にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ
にほんブログ村 主婦日記ブログ 専業主婦へ
にほんブログ村 子育てブログ 一人っ子へ

子のワクチン

子のワクチン接種、どうするか問題。
夫と話し合い、受けさせる流れなのだが、とうの本人が拒否している。

連日のワクチン接種に関するニュースに加え、子は、ネットからもワクチン接種に関するネガティブニュースを入手しているのか、数多くの良くない事例を挙げて、断固拒否する。
あれ程ワクチン接種に嫌いを示していた夫だが、いざワクチン予約が出来ない状態ー、ワクチン難民やついにはアストロゼネカの話が浮上して来た頃には手の平を返すかのように考え改め、接種を決めた。選択肢が無くなる状況に夫は弱い。

「いざ受けたいっていっても、受けられなくなるぞ。友達だって予約してるだろう?」


「皆してないってば。」

子のいう皆とは、どの皆なのか疑問だ。


今は取り敢えずの休校だけれど、学校が再開されれば一気に感染リスクは高くなる。子どもを守れるのは、親だけ。
どうにかして接種を受け入れてもらいたい。小学生くらいなら親の言うことも素直に聞くのに、思春期はこういうところも厄介だ。






関連記事

ゲン担ぎ

「ちょっと、あなたトイレくらいちゃんと掃除しなさいよ。」

夫が女言葉になった時は要注意だ。かなり切れている時に出ることが多い。

「風水じゃないけど、水回りはちゃんと掃除しないと駄目だろう?家運も悪くなるんだぞ。」

実際、その家運とやらを悪くしているのは夫である。トイレの汚れは殆ど夫ー、時々子。だいたい、我が家で男性は夫だけなのだ。
男性は、どうしてもトイレを汚す。尿をあちこちに飛ばしたらそのまま。座って用を足しているとは思えない。
在宅が多くなったことで、家の中にいると気になることが多いのだろう。その他、洗面台の鏡が薄汚れているだとか、窓がどうのこうのだとか、脱サラを決めてからというもの、家運とやらに拘り、何かと方角や色にも気を遣うようになった。

ピンポーン、と宅配。また何か買ったのかと思い、判を押す。自室から出て来た夫は、嬉しそうに段ボールをリビングで開封した。


「これよ、これ。」


出て来たのは、なんと招き猫。それも、特大サイズ。


「いずれ必要になるからな。今から商売繁盛、色々と招いて貰わないと。」


「何これー。どこに置くの?」

子が、笑う。久しぶりに笑顔。その表情に、招き猫は早速役割を果たしてくれたのか?と錯覚してしまう。
玄関にどんと置かれたそれは、なんだか我が家には違和感でしかないけれど、いずれ見慣れるのだろうか?


現実的な夫が、風水だとか招き猫だとかのゲン担ぎを始めたのを目にすると、いよいよなのだと不安感が増す。試験の結果もあるけれど、やはり不安だ。起動に乗るまで給与はいったん下がると言っていたし、それがいつまで続くのかも分からないのだ。


関連記事
  • category:

  • 2021/08/30

追加料金発生


子のチックの影響なのか、矯正の時に歯科医から追加の治療の提言があった。

「顎関節症になりかけてますね。」

口を大きく開ける癖が多くなった子。唇の端っこも切れて血が滲む程だ。加えて、歯科医からそのようなことを告げられ追い打ちを掛けられた気分だ。しかも、治療が必要になれば別途料金も掛かる。何かと金が掛かる思春期だ。それに、私自身の医療費もいっこうに下がる気配はない。一進一退の病気なのだ。

「あ、虫歯も出来てますね。治療しないとなりませんね。それに・・矯正器具の劣化が認められます。新しいものを作った方がいいですよ。衛生的にもこのような時期ですしお勧めしています。」

追加、追加で、治療費がぐんとアップ。新しいマウスピースは数万円掛かるのだ。夫に伝えなくてはならないが、気が重い。


関連記事

夫婦は他人

簿記が難しい。まったく進まない。頭が固くなり新しい知識を吸収し辛い傾向がある。
そもそも数字を取り扱うのが苦手なのだ。家計簿だって付けられない。夫にやりくり費だけは付けるよう当初は言われて渋々やっていたものの、今では家計はすべて夫管理。まあそれは、全体の収支を知らされていないことでモチベーションが上がらなかったということもあるのだけれど。
対し、夫は数字に強い。最近では保険の見直しもしており、私としてはそれが不安でもある。
夫がどうにかなった時、家も持たない私や子は丸裸になってしまう。
保険を手厚くすることに、結婚当初から夫は抵抗していた。

「なんか嫌なんだよな。保険金目当てで色々事件もあるだろう?」

生命保険にいたっては、もっと保証額を大きくして欲しかったのだが、縁起が悪いと却下。
現在の保険に私は満足していないのだが、それより更に内容を薄くするようだ。私としては、じきに独立するのだから1億くらい保険を掛けて欲しいのが本音。夫は、保険こそ金をどぶに投げ捨てる行為だと言い、バンバン見直し、そして最低限の掛け捨てのみとなった。
自分がどうにかなった後の妻子の生末を考慮し、不安感を与えないようにすることが夫の務めだと思うのだけれど、やはり夫にとっての私は他人に他ならないのだ。

関連記事

資産の分散化

従姉妹から電話が来た。家電だったので驚いた。

「どうした?急に。」

「だって、携帯に掛けても繋がらないんだもん。」

そうだった。二人目懐妊を実母から聞き、思ったよりもショックを受けたため、連絡を絶っていたのだった。
まずは、祝福の言葉を掛けなくてはー

「おめでとう!良かったね。嬉しいよ。」

実際の気持ちと離れた言葉を掛けることが、こんなにもしんどいとは。それでもまだ顔が見えない分、演技は出来る。

「私も諦めてたからさ、もうびっくりしちゃって!!久しぶりの二本線、思わず写真撮っちゃった!」

検査薬のことを言っているのだろう・・私にとって、既に人生で不要な物の部類に分けられるだろう物。N恵は喜々としてそれまでの経緯を語る。母から聞くよりもリアルに伝わる妊活からの成功体験。忘れ掛けていた胸の瘡蓋を剥がされるような思い。

「でもさ、正直怖いよ。今この状態でコロナに掛かったらと思うと、夜も寝られない。早く仕事休みたい。正社だとそうもいかないんだけどね・・一応、ラッシュ時にかぶらないよう時差出勤にしてはくれてるんだけど。やっぱり怖い。」

嬉しい気持ちと不安な気持ち、その交互に訪れる不安定な感情を私にすべてぶちまける。だが、根底にはどこか勝ち誇っているような、私をマウンティングしているような響きを含んでいるように感じるのは思い過ごしだろうか。

「OOはいいよね、そういう心配ももうないし子どもも大きいし、働いてないからコロナに掛かる心配もないし。」

「でも、兄弟は作ってあげたかったよ。やっぱり私達がいなくなったらって思うと、一人っ子は不安があるよ。」

「そうだよね。私もずっと不安だった。まあ、兄弟が出来たことによっての不安もあるけどね。私一人で二人の子供を見られるのかとか、気が早いけど、相続のことだとか。あとは、上の子と下の子、平等に愛せるかとか・・一人だったら比較対象もないわけじゃん。だから、産んだ後で私の感情がどう変わるのかを考えると怖い。でもさ、今からお姉ちゃん気取りで、笑っちゃうよ。毎日お腹に向かって絵本読んであげたりしてて、可愛いよ。念願の兄弟が出来て、本当に嬉しそう。」

N恵は何の気なしに言っているのだろう台詞でさえ、私にとってはグサグサ胸を突き刺す。一抜けたーといわんばかりの得意そうな表情さえ浮かぶのだ。

「ただ、仕事がね。採用されてまだ1年も経ってないのに産休ってのが気まずいっていうか。まあ、権利なんだけどね。こんな時期だからそれで良かったって思うんだけど、迷惑掛けることには変わりないからさ。職場の先輩も不妊の人多くて。だから報告し辛かった~。顔ではおめでとうって笑ってるけど、実際は黒い気持ちで一杯だよね。私もそうだったからね、分かるんだよね。」

ーなら、私の気持ちだって分かってるってことでしょう?分かってるけど、身内だから甘えてる?

幸せ前回モードのN恵が眩しくも、妬ましかった。

「伯母さん、体調大丈夫なの?」

話題を変えたかったが、

「うん!だいぶね。あんなに悪かったのが嘘みたい。つわり中も色々ご飯作りに来てくれたし。今も子ども見てくれてる。孫が増えて張り切ってるよ。なんだかんだ嬉しいんだろうね。ある意味親孝行だよ。あの年になると、役割のあるなしで寿命も決まるんじゃないかって思う。社会的にも家庭的にも。孫を見るって体力使うじゃん?ママ、今はジム行けないけど、また再開しようかなって言ってるんだよ。」

N恵は「資産」を持っている。それは、経済的にも精神的にも。健康で使える親がいる「資産」、実家の実際的な「資産」、優しい夫と稼ぎある仕事を持つ「資産」、資産を見事に分散化させている。そんな彼女の未来は、強い。
そして、自分が何の取り柄も資産もない従姉妹に向かって放つその強みが、どれだけ相手にダメージを与えるのかということを、恐らく彼女は知っている。







関連記事

節約イコール浪費

ここに来て、ポイ活は当たり前の節約方法として認知されている。ここ数年で利用者数も増加の一途。
またこのコロナ禍で、給与カットの家庭も多く、生活費を少しでも抑えようと使えるものは使う人々が増えているのだろう。
夫から渡されている生活費では、なかなか好きに嗜好品を買うことが出来ない。気兼ねなくという点で、ポイ活は私のように自由に金の管理を任されない主婦にとって強い味方だ。

子が好きな菓子が、その日のポイント交換リストに上がっていたので、朝いちでコンビニへ向かった。

「どこ行くんだ?」

在宅の夫が口うるさいので、


「運動不足だから、ちょっとウォーキング行ってきます。」

と、適当な嘘を付いて外に出た。

朝いちのコンビニは空いているだろうと思ったが、案外人が多く、それは働く人々が朝食を買いに寄るからなのだろう。
お目当ての商品ー、店内にそれを見付けて買い物かごにひとまず入れた。そして、専用機械に向かうと既に先人が。
小学校中学年くらいの子どもとその母親。夏休みだからだろう、この時間帯にコンビニにいるのだ。

「これがいい~。」


「じゃあ見て来て。」


母親が機械を操作、在庫を子に見に行かせるスタイルだ。最初は店内を回りながら機械が空くのを待っていた。
5分くらい経ち、そろそろいいだろうと機械に戻るとまだ親子がワイワイ機械操作をしながら商品を選んでいる。彼女らの持つかごの中には既にポイ活商品が何点も入っていた。
子の欲しい菓子は、人気の菓子。恐らくあと少しで売り切れになってしまう。苛々しながら今度は親子から見える位置に立ち、機械が空くのを待った。
ちらっと母親が私の方を見た。ようやく気付いてくれた!と思い、また、「すみません」の一言と共にその場を去るのだろうと思っていたが、


「じゃあ、これあるか見て来て。」


再び、子どもに商品在庫の確認をさせている。時計を見れば、既に店内に入ってから20分以上経過していた。普通、後ろに並んでいる人がいれば遠慮して、いったんはその場を外して譲り、再び並び直すとかするだろう。
図々しい親子にジリジリと苛立ちが募る。まるでハイエナ親子。


大きくため息を付いた。聞こえるように。知らない親子ー、しかも子の年齢的にもかぶらない親子なので怖くはなかった。
機械に詰め寄り、彼女らのパーソナルスペースに侵入した。もう一度、ため息。再び母親と思い切り目が合った。

「あ、使います?」

のんびりとした、だが横柄な感じを漂わせている母親にカチンと来る。見れば分かるではないか、機械を待っているのが。


「はい。さっきから待っています。」

「この機会、なかなか繋がらなくて~他の店の機械使った方がいいですよ~」

ーはぁ!?

順番を譲る気持ちなんて少しもない母親。彼女の子どもが私達のやり取りを眺めながら、だが、私の存在を無視するかのように母親の腕を引っ張りながら、

「ねえ、ママ、このお菓子売り切れちゃう!早く早く!」


子が気に入りの菓子を指す。残りわずかの表示がされている。それを目の前でポイント交換され、再びログインして商品を選ぼうとする母親を見てさすがに愛想が尽きた。親が親なら子どもも子ども。

「もう、いいです!」


その店を諦め、また別の場所にあるコンビニへ向かった。徒歩だと時間が掛かるが、自転車の鍵を取りに戻る時間を考えそのまま歩いて行くことにした。
目的地に着く頃は、汗びっしょり。こんな思いまでして200円足らずの菓子を手に入れようとしている労力にうんざりした。
店内に入ると、キンと冷たく心地良い空気が私をまとう。機械は空いていてホッとした。
ドキドキしながら画面に進むと、目的の商品はまだ在庫わずかで残っていた。そして繋がり、レシートを出す。安堵しながらその商品を探す・・が無い。
まさかの在庫切れ。

商品があればレシートが手に入らない、レシートを手に入れられれば商品が手に入らない。なんて日だ!
手ぶらで帰るのがバカバカしく、つい欲しくもなかったガムと飲料をポイント交換。

節約は、ある種の浪費だ。
















関連記事

ストレスの代替

「9月も休校にならないかな。」

子が、ぽつりと呟いた。部活も無くなり、外出も夫からは止められた夏。当初はひっきりなしにラインで誰かとやり取りをしていたようだがそれも少なくなって、ゲームや動画ばかり見ている。
友達関係については、もう中学校なので表向きには首を突っ込まないよう心掛けているのだけれど、ずっと家にばかりいたことでかえってその環境に慣れ切ってしまったのだろうか。つまりは、この波風のない生活が最初こそ退屈極まりないものだったのだが、それが今では快適なのだろう。
そして、おさまり掛けていたチック症状が酷くなりつつある。夏休みももう終わりまでカウントダウンだからなのかもしれない。
現在のチックは、首振りと爪の匂いを嗅ぐ行為。

「指、臭いの?」

指摘してはならないのに、つい聞いてしまう。すると子は、ばつの悪そうな顔をして、

「え?別に。ちょっと爪になんかついてた。」

と誤魔化す。本人も自覚ある行為なのだ。だが、止められない。それがチック症状だ。
首振りは、ちょっと見ていて目立つ。学校が始まり、この癖が治らなければ、誰に何を言われるか分からない。それは面と向かってではなくても、陰で笑われたり変なあだ名を付けられたり・・
心配は尽きない。

「首、痛い。湿布頂戴。」

寝る前に、後ろ首に湿布を貼る子につい言ってしまった。

「首、振るの止めれば治るよ。」

しまったーと思いつつ、指摘してしまう。何とか始業式までに治して欲しい。
すると今度はもう一つチック症状が増えた。今度は、口を大きく開けるタイプのものだ。首振りは何とか本人も我慢しているのか少なくなった代替だ。
だが、まだこちらの方がましだ。なぜなら、マスクで口元は隠れるから。
それでも、いつかは完治して欲しい。チックは心と繋がっていると聞く。ストレスが少しでも減るように、体に出ませんようにと祈り続ける。




関連記事

こういうところ・・

引っ越し前のママ友から、ラインが来た。
ハガキのお礼。しかし、なんだか様子が違うというかうまく言えないけれどライン越しに伝わる彼女の空気感がどこか事務的な気がした。
まず、言葉遣いが敬語。これまでくだけた感じだったのにどうしたのか?

ーハガキ、ありがとうございます。返事が出せずラインでごめんなさい。色々大変ですが、お互い頑張りましょうね。

何かあったのかと思わせる内容にどう返事を返したらよいのか戸惑った。しかし、こちらは普段通りでいこうと言葉を返した。

ーこんにちは!もうすぐ夏休みも終わるね。子ども達は元気かな?こちらは感染がすごいことになっていて毎日怯え暮らしてるよ。ワクチンはもう打った?

しかし、いくら待っても既読にはならず、翌日になってもまだ未読。
大丈夫か聞きたい気持ちを堪えて、既読になるのを待つことにした。既読になったのが私がワクチンを打つ前日。そこから自分の副反応でそれどころではなかったが、ようやく落ち着いてパソコンを開いて確認すると返事はない。

ーワクチン1回目打ったよ!副反応、思ったよりすごかった。2回目が怖いよ。コロナになりたくないから頑張ったけど・・感染したら後遺症も色々出そうだし、嫌だよね。


すぐに既読になった。だが返信は来ない。少し落ち着いてから失敗したかもと焦る。もしも彼女や彼女の家族がコロナに感染していたら?傷付けるしデリカシーの欠片も無い。
案外軽々しい私、こういうところが駄目なのだ。


関連記事

英断

子の学校は9月からだけれど、神奈川県は一週早くに始業が予定されていたのが休校措置となった。
相模原市の英断に、川崎市と横浜市が続いたのだ。
いよいよロックダウンか?緊急事態宣言下といっても、緩み切った国民の耳に政府の声など届くわけがなく、またオリンピック開催によっての矛盾の揚げ足取りでカオス状態になっていたこの頃。
だが、「休校」という二文字で一気に緊張と危機感を皆に持たせたはずだ。

正直、ワクチン接種2回目を済ませてからの学校再開を願っている。そうでなくても緊急事態宣言明けと同時期に足並み揃えていただきたい。
私も夫も在宅だし、外からの感染リスクは子だけなのだ。しかも、体育や部活、給食などが始まれば、どうやったって感染は防げない。
現に、保育園などでもこの夏にはクラスターが起きている。
もはや、子どもだから掛からないという前提は消滅したのだ。
このような事態の収束を願う反面、今は無職で良かったと思ってしまう。もし、夏前の面接で仕事が決まっていたら、感染に怯えながら仕事をしに外に出ていたのだ。そして私の性格上、自分や家族の体調が悪くても休むに休めない状況に自らを追い込んでしまっただろう。そして、肉体的にも精神的にも病んでしまう。

ただ、現状維持が安泰とは言えない。夫からいつ三行半を突き付けられるか分からないのだ。猶予は、子が成人するまで。それまでに自立しなくてはならない。
頑張って、資格取得に心を向ける決心がついた。



関連記事

ワクチン1回目

ようやくワクチン接種1回目を終えた。
打って半日は腕がだる重いくらいの感覚だったのだけれど、さて夕飯の材料を買いに行くかという時になり一気に副反応。
立っても座ってもいられないくらいの倦怠感に襲われ、ソファーに横たわった。

「飯は?」

はっと気付くと、夜19時過ぎ。夫は仕事も終わり自室から出て来たのか、ソファーに横たわっている私を起こした。

「副反応みたいで、ちょっときつくて。」

「あんた、この間俺を見てたんだから、ワクチン打った後にどうなるか分かってただろう?前もって準備くらいしてくれよ。冷蔵庫にも何もないし。」

確かに夫の言うことも一理ある。

「俺だって、さすがに接種後に飯作れとは言わないよ。ただ、そうなることが分かってるのなら、事前に準備出来てたんじゃないかってこと。受けに行く前にやれることは色々とあっただろう?働いてるわけじゃないんだし。」

キャンキャン言われるうちに、頭痛が酷くなり目が回り始めた。

「ごめん、頭が痛い。」

予め用意していた解熱剤を飲む。熱は出ていないが、とにかく頭痛が酷く、特に後頭部がガンガンと何かを打ち付けられているような感じ。

夫は苛々しつつ、大きな音を立ててキッチンで何やら作り始めた。ウインナーか何かを炒める音が聞こえたが何を食べたのかは分からない。
夜中、シャワーも浴びていなかったことに気付き服だけ着替えた。水を飲もうとキッチンへ行くと、シンクには洗っていない食器やフライパンが放り込まれてうんざりとした。そのままなんだか寝付けず、朝方5時にシャワーを浴びて食器洗いとリビングの上のテーブル上にありゴミなどを片付けた。

テレビやネットでは、1回目は楽勝と聞いていたのに副反応がしっかり出た私と夫。2回目が恐ろしい。




関連記事

たるみ

子の学校から、9月以降の行事の中止と延期の知らせが来た。伴い、部活もだ。
これにより、学校へ行く用事がなくなりほっとしている。9月初旬には、懇談会も予定されていたし、子の部活でも大会に伴う手伝いも組み込まれていたからだ。
こんな感じで中学生活は終わるのだろうか?小学校の頃は、何かと保護者との関わり合いが多く辛い思いをしたし、中学も覚悟を決めていたけれど、すべて杞憂で終わるのかもしれない。
さすがに高校では、親の出る幕もないだろう。そうして、私の本格的な子育ては終わりを告げる。自分の身の振り方を考えなくてはならない。

昨日、夫に言われた一言で崖から突き落とされた気分になりなかなか寝付けなかった。当の本人は、酒も回っていたし覚えていないかもしれないが、酔っているからこそ本音がポロリと出ることもある。
簿記の勉強も、年のせいかなかなか頭に入って来ない。体もついていかない。たるみ切った肉体と精神にいつか来るだろう未来が怖い。




関連記事

熟年離婚的思考

夫、代休の日。資格の勉強を早目に切り上げ、夕方からオンライン飲みを始めた夫。
子と二人、夕食を取り風呂に入り、さてそろそろ寝る準備ーと思いきや、夫が自室から出て来た。

「風呂、沸いてる?」


「ごめん、今日はシャワー。」


「なんだよ、今日は浸かりたい気分だったのに。まあいいや、風呂上りのビール用意しといて。」


まだ飲むのか・・・ビールの用意ということは、つまみの用意もである。折角シンクまで片付けたのに、また洗い物も増える。
夕飯は取ったのだから、簡単でさっぱり目のつまみがいい。冷ややっこと枝豆、それに生ハムでクリームチーズを巻いたものを作った。作ったという程でもないけれど。
夫は風呂から上がると、じろりとそれらのメニューを見て、

「なんかあったかいもんも食いたい。」


と我儘を言い出すので、仕方なく追加で味噌田楽も作る。ようやく満足したのか、

「あなたも一杯、付き合いなさいよ。」


私の分のグラスにどぼどぼとビールを注ぎだした。既に歯磨きまで済ませていたのでいい迷惑だったが、断れば夫の機嫌が悪くなるのでしぶしぶ付き合う。

しばらく、テレビのニュース音だけリビングに流れていた。

「で、勉強は進んでる?」

「うん、難しいけど。」


「高校生だって取ってる資格だぜ。俺の仕事を手伝うにしてもそうじゃないにしても、あなた将来一人で生きていくにしても、何かしら資格が無いと厳しいぞ。免許すら持ってないないんだから。まさか、適当にパート程度で一生終えるつもりじゃないだろう?これからOOにはもっと金が掛かるし、家を買う買わないは置いておいて老後資金も貯めないとならない。一人3000万、あなた3000万親がくれるの?俺の分はなんとかなるけど、あなたの分まで知らないよ。」

ほろ酔い掛けていた頭が、一気にクリアになる。夫からの、「あなたの分まで知らないよ」の言葉が、ぐるぐる回る。
3000万?私がなんとか出来る額じゃない。それに、親からの相続なんてある訳がない。そもそも負債が無いことを願っているところだ。
私が茫然としている横で、いつの間にお笑いに切り替わったテレビ画面に夫は笑い声を立てている。その変わり身の早さに、夫なら、老いぼれて何も出来ない病気持ちの私を躊躇なく放り出すような気がし、空恐ろしくなった。


ビール1杯飲んだところで、

「もう寝るね。」

切り上げる私を、夫は止めやしなかった。











関連記事
  • category:

  • 2021/08/20

逆転からの逆転

まるで、義母に逆転したかのような実母の物言いに、娘ながら呆れるとともに残念に思う。

「ほんと、一寸先は闇だわね~。そうそう、今年はお中元も来なかったわよ。やっぱりご主人だけだと何かと気が回らないのね。というより、アホ娘も気が利かないわよね。」

引っ越し話の他に、やはり話題に出たのはN恵の懐妊経過と義母の容態について。

「ママ、料理持ってってるんだよ。」

子が、言わなくてもいいようなことを言う。母の顔色がさっと変わった。

「何?あんたそんなことまでしてるの!?」

ー実家には、手料理なんて一度も持ってきたことないくせにー


心の声が聞こえる。そして、そのイライラをなぜか義姉らにぶつける。


「三人も娘がいて、本当にどうしようもないわね!あの行かず後家の末っ子なんて、一緒に同居してるのに恥ずかしくないのかしら?そもそも、そんな娘に育ててあちらさんも子育て失敗よね!変形した愛情だったんじゃないの?普通、愛情を持って育てていれば子ども達は頼まれなくても介護するわよ。いい年したばばあ3人もいて、役に立たないったら!自分達の困った時だけ頼っておいて面倒なことは嫁に丸投げ、今度は遺産相続の時に首突っ込んでくるわよ。笑っちゃう。」


子が、目を丸くして母の話を聞いているのを見て、何とか話を逸らさなければーと焦る。こんな話が夫の耳に入れば大変なことになるし、後からしっかり口留めもしなくてはならない。

「ばばあって、誰?」


「あなたの伯母様たちよ。三人も揃って、何も出来ないお嬢様方。」


ついには子も口を噤んでしまった。それに母も気付いたようで、すぐに取り繕う。


「ママがね、可哀想ってこと。だって、ママは召使いじゃないもの。パパと結婚したのは、あなたのお婆さんの介護をする為じゃないからね。」

私は、なぜか苛々していた。義姉らのことは大嫌いなのに、身内に悪口を言われるような不快感をおぼえたのだ。この感情は恐らく、子にとって母が言うアホ娘らは、れっきとした血の繋がりのある伯母達だからだ。
私にとっては他人であっても、子にとっては他人ではない。要するに、子のこともけなされたような気になったのだ。




「お義母さん、まだ不自由だけど。お友達が毎日のようにお見舞いに来てくれてるの。私も会ったことある。楽しそうだったよ。」


カウンターパンチ。恐らく、母が一番聞きたくない台詞。母がそのような状態になった時、そのような友達が来るのだろうか?私の知る限り、一人も名前が浮かばなかった。


「へえ。このコロナの時期に、ご苦労さんだわね。私なら、こっちから御免よ。感染させてもさせられてもたまったもんじゃない。価値観、あちらさんとはまったく合わないわ。」


こっちから御免ーの対象相手などいない癖に、更に強がった台詞を吐く母に、もはや感心してしまう。
そして、すぐに戦闘意欲も萎えるのだ。何を言っても、この人には無駄なのだと・・


とにかく、疲れた。










関連記事

キリギリス

盆明け早々、実家へ子と行って来た。
よりによって雨・・一瞬、延期の電話をしたくなったが、首を長くして待ち構えているだろう実母を思うと、逆に面倒なことになりそうなので、えいや!と気合を入れた。
それに、子が緊急事態で部活なしのうえまだ夏休み中というところも大きい。また学校生活が始まれば、当分、顔を見せることも出来なくなるのだ。
先日は、夫と義実家宅へ久々遊びに行った子は、義母に戸惑いつつもその他義父や伯母、従姉妹らと会えて楽しかったようだ。どこにも行かない夏休みだけれど、祖父母の家に行くというのも子にとってはある意味気分転換に繋がるのだろう。
私も、子と2人のお出掛けは久しぶりだったので、案外心が躍った。

実家へ到着すると、チャイムを鳴らすよりも早く母が出て来た。なぜかバッチリ化粧で服装もお出掛け用。ジュエリーまでつけているので、

「え?これからどっか行くの?」

と聞くと、

「え?どこも行かないわよ、今日は。昨日は病院で、明日も病院で忙しいけど。それにしてもあんた、何その恰好?婆臭いわね。化粧してるの?顔色悪いしまるで病人みたい。」

玄関を開けてものの数秒でダメ出し。そして相変わらずの多忙アピール。だが病院と買い物以外に予定はないのだ。

「OO、大きくなったねえ!今、中二だっけ?」

あんまり長いこと会っていない為、孫の学年もうろ覚え。家の中は、とにかくごちゃごちゃだった。父は、その日はデイサービスの為留守だった。母は、なぜか父が留守を狙って私達を招いたのだと知る。


席に着く間もなく、一体どれだけの言葉をその体に詰め込んでいるのだろうと思う程に、とめどなくお喋りが止まらない。私は愛想笑いをしつつ、子は、最初こそばあばから尋ねられる近況に応えてはいたものの、とうとうスマホ画面の向こうに逃避した。


「ここ、ここに引っ越すわよ。」

やはり、今の家賃よりも低い。そして部屋数も少ない。これで家族3人はキツイのでは?と思うが、ところどころに積み上げられた段ボールを目に、既に腹は決まって揺らぐことはないのだろう。


「もうね、お父さんも何年生きるか微妙でしょ?二人暮らしってことでこれくらいの規模が丁度いいのよ。」

いずれは弟一人になる。その弟がバイトで食っていけるだけの家賃。確かにそれを踏まえれば、今の場所では不安が募る。両親の年金でどうにか賄っているのだ。
しかも、また弟はバイトを辞めたらしい。今は求職中だというが、その日はスロットに出掛けていた。それを聞いて、げんなりする。また、病気にならなければいいけれど・・・


「あんたにも迷惑掛けたくないしね!むしろ、あんたの為に引っ越すことにしたんだから。本当は、私とお父さんだけならこのままでいいんだけどね。この年で引越しだなんて大変だわよ。あんたが玉の輿に乗ってくれて二世帯でも建ててくれたらこんな苦労なんてしなかったんだけどさ。」


「私の為?そんなこと言われても困るんだけど。」

弟の為とは決して言わない母に苛立ちが募る。なぜ、嫁に行った私の為という思考回路になるのか?

「あはは、冗談よ冗談。そんな怖い顔しなさんな。でも、結局あんたの為なのよ。あんたに将来迷惑かける訳にいかないでしょう?」

弟が一人になった時、バイトでなんとか自分の食い扶持分くらいは稼いでけるのか分からない。現に、このコロナ禍で2回もバイトを変わっており、現在無職。金の無心ーではないが、けがや病気などで働けなくなった時、最低限の貯金はあるにしても少しでも固定費を削減しておかなくてはならない。その代表的支出が家賃なのだ。

だが、そう言われてもまったくモヤモヤは晴れなかった。そもそも賃貸というのが心細い。持ち家だったのなら、修繕費の心配はあるもののまだ安心出来る。そしてその選択をして来なかった両親が考え無しにすら思える。
一人前になれない弟も弟だが、そんなに心配で溺愛しているのなら、小さくても古くても家の一つくらい残してやれよと思ってしまう。これまで、車や旅行、宝飾品などなど、計画性なく贅沢に使って来たことを省みる心はないのだろうか?


「「ばあば、これ美味しい。」

子が、出されたクッキーを頬張る。出された菓子はすべて、デパ地下仕様だ。

「そう?あなた、家でロクなお菓子食べさせてもらってないでしょう?まさかスーパーのやっすいお菓子なんて食べてないわよね?」

「いつも、ファミリーパックだよ。たくさん入ってるやつ。」

「え?嘘でしょう?あんなまずいの、ばあば一口食べたら残しちゃう。ちょっと、あんたたち、鰻食べた?OOに中国産なんて食べさせてないでしょうね!?」


「鰻、食べてないよ。食べたことないかも。」

子が、言わなくてもいいことを言う。母は、白目をむくんじゃないかというくらい驚いた顔で、


「ちょっと!!駄目よ駄目!鰻食べないの?そういうの大事よ。子どもに食育、四季の行事を感じさせるのは母親の役目よ!あんたどうしたの一体?私はそんな育て方してないわよ。おー!いやだいやだ、貧乏くさいったら!」

「鰻嫌いになったんだよね。骨が喉に刺さって。」

苦し紛れの嘘をつくが、母は解放してくれない。

「それは安い中国産の鰻を食べたからじゃないの?とにかくOOが可哀想よ。今度うちに来たら鰻食べさせてあげるからね!」


鰻の前に、することはあるだろうとムッとする。そして、再び弟の話になる。


「いざとなったら生活保護すればいいんだから。あんたは気にしなくていいわよ。」

生活保護?
それが認められるのは、条件次第だ。実姉がー経済的に困っていない親族がいれば、役所は簡単に承認などするはずもない。
また、父がこのままホーム入居になる場合のことはどう考えているのか?その資金くらいは用意しているのだろうか?
聞きたいけれど、それ以上は聞けずに終わった。










関連記事

壊れ行くもの

今月に入り、次々と食器を割っている。
小皿に保存瓶、茶碗。物の経年劣化は仕方がなく、いずれ別れは来るものなのだけれど、こう集中的に割ってばかりだと何かあるのじゃないかと細々とした気持ちになる。
よく、皿を2枚割ったらもう一枚割れという。二度あることは三度あるー、厄落としのようなものだ。
ジュエリーを無くせば、それは身代わりとなって自分を守ってくれたというのと同様、食器たちも私や家族の身を守ってくれたのだろうか?
そう思うことで、悔しい気持ちを浄化させる。

今日は、気に入りのグラスを割ってしまった。
これは、独身時代に仕事仲間とお揃いで買ったもので愛着があっただけに落ち込んだ。繊細な花の模様が彫られたものでブランドのものでもあり、既に廃盤となっている。メルカリで検索してみたら、1万円以上の値が付いていた。
独身時代は浪費家だったので、欲しいだけカード払いで買っていた。唯一、私の持ち物で贅沢の名残ともいえるもの。ブランドバッグや服などはとうに出産前に売り払ってしまったのだが、このグラスだけは、仲間との思い出という美化された理由で捨てられずにこの家の食器棚の奥に忍ばせていた。特別な時ー、例えば、先日の主婦夏休みの時にビールを注いだり、気持ちが塞いでいる時にこれにアイスコーヒーを淹れると、なんだか特別な気分になれたのだ。
それは、プライスレスのカフェのように。
ひととき、くたびれた主婦という立場を忘れ、若い頃にタイムスリップ出来たグラス。そのグラスが割れたことで、いっそう所帯染みた現実の自分に戻る。

新聞紙で丁寧に包み、さよならをした。雨の音が、切なさを加速させる。
















関連記事

自己責任

ようやく予防接種の予約が取れた。
ほっとしたけれど、怖くもある。副反応もそうなのだけれど、なにせ大手町の集団接種なので、電車に乗らなくてはならない。
この時期、しかもお盆明けということもあり、しかも午前中の第二ラッシュ時。ここしか空いてなかったので仕方がないけれど、連日更新される感染数に怯えながらも、接種されに行ったが為に感染なんてことになったら泣くに泣けない。
だが、私の中で接種一択、受けずにいることは裸でピラニアの泳ぐ川にダイブするくらいに丸腰だということ。
狭められた選択の中で、自分の納得いくものを選ぶ。
正しい情報の取捨選択と自らの強い意志を持って。

自己責任というところまで、国民は追い詰められている。

関連記事

グーグルアースで時間旅行

飲んで食べて、また飲んで。くだらないテレビをBGMに、ネットサーフィン。
シンクには、昨日から洗っていない食器やグラス。ローテーブルには、食べ掛けの駄菓子や空き袋、それに空き缶など。
ソファーにタオルケットを持って来て、そのまま寝てしまったらしい。
二日酔いが酷く、頭をガンガンさせながら、ブドウ糖という名の薬が混在しているサイダーをペットボトルで直に飲む。

酔いどれると、過去を思い出す。もういい加減、元カレのことなんて忘れた方がいいのに、テレビで懐かしい夜景を目にした瞬間ダメだった。
ふと、彼が一人暮らししていた場所をグーグルアースで辿る。そして、その鮮明さに驚く。都会にあるが、当時、家賃7万円だったあの1LDKは、築年数がそれなりに経っていることで懐かしさに安堵したものだ。
狭いキッチンで、餃子を焼いた。ビールと彼がいれば、それだけでパーティーだった。


遠い、記憶ー

最寄り駅から、一本道。お泊りの時にレンタルしていた蔦屋は無くなっていた。地元の人のみぞ知るラーメン屋は、まだ健在。看板は新しくなっており、時の流れを感じる。
ぐわっと、記憶が蘇る。視覚はこうも、人の記憶を鮮明に蘇らせる。アルバムがいかに大事なものなのかを思い知らされた。

まだ、私達は若かった。5年、遅く出会っていたらあんなことにはならなかった。
悲しみを二人で乗り越えられた。
子どもだった私達にとってその悲しみは重過ぎたから、二人でい続けることに未来を見出せなかった。逃げることが最善の選択なのだと、私達の意見は一致した。

あれから20年以上経ち、こうして思い出すのは楽しかった何気ない日々。
彼の住んでいた場所は、駐車場になっていた。










関連記事

逃避行

昼過ぎー夫と子が義実家へ車で出発すると、私はいそいそと買い物へ出掛けた。
虎の子から、2000円程。1泊2日分の飲み物やお菓子の調達だ。
食事については、義実家へ例のごとく常備菜を作ったので、それを少しずつ拝借し、自分の分だけ取り分けて2日分タッパーに入れた。
次女らが来るのだからデパ地下惣菜がたんまりあるのだろうと思いつつ、義父のどこか諦めたような切ない表情がフラッシュバックし、彼好みの酢の利いた料理を何品か作りたくなったのだ。私の中では、既に義父との個人的な交流が出来上がってしまっており、それは早々断ち切ることなど出来ない。
もう何年も、夫の為に何かを作りたいと思ったことなどないのに、まさかその父親にそういった感情を持つことに自分でも驚いた。


人混みの少ない時間を狙いーそれは主に13時頃。昼前や夕方はとにかく家族連れが多いので、そういった時間ではない隙間時間にささっと買い物を済ませることにした。
買い物かごに、無造作に安いチューハイを放り込む。誰の目も気にせず、レモンや桃、パイナップル。これは、前菜として飲む分。次に料理と一緒に飲む分は、ビール。奮発して、発泡酒ではないエールビールを2本買った。これ一本でチューハイ3本買える値段だ。
最後に、ワイン。酒だけで、持参金三分の二以上使ってしまった。しばらく持病の発作が怖く、酒から遠のいていたのでその反動なのかもしれない。

残り少ない金で菓子を買う。ふと、いつもと違うことをしたくなり、駄菓子屋へ足を向けた。
子が幼い頃は、頻繁に寄っていた店。店内を覗き、ワンコインも出せば懐かしい駄菓子がたくさん買えることに気付く。ツマミになりそうな菓子ー、甘いか太郎にポテトフライ、焼肉太郎に大好きなビッグカツ。サラミやよっちゃんイカ。
そして、甘味も忘れない。麦チョコにヤングドーナツ、ヨーグルなど懐かしい商品を手に取る。駄菓子屋で、10円玉を握り締めてあれこれ迷っていた幼い頃を思い出す。
いつからか、何でも買える大人になってしまい、あれだけキラキラ輝いていた店内は色褪せた。しかし、一周回って、再び輝いて見える年齢にきてしまった。
それはきっと、郷愁という名のエモーショナルがトッピングされるからだ。


パンパンになったエコバッグを自転車の前かごに乗せて、坂を上る。自分の為だけの買い物が、こんなにも楽しい。
すべてが胃の中におさまれば、消えてなくなるもの達だとしても、彼らは一時、私を「ここ」ではない「どこか」へ連れ去ってくれるお供となる。

逃避行は、始まった。






関連記事

気が付けば、疎遠

引っ越し前のママ友へ、暑中見舞いを書こうと夏らしいハガキを購入した先日のこと。
だが、いざハガキとペンを目の前にすると、言葉が浮かばない。

ーまた、今度にしよう・・

そんなこんなで引き延ばしていたら、既に8月も半ば。残暑見舞いになってしまった。
彼女と最後に連絡を取ったのは、気付けば丁度一年前か。Mさんや針金さんという友達?になれそうな人物に出会ったことで、変な余裕が生まれていた。
これまでずっと、私の中にある空虚を塞いでくれていた彼女。
唯一、子を介した友人でここまで続いている彼女とは、疎遠になりたくはない。彼女も同じ気持ちだからこそ、これまで続いて来たのだ。
家の行き来は勿論のこと、北海道へ行ってしまってからも、その土地の特産物や彼女のハンドメイドの品物などを郵送してくれたりと、気持ちのこもったやり取りを互いにして来た。そこには損得勘定もなく、むしろ子どもがいるから仕方がないお付き合いも卒業し、ママ友から友人に昇華したとばかり思っていたのだが、だいぶ彼女からも連絡が来てないことに今更ながら気付き、気持ちがざわついている。

1年程の空間に、一体、どんな言葉を埋めたら良いのか。使っていない工具と同じで、すっかり錆びついてしまった彼女へ向ける他愛のない言葉。
これまで気軽にアクションを起こせていたのに、何が私を躊躇わせるのだろう。


ー久しぶり!元気かな?また会いたいね。


書いては消して、また書いて。ありきたりな言葉しか浮かばない。
心に残らない言葉しか浮かばない。




関連記事

重い予定

母から電話で報告があった。

「引っ越しまでに、断捨離したいのよ。あんたのアルバム、捨てていい?いるなら持って行って欲しいんだけど。」

実家に置いてある、母が気合を入れて作って来たアルバムだ。嫁に行き、実家に置いてきたのだが、ここに来て不用品となってしまったらしい。
だが、あの分厚い昔ながらのアルバムをすべてこちらが引き取るとなれば、それらを置くスペースも取らなくてはならない。
ここはきっぱり断ればいいだけの話なのだが、そうはいかないのが、アラフォー拗らせ娘の性分でもある。

「取りに行くよ・・」

思ってもいないこと、だが、母を喜ばせるような言葉をつい吐いてしまうのだ。
そして、普通はこんな時期だからこそ、感染のことを考えて断るのが母親なのでは?と思うのだが、

「電車よね?ちゃんと感染対策して来なさいよ。それから、OOもたまには来たら?私達はワクチン2回打ったから、全然平気よ。」


上から目線でそう告げられただけだった。こちらがワクチン未接種という心配はないのだろうか?普通は、娘やその孫が未接種なら、出歩くなと釘を刺すものだと思うのだけれど・・・

年々、自己中に磨きが掛かっているのだ。










関連記事

再び、主婦の夏休み

夫と子が、再び義実家へ行くことになったのだが、泊まって来るのだと言い出した。
これには驚いたが、夫よりも子の方が乗り気。なぜなら、従姉妹も来るからだ。
ただ、義実家宅の近くに住む従姉妹は泊まることはないのだけれど、それでも久しぶりに従姉妹と会える時間は貴重なのだろう。
従姉妹ー次女の娘のあいちゃんは、今年6年生。確か、音楽系が強い私立中のお受験を控えているはずではなかったろうか。
そんな情報も、このコロナ禍で薄くなってしまった。
子は、いつの間にやら、あいちゃんとラインまで交換していたらしく、楽しそうにやり取りをする。年の近い妹といった感じで、幼い頃から気心知れているのだ。
私と従姉妹のN恵のように、大人になっても繋がっている関係でいて欲しい。次女のことは大嫌いだけれど、親は親、子は子なのだ。
子に兄弟がいないから尚更のこと、そう思う。

というわけで、主婦の夏休みが一日半程貰えることになった。今から何をして過ごそうか、楽しみでもある。


関連記事

塾プラスα

「集団は、あんまりパパはお勧めしない。」

「でも、個別は私には合わなかった。やってみないと分からないよ。」




塾を変えたいと言っていた子。
夏期講習は何となく通っていたものの、どこか身が入らない様子。塾内の模試結果も思わしくない。
夫は、長女と久しぶりに会話をし、子の進路についてあれこれアドバイスを受けたのだろう。
急な干渉が始まった。
子の塾での成績を見せろと言って来たのだ。そして、言われた通りそれを見せると、子を前に座らせてくどくど説教が始まった。

「インプットとアウトプットがうまく出来てないんだよ。塾では、ただノルマをこなしているだけなんだろう?何となく授業を受けて分からないところはなんとなく飛ばして、出来たところだけアウトプットした気になってるんだよ。」


インやらアウトやら、台詞の中にカタカナが多くて頭に入らないのは、私だけではなく子も同様なのだろう。欠伸を嚙み殺している様子が見て取れた。そんな我が子に気付かず、夫は義姉から仕入れた高校受験のノウハウを披露する。
姪ー長女の娘は、小生意気で愛想も悪く、勉強云々の前に性格を直した方が良いのではと思うのだけれど、憎らしいくらいに要領が良く、薬科大にも合格。きっちりと結果も出した。そういった点で言えば、夫と姪は同じ血が繋がっているのだ。
そして子も、その二人と同じ血が流れている。やってやれないことはないと夫は息巻いた。

「取り敢えず、通信ももう一度やろう。うまく併用すれば、塾と通信のメリットを取り込んで相乗効果になる。」

姪や甥は、スタディサプリと塾を併用して受験を制したのだという。節約に目覚めた夫にとって、月額1980円~という価格はお試しするにしても精神的負担にならない。
現在の塾を辞めて、再び別の塾に鞍替えする方がリスクが高いと踏んだのだろう。


「友達もやってる。でも、駅前の集団塾と併用してるけど。あと、ドラマでもやってた。ドラゴン桜で。」

子が熱心に観ていたドラマに、スタディサプリを活用して東大受験合格を果たしたというエピソードがあったらしく、それに子は食いついたのだ。

「スタディサプリでインプットして、塾でアウトプットするんだ。メリハリを付けて自分なりのルーティンを作っていけば、学習習慣も身に付くし無駄が無くなる。」

価格も安いし、お試しでやってダメならまた別の方法を考えるーという方向で話はまとまった。結果を残している従姉妹や成績の良い友達の口コミ、またドラマの台詞。親が直接言っても聞かない思春期だが、別のアプローチから攻めればすんなり首を縦に振ることもある。


子に話が通じ、夫は満足気な顔をしていた。久しぶりに父親らしいことをしたからだろう。

「スタディサプリがはまれば、塾の方を5科目から2科目にすればいいんだよ。50万くらい安くなるだろう。」

夫には、更に別の算段があったのだ。
まだ、中二。時間はある。模索しつつ彼女なりに合う方法を見付けていきたい。











関連記事

現実世界に・・

オリンピックが終わってしまった。
テレビ越しであっても、数多くのドラマを体験することが出来る、それがオリンピック。
感染云々の報道を覆い尽くす程の、夢のドラマだった。

スポーツに人命を救う力はないー

閉会式を終えると、一医師の言葉が脳裏に蘇る。現実世界に戻って来た気分だ。
いまだワクチン未接種の私は、買い物へ行くのですら神経を使っている。去年は夫の方が神経質過ぎやしないかという言動を取っていたのだが、ワクチン1回目を打って安心したのか、余裕すら感じさせる。

「モデルナは、一回でも打てばそれなりに効果はあるからな。」

非常に楽観的だ。そのモデルナは、3回接種をつい先日からうたっているのだが・・

副反応らしき症状も落ち着き、夫は再び資格取得の勉強に精を出し始めた。そして早速、昨夜は仲間とオンライン飲み。大笑いが自室からも壁を伝って聞こえて来てうるさかった。
また、義実家で長女とも顔を合わせて和解したのか、再び、盆休み中に義実家へ行くという。今度は次女家族に会うのだろうか。
これまで仲違いをしていた期間を埋めるかのように、間隔開けることなく義実家訪問の予定を入れている夫。
義実家と私の関係も、現実に戻りつつある。





関連記事

副反応?らしき

昨夜は大変だった。
夫は1回目のワクチンを接種したのだが、自宅に子と戻るなり、すぐさまシャワーを浴びて寝室へ。
倦怠感と頭痛と眩暈がしたらしい。
義実家へは車で行ったので運転が心配だったが、どうやら運転中は何ともなく、自宅に着いた途端にほっとしたのか一気に体調不良の波が押し寄せた。
子は、久ぶりに祖父母に会ったのだが、

「ばあば、すごい痩せたね・・」

それだけぽつりと呟くと、夫と同じく自分の部屋に籠ってしまった。あんなに元気でシャキシャキしていた祖母の変わりように孫ながらにショックを受けたのだろう。


夫の為に、念の為と用意していたポカリスエットや熱冷まシート、それに頓服。だが、熱は出なかったので睡眠をたっぷりとることで回復出来たようだ。
男性で、しかも1回目では副反応が起きる例の方が少ないのだが、身近にそういった事象が起こると、未接種の私は必要以上に恐れをなす。
だが、打たなければ。近隣の県も、一気に増加する感染数。
もうすぐお盆休みで、更に深刻な状況に陥ることは予想される。



関連記事
  • category:

  • 2021/08/08

主婦の、夏休み

珍しく、一人きりのリビング。
夫が在宅仕事メインになってからというもの、この家で一人でいられる日は限られている。
自室にこもり、昼ご飯とトイレくらいしか出て来ないとは分かっていても、何となく監視されている気分なのだ。
実際、針金さんと会う為に公園へ行くことについても干渉された程なのだ。

今回、夫は義実家へ子を連れて行った。コロナワクチンを義姉の病院で受ける為だ。結局最後まで、夫からも義姉に「嫁の分もお願い出来ないか?」と口利きしてくれることなく終わった。
少しは期待していたのだ。夫には、夫婦一体という意識はないのだろう。
自分は自分、嫁は嫁。いや、嫁というよりも同居人という意識の方が高いのかもしれない。
ただ、扶養されている分際でこんな発言は表立って出来ないのだけれど。

おかしいのは、私の方かもしれないし。いや、夫もおかしければ私もおかしい。子もおかしいし我が家がおかしい。
全員がおかしいのだから、おかしいという認識はなく、この家の中でだけまかり通るルール。


エアコンを一人の時に掛けることも、贅沢だ。
だらりと家事をし、オリンピック観戦をし、アイスコーヒーに子が食べ掛けのスナック菓子を昼飯代わりにする。
夕飯は作らなくてはならないが、それも義実家へ持たせた常備菜の残りがあるから大丈夫。

誰にも干渉されない自由時間。束の間の、主婦の夏休みだ。






関連記事

裕福な一家

昨日の今日で、駅前のクリーニング店へ行く用事があり、汗だくで自転車に乗る。そのまま帰宅しても、在宅の夫と緊急事態宣言で部活も無くなった子がいる家に戻るだけなので、涼みがてらショッピングモールへ寄り道することにした。
主に、本屋とカルディ。どちらも時間帯が良かったのか、空いていた。混雑していたら、感染のことも考えてUターンしようと思っていたのだ。
カルディでは、新商品が並べられており、ついつい籠に入れたくなるところだけれど手ぶら。買うつもりは毛頭無かった。無駄使いはすまいと決めての寄り道だ。本屋も立ち読み。無駄金は使わないよう財布にはちょっとした食材だけ買うつもりでワンコインしか入れていない。
それでも、家の中に籠り切りでいるよりも新しい情報ー、視覚的にも、取り入れるだけで良い気分転換になるのだ。
雑貨屋で、綺麗な夏っぽいはがきを目にした。ふと引っ越し前のママ友の顔が浮かび、そういえば随分長らく連絡を取っていないことを思い出す。これは、無駄使いではない。1枚120円で、数少ない人生の友との繋がりを思い出させてくれるのだから。

さてー、と店の外に出ようとモールの出入り口へ。モール内に併設されているスタバは夏休みということもあり、混雑している。
レジまでの長蛇の列。店内も、相変わらずすごい人。皆、自宅に籠っていることに我慢がならないのだろう。
その中に、見覚えのある人物がいた。素敵ママだ。そして、その家族。
一家でスタバにお茶をしに来ているようだった。
久しぶりに見るR君は、身長もぐっと伸びて青年という感じ。そして、妹のSちゃんー、確か1年生に上がったのだっけ。可愛らしいひまわりのワンピースを着てフラペチーノを飲んでいる。ご主人も相変わらず穏やかな感じで素敵ママの対面に腰を掛け飲み物を飲んでいる。
一目見て思ったことは、金持ちは違うなということろ。駅前に新築一戸建てを購入、休みの日はこうしてスタバ。1杯500円以上もするのだ。家族全員分としたらー。一回は外食出来るではないか。そんな計算をしてしまう自分がケチ臭く、なんだか卑しくも思えた。

よそはよそ、うちはうち。
念仏のように心の中で唱えつつ、自転車にまたがりペダルを踏む。汗だくになりながら。彼女の日に焼けていない真っ白なうなじが目に浮かべながら。












関連記事

最後まで、笑顔

オリンピックに出ることだけで凄いこと。
なのに、凄い人たちの中に混じってしまうと、その凄さが普通になり、メダル獲得者>そうでない者のくくりだけに彼らを分けてしまいがちだ。
学生時代、相対評価の中で生きて来た私達は特に、その傾向が強いように思う。
突き進むと、1番でないと意味がないーそんな感覚で見てしまうことすらあるのだ。選手達の努力やそれまでの汗や傷すら知らずに。
どんな思いでこの大きな舞台に立っているのか、この舞台に立つことを夢見て、どれだけの試練を越えて来たのか、その背景に思い巡らせ感動の涙を流すのは、決勝戦や準決勝までで、それ以下の試合に注目している人はどれだけいるのだろう。

全試合を観ることは不可能だけれど、これまでの試合で印象に残ったのが、女子スケボーのディダル選手だ。
何度転んでも、笑顔。失敗して落ち込んでいる選手を励まし、成功したライバルを曇りのない笑顔で称え、とにかく底抜けに明るい。
ただただ、スケボーが楽しい。そして、このオリンピックという大舞台を彼女らしくお祭りとして楽しんでいる姿が印象的だった。
彼女の育った環境から、ここまでのし上がるのに、才能は勿論のことどれだけの努力と説得がいったのだろう。
自らに置かれた不幸を嘆くのではなく、動く。とにかく前に進む、笑顔で。その結果が、今の彼女の姿なのだ。

ースケボーは、何度転んでも立ち上がって前に進むもの。人生と同じー

彼女の言葉が、心に刺さった。






関連記事

蕁麻疹

やっぱり簿記がさっぱり分からない。
頭に入って行かない。とうとう、体中に蕁麻疹まで出てしまった。心だけではなく、体全体で拒否反応。
夫も、今月に再び予定している試験に向け、仕事の合間を縫って勉強をしているし、子も塾の宿題などは学校のものより大変らしく、頑張っているというのに。
私はすっかり、ぐうだら主婦の沼から抜け出せず、ちょっとでも動こうものなら更に足がハマってしまいずるずると底の方に引きずり込まれてしまうのだ。

皮膚科へ行き、蕁麻疹の薬を貰うことにした。
お盆前だからか、待合室にはものすごい人の数。よく見ると、コロナワクチン接種も受け付けている病院なので、それ目当ての人々もいるのかもしれない。
1時間程待ってから診察室に呼ばれた。初めての病院なので、(以前通っていた皮膚科は閉院してしまったのだ)ドキドキする。
HPで確認した時の印象とは違う、ちょっと怖そうな女医だった。

「で、今日はどうされました?」

「じんましんが出て・・」


訴えるが、既にあったはずの蕁麻疹は消えている。

「あ、でももう消えてしまったみたいです。」


「蕁麻疹ですか。そういう時は、写真でも撮っておいてもらえるといいんですがね。」

「すみません・・」


「何か、最近ストレスの掛かるようなことはされました?」

聞かれて、すぐに答えが出なかった。思い浮かんだのは、簿記の資格云々や仕事探しのことではなく、針金さんと例の母親とのことだったからだ。あまりにもアホらしい悩み事だし、女医が聞いたら呆れられるだろう。


「家族全員が、今、試験を控えていてピリピリはしています。」

嘘ではない、が、嘘である。
女医は、納得したような表情で、カタカタとパソコンに症状を打ち込み、それから処方薬を決めてくれた。

「あまり気にしないことですよ。蕁麻疹はね、原因不明のものなんです。主に生活リズムの乱れや疲れ、ストレスとは言われてますがね。良く寝て食べて、気にしない。それが一番です。」

「はぁ・・」


診察室を出て、会計をして病院を出る。調剤薬局に向かう途中、再びむずむず感が押し寄せる。腕や足に先程まで出ていなかった蕁麻疹が大量発生していた。
医師とのやり取りすら、ストレスを覚えているというのか。なんてストレス耐性に弱い私。そして、そんな私とはまだまだ付き合っていかなくてはならないのだ。


関連記事

ウーバー

子が、マックを食べたいと言い出したので、わざわざ駅前まで汗だくになりながら自転車を走らせ買いに行った。
夏休みということもあり、長蛇の列。うんざりしながらも、久しぶりに嗅ぐ、ジャンクな匂いに懐かしさを感じるとともに、パブロフの犬のように腹がぐうーっと音を立てた。私の斜め前に、ウーバーイーツのリュックを背負った男性がおり、しきりに額の汗をタオルで拭っており、気の毒になる。全身、黒っぽい服装なのもあって、全身で真夏の太陽を吸収しているのだろう。

メニュー表を眺めながら、結局、私はいつもの一番安いマッククリスプ単品にするのだけれど、迷っている時間が楽しい。
新メニューの味を想像しながら、結局はオーソドックスな昔ながらの味を求める私は、昭和時代を引き摺る最後の世代なのだ。
ビックマックが食べたいかもーと心で思うのと同時に、

「ビッグマック、10個!」

ウーバーの男性の声に、つい反応してしまう。まるで、私が発した声かと思うくらいにリンクしたのだ。
会計が済み、テイクアウトした商品を待つ人の並びに移動する彼を何気なく見て、ギョッとした。
お隣さんだったのだ。
いや、元お隣さんといった方が正しい。針金さんのご主人ではなく、素敵ママの友達であるお隣さんのご主人。確か、素敵ママを追って中古の戸建てを購入し引っ越したと噂で聞いた。
何故、ウーバーイーツなのだろう?副業?色々と想像してしまう。
一瞬、目が合った気がしたが、つい反らしてしまった。向こうも私を見て、はっとしたようだったが、何となくお互い素知らぬ振り。
もう、お隣でもなんでもない、何の繋がりもないしそもそも繋がりもなかったのだ。


















関連記事
  • category:

  • 2021/08/03

日々徒然

夫がすんなりと義姉の病院でワクチン接種を受けられることになり、焦っている。
早く、私も予約を取らなくてはー
そして、悶々とする。弟だけでなく、普通は弟の嫁にも一声掛けてもよいのではないか?と。なぜ、弟夫婦ではなく弟だけに声を掛けたのだろうか?
所詮、小姑からしたら、私なんてどうなってもよい存在なのだろう。
あれだけ受ける気がなく、ワクチンワクチンと騒いでいた私をせせら笑っていた夫がいち早く接種することが、悔しい。

夏休みに入り、子も部活や塾があるけれど、その隙間時間に出掛けたそうなそぶりをするが、この爆発的な感染数の中、止めるしかない。だが、何となく、家にいるだけなのは可哀想に思い、せめていつもよりも食卓を豊かにーと思うけれど、限られた予算の中でのやりくりは、やはり難しい。
義父からいただいた金をちびちびと、スイーツや果物に変換したり、また夫宛のお中元で普段は口に出来ないような豪華な缶詰だとか飲み物や嗜好品をいただくことで満足感を得る。

スーパーへ行くと、すっかり夏休み最中という感じで、小学生やら幼い子を連れた親子が時間潰しに買い物に来ており、いつもより騒がしい。
どこか浮かれた感じもし、マスクを着けていない人もちらほら見掛ける。
市中感染、飲食だけではなく、もうそこらへんで起こっており、追跡も出来ない状況。近隣中学校の部活でクラスターが起きたと子から聞いた。
子も、部活中はマスクを外すことがあるという。テニスなんて、この猛暑の中、外で行ううえにマスクも装着必須となれば、熱中症のリスクの方が高い。また、塾でもマスクを正しくつけていない子は多いと聞いた。
今、我が家で一番の感染リスクが高いのは子だ。そして、子どもは重症化せずとも、子から感染する率の高い私達世代は身の危険を感じざるを得ない。

先日、集団接種の予約もすぐに埋まってしまった。我が家のパソコンの繋がりが悪いのか、なかなか接続出来ずだったが、次回こそ。2回接種だけでは足りず、3回必須と政府は言い出した。未接種は、問題外というところまで来ている。












関連記事
copyright (c) 隣の芝生 all rights reserved.

プロフィール

selinee

Author:selinee
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR