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厄介な人

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PTAの集まりがあった。
委員長と副委員長は昔からの馴染みらしく、その他メンバーは薄っすら知人程度という感じだったのだろうけれど、前回の集まりでぐっと距離が縮まったのか、敬語とため口が混ざったようなフランクな会話。
担当決めはなんとなくしたけれど、皆でしなくてはならない作業もあり、定期的にこうして集まることはありそうだ。
私はこの日、とにかく聞き役。どうせ空気になるのだろうと思っていたら、隣に座ったママさんが話し掛けてくれた。キャラ変とまではいかなくても、このチャンスを逃したらこの先1年ただでさえ気の重い集まりが更に辛くなる。だから頑張って自分を盛り上げ声色も一オクターブ上げて話すよう心掛けた。
こうした私の努力が実ってか、なんとなくだけれど表面的に馴染むことが出来た。
隣に座ったママさんー(飯田さん)は、頭の回転が速いのか、発言数も他の人達より多い。
委員長たちに向かっても、これは違うんじゃないかと相手の反応なんて気にせず思った意見をバンバン言う。
すごいなと思いつつ、これでは敵を作るのではないかと、他人事ながら心配してしまうのだ。

帰り際、家の方向が彼女と同じだった為に途中まで帰ることになった。
何か怖いことを言われるのではないかと怯えていたのだけれど、彼女の敵は私ではなく委員長たちだったようだ。


「自分達で立候補したんだからさ、もっとちゃんと仕切って欲しいですよね。皆、忙しいんだから、集まる時だって事前にちゃんとレジュメ作るでしょ、普通は。先が思いやられますよ。」


曖昧に頷いていると、見透かすようにこう言われた。


「OOさんって、事なかれ主義?他の人達もそんな風ですよね。自分の仕事だけやればいいみたいな。役員引き受けた以上、もっと責任感持って欲しいんですよ。」


厄介な人と関わってしまった。




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始動・・

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隔離期間が明け、PTAの集まりがある。
私を除く他のメンバーは、既に打ち合わせなどで集まっている為、私ひとりが新参者。
これが最後、そう言い聞かせても、苦手意識から逃れられない。
高校になれば、こういった面倒で嫌なわずらわしさから逃れられるのだと思いたいけれど、学校のカラーによってはそうでもないらしい。
学生である限り、親は子の保護者としての役割を強いられるのだ。

更に、再び職探しをしなければならない。隔離期間という免罪符もなくなり、いよいよ夫からのプレッシャーを受けることになる前に動き始めなくては。
連休明けの最初の土日には魅力的な求人があった気がするけれど、機を逃したのか良い条件の求人が見当たらない。それでも動かなくてはと気ばかり焦る。




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ゴールテープ

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子の体育祭。
最後だからなのか、夫も隔離期間が明けたこともあり参観した。

校庭に入ると、どうしてもスネ夫ママやボスママをすぐに目で追ってしまう。嫌いなのになぜだろう。
孤高の人や素敵ママもー
そうしてすぐにあの嫌な空気感が蘇るのだ。夫が隣にいるというのに。

いや、今日こそは子どもに集中しよう。
そう心に決めて、持って来た一眼レフのレンズ調整をした。子のプログラムになり、100メートル走。
夫に子の走る順番とコースを伝える。夫もスマホで動画撮影の準備を始める。
私達の娘が、走るのだ。

久しぶりの緊張感。
子が、転ばないように、自分の力を出し切れるように、親として願う。
ピストルの音が鳴ると同時に、子がスタートを切った。
子は、私が思う以上に力強い走りを見せてくれた。最後まで走り切った姿を目に焼き付けた。
誰がゴールテープを切ったのかなんてどうでも良かった。




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母の通信簿

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今日は、子の最後の体育祭。
夫がコロナ感染したことで、半ば参観は諦めていた行事。
幼稚園時代から、あんなに行くのが億劫だった行事。 なのに、これが最後かと思うと不思議なもので、しかも参観出来ないかもと思うと居てもたってもいられなかった。

私の人生の半分は、子育てから出来ているのだ。

結婚し、仕事を辞めて子宝を授かった。
目標もない、自己肯定感もない、そんな詰まらない私の人生はいつも中途半端で、自暴自棄になっていた時に夫と出会い、勢いで結婚したのだ。
要するに、逃げだ。逃げ込んだ場所は楽園ではなかった。なぜなら、結局は自分から逃れることは出来なかったからだ。
それでも、子を産み育てるうちに、嫌なことから逃げることを恥じるようになった。学校が嫌なら休む、仕事が嫌なら辞める、人間関係でこじれればフェイドアウトする。そんな逃げてばかりの習慣が、子育てを通して矯正されていったのだ。
毎日終わりの見えない家事と育児、そして苦手なママ友付き合い、役員仕事。母親業は、一日たりとも休むことは許されない。
がむしゃらにただこなしていただけかもしれない、そんな子育て。そんな子育てに一区切りつく。それが義務教育の終了。
そして我が子の外での姿は、母親である私の通信簿なのだ。
だから、今日の体育祭は特別なのだ。
子は、応援団でもなくリレー選手でもない、目立たない生徒だけれど。それでも私の中ではスターであり、永遠の宝なのだ。
この目に焼き付けて、そして年老いた時にふと思い出す人生の一ページに残しておきたい。





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コロナ禍での老い

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喉の痛みはすっかりなくなり、熱も36℃台に戻った。
いったいあれは何だったのか?疲れからなのか。しかし、症状悪化に繋がらなかったので安心した。

昨夜から頭皮が痒い。乾燥しているのかなんなのか、頭を掻きむしりながら眠りについた。
今朝になり、やはり痒くて仕方がない。ちゃん洗髪したはずなのに、掻きむしりながら寝てせいか、いくらか髪の油分が気になりつつある。
鏡で痒い箇所を見ると、白髪が特に多い場所だった。実は、グレイヘアに移行しようと頑張っていたのだけれど、夫と子からみっともないと言われたことで再びホームケアをしていたのだ。
自分で染めるとやはりムラがある。明るいところと真っ黒なところ、そして白髪の残ってしまっているところなど。まだらになっていて汚らしいけれど、見える部分はそれなりに染めているので一本結びにしてしまえばそこまで目立たない。
だが、髪を降ろすと、その髪の揺れによってはゾッとするくらいの白髪を見付けてしまう。特に痒い部分にはそれが顕著だ。

こうしてどんどんと老いていく。
髪だけではない、肌もたるんでだらしがないし、シミも年々増えて行く。
鏡にうつる自分は、一番良い状態の自分。きっと、後ろ姿や斜め、横から見た私というやつは、鏡の中の私より10歳は老けているに違いない。




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天使と悪魔

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朝、起きると喉が痛い。
子と同じ症状なので、急いで熱をはかる。ちょっと高めの37.0℃。
子の熱はあれから下がり、今は元気。検査結果も陰性だったし、コロナではなかったと思いたい。
私も検査をするべきかー
あの、鼻の奥に棒を突っ込む検査に抵抗感がある。子の手前、平気な振りをしているけれども、インフルの検査だって大嫌いなのだ。
このまま症状がおさまるのを待っていようか悩んでいる。
取り敢えずのど飴を何個も舐めているけれど、なかなか良くならない。喉の調子が悪いとそれだけで不快極まりない。> 検査は、コロナ陽性ならば無料だという。陰性なら数千円費用が掛かる。それも悩みどころなのだ。
子は陰性だったのだし、私だってーという気持ち半分、夫が陽性だったのだからもしかしたらーという気持ち半分。

悪魔の心と天使の心。
子の体育祭を観に行くのなら、この状況をはっきりさせてから行くべきだ。頭では分かっていても、どうせ誰とも喋ることなんてないんだしーと自虐的にもなる。
人と関わらず、マスクをして距離を取れば、グレーな状況であっても大丈夫ではないか? ぐるぐると悩む。




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黒か白か

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「喉痛い。」


さあ、もう隔離期間も終わるというその日の朝に起きて来た子の一言。
崖から突き落とされたような気分。
慌てて熱を測るよう促すと、微熱。37.4℃。発熱の基準は37.5℃だ。


「コロナになっちゃったのかな。」


子は不安になり、おろおろする。夫に伝えると、気まずい表情。
なんてったって、ここ数日は症状がおさまったことでリビングをうろうろしてたし、食事も共にしていたのだ。
私は万が一を考えて、離れていた方がいいと二人に逐一伝えていたのに。


「大丈夫だって。そんなん、もし感染してたらとっくにそうなってるって。OOはコロナ体質じゃないんだよ。」


そんな風に余裕ぶっこいていた。そんな過去の夫に苛々が募る。だから言ったじゃないかと。
恨めしい気持ちを抱えつつ、子を連れて病院へ。PCR検査を受けた。防護服に身を包んだ医師と看護師。私達は恐れられている。
子は涙目になりながら、鼻の奥に検査棒を突っ込まれ辛そうだった。


「では、しばらくお待ち下さい。」


待合室は狭いので、外で子と二人で結果を待つ。コロナだったら体育祭は出られない。最後の体育祭。義務教育最後の行事。


ブルルー


携帯が鳴る。覚悟を決めて通話ボタンを押すと医師の声。


「検査の結果ですが、陰性です。」


ーなんだ。


ほっとし、


ー良かった。


そのまま帰路につき夫に結果を伝えると、ほらやっぱりと言う顔。陽性でなくて良かったが、夫がそんな表情を出来る事実にまた苛つく。
隔離期間は明けるけれど、喉が痛く微熱があったという事実。もしかしたらタイミング的に陰性だっただけで、明日検査をすれば陽性になるのかもーなんて思ったりもして。
いや、大丈夫。子はコロナじゃない。
ようやく長かった隔離期間が明けるのだ。




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班決め

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「修学旅行の班決め、最悪。」


子が、ラインを見ながらポツリと呟いた。
運の悪いことに、子が休み中に取り決めがあったらしく、それは好きな者同士なのかクジなのか担任が決めたのか分からないけれど、決定したらしい。
その結果、子は仲良しの子となれなかったのだろう。
班は、男女3人ずつ。要するに、仲良しが3人だったらすんなり決まるけど、偶数だと揉めると言うこと。
子の友達はそういえば子を入れて4人だったなと思い出す。部活の子とその部活の小学校時代の友達。
子がもしその場にいたとしても、小学校時代からの結束の方が強く、子はあぶれたのでは?と思うけど。


「でもさ、ずっと班行動ってわけじゃないんでしょ?」


「修学旅行、行きたくなくなった。」


どういう経緯で決まったのか聞いても、子はそれ以上教えてくれなかった。4人グループということでうまくやってるんだとばかり思っていたけれど、そうではないのか。せめて、2人ずつに分かれてくれたらよかったのにと子に言ったら、


「そんなの、残りの1人が最悪じゃん。完全アウェーだよ。」


それもそうだ。そして我が子がその立場になってしまったのだ。


「一緒になった2人は、ちょっとは話せる感じなの?」


「微妙。」


微妙、それはそうだ。私が子の立場だったら同じく行きたくないと思ってしまう。それでも、どうにかして子の気持ちを前向きにする方法を模索中だ。




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コロナストレス解消

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隔離生活が続き、冷蔵庫の中も倉庫のストックもなくなりつつある。
しかし、夫と子の食欲は増すばかり。
私が試行錯誤で作った炒め物、それに夫と子は難色を示す。


「なんか、彩りが・・」


「え?」


「まぁ、いいけど。」


私の眉間のしわが寄ったのを見た子は、慌てた風にとりなした。


「メインが侘しいよな。パパが出前頼むから。」


夫は子をフォローするように言うと、サクサクとスマホ画面から出前のページを開き、子に見せる。二人してワイワイとあれ食べたいこれ食べたいと相談し、数品注文した。
私が作った炒め物は、テーブルの上でどんどんと冷めて行く。夫のこうした自己中な行いは、子に悪影響を及ぼしている気がするのだ。人に感謝する心、気遣い等。

出前が届き、玄関前に置いて貰った。店員と接触は出来ない。
それは中華だった。ラーメンにチャーハンにレバニラや餃子など。つい先日までコロナに罹っていたとは思えない程のスタミナメニュー。私が作った炒め物ももう一度温め直した。
ラーメンはスープがこぼれないようラップがしており、そーっとそれを剥がすとしばら行ってない中華店の香りがし、ぐぅっと腹が鳴る。悔しいが、美味しそう。
黄金色のスープと一口啜ると、体中に沁みわたり、心も喜ぶ。夫も子もすごい食欲で、あっという間に出前の分だけでなく私が作った夕食もぺろりと平らげてしまった。やはり、出前なしでは足りなかったということだ。

コロナで外に出られないストレス解消的な、そんな日だった。




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人生損してる

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夫の次の趣味は、ゴルフ。
金の掛かる趣味だ。そして、一体誰と行くのか?
そんなの決まってる。吉田さんに決まってる。
勿論、二人きりではないかもしれない。犬塚さんだって一緒なのかもしれない。
私のじっとりした視線に気付いた夫が、珍しく言い訳がましいことを口にした。


「ほら、接待とかもあるからさ。ちょっとは腕をあげとかないとな。」


いつもの夫なら、私のことなんてお構いなしに好き勝手やりたい放題。それがどうした?といわんばかりに。なので、更に夫への不信感が募る。やましいことがあるからではないかと。
夫は早速ゴルフクラブをピカピカに磨いた。新品で届いたばかりのそれを、まるで大事な恋人を扱うかのように。
ピカピカに磨き上げられたそれは、まるで吉田さんだ。


「あなたもやってみたい?」


夫がふいに私に尋ねる。条件反射で、


「いや、無理。出来ない。」


「あなた、人生損してるね。」


どういう意味?その言葉に内心傷付いた。自分でも分かっているのだ。だから、真を突かれたかのようにショックだった。
やってみたいと言ったら、夫はどんな顔をしただろう。その顔を見ればよかった。




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  • 2022/05/22

次の趣味

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夫はすっかり元気。
子も私もいまだ感染の症状はない。
このままうまくいけば、隔離期間は無事過ぎて、我が子も中学最後の体育祭に参加することが出来るだろう。

それにしても。
夫も子も自室から出て来ない。夫はリモートワーク。だが、本当に仕事?と思う程、笑い声が聞こえて来る。
雑談しているだけなのでは?と。以前の仕事でも在宅はあったけれど、ぼそぼそと話し声が聞こえるだけで、たまにお茶を渡しに書斎を開ければ、デスク上にはパソコンの他に会議資料的な書類がわんさかあったというのに。
今は、だいぶリラックスした様子。それはそうだ。なんてったって自分の会社なのだから好き勝手出来るのだろう。
そして極めつけ。

ピンポンー

玄関を開けると、宅配。大きな段ボール。
受け取って夫に荷物が来たと知らせると、スマホを耳に当てながら電話の向こうの相手に向かってはしゃいだ声を出している。


「来た来た、今開けて見せるから。ビデオ通話にして。」


いったん電話を切り、リビングでバリバリと段ボールを開けた。
中から出て来たのは、ゴルフクラブだった。




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  • 2022/05/21

期待外れ

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コロナにはなっていないけれど濃厚接触者になってしまったことを、実母に伝えた。
電話ではなく、メールで。
しかし、返信は無い。
正直、何か食べ物でも送ってくれるかなと期待しているのだ。
一歩も外に出られないから困るとも伝えた。

夜になり、先程になってようやく返信が来た。


ーあんたも気を付けて、お大事にー


そっけない上に、なんだか突き放された気分。もしも自分達がなったら大騒ぎだろうに。なんだかな、と腑に落ちないのだ。




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夢想ショッピング

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夢想ショッピングをしていた。
外に出られない分、想像力で欲求を満たす。
欲しいもの。

新しいキッチン用具。
素敵な家具や食器。シンプルだけれどスタイリッシュな北欧風のプレートとかカップとか。

外に出ない癖に、ちょっとした余所行きの服が欲しくも思う。
現在クローゼットにある洋服は既にくたびれており、清潔感に欠けて来た。

欲しいものが、たくさん。
それって、バイタリティがある証拠かもしれない。




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クレーマー

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濃厚接触者になったことで、折角健康診断の予約を取っていたのにキャンセルすることになってしまった。
病院から届いた書類の中には、大腸検査の為のキットや問診票などが入っており、それらに記入も済んでいたところだったのだ。
電話でキャンセルのお願いをし、改めて別日で予約をお願いした。


「すみません、キャンセル後の変更はいたしかねますが。」


受話器の向こう側から、事務的な声が聞こえる。


「改めてご予約をお願いいたします。」


この予約だって、取るのに大変な思いをしたのだ。水曜の決められた時間内。なかなか電話が繋がらず、苛々しつつもリダイヤルし続けやっと繋がったかと思えば、予約対応時間外だと切られたり。そもそも予約対応時間とやらはいつでも通話中。また、あれをやらなくてはならないのか。


「でも、この予約を取るのも大変で。なかなか繋がらなくて。毎週水曜いつも掛けてましたが繋がるのに2か月かかったんですよ。」


実際は一か月弱なのだが、少し強めに言ってみた。だが、女性の声のトーンは変わらず、


「そうですか。申し訳ありませんが、皆さま同じ状況の中でご予約を取られていますので。」


事務的な声に加え、一切の情には訴えないぞという意思の固さが感じられた。この時、私にスイッチが入ってしまった。典型的なクレーマーだ。


「家族がコロナになってしまったんですよ!こちらの都合でのキャンセルといえばそれまでですけど、でもね、不慮の事故のようなもんですよ。私だって主人がコロナになるなんて予想して健康診断の予約を入れた訳じゃないんです。」


自分が可哀想な人間になったようで、感極まって涙腺が緩み涙声になってしまった。怒り泣きーというやつだ。


「はぁ、そうですか。大変ですね。ですが、皆さん同じ条件でご予約を取られていますので。特例を作る訳にはいかないんですよ。」


ーあぁ、駄目だ。


プツリと切れる。


「そうですか!もういいです。これで検診が遅れて重大な病気になるかもしれませんけどね!」


捨て台詞とともに電話を切った。いわゆるクレーマーだ。
切った後、周囲を見渡す。我を忘れて夫と子が在宅していることを忘れていた。だが、二人とも自分の部屋にいるようでほっと胸を撫でおろす。見えない相手に向かって威圧的態度を取る自分。弱くてずるくて最低だ。




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洋服 食器
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義務教育最後の体育祭

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子の担任から電話が掛かって来た。
その後、子の体調はどうなのか心配する声。そして、濃厚接触のままであれば7日を過ぎれば登校出来る。
しかし、もしも感染してしまっていたとしたら、その日を起点として10日間休まなくてはならない。
そうなると、問題が。
体育祭とかぶるのだ。
担任はそのことを危惧していた。そして、今週も練習に出られていない現実。
中学校最後の体育祭。中学ともなれば親が出る幕もないけれど、それでも義務教育最後の体育祭となれば子の頑張る姿を目に焼き付けておきたいのが親心。それが叶わないかもしれないのだ。

電話が終わり、このはっきりしないあと数日を思うとヤキモキした。
罹るのなら、今日か明日。それならギリギリ体育祭の時には10日経っている訳だけれど、ちょっとずれればおしまい。
あとは、神のみぞ知るーだ。




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コロナ2日目

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コロナ2日目。
子は、学校の担任がわざわざ自宅ポストまで届けてくれた大量のプリント類をしたり、オンラインで授業に参加したりと、割と家にいても忙しそう。
夫も同じく。熱はまだ上がったり下がったりだけれど、それでも微熱程度のもの。奇跡の回復を見せた。
自室から、リモート会議の声が耳に障るくらいだ。
夫も子もなんだか他人事だけれど、私だけが夫から子に感染させないよう頑張っている。勿論、自分自身に感染しないようにも。
あちこち除菌をし回って、夫の使った食器類は別、洗濯も別。通った場所はすべて除菌してから子を通し、そんな生活はまだたったの2日しか経っていないと思えないくらいに、私の心も体も疲弊していた。


「あー、疲れた。」


ぽつり、つぶやく。


「ママ、プリン食べたい。とろけるやつ。」


子の声が背後から聞こえ、ビクっと体が震えた。


「ごめん、家にないよ。コンビニとかも今は行けないし。」


「えー、大丈夫だよ。変装していけば。」


子は、まだことの重大さを分かっていない。しかも、


「友達にめっちゃ心配されてる。ラインが止まらないんだけど。」


自分からコロナに感染したことを拡散したのか?学校中の友達ともいえないただのクラスメイト達からも「大丈夫?」と次々とラインが来て、特に学校が終わってからの時間帯はスマホばかり触っているのだ。普段、目立たない我が子だけれど、こんな形であっても注目を浴びていることにどこか高揚している感じだ。


「とにかく、買い物は行けないから。」


「えー、じゃあ作って。ママ、暇でしょ?」


「牛乳もあんまりないんだ。」


夫も子も、私も食欲がある。病人なら、スポドリやお粥やうどんなどのストックがあればなんとかなるのだ。しかし軽症ーまたは濃厚接触者であるとまた別の意味でこの隔離生活はキツイものがある。




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洋服 食器
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引き籠りの抵抗

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昨日から、感染者になった夫、そして濃厚接触者になってしまった私と子。
家の中の空気はどんよりとしている。
今のところ、私も子も熱はない。
夫はあれから自室で隔離。こういう時、書斎があって良かったなと思う。
私は夫の部屋に行く時には、手袋とマスクを装着し、飲み物など必要なものを持って行く。
夫がよろよろとトイレへ行けば、すぐに夫の触れた部分は消毒。正直疲れる。

夫は、発熱当日はダウンしていたものの、翌日には割と元気だ。食欲もまあまああるし、驚いたことに既にノートパソコンを立ち上げ、ミーティングらしきことまで始めている。
自室から聞こえる声に、吉田さんらを感じる。彼女らも濃厚接触者として家にいるのだろう。
リモート会議行っているようだ。

冷蔵庫を開けると、牛乳や卵などが既に無くなりそう。外出出来ない間、どうやっていくか。
一応、震災用にとストックは倉庫にたっぷりあるのが救いだけれど。
普段引き籠りの癖に、強制的に出られないことには抵抗を感じてしまうのだ。




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感染

一昨日、珍しく早く帰宅した夫。
夕飯時から咳払いが気になり、熱をはからせるが平熱。喉に少し違和感を感じるというので、自室から出て来ないでと頼んだのに聞いてくれない。


「熱が無いんだから、あなた神経質なんじゃないの?そんなことでいちいち隔離されてたら社会活動止まるって。」


夫はここ数日のところ出ずっぱりだ。新しい事務所は少人数といっても、クライアントと日々打ち合わせなどで出歩いているようなので、いつコロナになってもおかしくはないのだ。

咳払いはどんどんと増えて行く。その度に、そこら一体にコロナの飛沫が飛び散っているのではないかと不安に陥る。
夫が自室に行ったタイミングで、あちこち拭き掃除。念の為にと消毒スプレーを吹き掛ける。こういったことは神経質過ぎるくらいが丁度いいのだ。コロナが流行り始めた当初、あんなにも神経質に感染対策をしていた夫なのに、いざ感染していない今現在、正直緩んできたなと思っていた。
夜になり、かったるいからもう寝ると早々に布団に引き上げた夫。もう嫌な予感しかしない。


ーーー予感的中ーーー


だいたいの嫌な予感は当たるもので、今回も例外ではない。やはり夫の体調はあれから悪化した。
夜中に何度も自室からリビングまで水を飲みに行く音が聞こえたし、ため息も聞こえて来た。私も何度か布団の中から外に出て、大丈夫か?と声掛けしようか試みたけれど、こっちの言うことを聞かない彼のふてぶてしさを思い出し、思う存分苦しめばいいのだと悪態をつく。
自業自得なのだと。 それでも朝になり、いつもより早く起きて身支度をし、夫の部屋をノックした。布団にくるまったまま動かない夫の額に手を当てると、体温計が要るまでもない熱さに愕然とする。
子が起きて来て、学校へ行く準備を始めるのを制する。事情を話し、休ませることにした。


「パパ、コロナになったかもしれない?」


「まだ分からないけど、熱があるってことはその可能性は無きにしも非ずだね。」


取り敢えず検査をしなくてはならない。だが、自宅に検査キットの在庫は無い。こんなことなら義実家に頼んでおけば良かった。長女のところでなんとか手配してくれるのに。


「起きれる?熱だけ測って。」


うなされている夫に体温計を渡すが、夫は辛そうに顔を歪めて「寒い寒い」と言うだけ。仕方なく湯たんぽを作り足元に置き、ポカリを飲ませてから脇に体温計を差し込んだ。38.7℃。


「病院、行ける?PCR受けないとだよね?」


「うーん、うん、ん」


会話にならない。夫はかかりつけ医が無いのでそれでも診てくれる病院を探さなくてはならない。ネットで検索して片っ端から電話をする。どこも診察券が無ければ駄目だったり、観てくれるとしてもドライブスルーではないと無理だったりいちいち制限が掛かる。ようやく見つかった病院。


「徒歩で来られますか?」


「はい、付き添います。」


「いや、患者さんお一人でお願いします。ご主人ですよね?奥様も濃厚接触者になると思うので、ご自宅で待機されていて下さい。」


そういうことか・・正直、いくら大人であっても会話もままならない夫一人を病院に行かせるのに不安が募る。コロナ疑いなので公共機関も使えない。徒歩で15分程の距離は通常の成人男性ならなんてことのない距離。だが、今の夫にそれは当てはまらない定義だ。
夫を起こし、病院から指定された時間を告げるが寝返りを打つくらいで反応が薄い。


「検査受けないと、どうにもならないから。行ける?無理?」


「行ける、分かったからそれまで寝かせて。」


それから夫はなんとか時間になると起き上がり、自力で病院へと向かった。検査時間を過ぎても連絡が無いので、何度も携帯に掛けるが出ない。


「パパ、遅くない?」


子にも急かされ、気ばかり焦る。どこかで倒れてはいないかと。こういう時、やはり私達は夫婦であり家族なのだなと思い知らされる。一つ屋根の下で暮らす家族。普段、精神的な繋がりに欠けていたとしても、抗えないこの感情は私に容赦なく襲うのだった。
しびれを切らし、何度も何度も電話を掛ける。ようやく夫の声が受話器越しに聞こえた時には、想定していたけれどショックは大きかった。


「陽性。」


とうとうこの日がやって来た。




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  • 2022/05/14

キャンセル・・・

今日はPTA会議だったのだが、キャンセルした。
夫が発熱したからだ。念の為というところと、また嫌な予感がした為。
GWが明けて、コロナ感染者も増加しているように思えるけれど、少し油断していたところもある。
しかし、しょっぱなから打ち合わせに参加しないことに対してやってしまった感もある。また出遅れたと。
この時点で、私は空気決定だ。
だが、ラインでキャンセルの報告をすると、予想に反して皆から「お大事に」の返事が入っていたことは少しだけ心を軽くした。
熱が出ている家族がいる人間に参加して欲しいとは誰しも思っていないだろうけれど。
もっと、割り切ることが出来ればいいのに。相手の裏側ばかり予想して疲れる癖から抜け出したい。




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良さげな求人

求人サイトで、良さげな求人を見付けた。
データ入力、時給1040円と賃金は低いが。電話ありというのが気になるけれど、なかなか良さそう。
なにせ、条件がいい。土日祝休みで、昼12時から夕方16時。朝、ゆっくり出来るぶん、夕飯の作り置きをする余裕もある。
そして、昼休憩がない。私のようなコミュ障の人間にとって、昼休憩は苦行のようなもの。
きっかり1時間時給が引かれるうえに、苦痛の時間を過ごすのはナンセンス。
どこで誰とランチをするかだとか、一人だったとしてどう思われるだとか、そういう仕事以外のストレスを味わいたくないのだ。
すぐに応募ボタンを押した。すると半日も経たないうちにメールの返信。早速面接の機会を取ってくれるという。書類選考もないようだ。
履歴書を取り出し、記入する。勢いあまって書き間違えたりして、在庫がなくなってしまった。
百均に買いにいかなければと身支度をする。
今度こそ、チャンスの神様の前髪をつかむのだ。






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健康診断

持病があるので、定期的に健康診断は受けている。受けているのだが、今回初めて胃の検査を追加することになった。
実は、胃カメラがどうも怖くて敬遠していたのだ。しかし、年々体力も衰えているし、年齢的なこともあり、今年は胃カメラもやることにした。区から案内が届いたこともあり意を決して病院の予約を取った。
数日後、封書が送られて来た。問診票や検便キットや説明書等、入っている書類を確認していて「おや」と視線が止まる。
胃カメラで申し込んでいたつもりが、エックス線となっていた。私の勘違いだろうか?
電話で訂正しようとしつつ、だが費用が胃カメラだと追加で掛かることを知り躊躇した。
そうして結局、そのままにしてしまい、いよいよ検診前。
つい、ネットであれこれリサーチしてしまう。私の悪い癖だ。そして、バリウムを飲むことと出すことがいかに大変なのかを知り、噂には聞いていたはずなのにより一層恐ろしくなる。
まず、げっぷ。これを我慢出来るだろうか?
続いて、バリウム。ヨーグルト的などろりとした液体を一気飲み。
小学校の頃、担任がバリウム検査についていかに大変かを語っていたことを思い出す。そんな大昔の記憶が蘇る。
まずいし吐きそうになるし、とにかく喉を通らず大変だったーというようなことを言っていた。
あれから何十年も経ち、いくらか飲みやすくなったと聞くけれど、それでもネット情報では大変だと騒ぎ立てる人々の多いこと。
特に、漫画での解説はリアリティがあり過ぎて、ますます恐怖心を煽る。
まずい液体を飲んで、げっぷをこらえながら、アトラクションのような機械に身を預けてゴロゴロ回転するのだ。うまく出来るだろうか?

そして、検診後のバリウム放出。もしも出なかったらと思うと恐ろしい。腸閉塞で手術という記事も恐ろしい。
とにかくすべてが恐ろしいのだ。




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五月病

五月病は、働いてなくても起きるらしい。
身体全体がかったるく、これは連休によるリズムの狂いもあるのだろうけれど、気温の上がったり下がったりの変化や、その他諸々の精神的な憂鬱感やストレスなどが要因しているのだと思う。

今月は、いよいよ本腰を入れて仕事探しもしなくては。PTAの全体会議や集まりなどもある。子の運動会もあるし、義母の退院手続きーはまだ依頼されていないけれどきっと私がやることになるのだろう。
とにかく、気忙しい。私のキャパに納まるかどうか。

夫の働く現場を目にしたことで、焦りが募ったのだ。なぜだろう、将来の不安の輪郭がおぼろげだけれど徐々にはっきりするような。
とにかく、今のまま現状のままではまずいーという焦りだ。
もう引き戻せない、分岐点からお互い別々の道を歩いているような、そんなイメージが脳裏に焼き付き離れないのだ。


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母の日?それが何か?

今日は母の日。
実家と義実家に、心ばかりの品物を送付した。義母に関しては入院中ということもあり、後日渡して欲しいと三女宛てに。
夫の名前を差出元とした。

子から何かしてもらえるとは期待していないけれど、手紙のひとつくらいくれたらいいなと思う私は欲深いのか?
昨日、夫と出掛けた帰り道、デパ地下に子の好きな店のスイーツを買ったのだけれど、各店のポップにはカーネーションのイラストに”お母さんありがとう”の文字。
子と同じ年くらいの女の子らが、友達と一緒にきゃいきゃい言いながら母の日仕様にラッピングされたミニ菓子を選んでいたり、また花屋では決して豪華でなくとも、子どもの小遣いから頑張って買うのだなというようなミニブーケを手にレジに並ぶ子どもの姿を目にすると、何とも言えない寂しい気持ちになる。
自宅で、寝っ転がりながらスマホ。顔も分からない友達と小さな画面越しに会話をしている時間が、子にとってはかけがえのない時間。そこに、私の入る隙なんてないのだ。

今日も、子は自分の部屋から一歩も出ない。最近ではリビングにいてもイヤフォンを耳に突っ込んで何やら聴いているので私の声すら届かない。
健康でいてくれることがプレゼントなのだーと思うようにしているけれど、やはり寂しい。




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ピンクのストール

仲の良い夫婦ならば、子ども抜きのお出掛けを「デート」というのだろう。
私達の間に、そのような甘い空気などない。だいたい二人でといえば、休日のホームセンターやスーパーなどでまとめ買い。
車を使うのでそういう感じの外出くらい。
いざ、子に見送られ外に出ると、何とも言えない気持ちになった。
しかも、車は渋滞にはまるのが嫌だと交通機関を使う。

「行きたいところはあるのか?」

そんな問い掛けに戸惑う。子どもが生まれる前から、私が行きたいところを考える前に夫がすべての段取りを決めていた。
夫の行きたいところに行き、私はそれについていくだけ。


「事務所、見てくか?」

ようやく、夫から声が掛かった。私からは行きたいと言えなかった。なぜだろう、遠慮もあった。夫は家庭と仕事を線引きしたい人なのだと。
電車を乗り継ぎ、最寄り駅に着く。駅から歩いて10分圏内、小さい事務所ーというか、こじんまりとしたビルの中にある一室が夫の城だ。
施錠されていたが、鍵を開けて中に入る。既に、デスクやコピー機、電話も引いてあり、小さなオフィスという感じ。
デスクは4つ、椅子も4つでパソコンも。しかし、まだ社員は夫を入れて3人なのにあとの一つは誰の物?

お祝いの花ー胡蝶蘭がでかでかと入り口に置かれており、また神棚も夫のデスクがある頭上に置いてある。
吉田さんのデスクと思われる場所には、スモーキーピンクのストールが椅子に掛けられていた。





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  • 2022/05/07

気まぐれの誘い

連休後半は夫が家におり、なんだか疲れる。
すっかり、子との母子家庭生活に慣れて来たところだったので、リズムが狂う。
あれがない、これがない、食べたい食べたくない、わぁわぁ煩いので参ってしまう。
そして、今年は義実家訪問も義母が入院中ということで無しになったので、気まぐれに夫が部活も休みで家でゴロゴロしていた子を誘ってどこかに行こうと言い出した。

「天気もいいし、久しぶりに家族で出掛けるぞ!」


しかし、子は塩対応。面倒臭そうに首を振る。


「私はいいや、パパとママ、二人で行けば?」


子は、親と喜んでレジャーをする年齢をとうに過ぎたのだ。そのことに気付かない程、夫は家庭を省みていなかったということ。
時間が急にタイムスリップしたように感じたのか、子が照れ隠しで思ってもない発言をしているのだと信じて疑わない。

「おいおい、パパがずっと家にいなかったからってすねるなよ。どこ行きたい?遊園地?」

ーはぁ!?

という声が聞こえたかと思った。そんなうざったい表情を私は見てしまったが、生憎夫からは角度的に子の表情が見えなかったらしく、へらへら笑っている。

「何でも買ってやるから、さあ、行こう。」


「えー、それならネットで買ってよ。これ、欲しい。」

子が手に持っていたスマホから夫に欲しいと思われる商品を差し出した。夫はそれでも子が本気で共に外出することを嫌がっているだなんて思いもよらないらしく、更に詰め寄る。


「んー、でもなんか疲れてて。塾の宿題も明日までにやらないとだし、時間的に無理。」

「そっか。」

勉強と言われれば、夫も仕方ないと諦めた。

「留守番してるからママと行って来なよ。でさ、なんか美味しいもんお土産に買って来て。」


親子3人一つ屋根の下、天気もいいのに家の中かーと鬱々としていたが、夫は思ってもみない返事を子に返した。


「分かった。じゃあ、俺らは出るか。」

ーえ?思ってもみない展開。夫と二人で出掛けるだなんていつぶりか?正直、動揺と同時に面倒というかネガティブな感情が湧いた。
夫のこういった気まぐれに付き合う体力が今の私にはない。コロナ禍で心身ともに衰えたのもあるけれど、一番は夫に対するすべてにおいての不信感だ。
それなのに、もう一方で「何を着てこうか・・」なんて考えるのだから、女の頭は忙しい。





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  • 2022/05/06

長女同士

音沙汰のなかった長女から、私宛に電話があった。
義母の付き添い兼、入院手続きの礼だ。
こういう瞬間、やはり娘であっても長女は格上なのだと思う。次女からは何の言葉もないし、また三女にいたっては、あんな態度で私を遠ざけておきながら、結局私を頼るはめになったというのにどこ吹く風。
要するに、非常識なのだ。

しかし、長女は夫を入れても4人兄弟の長子。ある意味、気持ち的には嫁いでいても長男意識があるのだろう。
正直、彼女のことは苦手だけれど、それでも義妹である私に対してきちんと誠意を持ってくれたことが嬉しかった。


「母も、病気で今までのように表情に出ないことがあって誤解があるかもしれないけど、OOさんには感謝していると思います。娘が3人もいるのに、色々あなたに押し付ける形になってしまっていること、ごめんなさい。」

三女の態度で悶々としていた気持ちが、一気に昇華された。小姑のうち一人でも私に感謝の意を持ってくれるのであれば、それで救われる。今後、また色々と頼られることもあるだろうけれど、何かあれば長女に相談してもいいのだ。

「カズの仕事は、順調?」


ふいに、夫の仕事について尋ねられ、夫が長女に何も伝えていないのだと知った。それどころではないのだろうけれど、やはり姉として弟の今後を心配しているのだ。それは、形は違えど、私も実弟を不安に思う気持ちに通ずるものがある。
長女同士ー少しだが、義姉と心が通じた気がした。

しかし、私から彼女が知り得たい情報を与えることは出来ず、妻として頼りないと思われたかもしれなかったけれど。

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キャラ変してみよう

連休後、PTAの集まりが決まった。
既に、ラインのやり取りに出遅れ気味の私。というか、入り時が分からない。
PCを開いて確認する頃には、既に皆で打ち合わせが終わりスタンプの嵐ー。私は遅れてスタンプという流れ。
数時間後のスタンプに対しては、誰からもリアクションが無いのが通常。そして、そんな通常に胸の奥がちりりと痛む。

しかし、今回の役員仲間は皆お初。知らない人達。裏を返せばキャラ変のチャンスあり。幼稚園や小学校時代の知人がいない。
幼稚園や小学校がかぶっていたかもしれない顔だけ見たことのある人もいた気がするけれど、子どもの学年が違うのだろう。接点はない。

キャラ変ーしてみようかと思っている。
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残念な親

母の日に、以前から枕が欲しいと言っていたのでネットで色々と吟味をし、母の日に届くよう手配した先日のこと。
そのタイミングで、「あんたがくれるものは使えない」と言われ、今後は金がいいと言い放った母。
枕も結局向こうにとっては有難迷惑なのだなと思い、キャンセルしようとしたが、時、既に遅し。
仕方がないので、今回までは物のプレゼントで我慢して貰うとする。清掃バイトで得た僅かな金で買ったものなのだ。

それにしても、実の娘からのプレゼントに対してこんなにケチをつける親は他にいるのかとネットをみたら、出て来る出て来る、わんさか出て来る。
むしろ、母と娘との関係性についていえば、このプレゼント問題はデフォなのかもしれない。
そして、息子から貰うものは何でも嬉しいのだ。例え缶ジュース一本であっても。
そして、思い出す。私がショックだったのは、母が私に「あんたのくれるものは使えない」の後の台詞。

「あの子、お金が無いのに私にこの間お茶ご馳走してくれたのよ。本当、優しい子よ。」

弟が、バイト代が出たというのでカフェに連れて行ってくれたのだと喜々として知らせてきた。そんなことは、私だってコロナ前に何度もしていた。私が食事などご馳走しても当たり前のようにして感謝の意も見せなかったというのに。
「息子」は無条件に可愛いのだ。定職に就かずふらふらしていても、パチンコ三昧で金をせびることがあっても、お茶一本で帳消し。
そして、「娘」だからといえば何でも許される。娘にどれだけのことを言い放っても、それで傷付けたとしても。それは、自分自身だから。唯一、どんな感情であっても正面からぶつけられる存在。生身のサンドバッグだ。

私は、母に送るプレゼントについていつでも入念に下調べをし、時間を掛け、足を使い、コロナ禍の時はネットに頼ったけれどそれでも何日も掛け、母が喜ぶようなものを選んで来たつもりだ。金ではなく時間と労力をたっぷりと使って。
なのに、そういう見えない労力を愛情を受け取ることが出来ない残念な人ー、それが私の母なのだということを受け入れなくてはならない。
娘だから何を言っても許されるー、娘だから、娘だからー
その歪みを直そうだなんて、今更無理なのだ。ただただ受け入れるしかない。残念な親なのだと。




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失望

実母は、毒母だ。
しかし、声高にそれを言及出来ない、隠れ毒母。
虐待された訳でもなく、一応、二十歳まで雨風防げる場で育ててくれた。
学校だって、短大だけれど出してくれた。
そういう意味では毒母ではないし、全うな母なのだけれど。


今日も、電話で少し話しただけでどっと疲れた。
私が送ったカートについて、不良品だと言い放った。
そして、使いものにならないからと結局自分で買ったとも。
母の日のプレゼントの手配をしたタイミングの電話だった。


「あんたがくれるもの、いっつも使えないのよ。」

そう言われたので、こちらもカチンきて、


「じゃあ、お金の方がいい?お互いその方がもやもやしないかもしれないし。」

そんな提案をしたら、

「そうね、その方がいいかもね。」


金が欲しいのか。娘の気持ちなんかよりも。
正直、何も考えず金を渡す方が楽だ。あれこれ相手が何を喜ぶのか考えて、時間を使って足を使って品物を選んで。
そちらの方が大変だ。だが、それでもその労力を喜んでくれるのは親というものでは?


がっかりした。本当にがっかりした。


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