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値上げラッシュ






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値上げラッシュに食卓直撃。
なので、今日は買いだめをするようにと夫から金を預かった。
とはいっても、普段貰う生活費を少し早めに受け取っただけなのだけれど。

事業を始めた夫、そういった生活全般のことにうるさくなくなったのに、また口出しを始めるようになったということは、資金繰りが悪いということだろうか?
夫の年収や家の貯金を知らずにいるということは、見えない不安を伴う。
実際それを知ったらまた別の意味での不安が生まれるのかもしれないけれど、それでもぼんやり見えない不安を抱え続けて生活を送ることは、実体のない靄の中にいるかのようだ。
激安スーパーですら、気付くと値上げ。
肉魚、野菜は勿論のこと、目玉商品だった納豆や豆腐やそばうどんなども10円以上アップ。
子が好きなスナック菓子も、値段は変わっていないのに中身の量が減っていて、しかも私が見ても分かる程にスカスカ。
価格だけに騙されてはいけない。しかし内容量まで記憶なんてしていないから、開けてみてびっくりーということになる。そしてがっかり。
この先、価格は上がり続けても下がることはないだろう。そして収入は現状維持ーまたは下がるとなると、将来の不安が募る。




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安易な共感






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夏休みで忘れ掛けていたPTAの集まり。会計袋紛失騒ぎから彼女らに会うのは久々となるけれど、気が重い。
一層、このままフェイドアウトしてしまいたいけれど、子の手前そうはいかない。
10月半ばに行われるイベントに伴い、準備をしなくてはならず、徴集が掛かれば、下っ端の私はそれに従うしかない。
委員長も副委員長も、私の失態をどう思っただろう。メンバー全員にそれが知れ渡った状態で仕事をするのは気が引けるのだ。
そんな私の心の状態を知ってか、飯田さんからラインが入っていた。
委員長と副委員長の悪口だ。ライン上だけれど、休み中に今後の段取りが色々伝えられており、それに対して私はこう思う的な意見。それをなぜ私に言ってくるのか分からないが、別の鬱憤を晴らすかのように次から次へと話が止まらない。ライン連投というやつだ。
なので、私も数回に一度は返事を返すのだけれど、彼女の熱量に圧倒されてしまい、ついうっかり、「そうですよね。」と彼女に同調するような返しをしてしまった。


ーOOさんもそう思う!?だよね!私だけじゃないよね?良かった、そんな風に思うの私だけかもって思ってたから。これで意見が言いやすくなるよ。


ーえ?どういうこと?ちょっと・・


私は再び大失態を冒したようだ。




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親心と子心






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子の模試だった。
もう何度目かになるけれど、ダイレクトに都内順位が分かるので親子共々結果には息を飲む。
夏休み前に受けた模試の結果は散々だった。それもあり、夫は塾を変えようと言い出したのかもしれない。
子の行きたいレベル、夫の行かせたいレベルに相違がある。その相違を少なくする為にどうするべきか。
正直、高望みして万が一まぐれで受かったとしても、入ってから苦労して授業について行けず登校拒否になることの方が不安だ。
しかし一番苦しいのは、親が理解してくれていないことだと思う。キャパ以上の能力を求めてしまうことで子どもを追い詰めてしまう。
いい加減ー、それが大事。見限る訳ではない、ちょっと爪先立ちして届くくらいの努力を誉めることで、親を驚かせたいという子ども心が働くような気もしている。




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血縁






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N恵と揉めてから、実母のことが気掛かりになり電話を掛けた。
私のいないところで愚痴る母に憤りの感情を持ちつつ、しかしどこかで罪悪感が働いている。


「あら、何か用?」


母のこういうところ。私が電話を掛けづらい要因でもある。娘から電話が掛かってきたら、もっと素直に喜んでくれたらいいのに。
そして、最近の体調やその他近況を尋ねると、待ってましたといわんばかりに愚痴が始まった。やれやれと思いつつ、私も少し意地悪な気持ちになり、先日のN恵との電話でのやり取りを母に暴露した。


「N恵、伯母さんが寝た切りになったら施設に預けるんだってね。驚いたよ。」


すると、母も驚いた声をあげた。


「姉さん、そんなこと知ったら悲しむわね。だって、孫の世話だってあんなにしてさ、N恵には色々今までしてきたじゃない。それに近くに住んでる意味、ないわよね。」


「いや、意味あるんじゃない?将来は伯母さんの家に自分の娘家族を住ませるつもりっぽいよ。」


「え!そうなの?あの子、そんな計算高かったっけ。嫌だね。」


母は言葉とは裏腹に、はしゃいだ声を出した。これまで実の姉が自分よりもずっと恵まれていると思い込み、比較しては嘆いていたのだから。相手を可哀想と思うことはイコール優越感に浸ることでもあるのだ。


「これは誰にも言えないわね。あんたも誰にも言うんじゃないよ。」


私をそう諭しながら、きっと母は自らの口で姉に伝えるのだろう。
私も母も、伯母も従姉妹も、皆同じ血が流れている。




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暖かな繋がり






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玄関前で、ばったり針金さんと遭遇した。
黒い涼し気なノースリーブのロングワンピースに薄手の白いカーディガンを羽織った彼女は、まるで避暑地から抜け出たような感じ。
久しぶりだったことと、なぜだかドキドキと緊張してしまい、彼女に話し掛けられてもうまく口が回らなかった。
都内なので帰省というのも変な感じだけれど、夏に戻って来た息子さんの運転する車でドライブして来た帰りだと笑っていた。


「最近、見掛けなかったけど。忙しそうね。」


パートをするようになり、確かに忙しい。朝は早いし、仕事終わりは昼過ぎでも、寄り道をしていると午後三時くらい。
そこから猛ダッシュで家の片付けや夕飯準備をし、子が塾の日はその送迎。休みの日は疲れ切って自宅にこもる日々。
働いていない時は、暇を持て余してふらふら外を散歩したり買うものもないのにスーパーやショッピングモールを彷徨ったりと、なんだかんだ日中は彼女と出くわす機会も多かったのだ。
それに、あの猫を交えたお茶会とか。
そんな出来事が、遥か昔のことのように思えた。生活が変わるということは、周囲を取り巻く環境が変わると同時に、時間の流れ方も変わるのかもしれない。


「そうそう、ちょっと待ってて。」


彼女は鍵を開けて家に入り、少ししてから紙袋を私に差し出した。


「これ、ちょっとだけどね。お裾分け。」


親戚が送ってくれたという梨を3つ分けてくれた。


「ありがとう。」


夕飯のデザートに梨を出すと、夫も子も喜んだ。青梅の時とは大違いの反応だ。

疎遠になりつつあった彼女との繋がり。執着することに疲れ、諦めていた繋がり。
今一歩、深く踏み込むことは出来ず、細くていつ切れるか分からない関係。
それでも、こうして隣人でいる限り、何となくでも続けていけるのかもしれないと暖かな気持ちになった。




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口臭






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自分の息が臭い。というか、マスク生活になってからというもの気になるようになっている。
いつかの実母の口臭がキツイと思っていたけど、あの臭いと同じだ。

子に、今度の塾のパンフレットを見せながら色々と説明していた時のこと、
やたらと鼻をつまむ仕草が気になった。


「ちょっと、聞いてる?自分が行くんだよ?」


若干、苛つきながら子に言うと、


「ママ、口臭いよ・・」


ショックだった。そして軽くえづく子に対して羞恥心もあり、だがそれを悟られたくない妙なプライド。
特に気にしてない風を装うのが精一杯だった。


「そんなことより、これちゃんと読んでおいて。」


そう言い残し、そそくさと子ども部屋を後にした。それからは、念入りに歯磨きとマウスウォッシュなどをし、またガムをしきりに噛んだりしつつ私なりに神経質だなと思う程対策をとった。
だがしかし、それでもまた子が私が近くに寄って話し掛けると鼻をつまむ仕草。
どうしたらよいものだろうか。




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豚小屋






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心は部屋を表すというけれど、まったくもってその通りだ。
トイレ掃除をろくにしていないせいで、トイレットペーパーの芯は積み重なっているし、見ないようにしている洗面台の水垢、キッチン横にはたまっていく牛乳パックやプラトレイ。スーパーに出しに行くのすら面倒臭い。夫が自分の事業のことで頭がいっぱいであれこれうるさく言わなくなったことで、気も緩んでいる。
専業主婦の頃も、家事は完璧ではなかったけれど、自分の中では片付いていたと思う。
疲れ果てて家に戻り部屋を見渡すと、更にどっと疲れが増す。
留守番の子は、塾が無い日は家にいるけれど、家事を手伝うなど気の利いたことなんてしてくれない。
豚小屋と化した部屋の中で、ソファーに寝っ転がりながらゴロゴロとスマホを見ている。
そして、私が帰宅した途端、自室へ籠り勉強を始めるのだ。

ようやく学校が始まるので、否応なしに規則正しい生活に戻るだろう。学校へ行き、下校したら早目の夕飯を食べて塾へ。
しかし、来月のシフトを見ると、遅番の日も何日かあった。遅番だと子が下校する時はまだ仕事で、すれ違いに帰宅となる。
冷たい夕飯をチンしてから塾へ行って貰わないとならず、子はそれについてどう思うかよりも私が嫌だなと思った。

その前に、この豚小屋。
こんな部屋で子は勉強などする気になれないだろう。
心を入れ替えて、きっちりしよう。夏も終わるのだ。 まずは、トイレ掃除から取り掛かろう。




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必要経費






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夫が事業をするようになってから、よく耳にする言葉。
ゴルフで掛かった金だって、飲食だって、なんでもかんでも必要経費。

そして私も、今日パート終わりに必要経費として2000円程使ってしまった。
リフレッシュのメダルゲームに1000円、そしてお昼はモスバーガーで飲み物こそ頼まずバーガーとオニオンフライの単品だったけれど600円以上掛かった。そして残りは子と私のおやつとしてアイスクリーム。
久しぶりの外食は安定の一人ランチだ。これが、思った以上に快適だった。
まず、掃除もロクにしないままの自宅に戻り食事をする気になれなかった。エアコンだって点いてないし、またメダルゲームをしたい欲求によりそのまま直帰なんて考えられなかったのだ。
腹ごしらえをして、落ち着いたところでの気分転換。そして食材など必要なものを買うついでにアイスを買って帰宅。
汚い家の中を見て、一瞬げんなりしたけれど。しかし、今日パートでの思い出したくないあれこれは薄れていたのだ。

パートでその日稼いだ半分も消費してしまうことについて、馬鹿だなと自分でも思う。しかし、こうでもしないと病んでしまう。それくらい、パートがしんどい。
いや、まだゲームをする元気があるのなら、しんどいなんて言えないのかも。本当にしんどければ、まっすぐ自宅に直行してシャワーを浴びて何も食べずに寝ているかもしれない。

しかし、こんな生活がいつまで続くのか。必要経費も削れなければ、パート月収は約半分の4万程になってしまう。それでは元も子もない。




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現金主義

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N恵と長電話をした。
いつものように近況報告から始まって、その後はそれぞれの親の話と愚痴。
仲良さげに見えるN恵親子でも、やはり母と娘というだけあって色々と表面的には分からない問題を抱えており、持ちつ持たれつが時に苦しくなることもあるのだと言う。
子育てにおいては、伯母がすぐそこに住んでいることで手伝ってくれたり精神的にも肉体的にも楽ではあるけれど、そんな元気な伯母も数年前に身体を壊して通院が始まってからは、気軽にあれこれ頼めなくなったようだ。
むしろ、通院の時は送迎をしたり、買い物を手伝ったりと、N恵の方が伯母を助ける比重がここ最近は増え、それに加えて自らの子育ても今一番大変な時なものだから、余裕が無くなりつつあると言う。
つい最近は、長女の口答えにカッっとなり、怒鳴り散らしてしまったと悔やんでいた。


「ねえ、そっちはもし親が認知になったらどうするつもり?介護のこととかお金のこととか、どうしていくか色々聞いてる?」


「え、そんなことはこっちから聞けないよ。親子でもタブーっていうか、触れ辛い問題だし。うちは弟も同居してるし、お金の面もN恵のところみたいに余裕無いし、そうなったらそうなった時に考えるしかないっていうか・・」


「えー、そうなの?それって危険過ぎない?そうなった時って、明日かもしれないんだよ?私、今度腹を割って聞いてみようかと思ってて。現状、全面的に私が介護するのは無理。子ども、まだ小さいし。それに、やっぱり落ち着いたら仕事したいし。子育て終わって、次は介護なんて、無理。」


あんなに仲良さげな親子なのに、意外だった。そして、N恵が実は腹の中でそんな風に伯母のことを思っていることを伯母が知ったらどんな気持ちだろうと思うと、少し苦しくなった。
私と母との関係とは違って、本当に仲良しなのだ。てっきりN恵は伯母のことを最期のその時まで自分の手で看るのだろうと思っていた。


「気持ち的は看たいよ。でもさ、現実問題として、それが出来るかどうかってこと。無理だよ。こっちにだって生活があるし。そこはお金でなんとかなるならそうするしかないよ。」


「施設に入れることに、抵抗は無いの?」


「あるよ。それはある。でもそれは理想論だよ。実際に寝た切りになった親を引き取ってどこまで面倒みられるかっていったら、家族の理解も必要だし。旦那にだって親はいるんだから、その手前うちの親だけがっつり看ますって訳にもいかないしね。」


「伯母さん、なんか可哀想。」


つい口からこぼれた台詞に、N恵は過剰反応した。


「可哀想?なんで?じゃあ共倒れになることうちの親が望んでると思う!?私も親になって分かったけどさ、一番は子どもに迷惑だけは掛けたくないんだよね。子どもにお荷物に思われたら終わり、特にうちの親はその意識が強いから。OOって本当に綺麗ごとばっかりだよね。」


「・・・・・」


「OOのとこだって、叔母さん可哀想。いつも愚痴ってるってよ。もっと近くに住んでくれれば良かった。娘なんて嫁に行ったら他人も同然ってね。それに、旦那さんだって全然顔見せないんでしょ?もう何年も会ってないし気にも掛けてくれないって言ってたよ。何かあっても娘夫婦には頼れないねって悲しそうだった。」


母が、私のいないところで悲劇のヒロインよろしく、N恵や伯母に愚痴ってる様子がリアルに浮かんだ。
そして、それをそのまま鵜呑みにしているN恵は本当のところを分かっていない。
母は自分に都合悪いことなんていくら血の繋がった姉や姪にだって言わない。いつだって有利に立ちたいからだ。
金に困って賃貸ということも言わない。そもそも引っ越した詳細を教えても無い。便利なとこに引っ越したというだけで、私の実家の土地勘に鈍い二人にはどんな場所に引っ越したかなんて分からず、ただ母の話を鵜呑みにするだけ。
弟の為にせっせと貯金をしているーということにしているのだ。なので、つつましやかな暮らしを送っているのだとN恵達は思っている。
資産は、家や車など目に見えるものだけではない、母は現金主義なのだと思っているのだ。




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この子親の子

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教習所に通うことについて、医師からNGが出たと夫に嘘を付いた。
もっと踏み込まれるかと思ったけれど、夫はすんなりそれを受け止めた。


「じゃあ、OO頼みだな。娘の運転する車に乗るのもいいもんだし。」


酒に酔いつつ、目を細めながら夫は言うけれど、子は面倒臭そうにこう返した。


「私、免許取らないから。それに、お酒も飲まない。」


「え?なんで?」


思わず私が声をあげた。


「だって、無駄だもん。お金も掛かるし、事故起こしたら怖いし。それに、お酒も同じに無駄。体に悪いもん飲んで酔っ払ってそれにお金払うのってどうかと思うよ。」


正論過ぎて何も言えなかったけれど、


「そうかもな。でも、大人になれば分かると思うけど飲まなきゃやってられない時もあるんだよ。それに車は乗る乗らないにしても身分証明になるし取っておいた方がいいぞ。」


「ママだって持ってないけど、別に困ってないじゃん。パパは私に期待しないで。」


妙にとげとげしている子。夏休みが終わることでナーバスになっており、また受験の足音が聞こえてくるこの時期、部活も引退で精神的にストレスが溜まっているのだろう。それからは部屋に閉じこもってしまった。


「まあ、また少し経てば考えも変わるだろう。今はそれより受験の方が大事だからな。」


子の可能性が、母親である私の影響で狭まれてしまうことを目の当たりにした。




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使い勝手の良い嫁

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義姉がコロナ陽性になったと連絡が入った。三女だ。
それを聞いてまず思い付いたのは、義母のこと。続いて義父。感染したらまずい。
しかし、夫も長女や次女も、まずは自分が感染してはいないかそればかりを心配し、すぐに抗原検査をしたがった。
義父も義母も、取り敢えず検査はして陰性だったというけれど、まだ油断は出来ない。
二階建てなので、三女は二階の自室に籠っているらしく、食事は義父がドア前まで運び、トイレも二階のを使っているのでなんとかなるのではないかと淡い期待がある。

もし、義両親に感染したら?誰が看病に行くのか?
長女も次女も、仕事や子どもの世話で無理だと言っていたらしく、それは私だって同様だ。夫はそれでも私にそれとなくシフトを聞いて来た。


「あなた、パートは何曜だっけ?当日休めたりする?」


「うん、当日は代わりを探さないとだし厳しいかな。」


「パートだろ?そんな真面目にやらなくてもいいんじゃないか?それが特権だろ?正社員でもないんだし。」


それは次女だって同じ。それなのに夫は私の方が「楽」していると思っているのだ。
次女には子どもが二人いるし、色々忙しいと庇う。そして、いつもはもっとシフトを増やせと言う癖に、こういう時はサボれと言うのだ。
自分都合の夫、矛盾している。そもそも自分が両親を看病するなんて思いつきもしない。自由が利く自営なのだから、ゴルフをする時間があったら親の為に動けばいいのに。私は使い勝手の良い嫁なのか?

一番は、義両親がこのまま陰性を保ってくれること。それを願うしかない。




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気分転換

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メダルゲームの動画ばかり見ている。
昨日のあの快感が忘れられず、今日はパート休みで子も家にいるのに頭の中はメダルで一杯。
子がまだ小さかったら、ゲーセンへ行こうか?なんて誘いを掛けていたかもしれない。
夫はまた休日ゴルフ。新しいクラブを購入し、張り切っている。
雨の日は、屋内でシミュレーションゴルフをしているようだ。

子は、子ども部屋で朝から勉強。塾の宿題と学校の宿題に追われており、もう夏休み終了間近だというのに慌ただしい。
私は、受験生を抱える母なのに、頭の中はメダルゲームのことばかりの昼下がり。そんな自分が嫌になり、現実逃避に買い置きのチューハイに氷を注ぎ、ごくごくの飲む。夫も今日は遅いし、ひと眠りすれば酔いも醒める。

チューハイを飲めば、すべてのことがどうでも良くなったりまた無敵状態になったり。
小林さんに歯向かうイメージもリアルに浮かぶ。
また、皆の前で帽子とエプロン等を脱いで床に叩きつけて、辞めてやる!と叫ぶ自分を想像したりもする。自分ではない自分を妄想しながらうつらうつらしているうちに、本当に眠りこけてしまった。


「ママ!ママ!!お腹空いた!なんかない?」


時計を見ると、既に夕方。夏休みに入り、塾がある日は塾弁だったりそうでない時は夕方に夕食を食べて家を出る。すっかり腹時計も狂っている子。


「パパから電話あったよ、今日は泊って来るって。」


想像はしていたけれど、モヤモヤする。夕飯は決まり。そして夫の買い置きビールを拝借する。
今夜のメニューはお好み焼きにしよう。そうと決まれば気が楽だ。キャベツに豚肉、チーズにキムチ。思い付きの料理だけれどすべて欲しい材料が冷蔵庫に完備されており、こんな小さなことでもラッキーだなと思える。

面倒だから、フライパンお好み焼き。しかもキッチンドリンカー。プシュッとプルトップを開けて一口飲むと爽快感。夫のことや自分の仕事のこと、いったん頭の隅に追いやって、今夜は子と楽しもうと決めた。





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ゲーセン

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「ちょっと!当たってる!!」


ただ、彼女の後ろを通っただけ、少しぶつかっただけなのに、小林さんは声を上げる。私はその声にビクっとし、持っていた商品を落とす。周囲のスピードについていけない。
仕事終わり、パートを始めてから月の小遣いを3000円と決めていて、まだ残りは1000円程あった。小遣いといっても、昼に自分の食べるパンやおにぎりを買ったりするだけ。むしゃくしゃするこの気持ちをどうにかスッキリさせたくて、ショッピングモール併設のゲーセンへ足を運んだ。子がまだ小さい頃、時々一緒に遊んだ場所。
夏休みということもあり、子連れの親子もたくさんいて、私がその場にいても浮くことはなかった。子どもと別行動をしてコインゲームをしている親もたくさんいたのだ。

100円で10枚のコイン。500円入れれば50枚以上のコインと交換出来るのでお得だけれど、200円程やって帰るつもりだった。
20枚のコインが入った小さなバケツを手に、うろうろする。懐かしい、あっち向いてほいゲーム。色当てゲームやホームランゲーム。 私が子どもの頃からあるゲームだ。
コインを試しに2枚入れて、「赤」を選ぶ。ゲームは単純。スタートとストップを押すだけ。この単純さがアラフォーには有難い。
軽快な音楽と共に、ランプが点いて各色をぐるぐる回る。ストップを押すと、徐々にそのスピードは緩められ、あとちょっとで私の選んだ赤に止まる。そしてビギナーズラック、赤に着地してランプがピカピカと点滅したと同時に、コイン受け取り口から私が賭けた以上のコインがじゃらじゃらと音を立てて落ちる。その瞬間、忘れ掛けていたアドレナリンのようなものが放出された。
そこからは、夢中になって気付けば1時間。財布の中は空だ。要するに、気付けば1000円使い切っていた。帰りにお昼ご飯のパンでも買おうと思っていたけれど、手持ちがなく諦めた。
そして、遊び終わった後に残った感情は、「無駄遣いしてしまった!」という後悔よりも、「もっと金を持ってくれば良かった!」だった。

虎の子を漁り、財布に再び千円札を放り込む。
パートといえど、あんなに辛い思いをしているのだから、これは必要経費と自らに言い聞かせる。




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巻き寿司

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やっぱりこの仕事はもう無理かな、と思う。
今日は、新人さんとシフトが同じ。もうどちらが新人なのか分からない。

寿司の作り方を新たに教わったのだけれど、彼女も一緒。
正直、私と並んで教わる必要なんてないくらいにテキパキとこなす。
指導するベテランパートも、どうしたって出来の悪い私と比べてしまうのだろう、何となくアタリが強くなっていく気がする。


「そうそう!さすが。じゃあもう一人で出来るね、あっちの分、よろしく。」


「はい!」


「じゃあ、OOさん・・もう少しここ、丁寧に出来ない?」


「すみません!」


じっと見られながら海苔を巻く。この、じっと見られる時間が私にとって苦痛の時間。妙にプレッシャーが掛かり、緊張し、そして失敗するのだ。


「あ!」


マスク越しにも分かる、やれやれという顔。


「家で、巻き寿司とか作ったことない?恵方巻とか。」


「えっと、はい、ないです。」


本当は、節約の為に何度か作ったことはあるけれど、この出来映えを前に作ったことがあるなんて言える雰囲気ではなかった。なんだかもう、全ての自信を無くしてしまう。
たったの4時間。それなのに、パート前日は気が重い。そしてこの仕事から解放されて自由になりたい気持ちに支配される。




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援助とか

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肩身が狭いということは、他と比べて、ということである。
比べる対象が無ければ、発生しない感情である。

義実家で、教育費の話が出た。
私と次女以外の義兄弟らの会話が筒抜け。話は、教育費についてだった。

長女のところは開業医ということもあり、金に困ってはいないのだろうと思っていたけれど。
なんだかんだ資金繰りも大変だし子ども達は小学校から私立に入れているのでその3人分、そして医療系の大学に入れるとなるとまた更に金は掛かる。家については既にローンも支払い済だそうだけれど、暮らしぶりや付き合いを見ていると庶民の私には想像もつかないくらいの支出があるのだと思う。
なので、両家から援助して貰っているのだそうだ。
次女のところも同じく。両家からーというよりも生前贈与の形で義兄の家から孫の教育費を貰っているらしい。そして勿論義両親からは家を買う時に頭金を出して貰っているし、また以前車を買ってもらったと言う話を聞いた。
となると、夫は何もして貰っていないではないか、長男なのに?と思ったけれど、そんな私の心の中をまるで見透かしたかのように三女が口を開いたのだ。


「カズは起業するのにお金出して貰ったしね、それがなかったらそんな勝手なこと出来なかったでしょ。それに、向こうの家から何か貰ってるの?」


ギクリとした。私の実家のことを言っているのだと知り、背中に嫌な汗をかいた。


「いや、何も貰ってないな。今までそういう大金は貰ったことない。」


私と会話をしていた次女が、急に私に真顔で聞いて来た。」


「マジで?OOさん、カズに言わないだけで両親から色々貰ってるんでしょ?」


「いや、そんなことないです。」


「またまた~。だって長女でしょ?それに孫だって一人だから教育費たんまり貰ってたりして。」


うちの実家の内情をまったく知らない次女は、悪気無くそんなことを言うのだ。
彼女らは、親から援助して貰うのが当たり前の世界にいる。逆パターンなんて想像すらしないのだろう。
子どもが親の金銭的援助をすることなんてテレビドラマの中での世界だと思っている。

私の親にはそれを望むことは出来ない。
むしろ、自分達の生活で精一杯なのだ。だから、夫の親が何かしら私達の生活の援助を申し出てくれることがあったとしても、精神的負担でもある。贅沢な話だけれど、言葉にならないプレッシャーを感じるのだ。


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自己ブレーキ

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先日の集まりで、子は義姉らー子にとっては伯母達に進路のことを聞かれて困惑していた。
そして、皆から塾を変えた方がいい、変えるのは今だと諭されていた。夫がそう差し向けたのかもしれないけれど、姪や甥を一流校に入れた実績のある伯母らにそんな風に言われたことで、子も洗脳されたようだ。
夏期講習終了とともに、塾を変えると言い出した。夫も喜び、候補に挙げていた個人塾ー義姉らに勧められた高額だが実績のある塾に通わせることに決まった。
最寄り駅近くにその塾はないので、電車を乗り継ぐことになる。部活は夏明けには引退だし、放課後は塾だけなので慣れればどうにかなるだろうと夫は言う。
夫が運良く休みの日は車送迎だけれど、そうでなければ交通機関を使うことになる。そこで、夫は突然私に免許を取るよう言い出したのだ。


「これを機に、免許取れよ。この先だって、うちは女の子なんだから送迎は何かと必要だぞ。免許代は払ってやるから。」


「え?ママ、車の免許取ってくれるの?取って取って!!」


あり得ない。今更、この年で教習所通いとか、無理だ。それに、あの鉄の塊を自分の意思で動かすなんて到底無理。
事故でも起こしたら生涯十字架を背負うことになる。
この年まで不便さを感じつつ取得しない人生を歩んできたのだ。だったらもっと早くに取れば良かったし、子がまだ小さい頃ー、雨の日の送迎や病院までかっぱを着て自転車を漕いでいたあの時間と労力が無になる気さえするのだ。


「え、そんなの無理に決まってる。怖いし、時間もないし。」


「あなたさ、子どもの為にって思ってもやる気出ないわけ?」


「そういう訳じゃないけど、今更無理よ。反射神経だって年取って鈍ってるし。それに、持病もあるし、怖い。」


「でも、最近発作は出ないだろう?持病っていったって、その病気でも免許取ってる人間は多いぞ。医者に取るなって言われたなら別だけど。」


「いや、無理だから。絶対。」


「今度の通院の時に聞いてみて。それで無理だったらしょうがないけど、聞く前から無理って自分にブレーキ掛けてるのは違うと思うぞ。」


「分かった、じゃあ今度聞いてみる。」


また一つ、厄介な問題を抱えることになってしまった。




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適正の数

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明日からまたパートの日々を思うと、疲れるし辛い。そして、マネージャーから一時間遅く来るようにと電話があった。
これはどういうことなのだろう?あの出来る新人さんが入社したからお払い箱的な?感じなのだろうか。
それなら休みにして欲しかった。どうせ出社なら5時間も4時間も変わらない。

もっと精神的にも肉体的にも楽な仕事はないかと求人広告を眺める日々。
実際、小さな子どもがいるわけでもない自分は、曜日や時間に縛られることもない。その辺の絞り込みをなくすと案外良い条件の仕事がずらっと出てくる。実際採用されるかは別として。

一日のうち、たったの5時間。それなのにまるでフルタイムのような疲れだと思う。正直、数年前の短期アルバイトをしていた事務補助の仕事の方が、精神的にはきつかったけれど体は楽だった。座り仕事だったこともある。
座り仕事では、コールセンターが時給も良く受かりやすいと聞く。ただの事務はパソコンスキルの高さと若さが求められる。その点、コールセンターはノースキルでもキーボードさえ打てればOKとあるし、高齢者でも積極的に採用されているようだ。
ただ、喋り。私が致命的に駄目な部分。コールセンターに応募出来ないのはそこだ。

あとは、家事代行サービス。清掃のパート経験もあるしいけるのでは?と思う。何より、慣れてしまえば一人仕事だ。誰に文句言われるでもないし、自分のペースで仕事が出来そう。
今の職場は、常にベテランパートが新人の私に目を光らせているし、失敗を胡麻化すことも出来ない。
この間は、初めて寿司の作り方を教わったけれど、なにがなんだか。ネタを乗せるのが遅過ぎると注意を受けた。とにかくここの職場は「スピード」が求められるのだ。勿論、「正確さ」も。売り逃しを少なくする為にも。
家で料理をしている感覚がどうしてもまだ抜けない私は、仕事としてのプロ意識が低いのかもしれない。

世の中には、自分の適性にぴったりの仕事があると思う。ただその適性が一つしかない人もいればいくつもあるマルチ対応可能な人など色々。
私は恐らく前者だ。なのでどうしても働ける場所には限りがある。




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無責任な肯定

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義実家に全員が集まるのはいつぶりだろうか?
いや、正確に言えば、一番上の姪っ子だけは不参加。薬学部の彼女は、夏休みもほぼないらしく、実習や研修に日々追われているとのことだった。

子は、いつものように年下の姪っ子とスマホを見せ合いながら楽しそうに過ごし始めた。夫もすぐに義兄らと酒を酌み交わす。
コロナだし会食を控えるだろうと思っていたのに、テーブルの上には義姉らが用意したと思われるテイクアウトの品が数々並んでいた。 手作りがひとつもないのは、義母が今は料理が作れないからなのかもしれないけれど、完璧主義の義母の血を引き継ぐ娘が3人中1人もいなかったということだ。

手土産は夫が用意するというので私は何もしなかった。それなのに、夫は自宅に忘れて来たようで、まるで私の失態のような空気。
長女が、


「まあ、うちだから良かったよね。私があっちの家で手ぶらで訪問なんてしたら何て言われるやら。」


長女の嫁ぎ先も代々医療関係ということもあり、そういう繋がりはお堅くもきっちり守っているのだろう。なので、長女からしたら私の行いは「出来損ないの嫁」なのだ。


「まあまあ、いいじゃん。OOさんはパパやママに毎度料理を運んでくれたりしてたんだし。最近はなくなったけど、忙しいの?」


次女がズカズカと触れられたくない部分についてほじくり返す。私はまともに三女の顔を見ることが出来なかった。善意でやって来たことに対してぴしゃりと拒絶されたあの日。あの日を境に、私は義実家訪問を止めたのだ。
三女はこちらを気にしつつも、ワイングラスに口を付けながら長女と何か話し込んでいた。


「仕事、始めたんです。」


「そうなんだってね。?カズから聞いたけど、調理関係だって?やっぱり料理好きなんだね。」


夫がいつの間に義姉らに伝えていたらしい仕事内容は、惣菜パートではなくオブラートに包んだような「調理関係」という仕事。
何となく、具体的に伝えてはならないような気がし、次女もそれ以上突っ込んでは来なかったので曖昧に頷いた。


「好きなことを仕事にするっていいよね。私もコロナでいったん落ちたけど、またカフェ再開しようと思ってるんだ。」


次女はワインが回っているのか、上機嫌で聞いてもいないのにペラペラと自分の夢語りをする。
いつもの私は彼女らの蚊帳の外なのに、その日は次女の話し相手に時間を費やした。
次女も、自分のことを黙って肯定してくれそうな人間を欲していたのかもしれない。私は自分の居場所を確保するために、笑顔でその役割を全うした。


「すごいですね!家のこともあるのに。私には真似出来ません。」


煽てると、更にご機嫌なお喋りが止まらない。私も勧められるままにワインに口を付けた。ちらっと視界に三女や義母らの姿が入り、何となく嫌な視線を感じながらもそれに気付かないようにした。


「カズヒロさんの起業についてだって、私も不安はありましたけど。やっぱりやって良かったんだと思います。人生は一度きりだし、やっぱり自分がしたいことを仕事に出来る人って限られているし、そのチャンスがあるのならやってみて損はないかと思います。チャンスがある人って、選ばれた人なんです。私のような選ばれなかった人間にとっては羨ましい限りです。」


次女は、嬉しそうに私のグラスにワインを注いだ。
結局私は、無責任な肯定をすることで義実家訪問のその日を遣り過ごした。



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夫の帰る場所

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気が重い義実家訪問の日。
台風が来るとニュースで騒いでいる日に決行。そして、夫は酒を飲みたいからと電車。正直面倒だ。


「あなたに免許あればね、楽なんだけどね。」


夫の言い分も分かるけれど、時々でも同じことを言われ続けると、免許を今から取った方がいいのかもしれないなんて思ったりもする。
子の塾送迎も、自転車だと意味があるのかないのか。


夫は、義兄らと飲むんだという高そうな日本酒と、義姉らが好きなメーカーのワイン、それにネットで取り寄せた美味しい瓶詰の何かを冷蔵パックにまとめていた。
鼻歌混じりに楽しそうだ。夫は義実家では完全に末っ子男子で皆になんだかんだで可愛がられている。
その空気感、つまりは包容力に夫は思い切り身を委ねたい気分なのだろう。
何せよ、春に起業してからずっと突っ走って来たのだ。
夫の帰る場所は、自分が築き上げたこの家ではない、やはり実家なのだ。




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  • 2022/08/13

お盆のつとめ

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今週末、久しぶりに義実家に全員が集まることになる。
夫と義姉が仲違いをしたり、また義母が倒れたりと、なかなか穏やかに会うことが出来なかったここ数年。
ようやく夫の仕事もスタートし、また義母のリハビリの頑張りの成果もあって最近の体調が良いところで会おうということになったのだ。
しかし、ここ最近の感染数急増について、誰も気にならないのだろうか?それとなく夫に聞くと、

「そんなこと言っていたらいつまで経っても会えないし会えるようになったところで元気でいるとは限らないー」

そうだ。

子は、部活に塾にと外にいることが多く、夫も然り。
私は唯一の出不精だけれど、それでもパートを始めたこともありこれまでより外に出る機会が増えた。
家族3人、感染リスクは上がっているのだ。

なんだかんだで、訪問に気が進まない。
義両親だけのところに行くのならいいけれど、またあの子煩い三人娘の義姉と顔を合わせるのかと思うときつい。
何を言われるのか、ネガティブな想像しか浮かばないのだ。




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母と並んで歩くと

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子が、新しい洋服が欲しいというので、ショッピングモールへ。
丁度、夏物がセール価格でどれも半額以下という破格。
いつの間に、背格好も大人の女性になってしまった我が子に眩しささえおぼえる。
お財布目当てといっても、こうして一緒に女同士でショッピングをすることは楽しいものだ。


「ママ、これどう思う?」


「そうだね、右側の方がちょっと今までと違って新鮮かも。」


子は、高学年頃からモノトーンばかり着るようになり、クローゼットはまるでモノクロ映画を観ているよう。たまには色物もいいのではないかと思ったのだ。


「派手かな。」


なんてことはない、ブルーのトップス。デザインも若者らしく今風だ。
子の服なので、家計から。一応、子ども費。
夫も年頃の娘が欲しいといえばケチはつけない。夏休みだけれど受験生だし、遊びに行かないことでレジャー費だって浮いているのだ。
新しい服の入ったショッパーを下げてウキウキしている子を見て、私まで買い物を楽しんだ気分だった。しかし、そんな気分も子の妙な行動で一気に醒めた。

急に、私を避けるように小走りに店を出る子。しかも、逆方向。
正面先には、同性代の女の子が楽しそうに店内で服を選んでいた。どこかで見たような見ないような。
子が私を置いてさっさとどこかへ消えたので、携帯に掛ける。


「もしもし、急にどうしたの?」


「別に、ちょっと本屋行きたくなったから。ママ、もう先に帰ってていいよ。」


ちょっと贅沢にフードコートでかき氷でも食べて行こうかと思ったのに、楽しい気分が萎んでしまった。
恐らく、同じ学校の子なのだろう。そそくさと逃げるところ、私にそっくり。いや、私と一緒にいるところを同級生に見られたくなかったとか?一人だったら駆け寄ったのかも。これが私のお母さんって見られたくなかった?

真意を確かめることは出来ない。ただ、そんな思いが私の心を支配するのだった。




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不良主婦

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仕事終わり。
思い立って、スーパーでチューハイを買った。
ギンギンに照り付ける太陽。ちょっと歩いた先にじゃぶじゃぶ池がある公園があり、子ども達が楽しそうに遊んでいる。
ベンチに腰掛け、プシュッと缶を開けた。

ストゼロ9%、2本。
コスパはいいが、健康に良いのかどうかは分からない。

グレープフルーツといっても人工的な味のするそれをグイっと飲む。 うまい。
嫌なことがあれば、ちょっとしたことが幸福に繋がる。
平坦な日常ではそれを味わうことは出来ない。

98円×2本分の幸せ。
もう、我が子とこんな場所で水遊びをすることなんて来ないことに切なさをおぼえつつ、しばらくその場でまどろんでいた。




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不公平

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パート先の入り口に、急募の張り紙。
日用雑貨フロアレジ担当の募集らしく、時給は私と同じ。
別フロアだけれど、仕事終わりに横を通るのでフロアの様子は分かる。
とても暇そうで、店内でそこだけ時間の流れが違うといった感じ。
常に2~3人の従業員がおり、ゆったりと値札を付けたり品出ししたり、またレジでは客が来ない時はお喋りに興じている。

これで、同じ時給!?
不公平だ。そして、タイミング良ければこっちを応募したのにとすら思う。レジは自信ないけれど、食品レジとは違って客もまばらなので、こんな私でもなんとかなりそう。
ますます今の仕事を辞めたくなるのだ。




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見切り時

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自分の仕事の不出来さに嫌になっているところで、録画していたノンフィクションを観て色々と考えさせられた。
浅草名物でもある人力車の俥夫を目指す研修生の話だ。
その研修生はアラサーという最年長のうえ、俥夫になる為の検定に何度も落ち続けている。それこそ、まだ二十歳そこそこの新人に追い抜かれ、検定の度にダメ出しを受け、心折れそうになりながらも何度も何度も挑戦する。
元々は、メジャーデビューを果たした歌手だ。ただ歌で食うことは出来ず、テーマパークのパフォーマーとして活躍したがコロナによって失業し、俥夫の職に辿り着いたのだ。

私は、彼と自分を重ねていた。途中、感情移入し過ぎて涙が出た。
根は真面目な彼は、朝一番に出社し、誰も見ていないところでトイレ掃除などをし、また自分を追い抜いて検定試験に合格した後輩らを労い、何ていうか「健気」なのだ。
しかし、仕事となると、特にこの俥夫という仕事は危険が伴う。事故を起こせばアウト、またお客様ファーストでなければならない。一歩上を行くサービスが求められる。

お客様に見せるパンフレットがぐちゃぐちゃに破れていたり、左折するのに周囲をきちんと見ず突っ走って横断する人とぶつかりそうになったり、予め求められていたツアー時間を20分もオーバーしたり。本人はどうみてもふざけてはいない、一生懸命。ただ、一生懸命だけでは越えられない壁ーそれを感じた。
どんなに努力しても頑張っても、適正がないことで失敗する。適正さえあれば、特に努力せずともスムーズに合格する。周囲は彼のひたむきさに心打たれ猛特訓するも、その善意は届かず何度注意しても合格ラインに達しない。
結局、彼は心折れて別の道に進むこととなる。

この番組を観て、「見切り時」の重要性を感じた。周囲の善意も、正直この結末を見た後は自己満足にすら思えた。彼を思うのなら、早目にばっさり切ってあげれば良かったのにとも思えた。

逃げないこと、頑張ることが「美」と思われがちだけれど、人生は一度きり。それが傍からみたら怠慢かもしれなくても、人様に迷惑さえ掛けなければ、自分の好きなように生きてもいいのだと思う。




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新しいゴルフクラブ

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ここ連日、夫は懇親会という名の飲み会ばかりで遅い毎日。
土日もゴルフが入っていたり。そして、また新しいゴルフクラブを買ったようだ。
こっそり値段を調べてみたら、3万くらいする。私にパートをもっと増やせと言うのなら、そっちだってもっと節約意識を持って欲しい。
先行投資とは名ばかりの自分の趣味。バイクはもう飽きたのだろうか?最近乗りもせず放置気味。

夫の机の上にはどっさりの飲食店の領収書。まとめて経費精算の処理をするのだろうか?
月で10万くらい、これは安いのか高いのかよく分からない。ただ、私達家族のひと月の食費よりも倍以上掛かっていることは確かだ。
なんだか釈然としない思いでその束を眺めつつ、仕事での付き合いといっても、恐らく吉田さんも同行しているのかと思い、嫉妬とは名ばかりの黒い感情が湧く。
まだ事業を始めて間もないというのに、利益は取れているのかいないのか?何も知らされていない妻として不安でしかない。




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  • category:

  • 2022/08/07

経験者

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お盆も関係なくパート。むしろ忙しくなりそうだ。
そして、まだひと月ちょっとしか経っていないのに、もう私は先輩となってしまった。
私より若い女性が入って来たのだ。

新しい人が入って来ると聞いて、正直嬉しかった。ようやく新人ではなくなり、私よりも出来ない人が来れば少しは風当りも弱くなるのではないかと甘い期待を抱いていた。

しかし初日、その期待は打ち砕かれた。茂木さんが、一か月前の私にしていたように彼女の指導に入ったのだけれど、軽く説明するくらい。そんな説明だとミスするよ・・と隣で聞いていて思う程。だが、そんな私の心配はいらぬお世話だったようだ。


「そうそう!さっすが勘がいいね!経験者は違うね~」


経験者、そう。彼女は店は違えど経験者だったのだ。しかも惣菜バイトを学生時代していただけでなく、結婚した後も数年続け、そして子育てが少し落ち着いて復帰したのだそうだ。そのブランクはたった5年。お子さんは幼稚園らしい。


「でも、やり方が以前の店とはだいぶ違ってて、覚えるのが大変です。」


謙虚さも忘れない。あの恐ろしい小林さんですら、


「あんた、フライヤーも出来る?」


「あ、はい。前の店では天ぷらやってました。」


「良かった!こっち人手が足りないからね。他に何が出来る?」


「一通り経験はあります。ただ、ブランクあるし店によっての違いはあるので自信ないですけど。」


「私、マネージャーに頼んだんだよ、経験者を入れてくれって。」


小林さんの言葉に、背中が凍り付いた。それって、私への当て付けだろうか?とても嫌な気分に陥った。
出来ない自分が悪いのかもしれないけれど、それでもこの間まで頑張ろう!と気持ちを切り替え始めていた矢先のことだったので、心が折れそうになった。
そんな私の心境など周囲は気にも留めず、茂木さんは新人さんに仕事を教える度にその飲み込みの良さに感激の声を上げる。
私は比べられている訳でもないのに、勝手にプレッシャーを感じてしまい苦しい。
やっぱり、辞めてしまおうか。というか、私が辞めそうだったから募集を掛けたのだろう。そして期待以上の新人が入ったのなら、もう私はお払い箱なのかもしれない。




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自営妻としての仕事

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「これ、住所録あるから宛名書いておいて。」


夫に渡された宅配伝票の束。
どうやらお中元の手配をするらしい。もう、商品は決められており、ただ宛先を記入するだけとなっていた。
パートのない日中。暇ではないけれど、空いた時間にテレビを観ながら記入作業。
黙々と、そして習字でも習っておけば良かったと思う程に拙い字。美文字に憧れる。

自分でも驚いたのが、夫にこの作業を頼まれたことが満更でもなかったのだ。
私も自営の妻としてこんな末端の仕事であっても携われることが嬉しく、そして夫も少しは私を認めているのでは?と感じた。
勿論、吉田さんがこの仕事をするのが筋ー給料を得ているのだからーだとは思うけれど、それでもいい。
彼女に私の存在を知らしめるいい機会だ。


ー本妻は私なのだーと。


本来の自分の文字は小さく頼りない。だが、彼女も目にするのだと思うと、意識的に大きく力強い字を書きたくなった。
それはまるで私らしくない文字だった。




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母との電話の消費カロリー

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「来なくていいわよ。感染させられたら洒落にならないわ。」


一応、実母にお盆のお伺いを立てたところ、そんな返しが返って来た。子が塾と部活で忙しい今年は、私一人でそっちに行くと伝えたらこう返して来た。本当のところどう思っているのか分からない。娘が娘なら、孫も孫で薄情者だと思っていることだろう。
表情は見えないけれど、どこか面白くなさそうな声色だった。
夫については華麗にスルー。なので、こちらからも特に話題に出さなかった。
夫も私の実家についてまるで興味が無いのか、様子を聞くことすらない。実家のない女と結婚したかのように振舞っているのだ。

夫と実母は犬猿の仲だ。


「あちらさんには行くの?」


そう聞かれ、行く予定なのについ嘘をつく。


「いや、行かない。こんなに感染数増えてるんだもん。行くことがむしろ非常識だってあの人も言ってて。」


決定権は夫にあるーと遠回しに伝える。母は、いくらか納得したように、


「そうよそうよ!こんな時にあちこち動いてる馬鹿いないわよ。あんたも、もっと涼しくなって感染者も減った頃、OOといらっしゃいよ。」


ーいや、今年は受験で厳しいんだよ・・


言いたい気持ちをぐっと堪えて、そうだねと呟いた。


「私もお父さんももう今年が最後かもしれないからね!いつぽっくりいったっておかしくはないんだから。これだって、最後の電話になるかもしれないわよ。」


威勢よく、まるで最後の兆しすら見えない口調で捲し立てた後、


「あ、そういえばあちらのお母さんはお元気?」


恐らく、一番聞きたかったことをようやく聞く。


「リハビリはしてるんだけどね。一進一退という感じかな。前みたいには無理だよね。お義父さんが介護しつつ、お義姉さんと二人で支えてるよ。」


「へえ、あんたは何もしなくて大丈夫なの?良かったわね!色々押し付けられなくて。でも、もうこれであっちの家はあんた達のものじゃなくなったってことね!あんた、本当になんの得にもならない長男と結婚したわね!笑っちゃう!!」


いくら腹を痛めて生んだ娘だといっても、こうズカズカと相手の心を踏み荒らしていいものなのだろうか?
いくら年を重ねても、損得勘定でしか生きられない母に哀れみすらおぼえる。


「まあ、あんた色々話したいことあるなら来てもいいわよ。」


喜々とした声に、イラっとする。どこからも上から目線で腹が立つのだ。


「仕事始めたし、また休みが分かったら連絡する。」


「え?仕事?また始めたの?ようやく掃除のおばさん辞めて今度は何?」


ースーパーの総菜・・


と言い掛けて、辞めた。これ以上感情をかき乱されたくなく、むしろこちらが優位に立ちたい気分になる。


「ま、また辞めるかもしれないし。落ち着いたら教えるよ。」


「あんた相変わらず秘密主義な子ね。何考えてるんだか、一体誰に似たんだか分からないわ。」


私だって、この偏屈な性格は誰に似たのか分からない。ただ一つ言えることは、あなたに産み育てられたという事実。
母は不満げに、しかしまだ諦めてはいないのか、


「まあ、来なくても来てもどっちでもいいわよ。」


歯切れの悪い台詞で電話を切った。電話をしただけで、げっそりする。年々、電話の後味は悪くなるばかりなのだ。




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夏バテ

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暑い、とにかく辛いし危険な暑さだ。
今日は、パートも休み。ゆっくり体を休めたい。
ただ、朝いつものように起きようと思ったのに、体が嘘のように動かなかった。
夫に起こされた。こんなこと、数年ぶりだ。
何とか起き上がり、夫と子の為に朝食を作ったけれど、味噌汁と目玉焼きが限界。
後は買い置きのサバ缶や納豆で我慢して貰った。

子は部活へ。この暑さの中、熱中症が心配だけれど、最後の大会を控えていることもあり張り切っている。
入部した頃は、いつまで続くのかと不安だったけれど、ある時からすっと部に馴染んだ我が子は私とは人種が違うのかもしれない。夫に似たのかもしれない。

全身が痛い。いつまで経っても、パート初日の翌日に衝撃を受けた全身筋肉痛が治らない。ふくらはぎもいくらは太くなった気がする。誰かにマッサージをして貰いたい。痛い場所は自分の手では届かない。そして、妙な動悸も昨日から度々している。

もうこんな時間だけれど、ようやく洗濯のスイッチを押した。というか、スイッチは夫に起こされてすぐに押したのに、水道の蛇口を開けていなかったのでそのまま回っていなかった。私のやる気スイッチも見当たらない。
今日は、贅沢にエアコンを丸一日付けようか。これくらいの贅沢、働いているのだし良しとしたい。




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社割で購入

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私がパートで夫が休みの日。
自営なので、定休日はあってないようなものだったり、またその逆も然り。
疲れ果てて昼過ぎに帰宅すると、夫は待ってましたと自室から出て来て、腹減ったアピール。
素麺でも自分で茹でて食べていてくれたらいいのに。


「素麺でいいよ。」


さすがの夫も、私がこの暑い中、仕事から帰って来て疲れているのは察しているのだろうけれど。それにしてももっと他に言い方はないのだろうか?
素麺でいいよーは、(本当は素麺は食べたくもないけど、素麺なら簡単に出来るだろう?手抜きでいいぞ。)そんな意味が含まれている気がしてならない。
素麺でいいよーと言われなくてもそうするつもりだった。ただ、それだけだと微妙なので、パート先の総菜(天ぷら数点)を買って来た。小林さんが朝から揚げていたそれを、客として食べてみたかったのだ。


「お。天ぷら付きか。」


ちょっと機嫌を良くした夫。そしてこの天ぷらは私のパート代からなんですけどーと言いたい。
汗だくのまま、手洗い消毒は済ませて、鍋いっぱいの湯を沸かす。沸騰したら、素麺を数束入れて湯がき、2分ちょっとでざるに揚げる。


「あっつ!」


湯が跳ねて、腕に飛んだ。汗がぶわっと更に噴き出す。水道の水でじゃぶじゃぶ麺を洗いぬめりを落とす。この作業すら面倒で、夫がいなければこうしてキッチンに立つこともないのにと思う。
二人、向かい合って昼飯を食べる。素麺を啜る音だけが響く。なんとなくテレビも点けているが、夫も私も観てはいない。


「これ、タダだった?」


夫が天ぷらを指して聞く。


「いや、自分で買ったけど。」


「社割は使えるの?」


「1割かな。」


「わざわざ買わなくても、失敗したもの貰えたらいいのにな。」


かき揚げにかぼちゃとレンコンとちくわの天ぷら。少し時間は経っていたし揚げたてではないけれど、それでも自分ではない誰かが作ってくれた料理は美味しい。
そして、この天ぷらは特に美味しい。
なぜなら、これを食べている間だけは、小林さんより優位に立っている気がするからだ。
彼女が汗水垂らして揚げた天ぷらを、私は金を支払い口にする。あくまでも客として。




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