にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ
にほんブログ村 主婦日記ブログ 専業主婦へ
にほんブログ村 子育てブログ 一人っ子へ

お一人様耐性

お一人様耐性が、弱まっている。
それは、針金さんの存在だ。彼女と猫を通じて、毎週のように会い、お喋りしていたことで、今日のように会えないととてつもなく寂しい。
梅雨という、気まぐれな天気のせいだ。

午前中は雨、仕方なく家で大人しくしていたのだが、午後には晴れ間も見え始めたので、ペットボトルの水持参で公園へ行ったのだ。
だが、誰もいない。あるのは、雨で濡れたベンチだけ。
雨であっても、いつもと同じ時間帯に来るべきだったのかもしれない。

ハンカチなど忘れたので、座ることも出来ないままにただぼんやり立っていた。
途中、何度か人が横切ったので、そういう時は草取りをするふりをしたりして時間を稼いだ。
結局、1時間経っても猫も針金さんも来なかった。

なんだか、肩透かしだ。
ラインをしようか迷ったが、鬱陶しく思われるのは嫌なので、思いとどまる。
針金さんと出会い、Mさんとのラインは切った。というか、向こうからも来ないのでこちらからも送らない、ただそれだけのことだ。
興味もない大泉洋のネタを振られるのもしんどくなっていたし、どうしてもMさんは私のことを軽んじている感じが許せなかった。
針金さんのように、対等に扱ってくれる、そんな友達が出来ると、その他の人間関係などどうでもよくなる。

友達ー、私にとって、彼女は友達だ。ママ友でもない。お隣友達?
だが、これもいつまで続くのか分からない。この親しさに慣れ切ってしまうと、前触れなく喪失した時のショックが大きい。

明日は、晴れますように。






関連記事

経歴詐称

いつものように、PC上で保存済の履歴書を、何となくぼーっと眺めていた。
経歴ー、何の取り柄もない、経歴。
学歴も無ければ、職歴もバイトや頑張って契約社員。それも、どれも2年未満。そして、結婚して出産してからのブランクは大きい。


学歴欄ー、本来の学歴をバックス―ペースで消去、そこに、「早稲田大学 政治経済学部 卒」と入力してみた。なかなか恰好いい。
職歴欄ー、有名企業の名を連ねてみる。転職は、あくまでもスキルアップの為。または、ヘッドハンティング。
資格欄ー、英検1級、普通自動車免許、ついでに二輪も。漢検1級、日商簿記検定1級、宅地建物取引士etc
なかなかの才女っぷりだ。
そして、趣味特技の欄ー、華道、お茶、テニス、ヨガ、フラワーアレンジメント、ピアノ、モノマネ。

最後のモノマネは、ある意味ネタだ。だが、人の心をつかむには、完璧過ぎてもよくない。面白味のある人間と仕事をしたいと思わせなければ。

一通り入力した後、ふっと力が抜けた。なんだかAIのようで人間らしさに欠けるように思えるのは何故だろう?盛りだくさん過ぎて、かえって印象に残らない。
そして、経歴詐称しても、魅力的な履歴書を書けない自分に失望する。

採用までの道のりは、まだまだ遠くに思える。








関連記事

昭和と令和、家族色々

料理のモチベーションをあげようと、大家族の動画を観てしまう癖が抜けない。
よせばいいのに、結果、自分がダメ人間なのだと思い知らされ、余計にやる気が失せる。
そのママさんは、とても若いし見た目も綺麗。朝からきちんとメイクもし、髪も巻く。
子どもが10人近くいるが、どの子もまだ小さく手が掛かる時期。しかも、頼りにしたい上の子達が男子。
せめて女子だったら、手伝いの戦力になっただろうに。


毎朝5時起き、旦那さんの弁当も作る。愛情たっぷりの冷食などない弁当。彩りも綺麗。
そして、子ども達への朝ごはんも、パン派とご飯派でおかずも作り分ける。ただただすごい。洗濯ものも大量なのだろうけれど、涼しい顔をしてこなす。家の中も整理整頓されており、インテリアは白を基調にまとめられていて、すっきりしている。大家族の家とは思えない。
買い物も、ほぼ毎日。我が家の一週間分の買い物が彼女らの一日分といったところだ。
夕飯作りもすごい。手早く何品も作る。栄養バランスも考えて。揚げ物、煮物、和え物、焼き物、全部一種類つつ。しかも、働いているというのだから、超人としか思えない。

昔の大家族といえば、動画なんて無かった時代だからテレビで観るしかなかった。家の中はぐちゃぐちゃ。牛乳パックの空いたものは切り開く時間もなくキッチン横に高く積み重なり雪崩を起こし、また兄弟喧嘩もしょっちゅう。だいたい母親は専業主婦だからか、父親の給料でやりくりしなくてはならず、節約節約で大皿どーんの1~2品料理。
家の中なんてインテリアどころではなく、落書きだらけで障子はボロボロ・・そして、洗った後か前かすら分からない衣類の山。
実母も大家族ものは大好物だったが、それは彼らよりはマシだという自分の位置付けをしたかったからなのだと思う。


令和の大家族は、動画を使いこなし、テレビ局を介さず金を稼ぐ。勿論、自分で編集するのだから、自分が見せたい部分だけうつる。自分を鏡にうつした時、後ろ姿は見られない。完璧な角度で、一番見栄えの良い状態がうつるのだ。
昭和の大家族は、たるんだ尻や丸まった贅肉たっぷりの背中をブラウン管越しに観てしまう。そして、それが放映されることを恥じだとも思わない、ある種の貫禄があったのだ。たくましく、それでいて清々しい程の。

人は、完璧なものに惹かれる反面、泥臭さに愛着をおぼえる。
汚い部分の中に、キラリと光るものー、それは愛だったりするのだろうけれど、それが見付けられた時、より一層、共感と深い感動を人々に与える。








関連記事

モード切替

実母から、ワクチン接種後の副反応が酷かったとの報告電話があった。
こちらから掛けようか迷いつつ、どうにも気が進まなかったので放置していたところ、しびれを切らしたのか向こうからの電話。


「あんた、先週電話くれた?先週は忙しかったから、留守にしていることも多かったのよ。」

「うん、何度かしたよ。出なかったから忙しいのかなと思って。」

嘘を付いた。だが、母は簡単に騙される。
声のトーンが変わった。娘が娘らしく自分のことを心配していたのだと確認出来て、ほっとしているようだった。本当は、薄情で冷酷な娘なのだ。

「注射打った後の副反応が酷くてね。病院に行ったりして。」

接種後、父はなんともなかったらしいが母の方は寝込んだという。年寄りは鈍感だから副反応が起き辛いとどこかのネットニュースで見た気がするが、例外もあるらしい。


「倦怠感と微熱が続いて、しんどかったわ。あんたは、いつ打つの?さっさと打っちゃいなさいよ。ワクチン打てば、また前のように買い物行ったりランチやお茶が出来るわね。」

さっさと打てたら苦労はしない。ワクチン接種に順番があることを母は知らないのか、それとも第一回接種が無事終わり、安心からか浮かれているのだろうか。

母と最後に外食をしたのはいつか?だいぶ昔のことのような気がする。正直、コロナを理由に実家に行かず、外食を奢る機会も無くなったことは、有難かった。
ワクチン接種が無事済んで、世の中の空気がまた以前のように戻ったら、仲良し親子を演じなければならないし、優しい娘モードに切り替える頻度は増すだろう。
それが、今から憂鬱である。





関連記事

三角関係

今日こそは、針金さんと水入らずでお喋りを楽しもう、そう思い、マグに淹れたアイスコーヒーも持参。
公園に到着すると、なんと昨日会った親子がベンチを陣取っていた。

「あ、おはようございまーす。」

「あ、どうも・・」

嫉妬心からか、うまく笑顔が作れない。男の子はシャボン玉をして楽しんでいる。猫は、まだいなかった。
男の子の母親は、昨日とは打って変わって無口だった。針金さん相手に会話をしている時は、あんなに弾んでいたのに。
嫌われている?と思うと、こちらもうまく会話の糸口がつかめない。沈黙が続けば、更にそれを破るハードルは上がっていく。

「おはよう!」

救世主の針金さんがやって来て、心から安堵した。そして、それは彼女も同じだったらしく、ほっとしたような声で、

「昨日はどうも!今日も、この子が猫ちゃんに会いたがって来ちゃいました。」

朗らかな声を出す。そして、針金さんがやって来たことを知ったかのように、猫までもがどこからか姿を現した。
針金さんは、シャボン玉を飛ばす男の子に向かって、自然に話し掛ける。その声は、温かくて優しい。

「これくらいの孫がいても、おかしくないわ~」

「そんな!まだお若いじゃないですか!」


「本当、可愛いわね。何歳?」

男の子の視線に合わせてしゃがみ込み、針金さんは尋ねる。昨日、私がしたように。しかし、男の子の反応すら私に対してのものとは違っていた。多少の気恥ずかしさはあるようだったが、ちゃんと針金さんを真っ直ぐ見つめ、指で自分の歳を表現したのだ。


「そうなの!教えてくれてありがとう。えらいわね。」


いつものように、足元でじゃれつく猫を撫でながら、男の子に微笑み掛ける。それから、針金さんは私達に向かって雑談を始めた。男の子の母親は、既にもう何年も前からの知り合いかのように、彼女に相の手を入れる。私は、どこでどう言葉を挟んだらよいのか、タイミングを見失い、ギクシャクしてしまっていた。

「OOさん、体調悪い?」

針金さんは、すっかり私の体調が悪いのだと勘違いしたようだった。それ程に、これまでの私とは違う態度だったのだろう。だが、どうすることも出来なかった。男の子の母親が私に向ける視線は、まるで過去のママ友関係で弾かれて来た時と同様、冷たく、それでいて勝ち誇ったようにすら見えた。居たたまれなくなり、具合が悪いふりをしてその場を後にした。

きっと、被害妄想なのだろう。自宅に戻り、マグに淹れたアイスコーヒーを一口飲むと、冷静さを取り戻した。私の悪い癖だ。
来週も、彼女達は公園に来るのだろうか?彼女達が私達のルーティンに参加することになるかもしれないと思うと、胸がきゅっと苦しくなった。







関連記事

視線が合わない

すっかり仔猫ではなくなった猫に、針金さんと水遣りしていると、まだヨチヨチ歩きの小さな男の子とその母親が現れた。

「にゃーにゃ?」

男の子は、猫を指さし、母親に聞く。

「そうよ、猫ちゃんね。可愛いわね。」

針金さんとその母親は、視線を合わせて微笑み合う。2人以上になると、私は誰とも視線が合わなくなるのだ。
針金さんとその母親は、猫の話で盛り上がる。更に、男の子あるある話で。針金さんにも息子はいるのだ。
私は、その会話に入るタイミングを無くし、仕方なく猫と男の子の隣にしゃがみ込んだ。
だが、その小さな男の子にさえ身構えてしまう自分がいた。こんなに幼い子と向き合うのは久しぶり過ぎて、我が子もこんな時があったのにもう昔のこと。どう接したら良いのか戸惑う。
男の子に微笑みかけてはみたものの、ぎこちなかったからかスルーされた。子どもとすら視線が合わない。
そしてそんなリアクションにすら落ち込むメンタルの弱い私。声を掛けるタイミングすら失ってしまった。

その親子がいたのはわずか30分程だったのだけれど、私にとっては長く、手持無沙汰な時間だった。同時に、猫もどこかへ行ってしまい、折角の針金さんとのお喋りタイムは殆どなく、彼女は早々に引き上げ買い物へと出掛けてしまった。
針金さんとのお喋りタイムは、今の私にとって毎日の癒しであり活力でもある。だから、それを奪われてしまったこの日は体が重く、夕飯作りもただただしんどかった。








関連記事

ストレス!ストレス!ストレス!!

生理前のイライラは、女性にとっては必須事項。だが、年々酷くなっている気がする。
無性に家の中の汚さが気になり、拭き掃除をしてみたり。また、家族のやりっぱなしには三割増しでイライラが募る。
例えば、トイレットペーパーの残りわずか5ミリ程度残した芯。替えるのが面倒なのだろう。それでもたまにはどうしようもなかったのか、替えてあることもあるが、不要となった芯はゴミ箱に捨てられずに床にころころと転がっている。
ティッシュペーパーも然り。空になったビニールだけがそのままにティッシュBOXの中で放置されている。意地でも替えたくないのか、それともどこにストックがあるのか忘れてしまうのだろうか?
その他、シャンプーやリンス、ボディーソープやハンドソープも同じく。

そして地味に苛つくのが、ペットポトルの飲み残し。
流しに持って行くのすら面倒なのだろう。わずか3㎝残したところで放置。以前、捨てたことがあるのだが、まだ飲もうと思っていたと責められた。夫にも子にも。
だが、彼らにとっての3㎝は時にゴミにもなるのだからその判別が難しい。冷蔵庫に5,6本、数ミリ残したペットボトルが混在していることは、毎回冷蔵庫を開けての作業を強いられる主婦にとっては、視界に入るだけストレスが蓄積する。

「もう、捨てていいよね?」

こう聞くことすらストレス。返事がイエスなのもムカつく。だって、その中身をシンクに流し、ラベルを剥がして捨てるのは私なのだから。
ノーだとしても、すぐに処理されないストレス。再び冷蔵庫に鎮座するペットボトルが恨めしい。










関連記事

はやる気持ちと停滞期

少し体調も良くなり、再び求人サイトを眺める。先週までいくつか応募していたものはすべて不採用。
高望みなのだろう。
立ち仕事は出来ない、土日は休みたい、残業は無理。このコロナ禍で、しかもブランクありの無資格主婦の需要が一体どこにあるのだろう。
分かってはいるが、出来ないのに出来ると嘘は付けない。病気でも肉体労働を強いられている人はたくさんいる。必要に迫られて。
だが、結局のところ私は夫に庇護されているのだろう。甘えがあるのだ。だから、意地でも条件を変えずにいる。
なんだかんだ夫のことを疎ましく思っていても、セーフティーネットがあるのだ。健康保険や年金ー、私のような専業主婦や扶養内のパート主婦にとって、結局のところ夫の存在が大黒柱なのだ。
そんな私に夫は、早く働けと言う。バイトやパートではなく、フルタイムを勧めるのも、私の暮らしぶりに思うところがあるのだろう。

不採用通知を前にする度、自分という人間が社会から必要とされていない現実を突き付けられる。一体、何社受ければ引っ掛かるのか。まだまだ少ないのか、それともいくら数を打っても私という人間が変わらない限り、結果は同じなのか?だとしたら、不毛な戦いだ。
停滞期、ワクチン接種をしてから求職活動を再熱させようかーと働かない言い訳ばかりを考える。






関連記事

ダメ出し料理

夜中、発作の前触れのような感じがして目が覚め、眠れないままに朝を迎えた。
薬を飲んで落ち着いたものの、まだ調子が悪い。今週病院へ行き状態を伝えようか迷っている。

最低限の家事ー、夫と子に朝食を作り見送った後、二度寝をしようかと思ったのだけれど、そうしていると余計に状態は悪化しそうな気がして、無理やり体を起こしてテキパキと動く。
立ち眩みもあったが、薬を飲んで少し落ち着いたのか、いつもの調子を取り戻した。

一度に色々なことがあると、心も体もキャパオーバーし、身体に影響する。心と体は密接に繋がっており、傍から見ればのんべんだらりな生活を送っていても、私にとってはこれが精一杯なのだと知る。
常に、家族の反応を恐れながらの食事作りだってその一つ。昨夜は夫に夕飯のダメ出しをされたばかりだ。

「また中華?いい加減飽きた。」

言われて気付く私もセンスが無いのだろう。確かに、連日の中華続き。麻婆豆腐とエビチリメインの翌日の昼はチャーハンとラーメンセット、夜は餃子。麻婆豆腐とエビチリを出した時も、

「辛い物と辛い物って、味がよく分からなくなる。」

と、我が子に言われた。夫だけではなく、子からもダメ出し。そして、言われてもっともなので、それに気付かなかった自分自身にも腹が立つ。なので、何も言い返せずにストレスだけが溜まるのだ。






関連記事

ポジティブな嘘

父の日といえば、子が夫に何かを用意している気配もなく、聞いてみると「ウザイ」の一言。
なので、私がドラッグストアーで健康ドリンクを購入し、リボンを掛けて子に渡す。

「あなたからってことで、渡すだけでいいから。」

「えー、面倒くさ。」

「お願い。ママからの。」


去年は最悪な父の日だった。あの後、夫の機嫌を取るのに骨が折れた。
それでも夫が期待しているのは分かっているし、スルーすれば家の中の空気が悪くなる。子は気にしないかもしれないが、私が居たたまれない。おかしな話だが、私が責められているような気にもなる。どんな育て方をしたのかとー
言い返せば、母の日だって私は夫に対して思うのだ。物心ついた頃から、父親がそういうことを先回りして子に教えて習慣化していればと。

余程、手渡しが嫌だったのか、

「じゃあ、私からってママから伝えて渡してよ。手紙は付けないからね。」


そういう流れとなり、私から夫に渡す。

「これ、OOから。手渡すのが恥ずかしいんだって。でも、気持ちだって。」


案外単純な夫は、騙される。騙されて機嫌が良くなる。
父の日の晩酌をしながら、

「OOに折角ドリンク貰ったから、酒の飲み過ぎには気を付けないとな。」

赤ら顔で、嬉しそうに言う夫に少しの後ろめたさ。ポジティブな嘘なのだが、すっかり騙されている夫が哀れでもあり、また滑稽でもある。









関連記事

少しの失望

針金さんから、大量のパンとキッチンペーパーのような日用品などをいただいた。
コ〇トコのものだと言う。
我が家は利用したことが無い。義姉ー、特に次女が大好きで、会員としてよく通っているのだと聞いたことはあるけれど、夫も私も興味がなかった。
義実家で何かしらのパーティーの度に、次女はチキンやピザなどを購入し、振舞っていたことを思い出す。

「二人じゃ食べきれなくて。貰って。」

この間もお裾分けをいただき、まだ返していないうちに再びお裾分け。返さなくてはというプレッシャーに荷が重い。
針金さんは、そんな私の心境に気付いていないようで、楽し気だ。
コ〇トコに行く人種は、金持ちだと思う。正直、一つ一つの価格が安いとも思わないし、また大家族でもない限り買ったものを消費出来る自信もない。
それか、シャア出来るアテがあるかどうか。ママ友だったり親戚だったり。なので、そのどちらにも当てはまらない私には縁遠いレジャー兼ショッピング施設だ。むしろ、娯楽。
そういえば、素敵ママも昔のお隣さんや酒井さんらと車を乗り合わせて、コ〇トコのエコバッグを手に車に乗り合わせている現場を何度も見た。
なんていうか、ちょっとしたコ〇トコ自慢をしている彼女らが鼻に付く。馬鹿高い年会費を払えること、シェア出来る友達が多くいること、富裕層の娯楽としか思えないのだ。
針金さんとコ〇トコ。なんていうか、意外だった。そして、なんだかがっかりした。






関連記事

お義理の日

義実家へ行き、すっかり父の日のプレゼントを忘れていたことに気付いた今日。
大慌てで、ネット検索。勿論、夫にも意見を求めた。
しかし、夫は私任せ。以前は、あれこれ口出ししていたのだが、最近では自分のことにいっぱいなのか義実家案件は私に丸投げ。
私が義母の介護要員になったことも原因なのだろうか?

義両親ー、特に男性のプレゼントには頭を悩ます。ネットでランキングを見たりしつつ、だが無難な消え物を探す。
そして、義父の好物など知らないので夫に聞くが、その通りにすればまるでお中元的な感じがする。
カニ缶を勧めて来たのだ。あり得ない。まるで、お義理だ。お義理なことに変わりはないのだが、ここ最近義父と関わることが多かったことで、そうすることにやや抵抗感をおぼえる。

結局、良く飲むお酒を夫に聞いて、贈ることにした。来週も行こうと思えば行けるのだが、義姉達の顔がチラついて、しばらく行く気が起きない。なので、郵送。

長男の嫁ー、同じ長男ならば、まだ一人っ子としての長男の方が覚悟を決められたししがらみも無かったと思う。
兄弟が多ければ、それだけ物事は複雑化する。初めて、我が子が一人っ子で良かったのかもしれないと思えた。
財産がそれなりにあり、また兄弟がいれば、その後見人を決定するのにも揉めることになりそうだ。義母があのようになり、兄弟それぞれがそれに関して考えていることだろう。
とても、とても気が重い。





関連記事

鉄メンタルを育む

父の日も、母の日同様、ちょっとした菓子とお金を送ろうかと考えていたところ、実母から電話があった。

「あんた、父の日やらなくていいわよ。食べ物も好みがあるし、欲しいものは自分で買いたいから。」

こちらが送ること前提なのだろうけれど、その台詞が何だか癇に障る。そもそも、なぜ父本人ではなく母からの伝達なのか?父は、恐らくそんなことを思っておらず、勝手に母が電話をしているのは百も承知。
そして更に、

「あんたがよくくれるあのメーカーのお菓子、あんまり美味しくないのよね。捨てるのも悪いから少しずつ食べてるんだけどね、さすがに去年の分は捨てちゃったわよ。こないだ貰ったのも、まだ半分以上残ってて・・・」

はっきりしているのは母の良いところでもあり悪いところでもある。こちらのメンタルだとかタイミングによっては、ものすごく傷付く。
結局、金だけでいいってことかと。
私が無言になったことで、母も母なりに悪いと思ったのか、取って付けたように、

「あんたの気持ちは嬉しかったわよ。ただね、何も言わなければまた同じものを送ってくるだろうし、無駄にするのも辛いのよ。折角お金を遣ってくれるんだから。」

母の言うことも分かる。分かるのだが、黙って受け取るという愛情もあるのではないだろうか?歯に衣を着せぬことが正義だとは思わない。どちらにしても、最近色々と疲れている私にとって、その言動は追い打ちを掛けるものだった。
心の中はドロドロしていた。母に対しての言いようのない怒りが渦巻いていたのだけれど、それでも表向きには大人を通す。

「そうか。ごめんね、教えてくれてありがとう。父の日は、何かリクエストがあればメールちょうだいと伝えておいて。なければ、お金を送るからそれで好きなものを買って。」

そう言って、電話を切った。母はまだ話したり無さそうな雰囲気だったが、スルーした。それがせめてもの反発行為だった。
書留で金を送る。1万円。これで好きなものを買ってくれ。こちらもあれこれ選んだり配送手続きする手間を考えたら楽なものだ。
そういった手間や心遣いを分からない親に、どう思われたって構わない。そんなメンタルを今後は育てていかないと、こちらもこの先やっていけない。















関連記事

小姑の嫌がらせ

天候の悪い中、義実家へ。
公共機関を使うので、出来れば雨が降らない日が都合がいいのだけれど、前もっての約束なので仕方がない。
タッパーをいくつも保冷バッグに詰めて行った。今日のミッションは、作り置きを渡すことと、掃除。
天気ならば、自転車を借りて買い物にも出掛けられたけれど、義実家のことだから宅配業者にこまごまとしたものは頼んでいるだろう。

到着すると、次女がいた。それに、長女も。玄関の靴でそれが分かった。高そうなレインブーツ。私も足元は、もう万年選手の汚いスニーカー。

「お邪魔します・・」

「あら、いらっしゃい。」

三女は先日会ったのだが、長女と次女は久しぶり過ぎて、顔を合わせることに戸惑いがあった。義母のベッドを囲むようにして二人は談笑していた。義母は、寝ている。

「なんだか悪いわね。最近、こっち来てくれてるんでしょう?」

長女は、作ったような笑顔を私に向ける。私もしどろもどろになりながらも、ふと義父から金を受け取っていることは彼女らに知れているのだろうかと頭を過り、血の気が引く。彼女の含みのある笑みは、そんな想像をさせるのだ。


テーブルに作り置きの入った保冷バッグを置こうとしたところ、百貨店の袋がいくつも置かれている。ちらっと袋の中をのぞくと、それはデパ地下で買った総菜だとか果物だとか諸々のようだった。

「OOさん、もしかして作って来てくれたのー?」


次女が、興味深そうに私の出したタッパーを覗きに来た。

「うわ~、すごいじゃん!」

その言い方に棘を感じた。


それからは、よく覚えていない。いや、思い出したくもない。色々と彼女から言われたのだ。
感謝されるどころか、嫁としての自覚はあるのか?的なこと。長男の嫁という立場を分かっているのか?とまた言われた。
夫の起業についても、既に和解したと思っていたのは私の楽観的主観で実際はそうでもないこと。
そして、今差し迫る現状ー、義母のこと。
キャンキャンと義母が寝ている傍で捲し立てる姉妹に、苛立つ気持ちが抑えられそうもなかった。

ーこんな時だからこそ、娘なら手料理を持ってくるべきじゃないの?デパ地下惣菜とか手抜き過ぎ。

なんて言えたら、どんなにスカっとするだろう。だが実際は、



「ママはこの店のおこわが好きなの。あと、この太巻き。それに、やっぱりメロンと桃は欠かせないわよね。」


長女がこれ見よがしに百貨店の紙袋から取り出すそれらの横で、私の手作り料理が入ったタッパーが所在なさげにしている。
こういう時、義父はただの傍観者だ。それにも腹が立った。
そそくさと簡単に掃除を済ませ、逃げるように義実家の元を去った。義父が玄関先で封筒を手に追って来て、私の手に握らせる。一瞬、拒絶しようとしたが、またそのやり取りで長女や次女がこちらに来て大騒ぎになることを恐れ、そっと受け取る。
これも、バイト代だ。そう思うことで苛々を消化した。








関連記事

アレルギー

明日も、義実家訪問。いや、バイトのようなものなのだと割り切っているつもりだ。
前日から、大量の食材の買い出しと仕込み。これまで3人家族で拵えていたものが2倍になるのだから、冷蔵庫もパンパンになったかと思いきや、料理を始めると瞬く間に空っぽになる。
冷蔵庫がこんなにも小さく感じたことなど、結婚してから今の今まで無かった。
大家族は、日々この繰り返しを当たり前にこなしていることを思うと、尊敬でしかない。

先週までのうだるような暑さから一転、すっかり梅雨の空気。
厚い雲に覆われたグレーの空に圧迫感をおぼえる。この雲の上には太陽があるとは到底思えない。
夫は在宅。だが、こうしてやるべきことーしかも夫の両親の為になることをしているので、堂々と振舞える。
エビチリを作り終え、タッパーに入れているところで夫が顔を出した。

「お、それ何?」

「エビチリ。今回は中華にしようかなと思って。」

その他、棒棒鶏に青椒肉絲も作ろうと材料は買ってある。

「それ、姉ちゃん食えないぞ。」


三女がエビアレルギーなんて知らなかったし、そうであっても義両親が食べれればそれでいいと思うのだが、夫は顔をしかめる。
三女が可哀想だと言うのだ。
あんなにも冷戦状態だった姉との仲が元に戻った途端、シスコン魂のリバウンドだろうか?
大量に作ってしまったエビチリは、その晩、私達の夕飯になったのだが、とても食べきれる量ではなかった。
半分残し、翌日に回すのは夫が嫌がる為、勿体ないが三角コーナー行きとなった。

今度は、アレルギー含めて好き嫌いを聞いてから献立を考えようー、そう思いつつ、これがいつまで続くのかと思うと、少し気が滅入るのだった。



関連記事

私の不足

なかなか仕事が決まらない私に、夫がハローワークへ行けと言い出した。

求人サイトからの応募は書類選考で落とされ、ようやく面接まで漕ぎつけたところもダメだと、なんだか糸の切れた風船のようになってしまい、ここ数日はネットを見る機会もなくなっていた。
夫が、休日の折込に入っている求人広告をこれ見よがしにダイニングテーブルの上に置いており、仕方なくそれを眺めるも、大体が掃除やレジなど。
持病持ちの私にはキツイ、体力勝負の仕事だ。
どうしても、座り仕事でないと続かない。
だが、その座り仕事を選ぶのなら、スキル必須。資格もなければ何の取り柄もない私だから、若い頃はそれでもなんとかなったものの、ー(その若い頃も、正社員は無理だったのだけれど)アラフォーとアラフィフの境目にいる私など、企業から見たらどうやったって雇用のメリットを感じられないだろう。

ハローワークは苦手だ。若い頃、散々、窓口で嫌味を言われたり、またスキルの無さとこちらが求める仕事内容との格差をバカにされたように指摘されたりした記憶がどうしても消えない。
でも、あれは嫌だこれは嫌だと贅沢を言っている場合でもない。夫の言う通り、がむしゃらさが私には足りないのだ。









関連記事

草むしり

毎月1回の草むしり。ここの住人である以上、しなくてはならない仕事。
これまでは、誰とも話さずに黙々としていた作業で、周囲で楽しそうにお喋りに興じながらの中、居たたまれない気分だったが、針金さんという存在が、同じ作業を楽しくしてくれた。

ツバ広帽をかぶり、ジーンズにロゴTシャツというボーイッシュな恰好は、針金さんらしくないけれど、それもTPOを考えてなのだろう。
私は、いつも通りのボーダーシャツにジーパン。もう、制服化してしまっている。
針金さんは今年、自治会の役員なので、同じ棟の人達を仕切るのだが、まるで何年前からここの住人だったかのように馴染んでおり、皆とも冗談を言い合い笑ったりしている。
去年、私も同じように仕切ることがあったのだけれど、全然仕切れず、手を止めてお喋りをしているおばさま方を後目に人の倍以上作業をしなければならなかった。

「腰が痛いわね、ずっと同じ姿勢だと。」

「本当に。明日は筋肉痛になりそう。」

他愛のない会話だが、皆の前でも変わらず接してくれる針金さんの人の良さに、やっぱり彼女のことが好きなのだと思う。
Mさんのように、誰かの前で態度を変える、そんな人達に多く出会ってきたからだ。私は、価値のない人間なのだとその度に思い知らされ、もう私のことなど必要としてくれる同性など現れないのだと悲観的にもなっていた。
だが道は、ある日、ぱっと開ける。それはある日、突然に。

彼女の新居など、一生見付からなければいいのにー、ずっとここの住人でいてくれて、隣人でいてくれたらいいのに。
あてにならない願いを、空に投げた。










関連記事

売り言葉を買う

子の部活動保護者会からのお知らせが届き、気が滅入っている。夏、練習試合があるのだけれど、その手伝いの募集だ。
若干数となっているので、強制ではない。ただ、前回の保護者会でアウェーだったことを思うと、これを逃すとますます参加し辛くなることは確実。そんな風に悩んでいたら、

「ママ、どうせ行かないよね。」

私がプリントを眺めていると、後ろから子がそれを覗きながら諦めたように言うのを聞いて、

「行くよ。」

売り言葉に買い言葉のような返事をしてしまった。
そして子が、柔らかな表情になったのを見てしまったら、その発言を撤回することは出来ず、「参加」に〇を付けた。
腹はくくったけれど、やはり憂鬱だ。



関連記事

私という人間

義実家訪問の疲れで、子と夫を見送った後、急なめまいに襲われてベッドに倒れ込んだ。
そこから腹痛と頭痛で、午前中はトイレを行ったり来たり。冷や汗をかきながら過ごし、ようやく腹痛がおさまったとことで意識を失い、洗濯も出来ず午後2時まで眠り込んでしまった。
頑張り過ぎたのか、どうなのか。
ふらふらになりながら、起きてのろのろと洗濯の続きをする。
夏日のような気候に感謝する。家事の帳尻合わせは何とか出来そうだ。

夫は、私が義実家に行く日は優しい。
昨日も、帰宅してからはあれこれうるさいことは言わず、しかも、晩酌の時に私のグラスも持って来てくれた。
夫なりに不器用ながらも私を労ってくれているのだろう。
ただ、優しくされると例の金の件を伏せていることに対して罪悪感がわく。夫にもしもばれたら、どう思われるか、それが、怖い。
また、来週も義実家へ様子を見に行くことになった。私の方から、義父にお伺いを立てたら、ぜひとも来て欲しいと言われたからだ。

義実家に遊びに行くことは、あんなにも憂鬱だったのに、なぜか、彼らに必要とされ出向くことは嫌ではない。
いや、むしろ、私という存在が彼らに少しは役だっているのだと思うと、なんだか嬉しい。
恐らく、義実家で空気のような存在で過ごすことにいたたまれなさを感じていたのだろう。
私は、結局のところ誰かから必要とされることに喜びを見出す人間なのだ。










関連記事

感情の蓋

暑い中、電車を乗り継ぎ義実家へ。タッパーには、ラタトゥイユと鯵の南蛮漬け、それに牛丼の上だけ。
汗だくで、ホームの階段を上がったり降りたり、義実家に到着する頃には、シャツがぺっとりと体に張り付き気持ち悪かった。

「悪いね、いつも。」

三女の気配を探すと、出勤日だと聞いてほっとする。彼女がいると監視されているようで落ち着かないのだ。
すっかり弱った義母に、それを支える義父。最初はこの人達といる空間に気疲れをしていたけれど、数回目でなんだか慣れてしまった。
終われば、金を受け取る。感謝され、私も虎の子が増える。一日当たり、1万円。これが多いのか少ないのか?
家政婦のOOさんのように、きっちり家庭料理を越えた料理を数時間で何品も作ればこんなものでは済まされないのかもしれないけれど、私は素人。
そして、やはり私もこのまま虎の子に入れるのは具合が悪く、いただいた金で材料を買い、彼らに提供する食事を作るようになった。
なので、実際は数千円懐に入るといったところだ。
私の中で、そのまま自分のポケットに入れることは罪悪感と抵抗感があったのだ。

「これ、食べて行きなさい。」

皆の分の煎茶を淹れ、出された和菓子を食す。会話は弾まない。テレビを三人でぼーっと眺めて、それについて時々ぽつぽつと会話をするくらい。
義母は、あんなにもお喋りだったのに、ウトウトすることも多いのか口数が少なくなってしまった。三人娘がいれば、また意識がはっきりするのかお喋りなのだと義父から聞いた。

老いるということ、義母を見ていて思う。色々と考えさせられる。そして、通ううちに、彼らにこれまで感じたことのない感情を抱く。
それを彼らは迷惑に受け取るかもしれないけれど。
なので帰り際、金を受け取ることで、その感情に蓋をする。











関連記事

子にとっての私の姿

「ママは仕事してないじゃん!」

追い打ちを掛けるかのような、子の発言。夫を目の前にして言われ、だが夫は子をたしなめることもしなかったのは無言の肯定だったのだろう。
テストが終わったことで気が抜けているのか、食べた食器を下げることもせず、脱いだ靴下もそのままにまだ風呂に入っていないその足をローテーブルの上に乗っけたのが目に入ったので注意したのだ。

「ちょっと!汚い。それに少しは片付けて。食器くらい下げなさい!」

その返しが、冒頭の言葉だ。
子にとって、主婦は仕事ではない。私は無職ということになる。金を生み出さないのだから、社会的にはその通りなのだが、我が子にそう言われるとカチンと来た。


「いいよね、ママは勉強も仕事もしなくって。」


言い返そうと思いながらも、咄嗟に言葉が出ず、そのまま風呂場へ消えて行った子の背中を見送った。
悔しかった。
じゃあ、自分の下着くらい洗いなさい!!ーそう言いたかったけれど、なぜか夫を前に言えない私がいた。





関連記事

思うようにいかない

子の中間テストが終わり、結果が返って来た。
塾にも通っているし、少しくらい成績も上昇しているかと思いきや、そうでもないことに愕然としている。
金銭面や時間のやりくり、家族団欒の時間削減、そういったものを犠牲にしてのこの結果に納得出来ず、つい子に向かってこぼしてしまった。

「塾通ってる意味・・あるのかな。」

まだ、結果を求めるのは早いのかもしれない。目を見張る程の成績向上を求めた訳ではないけれど、少しくらいの成績UPを期待していたのだ。

夫は、子に直接ああこう言わなかったけれど、

「塾が合ってないんじゃないか?家庭教師とか、多少値段が張っても変えた方がいいんじゃないの?」

と言い出し、結局のところ、再び私の仕事話に変換される。

「あなた、社員とかフルとかじゃなくてもいいから、取り敢えず派遣登録でもして単発でもなんでもやりながら仕事探しした方がいいんじゃないの?もう、6月だぞ。贅沢言ってる場合じゃないから。これからOOの夏期講習とかで金はもっと掛かるんだから。」

まるで、私が選り好みし過ぎているかのような言い方に、カチンとくる。
だが、夫は私が近所のスーパーやコンビニで働くのは絶対NGなのだ。人の目に触れるところでオープンに働かれるのは自分の立場からなのか、嫌だと以前から言われている。なるべく人目に触れないところで、地味な仕事をして欲しいと思っている。

選り好みさせているのは、夫の方なのだ。だが、それを傘に仕事探しがうまくいかないと嘆いているだけなのも、私なのだ。









関連記事

告白

紫外線から逃れるべく、帽子をかぶって例の公園へ。

太陽の光を十分に浴びたベンチに腰を下ろした途端、まるでフライパンに落とされた目玉焼きになった気分だった。
針金さんが少し遅れて来て、仔猫が見当たらないことにがっかりした表情を見せたので、あぁ、彼女の目的はやはり猫なのだと落胆してしまう。
クレームの犯人が夫だと知ったら、針金さんはどう思うだろう。ばれる前に、告白してしまおうーそう思い、昨夜からシミュレーションをしてきたのに、いざ彼女を前にすると喉元で用意した言葉は突っかかって出てこない。
親しくしていた隣人の夫が敵だと知れば、彼女はきっと私と一線置くだろう。

「あ~あ、今日は会えないわね。残念。」

一時間程ねばったのだが、結局仔猫は姿を見せなかった。
告白も、出来なかった。


関連記事

灯台下暗し

休みの夫と買い出しへ。
資格試験がひと段落つき、余裕が出たようで、代休の日の勉強も最近は短めに切り上げている。
エントランスを通り過ぎ、掲示板の前で立ち止まった夫は、信じられないことを言いだした。

「お!ようやく貼られたか。」

「え?何?」

「この張り紙、管理人に頼んで作って貰ったんだよ。ここはペット禁止っていっても室内だけじゃなく敷地内だって禁止なんだからな。野良猫屋敷にされたらたまったもんじゃない。」


心が凍る付くという心情は、まさに今。夫の信じられない発言で体感温度すら麻痺しそうになる。


「公園のベンチの張り紙も、あなたが頼んだの?」

夫は、眉間にしわを寄せ、

「は?何それ。っていうか、あんたまだ野良猫に餌やりしに行ってるわけ?やめろって言ったよね?」

「・・・」

結局、あのベンチの張り紙が夫だという確証は得られなかったが、それでも夫が管理事務所にクレームを入れたのは間違いなかった。夫だけではなく他住民もなのかもしれないが、針金さんを悲しませた人間の一人であることに変わりない。
勿論、夫の言うことは正論だ。だが、人としての温かみというかそういう感情はないのだろうか?情けないのと失望感でいっぱいになった。


「だいたい、動物が飼いたかったらそういうマンション借りればいいんだよ。マナーがなってないよな、いい大人が。」

誰に向けられている言葉なのか、私になのかーただただ人生で一番長く過ごす相手とこうも波長が合わないことに失望感をおぼえるのだ。












関連記事
  • category:

  • 2021/06/07

虎の子増

今回も、義父から封筒を渡された。中身を見なくてもピンと来たので断る。奥で三女が様子を伺っている気配を感じた。

「いいからいいから、受け取りなさい。あなたの食べたいものでもいいし、OOに何か買ってやってもいいし。」

「困ります!それとー」


そう言いながら、すっかり返すことを忘れていた先日の金をバッグから取り出して義父に差し出す。

「なんだい、これは?」

「先日いただいたお金です。お返しします!」


義父は、ムッとしながら、


「素直に受け取ってくれたらいいんだ。俺らも困るんだよ、借りが出来たようで。」


一瞬、耳を疑った。借り?嫁に対しての借りということか?そして、義父はいまだに私のことを家族として認めていないのだなと悟る。薄々そんな空気は義実家に行くたびに感じていたが、こうもはっきり明言されると多少なりともショックだった。



「とにかく、私達の気持ちを拒否しないで下さいよ。そんな風に返されると、こっちも具合が悪い。」


しぶしぶ受け取るしかなかった。

帰りの電車、胸のモヤモヤが人の流れを見ているうちに薄れていく。割り切ればいいのだと思い直す。向こうは私を家政婦として扱いたいのだ。そこに家族間の義理だとか愛情を求めていないということ。金銭でWINーWINの関係性。
私が夫と結婚を決めたのだって、そもそも自らの金銭問題から逃げ出したかったからだ。それを義父は見抜いているのだろう。この嫁は、金に汚い女だとー

2枚の封筒の中から、ピン札を一枚ずつ取り出す。それをすっかり減った虎の子が入っている引き出しに補充した。あんなにも嫌悪していた義父からの金だが、金は金。あって困るものじゃない。まだ仕事も決まらない状況の中で、こうした臨時収入を得られるのは有難い。しかも、夫には内緒にしていてくれる金なのだ。

こうなったら、仕事が決まるまでのつなぎと捉えて、せっせと義実家に通えばいいのだ。


関連記事

タッパー料理

義実家へ様子見に再度行くことになった。
例のお金を返したかったこともあり、なるべく間を空けたくないとは思っていたが、まさかあちらから催促が来るとは思わなかった。
三女から電話が来て、続いて義父、すっかりアテにされている感がある。

「どうせ、あなた暇でしょう?」

在宅仕事の夫がいると、家事をしていてもちょっと一息がしにくい状況。結局、断る理由もないので出向くことにしたのだ。
だが、前回のように、向こうで作り置きをするのも何となく気が進まないので、自宅で調理してタッパーに入れて持って行くことにした。あとは、軽い掃除などをする程度にとどめたい。なぜなら、三女が在宅勤務と聞いたからだ。

タッパーに詰めるおかずを作る。私達家族の夕飯にもなりそうなものを。向こうも3人なのでその倍量作ればいいので計算は楽だけれど、その量に驚く。
子どもが4人いれば、毎日こんな食事を作らなければならないのだ。

義実家で作るのは慣れないキッチンでやり辛いけれど、慣れた場所でも作る量がこうまで多いと四苦八苦してしまう。
タッパー5つ分。取り敢えず、肉じゃがときんぴら、それにマカロニサラダ。これだけ作って、後は前日の夕飯で余った煮魚とチキンのトマト煮を持って行くことにする。冷凍していたから大丈夫ということで。
それにしても、三女はあの年で料理のひとつも出来ないのだと思うと、ますます彼女の結婚への道は遠そうだ。








関連記事

掲示板

ある時から、敷地内の掲示板にペット飼育禁止のポスターが張られている。以前、住民で犬を飼っていたあの外国人はどうなったのか?気になりつつも、ペットを飼っていない私にとってそれはただのポスターに他ならない。
昨日、あんなにも落ち込んだのに、今日も仔猫の待つ公園へ出向いた。針金さんは来ていなかったので、ベンチに腰を掛けようとしてギョッとする。

ー野良猫に餌をやらないで下さい!付近の方が迷惑していますー

と書かれたポスターがベンチの背もたれにでかでかと張られていた。私は、水を持って来ていた。餌ではないのだから、いいだろう。そう心の中で言い訳をし、仔猫を待つと、か細い声で鳴く声と共に、久しぶりに仔猫があらわれた。
仔猫といっても、もう見た目は普通の猫の大きさだ。人間の年ならば何歳なのだろうか?

「こんにちは!」

針金さんもやって来た。すぐに、私はベンチを立ち、針金さんに訴えた。


「見て、これ。酷いですよね。私達のこと、誰かみてるのかな?」

最近では、彼女と話す時に自らため口を織り交ぜている。距離感を少しでも縮めたい、そんな思いからだ。

「えー!!何これぇ!?ちょっと酷い!」


針金さんは、大袈裟にショックを受けたような表情をすると、すぐにそのポスターをベリベリと剝がし始めた。これは、想定外だった。いつもの穏やかな彼女はどこへやら、珍しく感情的になっており、少し引いてしまった。


「見つからなければいいのよ。」

そう言って、例の猫用おやつを取り出し仔猫の顔の前に差し出すと、仔猫は待ってましたといわんばかりに物凄い勢いで平らげた。確か、もう水だけしか持ってこないはずではなかったか?矛盾を感じながらも、何も言えずにただ彼女がしゃがんで猫に話し掛けるのを眺めていた。

「ごめんね。ここしばらくあげてなかったもんね。お腹空いたよね。」


ーみゃぁ~

仔猫は、あっという間にそれを平らげた。すると、再びトートバッグから追加のおやつを取り出して与える針金さん。水だけしか持ってきて来なかった私は、まるで薄情もののように感じた。

仔猫は満腹になると、もう用は済んだといわんばかりにさっさと茂みに戻って行った。こういう部分はドライだ。だが、猫好きはこういうところがたまらなく好きなのだろう。

「行っちゃった。よっぽどお腹空いてたのね。こんなに食べて。」

すっかりご機嫌になった針金さんは、しかしベンチに座ると、

「暑いわね。」

と、トートバッグからミニ扇風機を出して顔に当てた。
私も隣に座り、しばしの雑談をした。
主に、私の仕事探しがうまくいかないということ。彼女は色々と聞いてくれ、またアドバイスもくれた。私よりも年上なので、人生経験も豊富なのだろう。彼女の話を聞いているうちに、自分の悩みがくだらないことのように思えた。
そして、針金さんは越すといってもこの近くかもしれない、まだ遠くに行く訳じゃないのだと自分を慰める。
気持ちも、話しているうちに上向きになっていった。
だが、ポスターを破いたことが誰かに知られたらーそう思うと一抹の不安が過る。しかし、破いたのも針金さんだし餌をやったのも針金さん。私はただ見ていただけだと、ずるいけれどもそう言い聞かせた。








関連記事

仮暮らしの針金さん

針金さんは、家が決まり次第、ここを越す。
ここは賃貸だし、いずれ誰もが越す前提で住んでいるのだと分かっていても、いざ近しい人物がその対象だと知れば、胸はざわつく。
そしてまた、取り残されたような寂しさと焦りの入り混じった、複雑な感情がわく。
素敵ママやお隣さんが越した時もそうだった。

「ちょっとまたいい物件があってね。でも、駐車場がビルドインだから心配で。不動産から勧められたとこも良かったんだけど、日中の陽当たりがあまり良くなさそうなのよね。」

楽しそうに物件探しのあれこれを私に語る針金さんは、元気付けるよう私に、

「これから新築買うなら、50過ぎまで待った方がいいわよ。リフォームのこと考えたら2回家を建てるようなものだもの。もう、これが終の棲家と思って買う方が後のことを考えたら気楽よ。」

息子さんとの同居は考えていないらしい。そう言いながら、彼女が探している新築一軒家はファミリータイプのもので、詳細は分からないけれど、もしかしたら二世帯も考えているのでは?と思わせる。息子との同居を何となく期待している節がある。

お隣でこんなに親しく出来る人が出来たこと、ようやく、ここに越して来て10年近く経つが、ママ友ではなくても一緒にいて楽しい人と巡り会えたことは私の財産だ。せめてあと何年かはここで共に暮らせるのだと思っていた。
喪失感だろうか。針金さんからその話を聞いた後、自宅に戻り、何も手が付かなかった。








関連記事

条件違い

書類選考が通った工場の面接へ行って来た。
電話連絡をくれた総務の男性が出迎えてくれ、面接をする応接室へと通された。
中に入ると、男性が3人。正直、工場のパートだからと舐めていた。まるで新卒面接のような堅苦しい雰囲気に委縮する。
ネットで調べた、工場なら軽装での面接OKをいう言葉を鵜呑みにして来たことを、心底後悔した。

まず、聞かれたのはブランクが長く専業主婦期間が長い点。それに、短期パートをした経歴があるが、その後すぐに働かなかった点。
しどろもどろに、だが、正直に持病の件を答えた。
面接官は、納得のいかない表情をしていたので戸惑った。

ー重い病気でも、フルで働いている主婦はたくさんいますよー

そんな、心の声が聞こえて来た。


そして、条件外の労働を打診された。
つまり、募集要項には土日休みの残業なしと記載されていたのに、隔週で日曜出勤が丸一日あるということ、また残業も繁忙期にはあるということ。話が違う、まったく違ったのだ。


「力仕事は、得意ですか?結構、重い荷物を台車に運んだりする作業もあるのですが。」

眼鏡の太った面接官が、持病持ちでブランクがあると言った私に不安を抱いたのか、尋ねて来た。

「はい。今は体調も落ち着いているので、大丈夫です。」

そう答えようとしたが、既にこの時点で心も体も拒否反応を起こしていた。

「体力には自信がありません・・それに、日曜出社は出来ません。残業も、娘の塾送迎があるので出来ません。」

マスク越しにも分かる呆れ顔ー、それを目の前の3人の男性にされ、つい俯いてしまった。
一体、雨の中、何の為に出向いたのか・・昨日までの軽やかな気持ちとは一転、一気に現実に引き戻された。




関連記事

expand

現状打破ー
その為に、動く。
静だった自分を動かすのは、並大抵ではない。それに、自信もない。
何も出来ない、どうせ無理、そんな言葉のぬるま湯に浸かり続けて、体も心もしわくちゃになってしまっている。

人生は、一度きり。
良くも悪くも、動かなければ何も変わらない。

怖いと思っている人間は、私と同じ人間。難しいと思っているハードルも、私と同じ人間が作ったもの。
飛べる、飛べる、そう信じてスタートを切る。



関連記事
copyright (c) 隣の芝生 all rights reserved.

プロフィール

selinee

Author:selinee
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR