に掛かる費用

「また?こないだ買ったじゃん。」


子の部活用ジャージ代を夫に求めると、明らかに渋い顔。私物さえメルカリに出すようになった夫は、とうとう我が子に出す金も渋るようになって来た。
確かに、部費から始まり、テニス用品や衣類、シューズなどなど、部活にまつわる費用は思っていたよりもだいぶ掛かる。
入部してから一気に請求されれば、大金が動くにしても一度で済むので心の負担は軽い。だが、先週も支払いをしたばかりなのだ。
入部し、すぐに請求された試合用ユニフォームくらいかと思えば、シングルとダブルスの場合で異なるユニフォーム。その他のチームシャツ。
ラケットも数万円した。大して練習していない頃、すぐにガットが切れて張り替え。こうした消耗品にも金が掛かるのだ。

今回請求された部活用ジャージは、冬用とのこと。また1万以上の出費だ。オールシーズン着用可のものを購入では駄目なのか?実際、カタログで見てもその違いが分からない。
明らかに冬用らしくモコモコの断熱素材という訳でもないのだ。それでも今年はコロナの影響で殆ど試合が無い。なので、遠征費なども例年に比べればだいぶ少ないのかもしれない。


「はいよ。」


渋々だが、財布から万札を取り出す夫。勿論、我が子が目の前にいればこんなに渋い顔はしない。子の前では気前の良い父親でいたいのだ。




見えない友達

子の足は、まだ治らない。整形外科へ行ってもレントゲンを取ってもこれといった病名は付かない。
挙句の果てには、痛み止めの湿布と共に、安定剤?らしきものまで処方された。これでは精神病扱いではないか。
部活は、再び行き出した。足は主に夜になると痛みが増すようで、日中は普通に過ごせているようだ。ついこの間までのように、足を引きずり登校することは無くなっていた。
元々口数が少なかった我が子が、中学に入り更に何を考えているのか分からないうえ、体の不調を訴えられると、病院に連れて行く以外、どうしていいのか分からない。
何を聞いても、「別に・・」という返事しか返ってこないのだから、欲しい手掛かりもない。
なので、ついラインチェックをしてしまう。
部活ライングループのトークは、一週間前程で止まっている。良くない考えが浮かぶ。子を除く別グループが作られているのでは?と。
しかし、ある特定の子と盛んにラインをしている形跡がある。ニックネームなので誰なのか分からない。
だが、内容によれば同中の子らしい。その子との個別ラインでは、普段の我が子からは聞きなれない言葉遣いが並ぶ。要するに、汚い言葉遣いだ。


ー~OOのこと好きなんじゃね?


ーマジうぜー


ーアイツ、いちいちマウント取って何様?


ー密です!密です!アイツの回りは常に密!


言葉尻りもアレだけれど、内容に付いて行けない。クラスメイトの悪口?
イジリのようなものなのかもしれないが、そういった会話を子がするとは思っていなかったので衝撃を受けた。
そして、その会話相手がどういった子で関係なのか分からないので、不安が過ぎる。


「いつもスマホ見てるけど、誰とラインしてるの?」


それとなく聞くが、


「え、別にネット見てただけだけど。」


「部活の子達ー」


「クラスの子ー」


ぼやっとした答えしか返って来ない。


「なんて子?」


尋ねるのにこちらの方が緊張してしまう。そして、その緊張感が子に伝わる。


「え?何で?どうしたの急に?」


一気に壁を作られる。もうそうなるとお手上げだ。


親子の普通の会話って、どうするんだっけ?気負わず、ただ楽しく話していた頃が思い出せない。




要求ライン低下

夫が在宅だと、なかなか自由に出来ない。
今はまだ職場と半々の生活なのでマシだけれど、退職したら、一定期間は家にいるのだろう。
今日は、出て行ったので気楽。ついダラダラしてしまう。家事もなかなか進まない。

夫の部屋に入る。トランクの鍵は依然として空いてはいない。あの日はたまたま鍵を閉め忘れたのだ。
夫の心の中を覗き見るように、机の中を物色する。すると、数冊のパンフレットが。資格学校のものだ。
その入学金や授業料を見て驚く。こんなに出して大丈夫!?という不安。
夫のスキルアップは、これから私達が暮らしていく為に必要なものなのかもしれない。だがそれと同時に、我が子にも金が掛かる。
塾代や、これから高校大学へと進学するのに掛かる費用。その費用を差し引いて、どれだけの余裕があるのだ?

これまでの教育費は、夫の銀行口座から自動的に引き落とされていたけれど、それだって残高には限りがある。
そもそもこの不安は、あまりにも漠然としている。何故なら、本当の家の資産を知らなすぎるからだ。
分からないことは、イコール不安だ。不安感は次第に膨らみ、破裂寸前のギリギリにまで大きくなる。
夫が転職の詳細を話してくれないことー、それも不安要素の一つだ。詳細が決まったら話すと言うが、その詳細はもう決定事項なのだ。
私に反論する余地などない。夫からしたら、文句があるなら同じだけ稼いで来いーということだ。

言い訳染みているが、最近また持病の発作らしき前兆が頻繁にある。特に、朝の起き抜けに。一応、朝の最低限の家事をするが、違和感が改善するまではじっとしている。
夫が在宅の時でも、私のその前兆を目にした時は、家事をそこそこに休んでいても文句は言われない。ただ、何か手伝いをしてくれるということもないけれど。
それでも、私にとってはその放置が親切にすら感じるのだ。夫に要求するラインは、年々下がっているということだ。




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  • 2020/10/14

弟から

こんなことは滅多にないのだが、弟から携帯に電話があった。 母にガチャ切りされ、これまでは時間が経てばこちらからお伺いの電話をしたりして機嫌を取っていたのだが、なんだか全てが面倒になり放置して一か月。
家電に掛けてこないということは、夫が電話に出るかもしれないからなのだろう。
弟と夫は、私が結婚してから一度も会話らしい会話をしたことが無い。夫の弟を見る目もまるで精神病扱いだし、弟は夫のことを母から悪く吹聴されていることもあり警戒している。


「父さん、また入院することになったから。」


父の病気も一進一退。だが、確実に弱っている。


「母さんも具合が悪くて、寝込んでる。」


「お母さんは?」


「寝てる。」


だが、受話器の向こうで母の気配を感じる。弟に電話をさせたのは母なのだ。


「手続き、私が行こうか?」


「いや、いい。ただの報告だから。仕事、休むし。」


バイト扱いであっても、こういう機会が何度もある度に弟に丸投げするのは良くない気がする。
そして、報告をして来たということは、私の耳に入れることで私が自発的に助けになるような行動を起こすことー、起こすよね?と試されているような気がして来るのだ。


「あのさ、引越しするってお母さんから聞いたけど。」


「あぁ、それな。親父と母さんがずっと揉めててまるで嚙み合わないんだよ。親父はこのままでいいって言うけど、母さんは隣の人と大喧嘩してから引っ越したいってずっと言ってて。」


母から聞いていなかった話だ。引越したい理由は、ご近所トラブルということなのだ。なんだか拍子抜けしてしまった。
それよりも、父の容態だ。そして、このまま父がどんどん弱って寝たきりになるかもしれない時、私は娘としてどうしたら良いのか。
家も微妙に遠く、頻繁に通えない。だとしたら、金銭的援助。だが、我が家に援助出来るような潤沢な資金があるともいえない。
夫がまさかの退職志願からの転職。共同経営だとしたら、起業資金だって折半であってもある程度必要だ。
そういうことを妻である私の耳に入れず、ただ転職するという事実だけ伝えてくる夫に、またもや腹立だしさをおぼえる。


「ただいまー」


外出していた夫と子が帰宅したので、慌てて電話を切った。娘として、出来ること。色々思うところはあるが、親は親。
考えなくてはならない時が来た。




通知表

子の通知表が返って来た。
私に手渡す時の表情で、駄目だったか・・と覚悟をしたが、そこまで悪い結果でもなく安堵した。
夜、夫に見せた。


「国語と英語がまずいな。」


確かに、その2教科はまずい。だが、夫の理想は高過ぎるのも現実。
子の学習状況だって普段から踏み入れていないので、現状を分かっていない。我が子の能力を過信し過ぎている節がある。オール5は言い過ぎだろうが、それに近い成績を求めているのだ。
なので、「普通」だったり「普通よりちょっといい」くらいではNG。
タブレット学習は、休校中は役立ったものの、学校や部活が始まり、時間的制限が掛かる中で取り掛かる時間も激減した。
未提出課題はわんさか、子も学習のモチベーションを失い、更に授業にもついて行き辛くなると悪循環。
私が教えてもついつい感情的に叱りつけてしまったり、また子も素直にこちらの教えを聞いてくれず、テスト直前には私も子も緊張の糸がぷつりと切れて、なるようになれという感じでテストに臨むこととなったのだ。
その結果が、通知表としてここにある。夫は深くため息をつき、


「あなたも、もう限界かもね。やっぱり塾だな。」


当の本人は、進学について熱い想いも無さそうで、入れる高校でいいよという感じ。夫だけが、学歴に拘っている。





私の好きなわたし

かおりとのオンライン飲み。
なかなか日程が合わない。
営業社員でワーママの彼女は、基本は平日休み。
だが、その貴重な平日休みと夫の在宅日が見事かぶっている。

さすがに、彼が家で仕事中、友達と飲み食いすることなんて出来ない。
また、聞き耳を立てられている中、好き勝手に話すことなど出来ない。
彼女とは、唯一、夫の愚痴を言い合える仲なのだ。

今週は予定が合わなかった。来週はどうか?夫の在宅日はぎりぎりにならないと分からないことも苛つく。
一か月後の予定が立てられたら、今から約束出来るのに。

亭主元気で留守がいいーなんて言葉が、コロナのお陰で遠のいた。
夫の転職話や子の思春期の悩み、親の馬鹿げた引越し話(かおりは私の両親を知っているのだ)など、話したいことは盛沢山。
ママ友や近所に腹を割って話せる友人がいれば、こんなにモヤモヤすることもないのだけれど。

早く、彼女と話したい。彼女の前で、私は私を好きでいられるからだ。




任意の行事

コロナですっかり減った学校行事。それでも、ぽつぽつと任意で参加のものはある。
運動会は中止だったけれど、それに近いイベントがあり、観に行けば行けるものを行かずに終わった。


「皆、お母さん達来てたよ。」


そう言われると、一気に罪悪感。子は、果たして観に来て欲しかったのだろうか?


「来て欲しかったの?なら行ったのに。」


「別に。」


会話、終了。だが、お知らせが来た時点で、私から子に何も聞かなかったのだ。一言、観に来て欲しいか聞けば、子は何かしらのリアクションをしただろう。
過ぎてしまえば、来なかったという事実だけが、子にとっても私にとってもなぜだかマイナスの事実として残るのだ。
それを証拠に、皆が来てたという事実を子は私に伝える。心に引っ掛かりがあるから、わざわざ声に出して私に伝えるのだ。

モヤモヤした気持ちを引きずりつつ、子にとっての理想の母でいられない自分を責める。多分、素敵ママや孤高の人が子の母親だったのなら、何もかもが違っていたのだろうと無駄な妄想をする。
今月の予定表を見ると、任意の授業参観がある。勿論、分散の参観なのでコロナ対策はバッチリだ。
子は、来て欲しいのだろうか?子の気持ちを優先と言いつつも、結局は自分の気持ちを優先し、聞かないままウダウダ時が流れている。




最低限の身だしなみ

はっきりと自分でも分かるくらい、根本が白髪だらけでプリンの頭。
毛染めを購入したいが、500円以上する。
その日にレシートを見せなくてはならないので、勝手に買うのもと思い、夫に伝える。


「白髪が目立って来たから、染めたいんだけど・・白髪染め買ってもいいかな?」


「え?あ~、その色おかしかったもんな。ヤンキーみたいで。いいよ。」


あっさり承諾。それでも、いちいち欲しいものをお伺い立てるのは精神的に堪える。無駄なものではないか?贅沢なものではないか?等々、考えてしまうからだ。
ドラッグストアへ行き、今度は地味な黒に近い茶色を選んだ。
買って来た毛染めをダイニングテーブルに置いていたら、夫はそれを取り上げ、


「これって、あなた髪が短いから2回使えるんじゃないの?」


なんてケチ臭いことを言い出す。確かに、この髪の長さでは余るけれど、説明書には「使い切り」と記されているのだ。


「でも、開封したらさすがに効果も薄れると思うし・・」


「やってみたら?案外、二回目も普通に使えるかもしれないぞ。」


内心、ドン引き。ロクに美容院に行かせてもくれない癖に、ヘアカラー代までケチるなんて。


「つーか、もう白髪のままでもいいんじゃない?グレイヘアっての流行ってるんだろ?」


自分の嫁がみすぼらしくなることー、それが彼自身を下げるということに気付かない、憐れな男だ。




「私」を求めてくれる人

個別ラインが来た。かおりからだ。


ー元気?ねえ、今度オンライン飲みしない?


嬉しくなって、すぐにOKの返信をしそうになり留まる。
以前の苦い記憶が蘇る。てっきり二人で楽しいオンライン飲みが始まるのかと思いきや、苦手なMやその取り巻き、旦那らが乱入。
ただただ気まずい居心地の悪い時間が流れたこと。
深呼吸ー、少しの「間」を置いてから、かおりに返信する。正直な思いを伝える。


ー久しぶり!元気だよ。オンライン飲み、いいね。かおりと二人ならやりたいけど、何人もでなら遠慮しとくね。


少しして、


ーえ?なんで?MとかYとかがいたら無理ってこと?


まるきり私の心中に気付いていないかおりは、性格はいいのだが鈍感だ。皆が仲良しだと信じている。
Mが、昔から私のことをディスってることなど露知らず。誰彼誘って賑やかにやりたいのだろう。


ーごめんね、オンライン飲みって、一対一だといいけど複数だとどこ見て話したらいいのかとか、いつ発言したらいいのかとか、色々難しくって。


やんわりと遠まわしにNOと伝える。直接的に「Mがいるから無理!」とは言えない。そんな子ども染みた断り方をすることなど、母親でもある私が出来るはずもない。
かおりは特段、私を疑うこともなく、素直に聞き入れてくれた。


ーそっかぁ。じゃあこの間のオンラインもきつかったよね?ごめんね、勝手に皆を呼んじゃって。じゃあ二人でやろ~


深読みしない、健全な単純さに救われる。彼女と友達であることが信じられないくらい、私達の性質は違う。
夫が外勤務である日を伝え、いざオンライン飲み再び。妻でもない母でもない、私個人が必要とされている事実に、胸がときめく。




来訪

ピンポーンー


チャイムが鳴ることは滅多にない我が家。子も、友達を家に招くことも無くなったので尚更。
何かの勧誘だろうか?と息を潜めながらドアスコープに目を近付ける。


「あ・・」


例のお婆さんだった。電話ではなく直接我が家に来たらしい。驚きつつ、扉を開けた。


「あぁ、良かった。いらっしゃって。」


にこにこ笑顔のお婆さんは、春に会った時より更に老け込んで見えた。頬もげっそりとしていたし、背中もだいぶん曲がっていた。


「お電話いただければ、すぐに伺いましたのに!」


年寄りをわざわざ動かしてしまったことに罪悪感をおぼえる。些細な良心ー、だが、本心だった。


「いえね、こんな風に用事が無ければ、家を出ることもないですからね。」


ーそれは、私もです!


「お元気でしたか?」


「ちょっと、一時、入院してたのよ。いえね、大したことはないのよ。若い人だったら日帰り手術でいいものを、その後の処置が色々面倒でね。だから、入院を勧められただけ。 あなたは、お元気そうね。」


立ち話が辛いのか、ふらふらし始めたお婆さんを家にあげるべきか迷い、だが、入院していたことやそもそも彼女の家族など背景が分からない人間を、このご時世、家にあげるのはアウトな気がする。 でも、もう少し話していたい。


「これね、また作り過ぎたの。良かったらどうぞ。」


紙袋を渡される。ちらっと中身を覗くと、透明のタッパーの中にはみたらし団子だ。おはぎにしても団子にしても、彼女は私とその家族分と思いくれるのだろう。 ぎっしりと詰められていた。内心、夫の嫌悪感丸出しの表情が過ぎり、それが私にもうつったのか、


「ご迷惑なら・・」


お婆さんにそんな台詞を吐かせてしまう表情をしてしまい、慌てる。


「いえ!有難くいただきます!お月見、そういえばこの間でしたよね。もう娘も大きくて、すっかり忘れてました。嬉しい!」


戸惑いを隠そうとすれば、高くて明るい声が出る。だが、そんな下手くそな演技にお婆さんは気付かないのが救いだ。それはもう、満足げな顔でにこにこしているのだ。
お団子と引き換えに、自治会からのプレゼントを渡す。だが、こんなに重いものを持たせて帰らせる訳にはいかないと、思い付く。


「あの、ちょっと買い物ついでに私も外に出ます!重いので、持ちますよ!」


一旦渡したプレゼントを再度引き取る。


「あなた、本当に優しいのね。」


普段から誰かに褒められることなどないので、まるで聞こえなかったかのように反応も薄くなる。だが、本当はそんな言葉がくすぐったくも嬉しい。
結局、買い物といっておきながら、お婆さんの自宅まで荷物を運び、そこで別れた。


「あ・・」


玄関扉が閉まった時、聞けば良かったと後悔した。
チャイムや電話を鳴らした時、家にいたのか?そういった音が聞こえない程に耳が悪いのか?寝込んでいたのか?倒れた時に助けてくれる家族はいるのかー?
だが、我に返る。必要以上に首を突っ込むべきではない。他人なのだ。気まぐれなお節介心に蓋をした。




膠着状態

「ピアノ、辞めるか?」


塾の話もあってなのか、数か月ぶりに夫が子に切り出した。
子は、驚いた表情の後、首を横に振る。
以前、話を持ち掛けた時も、子の返事はNOだった。違うのは、夫も子も喧嘩腰ではないということ。


「塾、行くか?塾に行くとしたら、部活もあるんだしピアノをやる暇なんてないぞ。」


夫の言うことももっともだ。今ですら、ピアノの音色を聞く機会はだいぶ減った。オンラインレッスン前の30分程度、焦ったように課題曲を練習するのみ。
それに、ちっとも上達していない。


「そんなに辞めさせたいの?うちってお金ないの?」


夫は一瞬だけギクッとしたが、すぐに取り直し、


「何言ってんだよ。やる気があるならあれもこれもしていいよ。ただ、あれこれ手を出して全部が中途半端になったらロクな大人になれないぞ。これからの世の中、人よりずば抜けて出来る特技は必要だけど、そうじゃないなら勉強だけに集中した方がいい。」


夫の言うことはもっともだが、なんだか心に響かない。それは、本音ではないし自らの育って来た環境と相反するからだ。
夫自体が、家がまあまあの金を持っていたこともあり、贅沢して来た。好きな習い事は複数して来たようだし、塾だって成果が出なければいくつも変えて来たと義母から聞いたことがある。


「やだ、辞めない。」


膠着状態。北風と太陽なら、夫はいつだって北風だ。


「あなた、仕事探しはどんな感じ?」


そして、いつものパターン。こうして私に矛先が向けられるのだ。




テスト結果

子のテストの結果は、想像以上に悪かった。
夫がその結果を見て、子を叱ったことで家庭内は険悪に。反抗期ということもあり、可愛くない態度を取る娘に、夫も手を焼いているようだ。
ついこの間まで、分かりやすい溺愛に対して父が求める可愛いリアクションをしていた子。今やその面影すらない。


「あなた、ちゃんと教えてるの?」


その問いに、自信を持って答えることが出来ない。何せ、既に学習内容が難し過ぎて我が子同様、ついていくことが出来ないからだ。
常に、ネット検索で持ちこたえているものの、その綻びは隠しきれなくなっている。
また、子も勉強をしようという姿勢がなっていない。目を離した隙に、スマホ三昧。常にどこにでもスマホを携帯しており、勉強中も肩身離さずといったところ。 注意をすれば、


「分からないとこ、調べてただけだって!」


都合の良いことを言う。
私も、情報が無い。子と同級の話せるママ友もいないので、塾情報は勿論、学校のテストのレベルすらよく分からない。
特に中学になり、更に口数の減った我が子。本人から得る情報も少ないのだ。


「塾、考えるか・・」


とうとう、夫からその言葉が出た。節約モードの夫だが、我が子の学力を上げることと天秤に掛ければ、どんなに生意気行っても子のことが可愛いのだろう。
それに対しては安堵したが、そうなると私はパートどころか正社員を考えないとならない。
塾のパンフを眺めれば、教科数によっても集団か個人かによっても価格は異なる。
広告などに入っている有名塾の価格相場ー、大体のところ、3教科でひと月2万~5万。いやはや高い。確かに、軽く私がパートしたところで賄えない額だ。
夫が正社員を探せというのも頷ける。
でも、塾に入れるとしても、まずは子の心構えの問題だ。暇さえあれば、勉強もせずにスマホ。まずはスマホ離れから始めるべきでは・・

夫の転職、子の体調と進学、そして我が身―、色々と考えていたら鬱になりそうだ。夫が在宅ではない時を見計らい、ついつい隠し扉の中にあるチューハイに手が伸びる。




不在連続

金曜、お婆さんのお宅のチャイムを鳴らした。何度鳴らしても出ない。
なので、午後にもう一度伺った。やはり、出ない。
新聞受けに郵便物が溜まっている感じでもない。ただ、人の気配が無いような気もする。
胸騒ぎがしたので、まるでストーカーのようだけれど、バルコニー側からお婆さん宅を確認した。
天気も良かったので、洗濯物が干してあるかどうかー、在宅なら干しているはず。

私の直感は当たった。明らかに、一人分だと思える量の洗濯物。小さなピンチハンガーに控えめな色取りの服やタオル。
物干しには、バスタオルとシーツらしきもの。それに、窓も空いていた。

もう一度、玄関に回りチャイムを押す。だが、出ない。どうしたのか?まさか倒れてるとか!?
ドキドキしながら、電話まで掛けてしまった。だが、こちらも出ない。
どうしても手渡ししなくてはならないので、一旦自宅に戻り、手紙を書いた。


ーお久しぶりです、〇号棟の〇〇です。先日はおはぎをありがとうございました。お元気でいられますでしょうか?
今年度、再び自治会の役員になりました。先月ですが、自治会より敬老の日の贈り物を対象住居者に差し上げようとお宅を伺ったのですが、お留守のようでしたので再度来訪いたしました。 お手数ですが、この手紙をお読みになりましたら、こちらの番号にお電話下さいませ。ー


さっと便箋に記すと、再びお婆さんのお宅のポストへ行き、手紙を投函した。
これを読んでくれたら、何かしらのアクションが向こうからあるだろう。
にしても、ある程度の年齢の方には、定期的な訪問が必要だと思う。それは、利害関係を生むものだとしても。
食品宅配も、コロナというご時世もあるけれど、高齢割引などを積極的に取り入れられたらと思うのだ。




勇気

敬老の日のお祝いを、団地自治会では渡すことになっているのだが、留守だったりでまだ渡せていないところがある。
リストを見たところ、あのお婆さんの名前があった。あのお婆さんというのは、おはぎをくれたお婆さん。私からは代わりにアップルパイを渡した仲だ。
あの、コロナ自粛中の春に会って以来、彼女とは顔を合わせていない。
役員が、リストを片手に困惑していた。


「何度、伺っても出ないところが多くて。新聞受けは溜まっていないようなんだけど。」


お祝いの品は、洗剤などの生活用品なので、腐るものではない。なので、賞味期限を心配する必要はないのだが、安否確認の為にも、また訪問が必要だ。
リストの人々は、自治会で活躍されて来た人も多く、そういう人はフットワークも軽いのかすぐに捕まるらしいのだが、そうでもない人とはなかなか繋がらない。
あのお婆さんも、数年前まではフットワークが軽かったようだけれど、年々体力が衰えているのかすっかりやせ細り、以前のような溌剌とした印象からは遠のいていた。


「私、この方と知り合いなので・・伺ってみましょうか?」


自分でも不思議だ。妙なところで積極的になる。しかも、条件反射で手を挙げていた。役員は、少し驚いた表情の後、にっこり笑顔でリストとプレゼントを私に差し出す。


「じゃあ、お願い出来ますか?助かります。お渡し出来たら、メールでもいいので連絡下さい。」


皆が見ている前で手を挙げることは、とても勇気が要った。だが、その勇気と引き換えにでも、お婆さんの様子は確認したかった。こんなきっかけでもなければ、なかなか自ら伺うことは出来ない。
洗剤の入った紙袋はずっしりと重かった。私の中で、お婆さんの存在を感じさせる、温かな重みだ。




家計簿担当

とうとう、夫が家計簿を付けることになった。
これまでやりくり費の管理は私がしていたので、最終的に帳尻を合わせればなんとかなったのだが、それも出来なくなった。
在宅が増え、しかも今の職場は辞める前提になった途端、仕事へのモチベーションは下がり、次の目標に向かう夫。
今は、ながら仕事をしつつ、資格取得に向けての勉強が始まったようだ。
夫不在時、部屋の中を覗くと、関連書籍がたくさん置いてあった。それなりの難関資格だ。
辞めて、すぐに知人と働くのかと思いきや、夫には考えがあるらしい。失業保険はしっかり貰いたいという。
なので、その期間にその仕事で必要なスキルや資格を保持しようと言うのだ。


「あなたも、早いとこパートでもなんでもいいから、仕事探して。もう、俺だけに頼られても困るから。」


まだまだこれから子に金が掛かるー先日、そう訴えたところ、夫は私に働けと言い出した。
確かに夫からすれば、このご時世、悠々自適の専業主婦。子どもは一人っ子だし中学生。働けない理由は特にない。
最近になって、頻繁にそう言われることに、焦りとプレッシャーを感じていた。

夫の頭の中では、仕事を辞めて新たに再出発するところまでのシミュレーションは出来ているらしい。だが、私に具体的な話がないのでいまいち実感が湧かないのだ。
なので分かりやすい実感としては、夫が家計簿をつけるーというような、家庭にダイレクトに影響する部分でしかない。
結婚当初からレシートのチェックはあったけれど、こんな風にその日その日にチェックということは無かったので戸惑っている。
スーパーで買うものひとつにも言い訳が必要だ。




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