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職場環境の不安

いよいよ新しい環境に飛び込む。
今から胃が痛い。
まだ初出勤まで日にちがあるのに、仕事用トートバッグには持って行くべきものがすべて準備され入っている。

そもそも、私は環境の変化に弱い。子どもの頃から。
うまく切り替えることが出来ないのだ。

そして、人間関係。これが一番のネック。
また、昼休憩を挟むこと。本当は、惣菜の時のように早朝から休憩なしの13時~14時上がりが理想なのだけれど。
初日は外に出られないことも踏まえて、弁当ないしパンを持って行こうと思う。
休憩室があるのか、外に出ても良いのか?ボスはいるのか?不安は尽きない。
仕事内容云々よりも先に、より一層心配なのだ。



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人生時計AM12:16

自分の生年月日を計算すると、人生時計は「12:16」だという。
自分の人生を、平均寿命まで生きると仮定した時、24時間のうち今が何時なのかが分かる計算式の答え。
私は現在、昼下がりでまどろんでいる頃ということだ。まだまだおやつの楽しみも、夕飯、そしてちょっと夜遊びなんて出来るかも。
ちなみに夫は14:34だった。
私と夫は3歳違い。だが、この計算式は男女平均寿命の違いから、同学年だったとしても年齢は変わるのだ。

女性の場合
女性の平均寿命87.45歳÷24時間=3.6(約)
年齢を3.6で割る
割って出た数字に「時」の単位を付ける
小数点第一位の数字に60を掛け、出た数字に「分」の単位を付ける

男性の場合
男性の平均寿命(約)81.41歳÷24時間=3.3(約)
年齢を3.3で割る
割って出た数字に「時」の単位を付ける
小数点第一位の数字に60を掛け、出た数字に「分」の単位を付ける

ふと、父の年齢をあてはめたら、24時ぴったりだった。
もしかしたらーと思ったら、ドンピシャ過ぎて複雑な気持ちになった。



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中学生の服選び

子が、新しい服が欲しいと言い出した。
ちょっと前に買ったのに、塾に着て行く服が無いと言うのだ。
塾代が家計を圧迫しているというのにー、子は夫からの言葉があまり響いていないようだ。
鈍感なのか、それともこれまで金銭面では直接的に苦労させていなかったからか。
夫は私に対して我慢は強いるけれど、我が子に対しては溺愛して甘やかしていたのだ。 そんな私の心を知ってか、


「これ、ネットで買いたい。安いよ。」


最近、友達同士でも流行っている海外ネット通販らしい。


「このスウェット、可愛くない?これ欲しい!」


デザインよりも価格を見てしまう。


「ほら、これ600円で買えるよ!」


嘘でしょう?と目を疑った。普段、子のお気に入りのティーン向けのショップでスウェットを買うとなると3000円はする。


「このアウター欲しいな。」


アウターも安い。アウターは去年まで着ていたものが古びて来たので買ってあげないとと思っていたので何よりだ。
そして靴。ついこの間買ったばかりのスニーカーより安く、またデザインも良い。もっと早くこのサイトを知っていれば良かった!
ただネットだと、決済は夫。カードだって夫の許可が要る。


「パパがお酒飲んでる時に頼んだら?多分、安いし買ってくれるかもね。」


服だけではなく、雑貨やキッチン用品なども低価格で売られており、しかもお洒落。
私も次のパートの給料が入ったら、と妄想ショッピングしてしまった。




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塾代を子どもに伝えるということ

「は?40万!?」

先日あった、塾の面談。そこで提示された冬期講習費用を夫に伝えると、耳が痛くなるくらいのリアクション。
私だって、目が丸くなる程驚いたのだ。

そもそも、夫の指示で変えた塾。義姉推しの有名塾だ。しかも、個別。高いだろうと思っていたが、ここまでとは。
しかし、少しだけ考えた後に夫は観念したような表情で、

「ま、OOの人生が掛かってるからな。しょうがない。」

振込用紙を手に自室へ行くのかと思いきや、子ども部屋に入って行った。
少ししてから部屋を出たので何を話したのかと聞くと、なんと子に冬期講習の費用を伝えたらしい。耳を疑った。


「ちょっとそれはプレッシャーになるんじゃ・・」


「いや、必要なプレッシャーだ。俺も覚悟を持って金を払うんだから、OOも覚悟を持って勉強しろってことだ。いつまでも子どもじゃないんだしな。」


夫の行動、それは昔の実母を思い出させた。私はすぐに塾を辞めたけれど、その間、何度もどれだけ月に掛かっているのかを聞かされた。

「あんたにこれだけ掛けてるんだから、次のテストでは結果出しなさいよ。皆、欲しいものあんたの為に我慢するんだから。」

それはとてつもないプレッシャーだった。そしてそれに耐え切れず、私は勉強することを放棄したのだ。そこからみるみるうちに成績は下がり、両親の期待を裏切り、私は大学進学を諦めた。


子が、私のようにならなければいいけれど。この時期、無駄にストレスを与えるのはマイナスにしかならないような気がするのだ。



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研修のあるパート

いよいよ新しいパートが始まる。
その前に、研修があると聞いた。それが今から憂鬱だ。
研修ってどんなことをするのだろうか?
時間だけ伝えられており、後は何の説明も受けていない。
工場だし、普通に作業内容を一通り教えてもらう研修なのか、それとも体育会系的なものなのか。

どうやら、入社するのは私だけではなく他にも数人いるらしい。それが救いだ。
だが、同時に同期入社は比較されるというデメリットもある。それがメリットになるというのは私には考えにくい。
自分よりも劣る人がいるとは思えないくらい、前回のパートで自己肯定感が下がっているのだ。

まだ仕事を始めてもいないのに、今からイメトレをしているのだから損したような気になる。
休みなのに心が休めない、そういう仕事でなければいい。


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新しい靴

「これ、買ったの?」

家計簿チェックをしていた夫が、レシートを手に私に問い掛けた。
運動靴に穴が空き、流石に雨の日に履くのもきついので新調した。もう、3年も履いていた靴だ。
探しに探し、人気メーカーのでもない普通の運動靴を買った。値段は、1980円。
これが、高いのか安いのか分からないけれど、自分の物を「家計」から計上したのは久しぶり。ちょっとした洋服や雑貨や身の回りの欲しいものは、虎の子から出していたのだ。
靴は、必要経費。私の頭の中ではそう思っていた。

「前に履いてたのは?」


「穴が空いてたから、もう捨てちゃって。」


「ふうん。」


何か言いたげな表情に、緊張感が走った。まだ履ける靴を捨てて、新しく買ったのだと思っているのかもしれない。
こんなことなら、証拠に残しておけば良かった。

「割引されてたの。」


これは、本当だ。値引き品を買う癖はここ最近の物価高によりいっそう色濃くなっている。聞かれもしないのに、値引きをアピールするのは罪悪感からだろうか?靴一足、夫の金から購入するのに罪悪感を感じてしまう。

「来月からまた仕事始めるし。壊れた靴履いてだと危険だし。パート代が入ったら、補填するね。」


「そうだな。」


結局、この台詞を夫は待っていたのかもしれない。お伺いを立てることが疲れる。やっぱり、専業主婦は肩身が狭い。
自分の持ち物くらいは自分で稼ぐ、今の世の中、当たり前のことなのかもしれないけれど。






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  • 2022/10/26

ヨガイベント

PTAのヨガイベント、無事に終了。
疲れたけれど、一仕事終えたことで達成感もある。
孤高の人は、やはり輝いて見えた。人生、楽しんでいるし、また自分の軸をブラさず我が道を行く姿勢が格好良い。
スタイルも、すこぶる良かった。

私も、Tシャツとスウェットで参加。
委員もヨガをした。身体がとても固く、今日は全身筋肉痛。
だが、思ったよりも心はリフレッシュしているのだ。

参加者は、思ったより少なかった。
ボスママやスネ夫ママがいたら嫌だなと思っていたら、来なかった。
来たのは、何となくの顔見知りだけれど挨拶する程ではない人達だったり、学年が違う親達。
皆、貴重な土曜を学校の任意のイベントで消費したくないのだろう。これが幼稚園や小学校だったら参加率ももっと高いのかもしれないけれど。


孤高の人は、しっかり宣伝をしていた。その場で申し込みをしている人達もおり、彼女にとってはPTAの仕事というよりも自身の営業活動といった感じ。羨ましい限りだ。
しかし、そんな立場を手に入れるまでには見えない努力があったのだと思う。付け焼刃ではない努力。
彼女は体育大学出身で、ダンスを始め、体操などは歴30年以上だという。もう、生活の一部なのだ。

飯田さんは、発熱したとかで欠席だった。
彼女が来ないことも、スムーズに当日を終える材料だったように思う。私も、正直ほっとした。
またあれこれあることないこと言われてとばっちりを受けたらたまったものではない。


身体を動かすことは、心を健康にする。
ちょっと、ヨガをしてみようかという気持ちになった。




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切ないラブストーリー

サイレントというドラマに出ている俳優の男の子を見た瞬間、稲妻が走った。
元彼かと思ったからだ。
背格好も横顔も、それに声も似ていて驚いた。

最近は、日々の忙しさに過去を懐かしむ余裕さえなかった。数年前は、元カレの奥さんのブログを暇さえあればチェックしていたのに、それがある日突然削除されてから、憑き物が落ちたように彼らへの執着は無くなったのだ。

どうやら話題のドラマらしく、子がリビングを占領して観ているので私も一緒になって観たらはまってしまった。
それは、ドラマの内容だけではない。元彼が出ているようだからなのと、もしかしたらーと淡い期待を持ってしまうからだ。

私も、ある日突然彼に振られたのだ。あんなに仲良しだったのに。本当に、ある日突然。
徐々に連絡が向こうから来なくなったことは確かで、こちらから掛けてもなんだか素っ気ないような気はしていた。
だが、思い当たる節は無かった。最後に二人で会ったのは、夏に差し掛かる前のまだ明るい夕飯時。軽く食事をして帰るでもなく、私はバイトだったのでそのまま手を振って別れた。
あの日だって、喧嘩もなければトラブルもないし、いつも通り彼は優しかったし、楽しい時間を過ごしていた。そこに、違和感は無かった。

電話一本だった。
一人になりたい、そう言われた。
頭を殴られたような衝撃が走り、言いたいことの半分も伝えられず、言葉は喉元で突っかかって、何を言ってもすべてが裏目に出そうだったし、もう彼の気持ちは固まっていて揺るがないことは、彼のことを熟知している私が一番良く分かっていた。


彼も、もしかしたら病気だったのかもー、私を不幸にさせたくないばかりについた嘘だったのかも。
ドラマの主人公と自分を都合良く重ね、そのストーリ―にどっぷりと浸かった。

「え。ママ、泣いてるの?」

子がドン引きした様子で私を見るが、それでも涙は止まらなかった。
彼にあんな風に言われて、そのままそれを素直に受け取り、追及することすら出来なかった。ただただ、時間薬に慰められるしかなかった。

彼の名前を検索する。いつも通り、同姓同名の医者の名前が出てくるだけだった。











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ワンランクダウン

子が、志望校をワンランク下げた。
模試の結果が悪かったから。
夫は、塾から返却のあったそれをチラリと眺めたが、特に感想は無い。一言。

「まだ諦めるのは早いんじゃないのか?」

夫が勧めている高校は、正直いって絶望的。合格率さえ出せない状態。

「体調が悪かったんだよな?」

子は、それには答えず部屋に入ってしまった。
もういい加減、子の能力の現実を知って欲しい。夫に伝えても、


「あなたはちゃんとした受験したことないでしょう?」

学の無い妻を小馬鹿にする発言が出るだけなのだ。


夫がいない時に、子にちらっと聞いてみた。本当はどうしたいのか?だが、本人も分かっていないようだった。
自分がどうしたらよいのか、やりたいこと、したいこと、なりたい自分・・

迷子の仔猫はいったいどこに行けばよいのだろう。
取り敢えず、夫には内緒でワンランク下げた。だが実際のところ、子の偏差値よりは高い学校なのだ。




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家事はマイナスからのゼロ

泊りだったこともあり、翌日昼には帰宅の夫。
すぐにシャワーを浴びると、昏々と自室で眠りこけていた。
疑惑を持ったまま、現状維持を続けること。火種に触れれば火傷をする。

夫に対して愛情はない。子の為、それに自分が生きて行く為に夫を利用しているのだと思えば、何の感情も湧かない。
そう言い聞かせる。

ふと、別居したいと思う。
生活費だけ貰って、夫は事務所で暮らせばいい。中途半端に目に入るから、面倒ごとも多く煩わしく思うのだ。

家事の大半は、夫がいることで発生する。子と私の女二人なら、食事の用意も片付けも、それに掃除洗濯だって負荷は少ない。
一口つけては新しいグラスを出すこともないし、タオルだって一回でびちょびちょになり新しいものに替える必要はない。弁当だって要らないし、品数だって少なく済むのだ。

家事は、マイナスからのゼロ。ゼロになったとしても、家族から見返りもなければ感謝もされない。なのに、マイナスだと文句を言われる。
積極的にマイナスにする家族が減れば、ストレスも最小限に抑えられるのだ。









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お泊り

昨夜、電車の停電騒ぎに巻き込まれた夫。
通勤ではなく、たまたま顧客と打ち合わせもあり出向いた帰りのことだった。

「今日、泊るわ。」

特に苛々した感じもなく、あっさり。なんだかな、という感じ。うっすら疑惑もよぎる。
本来の夫なら、こんな事態になれば、電話口からも分かる不機嫌なオーラを出すというのに。周囲が妙に静かなのも気になった。


「どこに泊るの?」」


「事務所に泊る。ここからなら歩いていけば一時間で着くし。」


ー吉田さんは一緒なの?


勿論、そんなことを聞くはずもないけれど。
事務所には、仕事が忙しく帰宅出来ない時の為に、着替えや洗面用具なども揃えてある。簡易的だけれど、ソファーがベッド代わりにもなる。一日くらい泊っても支障はない。
ただ、本当に事務所に泊まっているのだろうか?
ふと気になり、深夜に事務所に電話を掛けてみた。当たり前だけれど、誰も出ないし留守電になった。
そして、留守電の向こう側に二人の気配を感じずにはいられなかった。





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  • 2022/10/21

物価高、節約、疲労

疲れた。
やってもやっても終わらない家事。
なんで他人の弁当まで作らないとならないのか。
空っぽになった弁当箱には手紙のひとつ入っていることもない。
それに加えて、これまでクリーニングで済ませていたワイシャツのアイロンまでやることに。
節約、だそうだ。
パリッとしたシャツでないと気分が出ないと言っていた夫だけれど、この物価高でまた本来の細かさが再発。
水道代や電気代、ガス代に文句を言う。なぜ、日中は私一人しかいないのにこんなに高いのかと。
そんな時、子が最悪のタイミングで家族団欒の食事中に、

「そういえば、ママ、昨日電気つけっぱなしで買い物行ったでしょ?帰って来たら点いてたからいるのかと思った。」

最悪。
それからはご察しの通り、夫からねちねち小言。

ああ、疲れた。


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爆食スイッチON

爆食スイッチが入ってしまった。
数か月に何度か、そういう時期がある。チョコホリックやアルコール摂取についてもそうだけれど、今は酒より甘いものよりエネルギー補給。

昨日の食事内容は、まるで大食い選手権に出られるくらい。
天気も悪く、一歩も家から出ない一日だったから、昼過ぎからスイッチオン。
家族の朝食の残飯から始まり、夫と犬塚さんの弁当の残りもの。これを合わせれば、定食2人前くらいはあるだろう。
バランスの良い食事。
だが、やはりジャンクなものが欲しくなる。
+して、ラーメン。それに冷凍ストックのチキンナゲット6個。ケチャップとマスタードをたっぷりつけていただく。炭酸のコーラーをお供に。弁当を作るにあたって、冷凍食品を使った方が安いこともあると夫に言い聞かせて試してみたら、夫はうまいと喜んでいた。安いからうまいのか、それとも最近の冷食は優れているのか、どちらにせよ、あんなに嫌悪していた冷食を認めてくれたことは私にとっては有難い。
冷凍餃子も食べたい気がしたが、そうすれば絶対ビールが飲みたくなる。なので我慢した。酒スイッチまで入れてしまえば、もうこの日は主婦としての機能を果たせなくなる。

すべて平らげた後、体重計に乗った。当たり前だけれど、+2キロ増。そして朝にはかった体重がいつもより1キロ多かったので、実質3キロ増ということだ。
来月からまたげっそり痩せるだろう材料があるから、出来ることでもある。








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自称ひきこもり主婦は忙しい

孤高の人を講師としたヨガレッスンイベントを今月末に予定している。
そのお知らせを作成したメンバーが、孤高の人を△△さんとしていることに対し、飯田さんが△△先生とすべきだったのではないかと個別ラインを送って来た。
今更、である。
もうお知らせは先週配布済。我が家にも、子を通してそのお知らせは回って来た。配布前には委員長らもチェックしていたのだろうし、孤高の人からその件についてクレームを貰った訳でもない。

ー私だったら、なんかイヤよね。講師ってことになってるんだから、先生って呼ばれたいし。なんていうかさ、皆ちゃんとした仕事してたら気付くことよね。

飯田さんの仕事は、確か事務職だった気がする。事務職は確かに人気だし、そういった文書を作成することも多いのかもしれないけれど、やたらと周りの母親らを下に見るところがあり、それはついこの間まで惣菜パートしていた私のことだってそうなのだろう。副委員長はどこかの飲食店の調理補助パート、他のメンバーの仕事も、給食の配膳だとかクリーニングの受付だったり。

ーパソコンくらい、今時の小学生だって使えるよ。それに、いい大人なんだからちゃんとした文書作って欲しいよね。常識が無いっていうか。

しかし、彼女も正社員ではなくパートだった気がする。



ーでもさ、ちゃっかり宣伝もしてるよね。生徒募集中とか連絡先とかしっかりプリントに書かれてた。

前回の集まりの時、孤高の人が副委員長らと話しているのがちらっと耳に入った。オンラインレッスンから徐々に対面に切り替えており、だが以前の生徒さん達がなかなか戻って来てくれないのだとぼやいていた。そんなこともあり、生徒集客の狙いもあって、学校の企画するヨガレッスンイベントは、孤高の人にとってはもってこいの機会なのかもしれない。
そして、そのチャンスを逃す訳にはいかない。使えるものは使えの精神。

しまってあったお知らせを取り出し、もう一度眺めてみた。
確かに飯田さんの言う通り、生徒募集の部分が目立つ。飯田さんは、孤高の人が先生と書かれていないことよりもお知らせを宣伝に使っていることに対して腹を立てているようだった。


ーでも、今回のイベントがきっかけでヨガを始めたいって人もいると思うし、これはこれでいいんじゃないでしょうか?


また飯田さんの仲間というくくりで、私も同意していたという前置きで彼女が皆に意見したらたまらない。


私なりの感想を返すと、そこから既読になりぱったりと返事は返ってこなかった。どうやら面白くなかったらしい。
イベントまであともう少し。これが終われば、ひと段落。
来月からは新しいパートも始まる。

自称引きこもり主婦の私だけれど、子どもがいると引きこもってばかりはいられない。子育てにはどうしたってそれに付随する名もなき仕事が多くある。


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物価上昇とやり繰り費8万

物価が上がっていることで、買い物をする度にレジに打ち出される合計金額に眩暈を起こしそうになる。
頭の中での何となくの計算とそれがまだ一致しない。この状況に慣れる日は来るのだろうか?
夫から渡された、弁当代と作り置き代の1万円なんてとっくに無くなってしまった。月半ばにして既に、やり繰り費8万円の三分の二が消えているのだ。
パートが決まり、それを夫に伝えた。想像より早く決まったことに夫は驚いていたが、
 
「じゃあ、やり繰りで足が出たらあなたのパート代から出して下さいよ。」

月にたった数万にもならないだろうパート代から食費を補填しろということだ。これに対し、だが他所の家だってそんなものだと夫は言う。そしてシングルの吉田さんは全部を賄っているのだともう耳にタコが出来る程聞かされているそれをリピートして来るのだ。

勿論、足を使い頭を使い要領良くこなせば、夫から貰ったやり繰り費だけで対応出来るのかもしれない。
しかし、文句は言われるだろう。食卓の色取りの悪さやバランスの崩れ、その他嗜好品の我慢は家族にストレスを与える。

頭の中でぶつくさと文句を唱えながらも、きんぴらにほうれん草のお浸し、それに鶏手羽の照り焼きなど作り置きをキッチンで片付ける。既に何度か持って行った弁当だけれど、そういえば犬塚さんからの感想を聞かない。
ただ夫から、「明日もよろしく。」と言われるだけ。
感想を聞くのは怖い気もするが、反応が無いのは怖い。本当のところ、心の中ではどう思っているのか、小心者の私は気になって仕方がない。


 
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ランチと愚痴と心配ごと

実母とランチをして来た。
定期的にそういう時間を取らないと、ややこしいことになるからだ。
パートを再開すれば、またこうして会う時間もなくなってしまう。

バッチリ化粧をし、あちこちジュエリ―を付け、また買ったのか新しそうな服に身を纏い待ち合わせ場所に立つ母。
私を一目みて、お決まりの一言。


「あんた、また老けたんじゃない?」


娘をディスるのが趣味なのか?とさえ思えてくる。出だしからこの調子で、ランチまで持つかどうか。
いつものように、おんぶに抱っこ。店も私が選ばなくてはならない。勿論、母が満足するような店だから、ファミレスなんて論外。


「グラスが汚いのが嫌なのよ。」

どの飲食店も、多少は汚いだろう。だが、ピカピカに磨き上げられたグラスの水があるかないかで、その店のランクが分かるというのだ。そして、そんな店のランチは、お得といってもお一人様3000円程掛かる。
実は、先日作り置きを渡した際、義父がこっそりと小遣いをくれた。

「カズには言わんでいいから。とっておきなさい。」


受け取りを拒否したが、それを許さない力で押し返す義父。素直にいただいた方が角が立たないと受け取った。


「あなたも、ちょっとは自分を大事にな。」


こんな優しい言葉を掛けてくれる義父だったろうか?そして、そんな風にされるとまた力になりたいと思ってしまうのだ。人間というのはそういうものだ。


洒落た店で、コースのようなランチをいただいた。前菜とスープ、それにメインとデザート。
周りはやはり女性が多いけれど、皆、世代は違えど友達同士で来ているようなグループが多かった。


母は、いつものように体調のこと、父の世話のストレス、そして物価が上がったとか云々愚痴を一通り吐くと、弟の愚痴を言い出した。こんなことは初めてだ。


「あの子、女がいるっぽいのよ。最近、夜中に帰って来るし、珍しく仕事も真面目に行ってるし。」


夜中帰宅は置いておいて、仕事に真面目に行っているのは良いことではないか。いい加減、子離れして欲しい。やはり、男の子どもかいくつになっても可愛いものなのだろう。


「パチンコにも行ってないみたいね。でもどこかに出掛けてるし、聞くと嫌がるのよ。怪しいと思わない?」


「もういい大人なんだし、この年になっていい人に巡り合えたならいいんじゃないの?」

「あんた、馬鹿ね。この年だから騙されることだってあるのよ。ほら、覚えてる?私の昔のパート仲間の弟、55歳で女に騙されて貯金一千万持ってかれた話。」


まず、弟にそんな貯金なんてある訳ないのに、例え話に現実味が湧かない。
私はむしろ、弟がその女性を騙してはいないかと不安になった。裁判沙汰にでもなったら大変だ。

「はー、なんだか疲れる。もう悩むのは自分のことだけにしたいのに。」

ため息を付きながらも、ぺろりと最後のデザートまで平らげた母は、娘の心配などしていない様子だった。
せめて、今年受験を迎える孫の心配くらいしてくれてもいいのにーと残念な気持ちになった。

「ご馳走さま~」

間接的だが、義父のおごりだと知らない実母は、満足そうに店を出た。












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更年期と反抗期

仕事がうまくいかないのか、夫のイライラが酷い。
通常運転であっても、スイッチがひとたび入るとねちねちと嫌味を言って来たりする夫だけれど、今回の苛つきはまるで男のヒステリックだ。
狭い家の中を、バタバタとあっちへこっちへ行ったり来たり。そんな時にハンドソープの容器が空だったり、また頭につけるヘアワックスが切れていたりすると、さあ大変。

「あー!!ったくもう!!この野郎!」

誰に向けての言葉なのか。買い置きはしているが、事前に詰め替えていなかった私のせい?ワックスだって、買い置きが戸棚にあるのだから取り出せばいいだけのこと。そういうことも先回りして、私が定位置に置いておかなくてはならないの?
いつもなら、謝りながらそれを差し出すなんてことをしていたのだけれど、私は子の進学のことで夫にあんな風に言われたことを根に持っているし、なぜ私ばかりがこの家で我慢をしなくてはならないのかという気持ちが年々膨らんでいる事実。

そして我が子も。

「ちょっと、これちゃんお皿持って行って。」

食べた後の皿くらい、シンクに持って行って欲しい。だが、言うまでやらない。言えば言ったで、反抗的な態度。


「今やろうと思ってたところ!なのにうるさく言われるとやる気なくすから。」

寝起きも悪い。最近、夜中まで起きているのかスマホをするなといっても隠れてしているのか、遅刻するからと強めに身体を揺するとヒステリックな声をあげる。


「起きてるってば!!」

そして、前髪が決まらないとかでもたもたと準備に時間が掛かる。折角用意した朝ご飯も、一口食べて終了。
そんな毎日に、私って家族にとって何なのだろうと虚しくなるのだ。





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即採用の裏側

箱詰めパートの面接。
惣菜パートの時と同様、簡単な説明と、いつから来れて希望勤務曜日や時間を尋ねられて終了。
即採用だった。
嬉しいと思えたのはその一瞬だけで、具体的な勤務開始日が決まり、準備を考えるうちに、いよいよこのパートに応募したのは間違いではなかったか?と思い始めた。

面接官はスーツではなく、作業着の男性だった。ついさっきまで作業をしたついでにやって来たような、忙しい空気を体中に纏っていた。
早口で、こちらが彼の説明を受けて理解するのを待たずに次から次へと矢継ぎ早に説明。なんとかメモで大事な部分は残したけれどー例えば、直接の担当である彼の携帯番号とかー、こんな調子で仕事も教わることになるのかと思うと憂鬱な気持ちになった。


よせばいいのに、同じようなパート経験者のブログを読み漁ったり、それで前向きな気持ちになれるのならいいけれど、むしろ逆。
応募しなければ良かった、今ならまだ辞退出来るのでは?なんて自分勝手な感情が湧いている。

ネットで検索すれば、「工場パート」と打つと、それに反応するかのように「辛い」「きつい」「過酷」などというネガティブワード炸裂。
やってしまった感が否めない。
即採用の裏側にあるもの。それは・・言葉にすると現実になるような気がするので、いったん飲み込む。


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最低ラインは誰が決める?

志望校の調査票を学校に提出しなくてはならず、だが、この時期になってもこれという学校が定まっていない我が子。
本人が当初希望していた学校は偏差値が高過ぎて、いくら頑張ってもこれは無理だろうと思う程に難関。
塾を変えて、最初の面談でも希望は伝えたけれど、やはりプロの目からみてもやんわりと選び直した方がよいと勧められた。
それなのに、夫は現実を見てくれない。自分の血が流れている子だから、今は運が悪いだけと思い込んでいる。
いよいよ受験に関わる内申が出されても、いやまだ頑張れるだろうと首を傾げるのだ。
そして、一番初めに行きたがっていた難関校については、子によくよく聞くと、

「小学校の頃から、パパがここがいいって言ってたし。」

夫がいつの間に子を洗脳していたのだと知った。校風がいい、自由な学校だ、制服が可愛いなど諸々・・
学校説明会など非協力的だし、本当の我が子の現状を分かっていない夫。


「S高校はどうだ?まだあと3か月以上もあるんだし、もっと目標は高く持たないと。」

対し、子は不安げな顔を見せる。

「併願付けるんだし、そんな深刻にならなくてもいいんだよ。」


「やりたいこととか、例えば部活でもなんでも、楽しく過ごせそうなところがいいんじゃない?」

私が口を挟むと、あからさまに夫は嫌な顔をした。

「あなたは大学も行ってないんだから余計な口挟まないでくれよ。OOの将来が掛かってるんだから。高校選び間違えれば、行ける大学だって狭まるんだぞ。」

「でも、OOの気持ちを考えないと。」


「パパは分かってるよ。OOは出来る子なんだ。ちょっと今はまだエンジンが掛かってないだけ。親が自分の子ども信じなくてどうすんの?」


「勉強してくる・・・」


私達のやり取りにうんざりした子は、そのまま子ども部屋に籠ってしまった。


「S高校、ここが最低ラインだったんだけどな。」

ぼそっとつぶやく夫の横顔は、父親としてのそれとは遠く見えた。


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諭吉が飛んだ

持病の検査と診察、それに薬代で諭吉が飛んだ。
必要経費だし仕方がない出費だけれど、夫に何となく言い出し辛く、最後に振り込まれたパート代から出した。
病気にならないこと、これが一番の節約。分かっているけれど、持病は突然降りかかった病で事前に気を付けていたら掛からなかったものでもない。
生まれながらにして健康な人間はいるし、またその逆も然り。だが、普通に日常を過ごすことが出来るレベルの持病なのだから恵まれていると思わなくてはならない。

そんな矢先、先日応募した会社から連絡があり、面接を受けることになった。安堵した瞬間、なんだか行きたくない気持ちが湧く。箱詰めパートは単純作業でありながらも、昼休憩を挟むフルタイムなのだ。週3日~で土日祝休みという好条件の裏に、だが出勤日の拘束時間が長い。これがどう響くか、また、工場系の人間関係は最悪だとよく聞く。まだ面接を受けてもいないのに、次々とネガティブな情報が頭を駆け巡るのだ。


しかし、金を得るには何かを売らなければならない。時間と労力、そして精神力。
何かを生み出すということは、そういうことなのだ。



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無職は太る

無職を実感する連休明け。
外からは、出勤や通学を思わせる音が聞こえてくる。
私も少し前までは、その波の中にいたというのに。もう随分昔のことのよう。
夫と子を送り出せば、自由時間といきたいところ。連休といっても、主婦ならば休みなし。家事労働は年中無休なのだ。

義実家訪問の疲れもあり、今日は家でのんびりとゆっくりしたいところ。
しかし、持病の通院が入っておりげんなり。しかも、数か月に一度の検査もあるのでがっつり昼過ぎまで時間を取られる。

朝、体重をはかったら、なんと2,5キロも増えていた。ただ家にいるだけでここまで増えるとは。まだ退職してから何日も経っていないのに。ストレスで食欲もなく、だが立ち仕事だったのでエネルギーは使う。パートをしている時はガクンと痩せた。その分が戻っただけなのかもしれないけれど、胃も大きくなったような気がする。
気付けばしょっちゅうグーグー腹が鳴っている気がするし、また間食も増えてしまった。子の塾前の軽食にと買ったおやつなども無意識に口に運んでしまう。あと一つだけーといいつつも、気付けば空の袋が何袋もテーブルの上にあることなんてザラなのだ。




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義実家訪問

久しぶりの義実家訪問。
夫も子も一緒だ。三女と顔を合わせることが憂鬱だったけれど、留守だった。
それに、いつもなら長女や次女なども居合わせることが多いのに、皆、子どもの行事や自分の用事で集まれず、静かな訪問となった。

この日の為に、いくつものタッパーに作り置き。数日前に作ったものは冷凍したまま持って来たので、まだカチンコチン。
車で訪問出来たので、いつものように荷物の重さを気にせずあれこれ作れたのだ。
テーブルの上に置いたタッパーの数は、圧巻だった。


「これは、助かるな。」


義父も、嬉しそうにしていた。


「仕事は辞めたのかい?」


「はい、今探し中です。」


「カズが稼いでるんだから、わざわざ出る必要なんてないんじゃないか?まだ子育てだって終わってないんだし。」

義父は、何も分かっていない。息子は義父にとっては可愛い末っ子長男。そして、過大評価している。


「社長夫人がパートなんて、おかしい話だ。」

義父は声を立てて笑ったが、私も夫もそれにうまく返すことが出来なかった。
ここ何となく、夫の仕事がさほどうまくいっていないような気がしたし、社長とは名ばかりで、生活が潤った訳でもない。相変わらずやりくり費として渡される金は上がりもしないのに物価jは上がる一方。給与が上がっても嘆くリーマンの気持ちが分かる。

今朝、求人で工場の箱詰めのパートが時給1100円で出たので、家からも近いし応募してみた。何が魅力かって、惣菜パートのように土日出る必要がない。工場自体が土日に稼働していないらしく、完全休みだ。
子が部活を辞めて、また土日には家にいることが多くなる。受験生だし、精神面でのサポートを考えた時、やはり母親として家にいることが大切だと思ったのだ。


「仕事なんて、もっと先にすればいい。子育ては待ったが効かないんだから。」

義父は、孫の心配は勿論だが、自身のことが不安なのでは?と思ったりもする。いずれ介護要員になりそうな私に外に出て働いて貰いたくないのかもしれないと、つい斜めから見てしまう。

「今時、働いてない主婦なんていないから。」

夫が義父の言葉をばっさり切った。


「生活の為っていうかさ、家にいると頭使わないだろ?外に出た方が刺激になるんだよ。な?」


「そうなのか、確かにそうかもな。」


義父は少し考える素振りを見せた後、納得した。娘たちが好きな仕事をして、子どもがいる主婦であっても生き生きと過ごしていることを思い出したのだ。長女や次女は、確かに好きな仕事をしているし、生活に困って働いている訳でもない。
義父は、嫁である私も同様に、好きなことを仕事にしているのだと思い込んでいる。


「いつ帰るの?」


従姉妹もおらず、暇を持て余した子が私達に問い掛ける。ばあばもずっと寝ているし、この辛気臭い空気の中にいるのが子どもながらに耐えがたいのだろう。


「じゃ、また何かあったら言ってよ。」

夫もそそくさと帰り支度をする。父と息子、二人きりだと会話もままならない。いつもはかしまし娘三人に義母がいて、家族としての会話が成り立っていたのかもしれない。


後ろ髪を引かれるような思いで、義実家をあとにした。
















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家計のやり繰り

夫から渡された1万円。これで、今月の弁当を作れと言われた。にしても、夫と犬塚さん2人分×出勤日で考えると、多くみて一食あたり250円ということだ。この物価高の中、我が家の家計やり繰りだけでもてんてこ舞なのに、それに加えて弁当の予算も考えなくてはならないなんて。

夫は、吉田さんが弁当を持参し始めたことについて褒めていた。わっぱ弁当でまるで売り物のようだと言う。朝早くから、バイトに行く息子の分と自分の分を仕事前に作っていることに感心していた。

「彩りが綺麗なんだよ。花が入ってることもあるんだぜ。」

花?まるでインスタ映え弁当ではないか。夫に見せる為の。ちょいちょい女アピールしてくる彼女が鬱陶しかった。
それでも、夫経由で挑戦状を渡された気になる私は、激安スーパーで頭を使って購入した多くの食材で献立を考える。勿論、それと並行して義実家の作り置きも。ほぼほぼ義実家の作り置きを拝借して弁当に入れ込むことになるのだけれど。


百均で、使い捨ての弁当を入れる為のパックや割りばし、おかずカップなどを購入した。なかなか初期費用が掛かるのだけれど、これは会社の経費で落ちはしないのだろうか?我が家の家計から支出となるのはなんだか釈然としない。いくら夫の腹の中に入るといっても。


ネットで、料理メニューの検索をしては、求人の検索へと行ったり来たり。
まだ10月に入って間もないのに、疲れてしまう。

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新たな家事労働

夫からの要求、その①

ー弁当再開

その②

ー義実家への様子見

その③

ー11月には仕事を決めること


パートを辞めて、ほっとしたのも束の間。空白の時間は許さないといわんばかりに、夫から用事をいいつけられた。
まず、弁当作り。新たに仕事を始めてから、外食ばかりしていた夫。とうとう外の飯にも飽きたらしい。経費で落とすことも出来なくなったのか?最近の夫は少し苛々するようになった。仕事がうまくいかないのか、ため息ばかり。

「あなたも暇になったんだから、俺の弁当くらい作ってよ。あとさ、犬さんにも。」

共同経営者である犬塚さんにも、弁当を作れというのだ。彼はバツイチで家庭の味に飢えているという。だからといってなぜ?吉田さんが作ればいいのに。
それに加えて、再び義実家訪問の再開。義姉である三女に門前払いされたことを夫は気にしていないのか、息子として色々してやりたい気持ちを満足させるのに、嫁の私をこうして使うのだ。自分では何もしない癖に。

そうして、来月には仕事を決めろと無理を言う。このモラトリアムは一か月なのか。ならば、義実家のあれこれや他人に為に弁当を作るなんて面倒な仕事は抜きに自分の好きに過ごしたい。








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  • 2022/10/08

変わり果てた彼女

久しぶりに会う彼女は、画面越し。
挨拶よりも先に、驚きのあまりに声が出なかった。
あまりにも老け込んでしまった引っ越し前のママ友に、言葉を失う。

ーやっほー、元気だった?

そんな私の心中を知ってか、彼女の方から何でもない風に声をあげた。
気を取り直し、私も彼女の風貌など気にも掛けない風を装って、笑顔を作る。
イヤリングのことで合わせる顔もないけれど、ちょっと今は忘れたい。
互いに用意したおつまみとお酒。見せ合いながら、乾杯。

ー元気だった?

私達は、取り留めなくこの1年の空白を埋めるかのように会話した。互いの近況報告。
子ども達のこと、夫のこと、自分のこと。色々。
そして、彼女がそっけなかった理由が分かった。彼女は、病気を患っていたのだ。

ーなんで、言ってくれなかったの?

ーだって、心配掛けたら悪いかなって思って。でもね、もう大丈夫。

ー今まで頑張り過ぎたんだよ。休みなさいってことだよ。


個人事業としてハンドメイドの仕事や講師をこなし、また傍らで幼児英語教室の仕事もしていた彼女。ご主人は在宅ワークになり、色々とストレスもあったのだろう。そして、3人の子どものお世話。
ある時から電車に乗れなくなり、それでもだましだまし過ごして来たのだけれど、コップ満杯の水がある一滴で溢れてしまったことで限界を知ったのだと言う。
 
ーただの自律神経の乱れかと思ってたの。最近、生理も来なかったし。でもね、さすがに人の車に乗せて貰ってる時に死にそうなくらい心臓がバクバクして。あ、駄目かもって思った時はもう過呼吸みたいになって。そのまま病院行ったらすーっと治まって。そういうの、パニック障害って言うんだってね。聞いたことはあったけど、まさか自分がって。正直、自分には関係ない病気だと思ってたから。


彼女のような、社交性もありバイタリティもある女性が、まさかそんな病気になるなんて私すら信じられなかった。私のような人間こそ、罹りそうな病気なのに。

ーお酒とか、飲んで大丈夫?

ふと、服薬中ならアルコールはNGなのではないかと心配した。

ーのんあるだよん。

そうか、そうだよな。それを聞いて、ますます彼女の病気が真実味を帯び、なんだか悲しくなった。
ずっと元気だと思っていた人がそうでなくなること。当たり前の日常が当たり前じゃなくなること。それは、他人事ではない、私達の身近で起こり得ること、私自身にも起こり得ることなのだ。

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落としたイヤリング

引っ越し前のママ友から貰ったイヤリング。
悲しいかな、PTAの定例会に付けて行ったのが運の尽き。
なかなかお洒落して外に出る機会もなく、病院や子の学校くらい。なので、憂鬱なPTAの集まりに行くモチベーションを上げるべくそれを付けて気合を入れた。
定例会では、飯田さんもおり、親し気に私に話し掛けて来た。あの日から彼女は私と同じく孤立してしまったようだ。
それでもこうして定例会に出席するなんて、鋼メンタルだなと思う。

イベント前の最後の定例会は、当日の流れと持ち物くらいで終了。会が終われば、皆一様にガヤガヤとお喋りを弾ませる。孤高の人も副委員長らと楽し気に談笑していたが、すぐに、

「ごめん、夕方レッスン入ってるんだ。じゃーね。」

仕事なのか、バタバタと出て行ってしまった。


「ヨガとか、私達もやるなんてかったるいよね。」

いつの間に隣に来た飯田さんに話し掛けられ、愛想笑いを返す。そのまま流れで一緒に帰る羽目になり、自転車置き場へ。彼女も自転車で来ていたので、話しながら自転車を並列させて漕いだ。

小さな段があり、タイヤを乗り上げた瞬間、自転車がバウンドした。と、同時に、耳たぶから何かが落ちる感触がし、はっと地面を見ると、コロコロとイヤリングが落ちて転がっているのが見えた。急ブレーキを掛け、慌てて自転車を停める。

「え?どうしたの?」

「ちょっと、イヤリングを落としちゃって。」

「え?大丈夫?」


飯田さんも自転車を停め、一緒に探してくれた。しかし、落としたと思われる場所に引き返しても、見当たらない。
落ち葉もあちこち落ちていることで、それを払いよけながら探す。

「すみません、探して帰るので、お先にどうぞ。」


飯田さんに先に帰って貰いたいのでそう告げても、彼女は一緒にかがんで探すポーズを崩さない。一人で探した方が集中出来るし、手伝って貰うのは気が引けて、すぐに切り上げないとと気持ちばかりが焦る。すると、一番に定例会から出て来た私達なのに、道の後方に委員会メンバーがちらほらと目に入った。

「もう、いいです。諦めます。行きましょう。」

慌てて彼女に告げると、どこかほっとしたような顔で、


「いいの?残念だね。」


自転車にまたがった。そのまま道又で別れ、家に戻った。落とした時、もう一つのイヤリングはポケットに入れた。それを取り出し、もやもやが再発する。私の大切な友人が作ってくれたイヤリング。それを貰ってすぐに落とすなんて。

外も暗くなり、子の塾のお迎えを早め、再び落とした場所を遠回りして通った。携帯の明かりを点けてかがみながら探すけれど、見当たらない。人通りもそれなりにある道なので、行き交う人々の視線も気になる。

結局、30分程探したが見付からず。
心にぽっかりと穴が空いてしまった。









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追いやられて特等席

どっと疲れた進路説明会。
体育館に着くと、既にざわざわと母親達がお喋りしている様子が見て取れた。
遅れると席が選べないので、少し早めに。一番端っこ後方の席についた。

配布された資料に目を通す。
これから受験日までのスケジュールが月ごとに記されており、また、どの時期に何をしなくてはならないのかなど詳細が説明されており、塾でもそのような説明が夏前にあったなと思い返す。
学校の方が、情報は遅い。


入り口の方から、一段と騒がしい集団の声。スネ夫ママや素敵ママらがわいわいと入って来た。
直接かかわることも無くなったのに、それでもスネ夫ママの影に怯えてしまう。
そして、その声が近づく。

「ここ座ろうか~」

彼女達が私の周辺にやって来た。もうやめてくれと思う。そしてばつの悪いことに、彼女らのグループの一人が私がいるせいで近くに座れないという事態が起きた。


「いいよ、私あっち座るから!」

「え、ちょ、待って待って、どうしようか。私もそっち行こうか?」

ボスママがママ友の一人に声を掛ける。居たたまれない。私が移動すれば、彼女らは全員仲良しグループで席を確保出来るこの状況に、皆が私に注目しているような気さえして顔が真っ赤に染まる。


「どうする~?」

スネ夫ママの意地悪そうな声が聞こえた。私に向かっているような気がする。

勇気を出して、席を立つ。

「あ、すみませーん。」

誰か分からないけれど、恐らくひとりあぶれていたママの声。軽く会釈をし、そこから別の席に座るのも気まずいのでいったん行きたくもないトイレへ。
結局、私が戻る頃には良い席が空いておらず、真ん中の一番前という特等席。
しかし、まったく教師らの説明は頭に入って来なかった。






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憂鬱の後の楽しみを糧に

今日は、子の進路説明会だ。
パートもないし、出席しなくてはならない。
体育館での数時間が、とても憂鬱。スネ夫ママやボスママが視界に入るだけでも、気が重いのだ。
そして今週はPTAの集まりもある。
仕事をしている時は、そっちに気を取られていることもあり、学校行事がここまで憂鬱ではなかった。
しかし、一つ身軽になると、その軽くなった分だけ残りの荷物が重く感じてしまう。
我ながら、耐性が弱い。

もうすぐ引っ越し前のママ友とオンライン飲みがあるので、それを励みに頑張ろうと思う。
最後の給料も入るので、微々たる金だけれど、ささやかにお疲れ様会。ちょっとだけいつもより美味しいお酒とおつまみを買って、自分を労わろうと思う。





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ドロップアウトしたアラフィフ主婦

仕事に行かなくてもいいんだーという安堵感と開放感。
それに対して、虚無感と焦りが生じる。
分かってはいたけれど、無職になるのだ。

次を決めてから退職なんて、不器用な私には無理な話。
いったん空っぽにして、それから色々と考えよう。
そう思っていたものの、実際は時間だけが過ぎて行く。

日曜の求人広告も、ただ眺めるだけ。またゼロから飛び込むエネルギーはまだ充電されていない状況なのだ。
再びドロップアウトしてしまっアラフォー主婦。いや、もうアラフィフか。
さて、どうしよう。





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大好きな人と過ごす時間

わくわくする気持ちが抑えられない。

引っ越し前のママ友に、ラインで先日のお礼をしたら、久しぶりにライン電話で話そうよとなった。
あれから彼女も色々とあったらしく、その話をしたいらしい。
去年から、なんとなく疎遠になっていた彼女。こちらから何度かラインをしてもそっけない感じに、寂しさを感じつつも静観していた頃に届いたこの間の小包は、とびきり私を笑顔にさせた。

ーどうせなら、オンライン飲みしない?

彼女からの提案に、わくわくした。
お互いの都合のつく日時で調整。勿論、私は夫が不在の時。

彼女との空白の時間、私はてっきり嫌われたのかと思っていたけれど、どうやら彼女自身の問題だったらしい。それが分かっただけで晴れ晴れとした気分。

おつまみをどうしよう、飲み物はどうしよう。一人じゃなく、大好きな人と過ごす時間は何よりのおつまみだ。






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